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大阪の心斎橋からほど近いエリアにある「空堀商店街」。そこには、兄妹二人が営むガラス工房があった。兄の道は幼い頃から落ち着きがなく、コミュニケーションが苦手で、「みんな」に協調したり、他人の気持ちに共感したりすることができない。妹の羽衣子は、道とは対照的に、コミュニケーションが得意で何事もそつなくこなせるが、突出した「何か」がなく、自分の個性を見つけられずにいる。正反対の性格である二人は互いに苦手意識を抱いていて、祖父の遺言で共に工房を引き継ぐことになってからも、衝突が絶えなかった。そんなガラス工房に、ある客からの変わった依頼が舞い込む。それは、「ガラスの骨壺が欲しい」というもので――。『水を縫う』『大人は泣かないと思っていた』の寺地はるなが放つ、新たな感動作! 相容れない兄妹ふたりが過ごした、愛おしい10年間を描く傑作長編。
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Posted by ブクログ
ソノガラス工房で働く兄と妹、道と羽衣子の 20年にわたる物語。同じ時期の出来事と思いが道と羽衣子、それぞれの立場から語られる。
多分発達障がいであろう道の特別感を羨む羽衣子の気持ちが、共に仕事をするようになってから起きる出来事で変わっていく。道は、具体的に言われないとわからない自分から少しずつ変わっていく。
2人の祖父の死でお互いの気持ちをぶつけ合ったところから徐々にお互いを認めあうようになるのだが、大切な人の死を受けいれていくのに、頑張って前を向く必要はないという言葉。力をもらえた。「泣かないでとか、いつまでも泣くなとか言うのは弱いから。泣いているのを受け止める体力がないから。」道の言葉がとても響いた。誰1人として同じ人はいないのだから、普通とか特別とかはないという道の言葉もすとんと心に入っていった。
大切な人の死を経験して、初めてわかることは本当に多い。それぞれのやり方で自分を慰めればいいと言ってもらえた気がした。ガラスの骨壺は、とても素敵だと思う。忘れたくなくても忘れてしまうのが人なのだけれど、忘れたくないという思いを大切に生きていきたいなと思った。
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