雨夜の星たち

雨夜の星たち

847円 (税込)

4pt

「主人公が少しだけ他人と心を通わす様が、
わざとらしくなく無理がなくて、好きです。」
――沖田修一(映画監督)

できないことは、できません。
やりたくないことも、やりません。

他人に感情移入できない26歳の三葉雨音は、
それを長所と見込まれ、お年寄りの病院送迎や
お見舞い代行の「しごと」をはじめる。
聞き上手な80代セツ子、
手術の付き添いを希望する40代の好美など
依頼人は様々。空気を読まない三葉だが、
行動に変化がみられていく――。
めんどうだけど気になる三葉から
目が離せない。
解説:沖田修一


【著者からのコメント】
「雨夜の星」は目に見えません。
でもたしかにそこにあります。
空気を読むという言葉があります。
空気は目に見えません。
見えないけれどそこにあるものは、
良いものとはかぎりません。
その場の空気を読むことばかりに心を砕き、
いつのまにか決定的に間違った方向へ
進んでいくことだってあるのです。
空気は読むって、そんなに良いことなんでしょうか?
そんなことを思いながら書きました。

【主な登場人物】
◆三葉雨音 26歳。職業はお見舞い代行。
他人に興味がない。
◆霧島開 三葉の雇い主。
喫茶店の店主で、ホットケーキが苦手。
◆リルカ スナックで働く、
感情豊かで共感能力が高い霧島の彼女。
◆星崎聡司 三葉の元同僚。
湯気の立つ食べものが苦手。失踪中。

【依頼人たち】
◆田島セツ子 病院への送迎。聞き上手な80代。
◆権藤 肝臓の病気で入院中の70代。
因縁の相手。
◆清川好美 手術の付き添い。
配偶者なしの42歳。

日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞、
SPURほか各メディアで紹介されました!
(2021年単行本刊行時)

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雨夜の星たち のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    特に後半は、感じていた生きづらさを言語化してもらった。不器用な人ほど、他人に興味があったり、人のことを考えていたりするのだろうか。
    世間的に良しとされる行動を「良い行い」と思い、何も疑問に持たないことが一番こわい気がする。
    自分にも他人にもフラットに、そして正直にいきていきたい。それがなかなか難しい

    0
    2025年10月03日

    Posted by ブクログ

    他人と関わらずに空気読めとか気がきかないとか方向性が間違ってるとか言われ続けてきた私にはなかなかつらい。

    私も三葉のように生きたい。全部じゃないけど、と解説の監督が書いた言葉に共感。

    0
    2025年05月26日

    Posted by ブクログ

    好きじゃなくても良い。好かれなくても良いってなんて甘美なんだろうか。
    甘美に感じるのは、私はすぐ好きになって、全員に好かれたいから。全員に好かれたいはちょっと違うかも。丁度良い塩梅に思われてたい。だからと行って三葉姉みたいに努力も出来ないから、中途半端にニコニコし、距離をとる。距離をとるのは、近く無

    0
    2025年05月24日

    Posted by ブクログ

    思いの外スピードで読み終えた今季初ブルペン151キロの大谷的な速いって 雨音のハッキリとした判断基準っていいな、本当は間違ってる事を相手に伝えないとダメなのに嫌われたくない波風立てない=それを優しさと勘違いした自分はヘタレでしかない。雨音に対する登場人物を見て世の中色々いるなと改めて思うし勉強になり

    0
    2025年02月17日

    Posted by ブクログ

    背表紙の帯の「合わせないとダメですか?」に惹かれて買った本。
    三葉は私の根っこの部分でいつも燻っている気持ちを揺さぶる主人公だった。

    人はみんな違う。感じ方も受け取り方も、違う。
    環境が違えば常識も違う。でも、共感や言わなくてもわかる、を求めてしまう人のなんと多いことか。
    それができない人や自分が

    0
    2024年10月13日

    Posted by ブクログ

    三葉雨音は、本当に空気が読めないのだろうか。常識や暗黙の了解が分からないのだろうか。途中からそんなことを考えながら読んだ。

    三葉の生き方を「楽をしている」と言った人もいたけれど、三葉は三葉でお酒を飲むことで“いろんなものの輪郭を曖昧に”することで保っている。それは「楽」ではないからではないのか。

    0
    2024年09月22日

    Posted by ブクログ

    Audibleと、積ん読本の併用(笑)
    お見舞い、病院付き添い代行。
    こんな仕事いるよな。このお話はコロナ禍だったりするから尚更。


    「他人に感情移入しない」と言われる主人公。最初、正直羨ましかった。
    それは移入してくる人が苦手だから、なのに移入もしてしまう自身も嫌だから。
    基本、本当に人なんて解

    0
    2025年11月16日

    Posted by ブクログ

    「できないことは、できません。やりたくないことも、やりません」を貫き、普通はこうするとか、常識的には公でしょ、みたいな明確に言葉にされないことにも従わない。そんな主人公に感情移入できるかでこの小説の評価は変わってくると思います。私はこの主人公が気に入りましたし、一気に読んでしまいました。

    0
    2025年10月18日

    Posted by ブクログ

    これは哲学。
    最初の方は何が面白いのかわからず寝落ちしてしまうことも。100ページくらい読んでなんとなくエンジンがかかった。みんな気を使いすぎ。私も配慮を求める方なので読んでてハッとすることがたくさんあった。

    0
    2025年10月10日

    Posted by ブクログ

    人に感情移入しない、はっきり出来ないことはできない。という女性がお見舞い代行というしごとをする事によっての移り変わりを見れました。
    自分の気持ちを素直に出す、それで生きていくってかなり素敵な事であり、なかなかできない事ですよね。
    生きづらいだろうなって思ってもそれを三葉はそう思わせない、そんな人から

    0
    2025年10月01日

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