【感想・ネタバレ】川のほとりに立つ者はのレビュー

あらすじ

カフェの店長として忙しく働く清瀬は、恋人の松木とすれ違いが続いている。関係がこじれた原因は彼の「隠し事」にあると思っていた。そんなある日、松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。入院中の松木の家を訪れ、彼が隠していたノートを見つけた清瀬は、すれ違いの「本当の理由」を知ることになり――。‶当たり前〟に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。
解説:瀧井朝世

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感情タグBEST3

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人間誰しも人には見せないいろんな感情があって、どれを拾い上げるかは自分次第だと思う。

自分の大切にしたいものや人のために持ち出したいもの、誰かのために隠したいもの

すべてが愛おしくて美しい心の動きになる。

他人の感情を100%理解できることはないし、する必要もないと思う

けど、その人がどうしてその感情になったのか


どのような心の動きをしているのか想像して寄り添うことはきっとできる

川の底にある石を覗きに行くことはとても怖くて思わず足を止めてしまうことだし

拾い上げられるか、はたまた流されるか

結果はどうなるかは全くわからない

けど、川に飛び込む勇気と愛情はこの世で1番きれいでかわいらしい、あたたかい感情なのだと思う。

その勇気と愛情を常に持って生きていくことはすごく大変で難しいことだけど、そういう人間になりたいと思うし、自分ならきっとなれると信じている。

優しさに溢れたこの本を、いつまでも心に宿しておきたい。

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2026年09月06日

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ネタバレ


また時間をあけて読み返したいと思う作品。

『川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない』

目に見えるものが全てではないし、差し伸べられた手を
とって感謝されることも当たり前ではない。
それでもその人の明日がよい日になればと
祈ることはできる。

自分の恵まれた環境や立ち位置は決して当たり前ではなくて
偶然の上に成り立っていること。
これはこれからの人生で忘れてはいけないなと思いました。

人との寄り添い方を教えてくれるそんな一冊でした。

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2026年08月10日

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読みすすめて行く時 何度も 心がぎゅ とした。
165ページ 
まじめでがんばり屋。それは清瀬の長所だ。でもたまにその長所はそのまま、他人への狭量さという短所に変わってしまう。
いろいろ 気付かされた。

読み返したい。

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2026年07月11日

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自分が生活の中でふと思うことを書いてある。
日常の中で「〜であって欲しい」と思うことは多々転がっているのではないかとかんじた。

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2026年06月08日

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めちゃくちゃよかったです。人間味がすごく感じられて、言葉にできない学びがあったように思います。いい意味で、道徳の教科書に載っていそうな小説です。それにしては長すぎますが(笑)
しかし、小説としては253ページと短く、3日間でサクッと読めました。読書を始めたてだ、なんて人にもおすすめできます。実際私も読書初心者で、こちらが4冊目でした。寺地はるなさんの小説はまだこれしか読んでいませんが、調べると好評の作品をたくさん書かれているようで。今後寺地さんの本を読むのが楽しみです。

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2026年05月26日

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忙しい仕事中にはなかなか難しい。ただ、家庭での接し方には、著しく、一過性にかもしれませんが、良い影響を与えてくれました。ちょうど苦しくて窒息しそうな時に読んだからか。

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2026年05月20日

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ネタバレ

あたたかいけれど、残酷な現実を改めて見つめ直させられる感じ。とても新しい、答えが出ないタイプの作品だった。物語だからといってなんでもかんでもうまくいくように作られる作品も多いけれど、現実はそうじゃない。自分自身も知らぬ間に偏見を抱きつつ、人に接していたのかもなと考えさせられた。私も、清瀬と同じように心のどこかでは、手を差し伸べられた人は素直に受け入れるべきだと決めつけてしまっていたと思う。

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2026年04月25日

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読もう読もうと思いつつ、積読化していた本。なにげなく目を通したら引き込まれて、ああ今だなと思って読んだ。

