【感想・ネタバレ】取り扱い注意のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

佐藤正午の名作といえば『Y』や『ジャンプ』があげられると思うけど、『取り扱い注意』も傑作だと思う。ただ知名度は低いけど。佐藤正午の中でもトップクラスに会話が面白く、構成もすごく凝っている。時系列がバラバラになっているので、戸惑うところもあるけど構成の妙に唸らされる。佐藤正午版のロリータとでもいうのだろうか。

0
2021年04月01日

Posted by ブクログ

佐藤正午の取り扱い注意を読みました。

主人公の鮎川英雄は「女をとろけさせ、夢中にさせること」という特技を持っています。
市役所の職員として複数の女と遊びながら過ごしていた英雄は、姿をくらましていた叔父の酔助が現われたことにより無謀な計画に加担することになってしまいます。

佐藤正午らしい語り口と物語展開でおもしろく読みました。

英単語のボードゲーム、スクラブルが物語のキーになっていてその点も面白いと思いました。

0
2014年06月28日

Posted by ブクログ

「三つ数えたら明りを落とす
 それから百数えないうちにそこに迎えにいく」
ビルの下にいる私に誰か、そう声をかけて降りて来て下さい!

「女を蕩けさせ夢中にさせる」才能がある男・鮎川英雄
蕩けさせるって凄いですよね それもダイレクトに身体を蕩けさせる能力であり更に凄い!

本書には、スクラブルと言うゲームが登場します
あのクロスワードパズルみたいなゲーム それも英語です
英雄は会話のなかで日本語に訳した英語のことわざ、みたいなのを常に入れていて意味が所謂、教科書の言葉みたいなのが入ってトンチンカンにな空気を作りだす
そこが洒落ている

って言うか、実際にはそんな奴絶対いない!
万が一いてもただの嫌いなオヤジでしかない気がする...

佐藤正午の会話を最大限に楽しめる一冊
ああいえばこう言う登場人物が束になってあなたを待ってます

これよりは、ややちゃんとした感想はブログで

0
2009年11月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とにかくモテる主人公と、ロリコン叔父さんと、クセ強女性陣。相変わらずだが、会話がめちゃくちゃ面白い。ナボコフのロリータを読んでたらもっと面白かったのだろうか。


皮肉な鮎川さん↓
「ピアノを弾くために不利な手を持って生まれてきた人間がピアニストをめざす。自分の才能の程度に気づかない人間が、その才能を生かすしかない世界に人生の前半を賭けてしまう。そんな悲劇が世の中にあるだろうか、と僕は彼女の手をちらちら眺めながら考えてみたのだが、それを悲劇と呼ぶならそんなものは世の中にはいくらでも転がっているに違いなかった。」

クズ〜笑↓
「むろん彼女に少しでもその気があれば、彼女と寝るのは容易いはずだった。その行為で彼女を幸福にしてやるのも容易いはずだった。たぶん相手が平野美雪なら『いちころ』だろう。でもそれがドミノ倒しの最初の一枚を倒すきっかけになり、ばたばたと倒れつくした先の先で、最後の一枚が取り返しのつかない何かに連結するボタンを押してしまうのではないか、そういった不吉な予感が確かにあった。」

叔父さんの犯行直前のセリフ↓
「英雄、何かに追いかけられる夢を見たことがあるだろ、自分が何か、とんでもない罪を犯して逃げ回ってる、そんな夢を見たことがあるだろ、冷や汗かいて、目が覚めて、ああよかった、こっちが現実だったってほっとした覚えがあるだろ、そのほっとした現実が、夜が明けてみると退屈でうんざりだと思ったことはないか、また例の一日が始まる、ゆうべ見た夢のほうがよっぽどはりがあって生きてるって気がした、そう思ったことは一ぺんもないか、おれは今年で 41だ、 41の誕生日まで生きたら全部で何日生きた勘定になるかわかるか、計算してみた、一万と四九七六日だ。 80まで生きたらあと何日生きることになる?  どうだ、あと一万日もいまと同じ人生を続けたいか?  おれはもういい、もう十分だ、おまえもあと十年生きてみればおれの言ってることがわかる、よくもまあって呆れるくらい芸のない強盗やって捕まるやつがいるだろ、もののはずみで郵便局を襲ったみたいなやつが、新聞の記事を調べてみろ、そいつらはみんな 40過ぎの男だ、みんなおれと同じ考えにたどり着いたんだ、ただおれと違ってツキに恵まれないだけでな、いいか、よく聞け、もし万が一、追われる身になったとしても、それは現実と夢が入れ替わるだけの話だ、あのはりのある夢の中で生きてみてもいい、できることなら夢と現実の人生を総取っ替えしてみてもいい、おれは実は前々からそう思ってたんだ」

0
2023年06月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実父は野球選手、義姉に性の手ほどきを受け今ではどんな女もメロメロにする性技の持主。エレベーターで乗り合わせただけで惚れられる程のイケメン。青春期に風変わりな叔父に連れられ遊び尽くす。
叔父はフラフラしてるのに金回りが良く、ロリータ趣味も叶えている。無謀な犯罪も成功し、13歳の美少女と逃避行。
男の夢を詰め込みましたって話?
英雄のうんちくとか、軽妙な会話は好きだけどお話か都合良過ぎる…

0
2022年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

女性をとろけさせる能力を持つ主人公。
さまざまな女性付き合いと
人生のポイントで現れる叔父の存在。
解説にある通り、ストーリーを追うだけでは
佐藤正午の醍醐味は理解できないようだ。
読み切った時の快感を味わえるよう
努力が必要。
再読必須。

0
2020年10月25日

Posted by ブクログ

積読本の山にあるのを見つけたけれど、今となってはいつ買ったのか、どうして買ったのか全く思い出せず。
解説が北上次郎だから、もしかして本の雑誌で紹介されてたのかな。
すらすら読めるけどつかみどころのない不思議な話。まあ、おもしろかったんだけど。

0
2012年06月30日

Posted by ブクログ

かなり好みが別れるんでしょうね。
なんとも言えない小説ですね。主人公の英雄は「女を蕩かせ夢中にさせる」事が出来る、熱意は無いがそつなくこなす県庁の若い役人。その生涯に時折顔を見せる叔父・酔助はロリータ趣味。英雄が今、蕩かせているのが知事の姪でお嬢さん育ちの美雪。そして、なぜか夢で未来を予見できる三ッ森小夜子。
ジゴロやらロリータが出てくると言っても、性的なシーンが多いわけでもなく、むしろ酔助に引きずり込まれ、英雄が一緒に犯す犯罪の方が山場なのですが、これも主題とは言えないようです。
むしろ、破滅的な性格の酔助、何処と無く中途半端なジゴロの英雄、そうした主人公の性格描写自体が主体かもしれません。
なんだか判らないまま読まされ、それなりに楽しめた。そんな作品でした。

0
2016年08月16日

「小説」ランキング