カレーの時間

カレーの時間

880円 (税込)

4pt

ふたつの時代をカレーがつなぐ
心にしみる“からうま”な物語

偏屈な祖父と二人で暮らすことになってしまった孫息子・桐矢。
昭和の高度成長期にレトルトカレーの営業マンとして働き、カレーを囲む時間だけは打ち解ける祖父が、半世紀の間、抱えてきた秘密とは――。
生きることのままならなさと愛おしさを描く、スパイシーな味わいの傑作小説。

【感動の声、続々!】

「ひとの持つどうしようもなさ、そこから生まれる愛おしさ。味わい深く余韻ある作品!」
――町田そのこさん

「あの時代を生きてきた祖父と、この時代を生きている僕。どうしようもない噛み合わなさと、どう向き合うか。
いま必要なテーマをじっくり煮込んだ、これぞテラチ風味の極うま長篇」
――瀧井朝世さん

「時を追って進む回想は、それまでただの頑固ジジイだった義景の人物像を、立体的に生々しく浮き上がらせてみせる。
なぜ自分の考えを押しつけるのか、なぜカレーを食べている時だけは幸せそうなのか、なぜ強いことを無条件に善だと考えるのか。
理不尽にも見えた義景の言動が、一人の人間の生きた証として胸に迫ってくるのだ」
――北大路公子さん(解説より)

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カレーの時間 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    カレーが時代を超えて、人の生涯を支えてきたような、寄り添ってきたような物語だった。なんとも今の時代に明らかにそぐわない発言、行動をする祖父。だが、その祖父にも今まで生きてきた時間があり、それが祖父をつくっている。祖父の思いや価値観の形成を感じられて、納得はせずとも共感した。桐矢の感性が、好きだった。

    0
    2025年11月09日

    Posted by ブクログ

    いろいろと厄介な父を、娘たちは持て余している。
    83歳で一人暮らししているのも気になり、唯一男である孫の桐矢に、実家を出て祖父との同居を提案する。

    穏やかでおしゃれな祖父とカレー屋さんでもやる、ほのぼのしたお話かと思ったらまるで違いますよ、そこのあなた。
    とっても素晴らしい、昭和の家族のお話だった

    0
    2025年11月03日

    Posted by ブクログ

    草食/控えめ/令和男子
    肉食/押せ押せ/昭和のおじい

    犬と猿、ハブとマングース、レバーとミョウガのような組み合わせの祖父と孫の同居生活。

    戦争が終わったのが1945年。
    その年に生まれたとして、今80歳。
    生まれたときとの環境の差を考えると
    あまりに違いを感じて眩暈がする。

    とはいうものの、

    0
    2025年10月26日

    Posted by ブクログ

    大阪ならではのラリーのようにテンポよく続く会話、所々に入るツッコミ、そのやり取りが面白すぎて夢中で読んだ。

    じいちゃんが無茶苦茶すぎてただの老害にしか思えなかった、最初。
    時代錯誤だし、男尊女卑ひどいし、頑固すぎるし、そりゃあ実の娘やら孫にも嫌われるよねぇ、と。
    しかし章が進むにつれ在りし日のじい

    0
    2025年09月23日

    Posted by ブクログ

    戦後を生き抜いた1人の男(頑固じいさん)の生き様を孫息子中心に描かれていて、その中でキーとなるのがレトルトカレーである。
    おじいちゃんの思い、娘たちの思い、孫たちの思い、それぞれがうまく交わらないけど孫息子と暮らす中でそれぞれの距離が少し縮まったような気がします。
    人間関係はうまくいかないことが多い

    0
    2025年09月11日

    Posted by ブクログ

    いつのまにか自分の祖父と重ね合わせて入り込んで読んでいたこともあり、終章でブワっと涙が溢れた。悲しいんじゃなくて、すごく温かくて泣けた。

    私の祖父も、ろくに話を聞かなかったり、決めつけたりする人。私や両親は、それを面倒に感じるけど、祖父なりの寂しさとか、生きてきた時代の正しさとか、色々ななものが入

    0
    2025年08月17日

    Posted by ブクログ

    寺地はるなさんの本は20冊目。
    思ったより読んでいた…。
    作品の中でも分厚めな本作。

    序盤では、このおじいさんのこと…どうしよう…好きになれるかなと不安がよぎりました。
    でも読み進めるうちになんかそういうことじゃないかも、となんか溶けていった。

    今の令和の時代から言うと価値観が古い固まったおじい

    0
    2025年11月16日

    Posted by ブクログ

    家族から疎まれる偏屈な祖父と同居することになったお話。

    こういうハートフルな話って個人的には正直そこまでお話として面白くはなかったりという印象を持つことが多いんですが思ったよりも楽しめました。なんだろうな?主な登場人物たち、義景桐矢をはじめとした小山田家まわり、がみんな善人でもあるけどあまり好きに

    0
    2025年11月14日

    Posted by ブクログ

    83歳の祖父は絵に描いたような男尊女卑、高圧的で頑固で粗暴で、不器用。
    そんな祖父を苦手に思う25歳の孫 桐矢は潔癖気味、神経質で優柔不断、そして不器用。
    性格も価値観も全く異なる二人の同居生活が始まる。

    初っ端の祖父 義景さんの登場があまりにも強烈すぎてダメージを食らい心折れそうになったけど、戦

    0
    2025年11月03日

    Posted by ブクログ

    あー⋯この祖父みたいな人、私も苦手だし嫌いだし関わりたくない。

    でもそんな祖父にも経験して積み重ねてきたものがあって、いろんな気持ちもあって。
    善人でもないけど、悪人でもないってことも分かってくる。

    知ったからと言って、受け入れられるわけでも好きになれるわけでもないけど。それでいいんだと思う。

    0
    2025年10月31日

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