“「無知」という罪”。
まずは知ることから、とかよく言うけれど、知ればいいのかというとそうではない。人の事情を知ることには責任が伴うと思う。知ったうえでどうするか。その問題をどう扱うかということはとても難しい。

ディスクレシアにADHD、家族との不和や過酷な生育環境。ディスクレシアなんて、私も子どもの頃は知らなかった。
自分の基準だけで生きていると、思いもよらないようなこと、知らないことが意外にもすぐそばにあったりする。

自分がたまたま恵まれていただけ。運がよかっただけ。それを忘れて、もしくは気づかずに、平然と相手を決めつけて裁いてしまう無神経さと傲慢さ。過去を振り返って、自分には心当たりがないと言いきれるか。たしかに無知は怖い。

けれど、知ったつもりになることもまた怖い。

そしてもう一つ、“せっかく助けてやっているのに”というこれまた傲慢さ。人を助けるときに優位性を感じてはいないか、対等な関係でいられるか。

先入観を完全になくすのは難しいけど、目の前の相手個人をしっかり見ること。一対一で向き合って知ろうとすること。心がけたいけど、自分の心に余裕がないと疎かになりがちな気がする。

知ったところで何もできないことも多いけど、そのままを受け入れることができるようでありたいな〜。とはいえ、受け入れられないのであれば距離をとるのもまた自衛なのかもな。

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2026年10月06日

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苦しくて 痛くて
ズシリと重たいお話だった

とても考えさせられた
私は…どうなんだろう。と
思い込みと自分勝手な解釈で
相手を傷つけていた事はないか?
こうあるべき。これが普通。
そういう意識で強要してこなかったか…

頭では理解して 手を差し伸べても
それは はたして正しかったか?
自己満足や分かったつもりの
押し付けではなかったか?
傷付けたりしてないか?
すごく すごく考えて
読みながら苦しくなった

とても理解出来ないような人も
それに至る出来事があった
そうなってしまうような背景があった
表面では分からないことは
理解するのも 受け止めるのも難しいが
偏った味方はしないように
心がけたい
伝えたいことは 言葉にしよう
そう思った

ラストは少し眩しい感じで終わった
よかった。。。
彼らの明日が良い日でありますように

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2026年10月01日

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読み終えて一番心に残ったのは、これは松木の秘密を追う物語であると同時に、清瀬の「人を見る目」が変わっていく成長の物語だったということ。

清瀬はこれまで、自分の経験や価値観を基準にして、人を判断してきたのだと思う。
「自分ならそんなことはしない」「どうしてそんな考えになるのだろう」と、相手の立場や、それまでにどんな経験をしてきたのかを想像することなく、人を分かったつもりになっていた。

でも、松木のことを知ろうとする中で、これまで見えていなかった背景や事情に触れ、自分の中の「こういう人」という像が何度も崩されていく。

その過程で清瀬は、人は自分が見えている一面だけでは決して分からないこと、そして「分かった」と簡単に結論づけないことの大切さに気づいていく。

そこで思い出したのが、ネガティブ・ケイパビリティという言葉。

すぐに正解を求めず、分からないこと、割り切れないこと、矛盾した気持ちを抱えたまま、その人を見続ける力。

「相手を理解する」ということは、相手を説明できるようになることではなく、むしろ「全ては分からない」と思えることなのかもしれない。

清瀬の変化を追いながら、自分自身も人を自分の経験や価値観で決めつけていないだろうか、と静かに問いかけられた一冊だった。

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2026年09月30日

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​美しい装丁と静謐なタイトルから、穏やかな心温まるヒューマンドラマを勝手に想像してページを開きましたが、いい意味でその予想は裏切られました。

​物語が突きつけてくるのは、他人を完全に理解することの難しさ、そして人間の心に潜む表と裏の顔です。「恋人、友人、家族――今目の前にいる人のことを、あなたは本当にどこまで理解できていますか?」という問いが、読者の胸に重くのしかかります。

