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カフェの店長として忙しく働く清瀬は、恋人の松木とすれ違いが続いている。関係がこじれた原因は彼の「隠し事」にあると思っていた。そんなある日、松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。入院中の松木の家を訪れ、彼が隠していたノートを見つけた清瀬は、すれ違いの「本当の理由」を知ることになり――。‶当たり前〟に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。 解説:瀧井朝世
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Posted by ブクログ
読みすすめて行く時 何度も 心がぎゅ とした。 165ページ まじめでがんばり屋。それは清瀬の長所だ。でもたまにその長所はそのまま、他人への狭量さという短所に変わってしまう。 いろいろ 気付かされた。 読み返したい。
自分が生活の中でふと思うことを書いてある。 日常の中で「〜であって欲しい」と思うことは多々転がっているのではないかとかんじた。
めちゃくちゃよかったです。人間味がすごく感じられて、言葉にできない学びがあったように思います。いい意味で、道徳の教科書に載っていそうな小説です。それにしては長すぎますが(笑) しかし、小説としては253ページと短く、3日間でサクッと読めました。読書を始めたてだ、なんて人にもおすすめできます。実際私も...続きを読む読書初心者で、こちらが4冊目でした。寺地はるなさんの小説はまだこれしか読んでいませんが、調べると好評の作品をたくさん書かれているようで。今後寺地さんの本を読むのが楽しみです。
忙しい仕事中にはなかなか難しい。ただ、家庭での接し方には、著しく、一過性にかもしれませんが、良い影響を与えてくれました。ちょうど苦しくて窒息しそうな時に読んだからか。
少しずつ読み進めていたけれど、終盤からの展開が面白くて一気に読み進めてしまった。 他者との関わりや障害への理解の難しさを掘り下げながら展開される物語。主人公が恋人の抱える秘密を追っていく過程は価値観の違いや共感・理解の難しさを丁寧に描いていると感じた。 発達障害への理解が広がった現代だからこそ、...続きを読む「知っている」ことで生まれる余計な配慮や先入観が、当事者を苦しめてしまう側面もあるのではないかと思う。
2023年の本屋大賞ノミネート作だったらしい。 どこらがそこまで良いのかはよくわからないけれど、私はなんとか読み終わったなぁという感想。松木くんが意識を取り戻すまでが長くて単調に感じられてしまったのと、樹くんが意識戻ったらしばらくして松木の意識が戻ったのが現実的ではないように感じたのと(医者なので仕...続きを読む方ない)、最初「清瀬」が男だと勘違いして読み進めて、え?婚約者?は??男同士で結婚?いや良いんだけど、そもそも唐突に恋人出てきたな、いや男性同士で誰もつっこまない世界??ってなって、あら女の人でしたかなんてやってたので、最初から物語に入れなかったためかと思われる。 女性男性名は分かりやすくして欲しいなと思った。 清瀬はオシャレなカフェの雇われ店長だが、3月のある日恋人の松木が喧嘩して倒れ、病院に運ばれた。喧嘩していた相手は小学校からの友達の樹で、ふたりとも意識不明のままだ。清瀬は最近、喧嘩をして松木と会っていなかった。なので、何が起こったのかわからない。 1月に遡る。松木は樹の恋についてきかされていた。樹の働く弁当屋に弁当を買いにくる天音さんに恋をしたらしい。近くの公園で会った時に、樹は文通して欲しいと天音に言われるが、樹は識字障害だった。樹は松木に字を教えて欲しいと頼まれる。 7月になっても松木は意識不明のままだった。清瀬は篠ちゃんとカフェに出かけた。刑事さんがやってくるというので、清瀬のうちに2人で帰る。実は殴りあっていたわけではなく、天音さんの同棲していた男に殴られていたことがわかった。そしてその男は清瀬の店に来て清瀬を同定していたことがわかる。気をつけてと刑事に言われるが、何を気をつければいいのだろう。
