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さっぽろ雪まつり開幕前日に北海道警察本部大通署管内で起こった、自動車窃盗事件、少女の家出、そして発砲事件。無関係に見える事件が、一年で一番賑わう札幌でひとつに収束し激化していく。虐待、不正、外国人労働者――佐伯たち刑事たちの執念は届くか? 警察小説の金字塔&大ベストセラー道警シリーズ、圧巻のタイムリミット・サスペンス!(解説 西上心太)
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Posted by ブクログ
気に入っているシリーズの新作というのは、「遠方の友人知人の消息を知る」という感じで愉しく読むのだが、本作もそういう例に漏れない作品で、とにかく大変に愉しかった。 作品の主な舞台は札幌である。多分、中央警察署がモデルと見受けられる大通警察署に、盗犯担当の佐伯刑事と部下の新宮刑事、少年課の女性警察官であ...続きを読むる小島刑事が在る。そして機動捜査隊に在る佐伯刑事の古くからの仲間である津久井刑事、更に津久井の上司である長正寺警部が居る。こういう人達が主要な作中人物である。 シリーズ初期の作品は、警察部内での厄介事が在って、そういう中で仲間達が密かに奮戦するというような内容だったが、次第に意外な展開を見せる事件を公式、非公式に手を携えて仲間達が解決に向けて奮闘するという感じの内容になって行っている。本作もその後者、幾つかの出来事が結び付いて行く中、仲間達が奮闘して事件を解決へ導くという体裁である。 冒頭、長万部駅の辺りで、用事で他地域に出掛けた女子高生の孫を迎えに出た男が、「煽り運転」のような乱暴な走り方をする車に戸惑いながら、「酷く訳アリ?」と見受けられる外国人らしい女性が列車に乗れるように駅へ送るという挿話が入っている。 それから数日後、札幌で<雪まつり>の開幕前日、所謂「前夜祭」となっている日に舞台が移る。 佐伯刑事と新宮刑事は、自動車の窃盗事件の現場に駆け付けていた。キーを付けてエンジンも停めずにコンビニに珈琲を買いに出た男が乗っていた、会社の車が盗まれてしまったのだという。自動車盗難事件として捜査に着手することとなった。 小島刑事は、過去の事件で知り合って、現在でも交流が在る人物から相談を受けた。釧路に住む知人の高校生の娘が家を飛び出し、釧路から夜行バスで札幌に出たらしい。おかしな事態にならないように保護しなければならない。保護者に、釧路の警察署に届けるように促し、小島刑事は高校生を探し出そうと活動を始めた。 津久井刑事は妙な通報を受けて現場に駆け付けていた。近くを通ったカーチェイスのような車をやり過ごすと、乗っていた車の様子がおかしいので停車すれば、何やら「弾痕?」のようなモノが在るというのだ。発砲事件らしい。そして関わった車というのが、佐伯刑事が対応しようとしていた盗難車である可能性が在るということになった。 主要劇中人物達が、各々の担当する事案に普通に関わろうとしているのだが、それが思いも掛けない「裏」を持っていて、やがて収斂する… 「雪まつり」が開幕しようかという慌ただしい感じ、賑わった感じの1日を背景に、思いも寄らない拡がりの在る事件が展開している。アップテンポに挿話が折り重ねられながら展開する物語だが、何か「映画…」のようで強く引き込まれてしまう… 個人的には、札幌の地名が出て来ると「あの辺…」と判るので、読んでいて情景が凄く思い浮かび易く、何となく力が入る。このシリーズとしては、雪が降り頻る場合も在るような時季を舞台にした例はこれまでに無かったと思う。本作は、雪が交る中、「雪まつり」の時季の風情が描き込まれていてなかなかに好い。 とにかく愉しい!!