​作中で描かれるのは、綺麗事だけでは生きていけない現実です。「困っている人には手を差し伸べましょう、そして差し伸べられた側は素直に感謝しなさい」「歪みを抱えた人はみんな改心しましょう」といった世間の「正しさ」の窮屈さ。そして、「あの人は良い人」「あの人は悪い人」と、ほんの少しの表面的な情報だけで他人のレッテルを貼ってしまっていた自分自身の傲慢さを、読み進めるうちに痛感させられました。

​作中で明かされるタイトルはこう続きます。
「川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない」

相手をすべて理解したつもりでいることの危うさや、見えているものの裏側にある深淵を言い得て妙に表しており、作中の台詞の数々がこれでもかと胸に突き刺さります。

​万人にとっての分かりやすい答えが出るわけでもなく、ラストも綺麗さっぱりとスッキリ解決するような終わり方ではありません。しかし、読み終えたあとには、読前とは確実に違う視点や気づきをくれる、深く考えさせられる一冊でした。

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2026年09月26日

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自分も「川のほとりに立つ者」ではないか、と顧みてしまった。
良い・悪いで割り切れるものはなくて、誰もがどちらの側面ももっている。
それを片側からだけみてわかったような気になり、勝手にジャッジしている。

寺地はるなさんの作品は「水を縫う」でもそうだったように、普通とは?と価値観や偏見に問題提起するような物語だな〜と思う。すごく良い作品でした。

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2026年09月20日

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寺地はるなさんの本は初読みでした。
恋人の秘密を知る恋愛要素が強い内容かと思っていたのだけど、全然違った。

川のほとりに立つ者は、川底の石のことは何も知らない。
無知による残酷さや、手を差し伸べているつもりの上から目線の傲慢さ、人間関係の中でそういう誰もが無自覚に持っているものを描いた作品。
本屋大賞ノミネート作品で9位だったけど、もっと上位でもいい気がする。さらりと書かれているけどかなり深い。

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2026年07月31日

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ネタバレ

想像豊かな人はその分傷つくことが多いし、自分が想像して傷ついただけで何も変えられないことが世の中には沢山あるけど、それでも色んな視点を想像して、知ろうとできる人でいたいなー!と思ったけど、最近の私は子どもが入院生活送ってたり、亡くなったり、海外で貧しい生活をしてる子どもと出会ったりしても、休みの日にはふつうに笑って生活できる自分を知って悲しくなったり、でも悲しんでも何も変わりはしないし、それなら休日は思いっきり自分のために生きて、安全な看護できた方がいいしーーとかも思ったり、、まぁどんな自分も受け入れていくしかない!となったのと、品川さんは、これまでに周りの人が当たり前に受け入れていたら最初から自分のこと伝えられてたのかなーって思った、、結論、想像する!でも自分が傷つきすぎない、でも、周りの人は傷つけないよう想像する、!ただ、想像してもどうしようもないこともいっぱいあるんだよなーーでも出来るだけ多くの人がいい日になりますよーに!

がんばり屋。それは清瀬の長所だ。でもたまにその長所はそのまま、他人への狭量さという短所に変わってしまう。

そういうのを浅はかやとか努力が足りんとか言う人は、その状況におらんかった人や。俺はそういう批判はしたくない。「その場を乗り切る」を繰り返して生きてる人っていっぱいおるやんか。

蝉の死骸など目にとめることなく歩けるほうが、あるいは目にとまっても別段心を動かされぬ人間のほうが、人生はたぶんずっと容易い。それでも清瀬は、これからも蝉の死骸に気づく人間でありたい。願わくば岩井さんのように、自分以外の存在の悲しみに思いを馳せられる人間になりたいとも。無神経に他者を踏みにじるよりはずっといいはずだ。

清瀬が「そんな人間」にならずに済んだのは清瀬自身が努力したからではない。恵まれていただけだ。

これまで、鍵多の美しい物語を読んできた。傷ついた人びとが他者に救われ、再生する物語に、幾度も涙を流してきた。物語の中の人びとは、差し出された手を振り払わない。途中までは主人公に反発していても、最終話までには心を開いて相手に感謝する。読んでいるあいだ、清瀬はそれを然るべき展開だと感じ、本を閉じた後もずっと疑ったことがなかった。それこそがいちばんの罪かもしれないと、清瀬は今ようやく思い知る。手を差し伸べられた人間はすべからく感謝し、他人の支援を、配慮を、素直に受け入れるべきだと決めつけていた。

