いいと思ったフレーズ
「国営メディアを使って、係争地の名前と気温を自国の天気予報として流し続けた国がある。そうすることで、国民はその土地を自分たちのものだと疑わなくなった」 「……天気予報なら、毎日やってるから覚えちゃうんだ」
「マーケティングの世界やとね、選挙は先に争点を設定できた側が勝つっ
...続きを読むてのが常識になってるんよ。投票するための判断基準を、自分で国民に提供してまう。そうすると、その基準を土台にして国民が考えてくれるようになる」
『愚者は自分を疑うことをしない』。後藤の確信には、ホセ・オルテガが大衆について書いた著作の一節が念頭にあった。愚者は疑わない。大衆は忘れやすい。その性質を考えれば、「警告」というものがいかに無力なのかがよく分かる。
無能の一言で充分説明できることに、悪意を見出すな」。
「どうって、マスコミはまたくだらねぇことを取り上げてんなと思ったけど」「そうだ。くだらないと思ったろ。保守党へのイメージは悪化したか?」「いや、別に」 そう返答してから、今井は後藤の意図に気づいた。確かにスキャンダルには違いないが、支持率に深刻な影響を与えるようなものではない。「視聴者には『マスコミはまた保守党の批判をしている』というイメージを持たせた上で、保守党には致命的なダメージを与えない。だから、ダメージコントロールだ」