北海道警察シリーズ第9弾 「さっぽろ雪祭り」が舞台です。 なんか、札幌の地理を知らないとよく理解できない(笑) 百合が追うのは少女の家出。 佐伯が追うのは自動車窃盗事件。 自動車窃盗事件は、発砲事件となり、事件は一つに収束していきます。 いつもの安定パターンでよいです(笑) そして、その裏側に...続きを読むあったのは外国人労働者問題。 ヤクザが絡むのね。 外国人研修生のパスポートを取り上げて、低賃金で働かせるという現実。 そこから脱出させようとする団体、阻止するヤクザ。 さらに、今回はヒットマン! さっぽろ雪まつりを舞台にいつものスピード感でした。 しかし、正直、前作のほうがエンターテイメントとして楽しめました。
佐々木譲の道警シリーズです。自動車窃盗犯を追う佐伯、発砲事件を起こした車両を追う津久井、釧路から家出して来た少女を札幌で保護しようとする百合。 それぞれが別の事件を追いながら、観光客でごった返す雪まつり会場へと舞台が移っていく。 背景に描かれるのは、外国人研修生への不正な扱い
北海道警シリーズ第九弾。外国人技能実習生絡みの話。背後の黒幕までは捜査が及ばず、少し物足りない。北海道警はこのメンバーしか働いていないのかと思ってしまうほど、相変わらず佐伯、新宮、小島、長生寺、津久井達がよく働く。佐伯と小島の関係、佐伯さんストイックすぎ。新宮の恋が実るよう期待。
道警シリーズ9作目 さっぽろ雪まつり前日から当日にかけて、窃盗、家出、発砲事件が重なり繋がり…さらに外国人労働者の問題も絡んでますます複雑な事件に 同時刻にそれぞれの事件を追う刑事たちの様子が組み合わさりながらどんどん進んでいくのでスピード感あり!(少々混乱することも) 佐伯さん、やはり優秀な方…昇...続きを読む進しないのかな?小島さんとは?家族のことも…と気になるところで終わってしまったな
さっぽろ雪まつり開幕前日に北海道警察本部大通署管内で起こった、自動車窃盗事件、少女の家出、そして発砲事件。 無関係に見える事件が、一年で一番賑わう札幌でひとつに収束し激化していく。 虐待、不正、外国人労働者──佐伯たち刑事らの執念は届くか?
久々の道警シリーズ。真夏に雪まつり舞台の警察シリーズ読むのは、ちょっと入りこめなかったが、安定の内容でした。
久し振りの道警シリーズ、9作目。 いつも北海道のイベントを絡ませながら描かれる話だが「さっぽろ雪まつり」はまだだったのね。 いつものように佐伯+新宮と小島と津久井がそれぞれ関わる事案(自動車窃盗事件、少女の家出、発砲事件)がひとつに収斂していく作り。 それぞれのじっくりした捜査・行動が雪まつり開催...続きを読む前日の短い時間の中に詰め込まれていて、札幌市内の通りや長万部、伊達などちゃんと場所を知らないところを地図で確認しながら読む。 今回も3つの話のつながりは分かり易いものの、それでも全てが大通り七丁目広場になだれ込んでいくところはなかなかのサスペンス。 前作の感想に『作者の熟練の捌きで進む物語のテンポやお馴染みの人間関係を楽しむのが、このシリーズの一番の興趣』と書いたのだけど、津久井は長正寺班の中心メンバーになり、新宮も一人前になり、佐伯と小島の間はどうしてああなってしまったのか…。 解説に、シリーズが十作で一区切りがつくのか、みたいなことが書いてあって、なんだかやきもきする。
佐々木譲の小説らしく、複数の事件が時の経過と共に重なっていくという構図で少々難しかった。札幌の土地勘があればさらに面白いと思った。
佐々木譲『雪に撃つ』ハルキ文庫。 道警シリーズの第9弾。 幾つかの事件が絡み合いながら、ストーリーは展開していくが、面白さには欠ける。展開が予想通りというか、仕掛けらしい仕掛けが見当たらないのだ。ちょっと残念。 過酷な労働を強いる職場から逃亡し、追われる2人のベトナム人技能実習生。義父による性...続きを読む的暴力から逃れるために家出した17歳の少女。さっぽろ雪まつり開幕の前日に白昼に発生した自動車窃盗事件。カーチェイスしながらの車の発砲事件。 外国人技能実習生と非正規雇用という安価な労働力に頼ることで日本の企業は本来の競争を失い、日本という国はどんどんダメになって行くように思う。 本体価格700円 ★★★
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