できることが増えるのは、ええことかもしれんけど。あれでよかったんかな、と今でも思う。なんやろ、努力ってたしかに尊いけど、努力だけが正解なんかな。近眼の人はメガネをかける。努力して視力あげなさいなんて誰も言わん。足怪我したら、杖使う。でもいっちゃんは『努力』を求められる。

川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない。でも清瀬は水底の石がそれぞれ違うことを知っている。川自身も知らない石が沈んでいることも。あるものは尖り、あるものはなめらかに丸く、またあるものは結晶を宿して淡く光る。人は石を様々な名で呼びわける。怒り。痛み。慈しみ。あるいは、希望。


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2026年07月25日

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自分が見ている世界はほんの一部で、無意識の偏見や思い込みで誰かを傷つけているかもしれない、そんなハッとさせられる気付きをくれる作品でした。
「分かったつもりになること」の怖さと、相手を知ろうと言葉を重ねる大切さが静かに胸に迫ります。登場人物たちの不器用ながらも真摯な姿に、自分自身の他者との向き合い方を見つめ直したくなる一冊です。

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2026年07月21日

Posted by ブクログ

怪我をして意識不明になった恋人の傷害事件の真相を探る話

なんと寺地さんのミステリー!自分は恋人の何を知っていたのだろう。周りの情報と松木パートの不一致で分かる認識の難しさ。誰かを慮る心を育むのもまた"育成ゲーム"光あるラストがさすがです

寺地さんは静かに絶望で囲むのが上手い。でもけして読者をそこに置き去りにしない。この絶望知ったなら引き換えにこんな希望を得られるのだと引き上げてくれる。もう虜である

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2026年07月18日

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登場人物全員に対して、いい事言うなぁ…って言う箇所が多々ありながらも、一方でイラっとする点も多々あり、何だか現実世界!というような話だった。菅井天音は私は許せないけれど、そう思うのは恵まれた側だからなのか。頑固な自分はラストを見届けてもなお、いやでも許せないけど?と、まだ思っています。そのほかの登場人物の行動やセリフにも、読後すごくすごく考えさせられる話でした。

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2026年07月14日

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親しいと感じている人のことでも、「よく考えてみたらこの人のことそんなに知らないな」と思うことがある。
大人になると殊更、過去や自分の事情については話す必要がないと思えばそんなに話さなくなるし、相手の過去や事情についても根掘り葉掘り聞くことはなくなる。
ふとした会話から「あ、そんな事情が」と思うことはあるけれど、だからと言って「知った」とも言い切れない。

主人公の清瀬(カフェ店長、アラサー)は、恋人の松木とすれ違いが続き、けして交際順調とは言えない関係になっていた。
ある日「松木が事故で重体だ」と連絡がくる。
友人の岩井と揉み合いになった挙句、歩道橋の階段から落ちたらしい、とのこと。
清瀬が戸惑いながらも事に対応していくなかで、松木が書き残していた日記のようなものが書かれたノートを発見する。
それを読んだ清瀬は、「知ったつもりになっていて、松木のことを何も知らなかった」と思う。

人を理解するとは?がテーマの小説なのだと思う。交際していたり、一緒に暮らしていたり、会話をしたり体の関係があったところで、それが「相手を理解している」ことには繋がらない。
「相手を知ろうとすること」がまず前提にあって、たとえば前のめりになって相手の話を聞いても、理解しきることはできない。その人自身になれないのだから。
だからこそ、傲慢にならず、決めつけず、わかった気にならず、「自分は何も知らない」ということを認めた上で関わっていく必要があるのだと思う。

話中の印象的な一節「川のほとりに立つ者は、水底にある石の数を知り得ない」
立って見ているだけでは、その中身までは見えないしわからない。傍観者ではなく、直接関わっていく立場にならなくては。

