佐藤正午のレビュー一覧

  • 取り扱い注意

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    「三つ数えたら明りを落とす
     それから百数えないうちにそこに迎えにいく」
    ビルの下にいる私に誰か、そう声をかけて降りて来て下さい!

    「女を蕩けさせ夢中にさせる」才能がある男・鮎川英雄
    蕩けさせるって凄いですよね それもダイレクトに身体を蕩けさせる能力であり更に凄い!

    本書には、スクラブルと言うゲームが登場します
    あのクロスワードパズルみたいなゲーム それも英語です
    英雄は会話のなかで日本語に訳した英語のことわざ、みたいなのを常に入れていて意味が所謂、教科書の言葉みたいなのが入ってトンチンカンにな空気を作りだす
    そこが洒落ている

    って言うか、実際にはそんな奴絶対いない!
    万が一いてもただの

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    2009年11月08日
  • 小説の読み書き

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    日本近代文学の基本を押さえておかなくても小説が書けるということがよくよくわかる一冊。誤読もあったりして、それを追記でフォローしたりしていておもしろい。感想文エッセイ集といった雰囲気で読みやすい。ちょこちょこクスクス笑いもできるし、いい本だと思います。まあ、選ばれている作品や作家にを多少なじみがあれば、きっと楽しめるはず。

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    2011年09月03日
  • 象を洗う

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    前作「ありのすさび」が好評だったようで、エッセイ第二作。良かったですね。
    相変わらず淡々としていて面白い。また、あとがきにもちらほら見られるように、こういう飄々とした人を食った文体は結構敵を生みやすいようだ(笑)
    俺は好きです。短編も読めます。

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    2009年10月07日
  • スペインの雨

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    佐藤正午の短編って、小説家とそのある友人の話しか殆ど読んだことなかったので、ちょっと毛色の違う「いつもの朝に」とか「クラスメート」が新鮮でした

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    2009年10月04日
  • ありのすさび

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    面白かった。脱力系、っていうのとはちょっと違う、肩の力の抜けた軟投派エッセイ集。
    才能のある焼き鳥屋の話がユーモアに溢れ、面白かった。
    パスタを実際に作って食べてみたら絶品。

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    2009年10月07日
  • 永遠の1/2

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    ずいぶん昔に書かれた本とは知らず、買ってしまったのだが・・面白い。野球好きで、競輪好きならもっとよかったのに!同じ時代を生きてる作家と、共鳴できる作品。
    それにしても、自分そっくりの人が存在していて、その人のために、事件に巻き込まれたとしたら・・私も・・同じように動くだろうなぁ・・
    この主人公・・ほんと、面白いわ!
               2008.2

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    2009年10月04日
  • 小説の読み書き

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    夏目、芥川、太宰、三島など近代日本文学の層々たる大家の名作を読みほぐし、文体を細かく分析。何気ない一文に徹底的に拘り、なぜ作者がそう書く必然性があったのか、どこに推敲の後が見受けられるかをユーモアたっぷりに解き明かす小説読本。

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    2009年10月04日
  • 小説の読み書き

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    「無頼という言葉の対義語は何かといえば、それは独身である。」

    小説家っていうのはこういうふうに他の作家の小説を読むのかぁ…!選ばれた言葉、文体、表記について、言われてみればなるほど確かに!な指摘ばかり。ときどき吹き出しつつ、著者を含む「文芸」する人たちへの敬意を新たにした。ぜひこの評論は続刊を出してほしい。佐藤正午の小説ももっと読みたくなった。

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    2009年10月04日
  • 小説の読み書き

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    山本昌代か誰かが書評で褒めてたのを見て購入。実際面白かった。扱われている作品はどれも有名で、読んだことのある(そして既に忘れてる)ものが多かったのだが、なるほどなるほどと思いながら読んだ。小説の内容よりも形式に注目しての読みというものをここまで分かりやすく、面白く書くことはなかなか容易ではないと思う。

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    2009年10月04日
  • 熟柿

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    序盤、辛い展開が続いたため、読むことが苦しかった。それでも止まることなく読み進めたのは、やはり著者の筆力が高いからだろう。
    それにしても、元夫は無責任すぎんか? とか、なんで婆さん雨の夜中傘もささず徘徊してるんやとか、色々考えてしまう。もちろん轢き逃げは許されざることだが、怪談みたいな話を聞いた上で、常識を逸する出来事に遭遇したら、それを現実と認識できるのだろうか。元夫は普通に最低だと思う。

