佐藤正午のレビュー一覧
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「三つ数えたら明りを落とす
それから百数えないうちにそこに迎えにいく」
ビルの下にいる私に誰か、そう声をかけて降りて来て下さい!
「女を蕩けさせ夢中にさせる」才能がある男・鮎川英雄
蕩けさせるって凄いですよね それもダイレクトに身体を蕩けさせる能力であり更に凄い!
本書には、スクラブルと言うゲームが登場します
あのクロスワードパズルみたいなゲーム それも英語です
英雄は会話のなかで日本語に訳した英語のことわざ、みたいなのを常に入れていて意味が所謂、教科書の言葉みたいなのが入ってトンチンカンにな空気を作りだす
そこが洒落ている
って言うか、実際にはそんな奴絶対いない!
万が一いてもただの -
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ネタバレ明日は我が身にならないように。
不慮の事故とは誰にでも起きる。
作品と同じように、夜徘徊しているおばあちゃんがいるかもしれない。
自分を過信して交通事故を起こすかもしれない。
人が飛び出してくるかもしれない。
絶対に起こしたくないけど
車を運転するって、それだけのリスクと大きな責任が伴う。
って、なんだか再確認できた。
公務員の夫を持ち、そろそろ子どもが生まれる。
誰から見ても幸せいっぱいの女性が
一瞬の不注意で人生を台無しにしてしまうかもしれない。
自分にもふりかかるかもしれない
っていう、「かもしれない」の連続が妙にリアルで
こわかった。
でも、読書体験としてはすごく大きい。
気 -
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ネタバレ熟柿。熟した柿が落ちてくるのを待つ。
警察官の妊婦妻が轢き逃げをしてしまう。同乗してた警察官は辞職し、妻は刑務所で出産し、出所と共に離婚する。
子供に一目会いたいと幼稚園に行くが別の子を抱きしめて逃げ出してしまい、誘拐で怒られる。
小学校入学式にも行くが、追い返されて会えない。
そのまま息子に手紙をノートに書き連ねるけど、出す予定のないのを生き甲斐に、千葉から山梨や大阪や岡山をへて、福岡にたどり着く。行く先々で、人間関係トラブルや過去の服役がバレたり、ルームメイトに全財産を盗まれたりする。不倫してる友達と何ヶ月かに一回電話をしたり、好きになりそうな人に出会えたり、でも轢き逃げと服役の事は言 -
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けんごさんの動画を見て、そして装丁にも惹かれ購入。
スタートして速攻事件発生。大雨の中パジャマ姿のおばあちゃんを車で引いてしまい、そのまま逃走。その事件を境に生活は一変。お腹の赤ちゃんは刑務所で産み、出所後は離婚…。
本作はその後の「かおり」の物語でした。前科が付いてしまったかおりは働き口を求め、全国を転々とする日々。色んな人に出会い、色んなことを体験し、色んなことを思う日々の中で常に引っかかるあの日の事件。あの事件さえなければと読者の自分も思ってしまいました。
ただ、後半思わぬ展開に急ハンドル。元夫との出会い、久住呂さん、実の息子、そして土居さん。色々な人との出会いを経て移り変ってい -
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佐藤正午さんの直木賞受賞作です。映画化もされているらしく、佐藤正午さんの、万人受けするような作品って一体どんな感じなんだろうと期待と不安で読んでみました。が、やっぱりちゃんと佐藤正午さんでした。軽妙で独特な会話のやり取りが非常に癖になります。この物語は登場人物がそこそこ多く、時間も行ったり来たりするのでだんだん誰と誰がどの時代の何だったっけってなるんで相関図を作りながらがいいかも。「生まれ変わり」という非現実的・非科学的なテーマを扱っているのでファンタジーだと割り切って読みましたが、参考文献にもあるように、実際に前世の記憶をしゃべる子供がいるらしく、研究も行われているそうです。