事故が起きたことによって、清瀬は松木を知っていく。松木本人との会話ではなく、松木が書いたノートの言葉や、周りの人の証言によって。
それは清瀬が「松木に関わっていく」ことを決めた証拠で、そのなかで静かに確実に2人の関係性は変化していく。

清瀬が店長を務めるカフェの従業員、品川との関係性も見どころ。品川は発達障害を抱えていて、自身もそれを自覚している。
仕事が出来るとは言い難い品川のことを、清瀬は初め「出来ない人、厄介な人」というラベルを貼って接する。
だけど松木が事故に遭ったことにより、その考え方や接し方にも変化が表れる。

人のことを決めつけずラベル貼りもせず接するって、なかなか難しいことなのだと思う。ひとつの出来事だけで決めつけたり、「この人はこういう人だ」という前提を無意識に自分に植え付けていたりする。
「知ろうとすること」だけで解決することではないけれど、まずスタートにそれがなければラベルは剥がせない。
関わることによって、知り得なかった相手の一面が見えてきたりする。「理解すること」は途方もないけど、関わることがその第一歩なのだと思う。

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2026年07月02日

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主人公の清瀬はどんなときも『正しくありたい』と思う気持ちが強い人なんだと思った。それ故に自分の感情を抑えてしまったり。他者のことを理解できずに悩んでしまったり…
"確固たる自分"なんてだれも持っていない。いい部分と悪い部分がそのときのコンディションによって濃くなったり、薄くなったりするだけ"という篠ちゃんの言葉がスッと心に入ってきた。
他者のことを知ろうとして想像力を働かせることは大切だけど善意と思って価値観の押し付けになってしまうことも。人との関わりって難しい。

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2026年06月29日

Posted by ブクログ

読んでよかった!
結局相手に伝えないと悪い印象を持たれてしまうんだろうなと改めて気付かされた。
友人にしろ自分にしろ本当の姿を探そうとしてしまったりするけど、確固たるものなんて誰も持ってなくて、良い部分も悪い部分もある。
最近邪悪な気持ちを抱いてしまう自分に嫌気がさしてたけどそれが自分を偽る行為にはならなくて、みんなそんな姿、心を持ってるんだと思うとそんな自分を認めたくなった。

相手を知ろうと思えば相手を知ることができるかというとそうではなくて、表面を見ただけではわからない部分もたくさんある

あなたの明日が良い日でありますように
このフレーズを大切にしていきたい!

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2026年06月27日

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タイトルだけ見てもどんな話かよく分からなかったけど、読み終わってみると、とても深く心に刺さるタイトルだった。泣けるお話ではないけれど、人はそれぞれ抱えているものが違うし、表面だけで判断するのは違うよなあ、と感じさせられた。

単純な自分の思い込みだけで理解したような気になるのも、良かれと思ってやったことも、「受け入れられるべき」と感じている自分がいたと気づいて反省した。そういう「分かりやすい」物語を好んでいるのは間違いないけれど、手を差し伸べられた側が必ずしも「受け入れなければならない」ことはないいんだよなあ。なんだか、スッキリするようなものではないけれど、人はそれぞれ。それを突きつけられて、驚いた。こんな形の小説もあるのだなあ。本屋対象ノミネート作品だけど、やはり、書店員さんが選ぶだけあって、新たな視点の物語が発掘できて、良かった。

主人公の清瀬とその元恋人(?)の松木が中心のお話。松木の誠実さと優しさがある人間性が好きになった。色々嫌な感じの登場人物も出てくるけど、それも含めて、とても尊いお話でした。良書。また読み返したい。

