あらすじ
大学生の陽輝の下に、ずっと連絡のとれなくなっていた兄から、突然荷物が届いた。荷物の中身は、見慣れない眼鏡型のデバイスとタブレット。説明によると、それは他人の検索履歴を見ることができるAR機器「ウィザードグラス」だった。なぜ兄はこんなものを自分の下に送ってきたのか。陽輝は次第に、ウィザード・グラスをめぐる予想外の事件へと巻き込まれていく――“1億総監視社会”の危険と希望を描き切り、巨大IT企業が個人情報を収集する現代へ警鐘を鳴らす。「プロパガンダゲーム」でデビューした著者による意欲作!
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Posted by ブクログ
最新のテクノロジーが出てくる時点で、個人的にはもう最高でした。ウィザードグラスを手にした主人公がどうなっていくのか……という本筋に、主人公の過去やドラマなどもきちんと織り交ぜられていて非常に納得感、満足感共に高い作品でした。
ただ、聞き慣れない単語がたくさん出てくるのでそこは少し難しいかもしれません。
Posted by ブクログ
今作も面白かった。ネット・リテラシーやらフェイクニュースに騙されるなやら色々と言うけれど、自分の望む正義や真実だけを選ぶことを促され、ことの真偽をどうやって見極めるのかその方法も定かではない。
本書で特に恐ろしかったのは、教授の痴漢冤罪事件。その場にいたとされる人が平然と「自分も見ていた」とネット上で発言すること。注目されたくて嘘を吐いた人はもちろん、本心から痴漢の瞬間を見たと思い込んでいる人もいるだろうことが恐ろしい。やっていないことを証明するのは難しい。
でもこの著者の作品は、小説らしく希望の持てる終わり方になっているのが良い。
Posted by ブクログ
プロパガンダゲームが面白かったので、同じ作者のこちらも読んでみました。
兄の失踪、GAFAの個人情報の搾取と、それを利用して無罪の人に罪を着せていくながれ、そのことを知っていることがばれて、組織に終われる身となる主人公。目まぐるしく展開が変わっていく感じが面白かった。
また、情報が取られ監視されてるというのは現実世界でもありえてる話しなのもリアリティがあって良かった。