佐藤正午のレビュー一覧
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皆さんが第1,2章が読み難いと書かれていたので、多少構えて読み始め、そのお蔭で分かり難くはあったが面食らわずには読めた。
そして確かに読み終えると、と言うか私の場合は読んでる途中でもだったけど、そこに戻ってくる。
しかし、そうした変わった構成だけで読ませた訳ではないですね。
読んでる途中から、何だかミスリードされているのではないかという疑心暗鬼と言うか違和感のようなものがずっと引っ掛かっていて、読み終って最初の章に戻っても、「ブルー」という別に書かれて今回一緒に収められた、一種の完結編のようなものを読んでも、その印象は残る。
変哲の無い、読みようによっては陳腐なお話しを、含みを持たせて一筋縄で -
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佐藤正午に二人のライターがメールによるインタビューを試みるという企画。
数年にもわたるこの企画が書籍化されたのがこの本。
ものすごく面白かった。なんど顔がにやけてしまったか。
でも基本的には人にはお勧めしない。
正直、佐藤正午ファンではないければ全く面白くない。
彼の本を読んだことがなければちんぷんかんぷんだろうし。
逆を返せば、佐藤正午ファンは間違いなく楽しめる。
「ほえ」って使うんだ、リアルで。
津田伸一ってやはりまんま佐藤正午!?
もうこの「ほえ」だけでツボ。
でもね、多分みんな疑ってると思うんだけど、この二人のライターは本当に存在しているのか?
佐藤正午がでっちあげたライターに、ま -
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佐藤正午の人参倶楽部を読みました。
地方都市のスナックを舞台に透明な筆致で描かれた恋愛の物語でした。
真夜中のスナックで妻子がいるのに、ときどき女の子と付き合っているスナックのマスターが主人公です。
不倫に疲れた女、冗談だけの小説家、来るはずのない女を待つ男といった人物たちがマスターとたわいもない会話をしていくなかで、それぞれの人物像が浮かび上がってきます。
それぞれの登場人物の視点で、思い通りにいかない恋愛の物語が語られていきます。
マスターの人間的な魅力にひかれて彼らはスナックに集まってくるのでした。
最後に登場する主人公の妻の描写が特に秀逸だと思いました。 -
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「小説の読み書き」というタイトルからだと「ああ、小説の書き方みたいな本かなぁ」と思うのだけれども、その実は至極まっとうな文藝評論集でした。
文藝評論、いや、評論というジャンルは、評論のとっかかりが身近であればあるほどいいもんだと思います。そうじゃないとどうなるかと云うと、テレビに出ておいしいもの食べて、なんやかコメントを言う、悪しき「評論家」像に近づいていってしまう。「うまーい!」だの「まったりとしていてそれでいて生臭い」だの言うだけでお金がもらえる職業が評論家だと思われると困っちゃう。
そうじゃなくて、評論家だってなんらかの視点やものの考え方を読者に与える存在であっていいはづで、そ -
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佐藤正午が競輪好きなことは「side B」から知ったのだけど、これは競輪を題材にした6つの短編集。
作者は佐世保だけど、私は長崎に住んでいた頃、もう50年程前になるけど、造船所勤めの伯父に連れられて競輪場へ行ったことがある。今は競馬ばかりで、競輪は観たい番組がない時に大きなレースをやっていれば観る程度だけど、別に競輪も嫌いな訳じゃなく、私のこういうもの好きはその頃にルーツがあるかもと思ったりする。
その割に博才無いこと甚だしく、わざわざ当たり馬券を外して買ってるような結果には、我ながらよくも続けているもんだとうんざりするが、来週になったら、今度こそ当たる様な気がするんだよねぇ、これが。最初の話 -
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ネタバレ[ 内容 ]
小説家はどんなふうに読み、また書くのか。
近代日本文学を代表する小説家たちの作品を書き写すように読み解きながら、「小説の書き方」ではない「小説家の書き方」を、小説家の視点から考えるユニークな文章読本。
読むことは書くことに近づき、読者の数だけ小説は書かれる。
こんなふうに読めば、まだまだ小説だっておもしろい。
[ 目次 ]
川端康成『雪国』
志賀直哉『暗夜行路』
森鴎外『雁』
永井荷風『つゆのあとさき』
夏目漱石『こころ』
中勘助『銀の匙』
樋口一葉『たけくらべ』
三島由紀夫『豊饒の海』
山本周五郎『青ベか物語』
林芙美子『放浪記』
井伏鱒二『山椒魚』
太宰治『人間失格』
横光 -
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「三つ数えたら明りを落とす
それから百数えないうちにそこに迎えにいく」
ビルの下にいる私に誰か、そう声をかけて降りて来て下さい!
「女を蕩けさせ夢中にさせる」才能がある男・鮎川英雄
蕩けさせるって凄いですよね それもダイレクトに身体を蕩けさせる能力であり更に凄い!
本書には、スクラブルと言うゲームが登場します
あのクロスワードパズルみたいなゲーム それも英語です
英雄は会話のなかで日本語に訳した英語のことわざ、みたいなのを常に入れていて意味が所謂、教科書の言葉みたいなのが入ってトンチンカンにな空気を作りだす
そこが洒落ている
って言うか、実際にはそんな奴絶対いない!
万が一いてもただの