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2026年06月07日

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ネタバレ

私は小さい頃から、思いやりを大切にしなさいとよく言われて育ってきました。

なのに清瀬になったつもりでこの本の中で人生を生きていたら、ここは腹立つなぁとか障害を知った途端に、見る目が変わる部分があることを私も知ってしまいました。

寄り添うことは得意なはずだけど、実際しっかりただただその人と向き合ってちゃんと話して理解出来ているのだろうか?と思いました。

ただの薄っぺらい思いやりじゃなくて、その人自身をしっかり見ていこうと思いました。

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

目に見えてるものだけが全てじゃない一方で目に見えてるものだけで判断しないといけないという葛藤を感じた。難しい

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2026年05月23日

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帯の内容から、優しくて心が癒されるような内容かと想像していたが、全く違った。

『川のほとりに立つ者は』
読み進めるにつれ、徐々にタイトルの意味が分かる。
 川のほとりに立つ者は、
 水底に沈む石の数を知り得ない。

分かりやすく軽快な心理描写ではないが、誰しも思い当たる節がある人の心の裏表、そして他人を理解することの難しさが、誠実に丁寧に描かれていた。
ミステリー要素もあるので、先が気になりながら読み進められるのもよかった。

読後、他人を理解することの難しさを、改めて考えさせられる。
先ずは気付き、幅広く知ること。
知ったつもりではなく、理解して想像すること。
なかなか実生活で意識するのも難しい・・・
明確な正解を出さないラストは、読者に答えを考える機会を与えてくれる。

人との距離のとり方や付き合い方に悩む人も、全く悩んでいない人も、読めば必ずドキッと思い当たる場面があると思う。
人の心の裏表を鋭く描いた作品だった。

余談だが、某局の「あすがよくなりますように(通称:アスヨク)」が私は好きだ。
本作でも何度か出てくるフレーズだが、こんな風に祈る気持ちがあれば、川のほとりに立っていても人の心に寄り添うきっかけになると思う。


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2026年05月07日

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考えさせられた。知ってるつもり、わかってるつもり。だけど、「川のほとりに立つものは川底の石の数を知らない」全くその通り。

理解しようとする、なんだかそれもおこがましい。
でも関心がない社会も辛すぎる。

答えは出てこない問題なのかな。何が正解か多分ずっとわからないと思う。でも、考えたい。

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2026年04月27日

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少しずつ読み進めていたけれど、終盤からの展開が面白くて一気に読み進めてしまった。

他者との関わりや障害への理解の難しさを掘り下げながら展開される物語。主人公が恋人の抱える秘密を追っていく過程は価値観の違いや共感・理解の難しさを丁寧に描いていると感じた。

発達障害への理解が広がった現代だからこそ、「知っている」ことで生まれる余計な配慮や先入観が、当事者を苦しめてしまう側面もあるのではないかと思う。

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2026年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中まで天音さん好きになれないなと思って読んでいたけれど、環境が違えば、出会うタイミングが違えば変わっていたという言葉に気付かされた。
それに気づいて手を差し伸べようと理解したいと思った清瀬は偉いし見習いたいなと思った。

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2026年06月19日

Posted by ブクログ

人が相手の気持ちを考えて言う・言わないの選択をしていることが文章で表されていると感じた。

また人それぞれできる・できないが違っていて、それに対して過度な配慮をしたらそれはその人自身をみてないことになる。とにかく難しい。

ただ言葉にして相手に伝えてしまう前に一度立ち止まったほうがきっといいのでしょう。

でもその言葉を選んでる感じが伝わり、今度は本心じゃないと評価されるんでしょう。これを読んだだけでは答えは見つからないと思う。でもきっかけになりうるのかもしれないです。

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

表紙の美しさから手に取ってみた。
「相手を理解しているつもり」になってしまう人間の危うさを静かに描いている。大きな事件が起こるわけではないけど登場人物たちの心の揺れや距離感が丁寧に描かれていて、読後には深い余韻が残った。他人の見えない部分に思いを巡らせることの大切さを考えさせられる一冊。

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2026年05月20日

Posted by ブクログ

登場人物、特に主人公2人にあまり感情移入できずに終わった。2人とも正しくあろうとし過ぎており、読んでいて窮屈に感じた。
これは教科書なの?
何故か著者から説教されてるような気になってしまった。

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2026年04月25日

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