無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
寺地はるなの本を読むのは三冊目。
『川のほとりに立つ者は』もすごくよかったけれど、こちらも私にとって久しぶりのヒット本。あっという間に読めてしまった。
安西の父が最悪すぎて(ちょっと悪者すぎないか、という節もあるけれど)、そんな中で自分の居場所を切り開いていく碧の姿が清々しく、元気づけられる。
こんなふうに安西を愛して、自分自身を頼みに生きていく碧がすごいと思った。こんなふうに逞しくなりたい。
自分も安西みたいに周囲に甘やかされているなあ⋯と胸がチクリとしてしまったところもあった。日々頑張るしかないけれど。
食べる、という基本的なことがこれほど大切に愛おしく描かれている小説もなかなかないと思う。
Posted by ブクログ
初っ端からダメ男みたいなん連続で出てきて、人間関係に振り回されながら自分を取り戻す、みたいなお馴染みの話かなぁと思ったら全然違った。
最初っから主人公は自分を生きてて、そのまっすぐさで自分とまわりをさらにあったかくするお話だった。
とにかく主人公の碧が魅力的だった。
採りたての蜂蜜をひと匙口にして、蜜蜂の一生を口にしたと感極まる感受性の豊かさや、
シリアスなシーンをユーモアを感じさせる言い方で表現しているのが、物事をポジティブに捉えてるようで好ましい。
「運が良かったんじゃないよ。その人たちと会えたのは偶然かもしれないけど、会えただけで終わらせなかったのは、それは碧が行動したからだよ。碧の良いところがその人たちに伝わったからだよ。全部、あんたが自分の手で勝ち取ったもんだよ」と言ってくれる友達がいるっていうこと、それ自体が碧の人間性を詳らかに表してる。
友達の真百合が碧のために彼氏の兄の胸ぐら掴んで説教するところ最高だった。
それと終盤のこの言葉がお気に入り。
「幸福も不幸も単なる人生のオプションと思ってる」
確かに、と思った。どっちかだけじゃダメだし、どっちかが常にあるわけでもない。
幸福ばっかの人生じゃ何が幸福かわからなくなるし、不幸があるから幸福が理解できて、逆も然りなのだと。
辛いことを乗り越える強さと、その経験からくる優しさを持ってるからこそ、碧は自分の軸をしっかり持って、優しくまわりを照らすことができるんだと思う。
誰かや何かに過剰な期待を寄せることなく、ブレずに自分を保てる軸を私も持ちたいと思った。
Posted by ブクログ
「びろうどの布のようにしっとりと黒い空から銀色の針に似た雨が降ってくる。」夜に振る雨をこんな風に美しい情景として表現できるなんて…。
この瞬間に入り込んでその情景を味わいたいとしばらく目を閉じ味わってしまった。
物語の序盤に出てきた、碧にとって心の支えとなっていた、自分が言われた言葉が浸透し、生きた言葉として自らから発せられたのを目にし、その裏にあった様々な出来事があってこそ言葉に命が宿るんだなぁという感覚になった。
誰かに委ねるのではなく、自らが動く。育てて関わりを育む中で自らが自分の居場所を自分で作っていく。
こんな風に作り上げていくっていいなぁと思うし、受け身で文句ばかり言うだけでなく、今ある状況の中で、自分自身がどう楽しみを見いだせるかという視点や生き方をしていきたい。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。