自分が見ている世界はほんの一部で、無意識の偏見や思い込みで誰かを傷つけているかもしれない、そんなハッとさせられる気付きをくれる作品でした。 「分かったつもりになること」の怖さと、相手を知ろうと言葉を重ねる大切さが静かに胸に迫ります。登場人物たちの不器用ながらも真摯な姿に、自分自身の他者との向き合い方...続きを読むを見つめ直したくなる一冊です。
怪我をして意識不明になった恋人の傷害事件の真相を探る話 なんと寺地さんのミステリー!自分は恋人の何を知っていたのだろう。周りの情報と松木パートの不一致で分かる認識の難しさ。誰かを慮る心を育むのもまた"育成ゲーム"光あるラストがさすがです 寺地さんは静かに絶望で囲むのが上手い。...続きを読むでもけして読者をそこに置き去りにしない。この絶望知ったなら引き換えにこんな希望を得られるのだと引き上げてくれる。もう虜である
登場人物全員に対して、いい事言うなぁ…って言う箇所が多々ありながらも、一方でイラっとする点も多々あり、何だか現実世界!というような話だった。菅井天音は私は許せないけれど、そう思うのは恵まれた側だからなのか。頑固な自分はラストを見届けてもなお、いやでも許せないけど?と、まだ思っています。そのほかの登場...続きを読む人物の行動やセリフにも、読後すごくすごく考えさせられる話でした。
親しいと感じている人のことでも、「よく考えてみたらこの人のことそんなに知らないな」と思うことがある。 大人になると殊更、過去や自分の事情については話す必要がないと思えばそんなに話さなくなるし、相手の過去や事情についても根掘り葉掘り聞くことはなくなる。 ふとした会話から「あ、そんな事情が」と思うことは...続きを読むあるけれど、だからと言って「知った」とも言い切れない。 主人公の清瀬(カフェ店長、アラサー)は、恋人の松木とすれ違いが続き、けして交際順調とは言えない関係になっていた。 ある日「松木が事故で重体だ」と連絡がくる。 友人の岩井と揉み合いになった挙句、歩道橋の階段から落ちたらしい、とのこと。 清瀬が戸惑いながらも事に対応していくなかで、松木が書き残していた日記のようなものが書かれたノートを発見する。 それを読んだ清瀬は、「知ったつもりになっていて、松木のことを何も知らなかった」と思う。 人を理解するとは?がテーマの小説なのだと思う。交際していたり、一緒に暮らしていたり、会話をしたり体の関係があったところで、それが「相手を理解している」ことには繋がらない。 「相手を知ろうとすること」がまず前提にあって、たとえば前のめりになって相手の話を聞いても、理解しきることはできない。その人自身になれないのだから。 だからこそ、傲慢にならず、決めつけず、わかった気にならず、「自分は何も知らない」ということを認めた上で関わっていく必要があるのだと思う。 話中の印象的な一節「川のほとりに立つ者は、水底にある石の数を知り得ない」 立って見ているだけでは、その中身までは見えないしわからない。傍観者ではなく、直接関わっていく立場にならなくては。 事故が起きたことによって、清瀬は松木を知っていく。松木本人との会話ではなく、松木が書いたノートの言葉や、周りの人の証言によって。 それは清瀬が「松木に関わっていく」ことを決めた証拠で、そのなかで静かに確実に2人の関係性は変化していく。 清瀬が店長を務めるカフェの従業員、品川との関係性も見どころ。品川は発達障害を抱えていて、自身もそれを自覚している。 仕事が出来るとは言い難い品川のことを、清瀬は初め「出来ない人、厄介な人」というラベルを貼って接する。 だけど松木が事故に遭ったことにより、その考え方や接し方にも変化が表れる。 人のことを決めつけずラベル貼りもせず接するって、なかなか難しいことなのだと思う。ひとつの出来事だけで決めつけたり、「この人はこういう人だ」という前提を無意識に自分に植え付けていたりする。 「知ろうとすること」だけで解決することではないけれど、まずスタートにそれがなければラベルは剥がせない。 関わることによって、知り得なかった相手の一面が見えてきたりする。「理解すること」は途方もないけど、関わることがその第一歩なのだと思う。
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