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    2025年12月21日
  • Y

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    タイムスリップものですが、タイムスリップ前の世界と後の世界の違いを見事に表現しています。
    ただ、タイムスリップものは素材としてはありきたりなので、もう一工夫欲しかったです。

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    2025年12月12日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    明日は我が身にならないように。

    不慮の事故とは誰にでも起きる。
    作品と同じように、夜徘徊しているおばあちゃんがいるかもしれない。
    自分を過信して交通事故を起こすかもしれない。
    人が飛び出してくるかもしれない。

    絶対に起こしたくないけど
    車を運転するって、それだけのリスクと大きな責任が伴う。
    って、なんだか再確認できた。

    公務員の夫を持ち、そろそろ子どもが生まれる。
    誰から見ても幸せいっぱいの女性が
    一瞬の不注意で人生を台無しにしてしまうかもしれない。

    自分にもふりかかるかもしれない
    っていう、「かもしれない」の連続が妙にリアルで
    こわかった。

    でも、読書体験としてはすごく大きい。

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    2025年12月12日
  • 月の満ち欠け

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    愛する人に再び出会うために、生まれ変わる、お話。
    ロマンティックではあるが、、、。
    話が長すぎて、繰り返しが多くて、ちょっとウンザリですな。


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    2025年11月16日
  • 熟柿

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    白地に柿1つのシンプルな装丁。
    『熟柿』というタイトル。
    とてもよい。
    『熟柿』は初めて知った言葉だけど、最後まで読んで、かおりはその通りの生き方だなと思った。

    1つの出来事をきっかけにかおりの人生が大きく狂っていく。
    してはいけないことなので当然ではあるのだけど、ここまで苦しい道のりを歩まねばならないのか。
    半分くらいまでは読み進めるのが本当につらかった。
    でも、長い時間はかかったけれども光が射すこともある。
    罪は消えることはないけれども、彼女はその光に手を伸ばしてもいいのではと思った。
    元夫は最後までちょっと理解できなかったが…

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    2025年11月10日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    熟柿。熟した柿が落ちてくるのを待つ。

    警察官の妊婦妻が轢き逃げをしてしまう。同乗してた警察官は辞職し、妻は刑務所で出産し、出所と共に離婚する。
    子供に一目会いたいと幼稚園に行くが別の子を抱きしめて逃げ出してしまい、誘拐で怒られる。
    小学校入学式にも行くが、追い返されて会えない。

    そのまま息子に手紙をノートに書き連ねるけど、出す予定のないのを生き甲斐に、千葉から山梨や大阪や岡山をへて、福岡にたどり着く。行く先々で、人間関係トラブルや過去の服役がバレたり、ルームメイトに全財産を盗まれたりする。不倫してる友達と何ヶ月かに一回電話をしたり、好きになりそうな人に出会えたり、でも轢き逃げと服役の事は言

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    2025年11月09日
  • 人参倶楽部

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    人参倶楽部という深夜営業のスナックでのマスターと客にまつわる連作短編集。
    浮気性のマスターがなんだかふわふわしていて、こんな人いるよなあとと思いながら読んだ。
    常連の話やマスターのすったもんだがなんだか身近な話のように感じられてほっこり。

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    2025年11月06日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    良い評判を聞いていただけに期待値を上げすぎてしまったかもしれない。

    主人公が周りが見えていなくて行動が浅はかすぎるし、そもそも人にぶつかったかもしれないのに逃げるところも共感できない。

    可哀想ではあるけれど、自業自得だしな…と思う。
    子供がいたら少し共感できるところもあるのかも。

    「熟柿」の意味は彼女の人生を肯定しているようでよかった。

    ルームメイトの斉藤さん本当にイライラした。笑

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    2025年11月03日
  • 熟柿

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    けんごさんの動画を見て、そして装丁にも惹かれ購入。
    スタートして速攻事件発生。大雨の中パジャマ姿のおばあちゃんを車で引いてしまい、そのまま逃走。その事件を境に生活は一変。お腹の赤ちゃんは刑務所で産み、出所後は離婚…。
    本作はその後の「かおり」の物語でした。前科が付いてしまったかおりは働き口を求め、全国を転々とする日々。色んな人に出会い、色んなことを体験し、色んなことを思う日々の中で常に引っかかるあの日の事件。あの事件さえなければと読者の自分も思ってしまいました。
    ただ、後半思わぬ展開に急ハンドル。元夫との出会い、久住呂さん、実の息子、そして土居さん。色々な人との出会いを経て移り変ってい

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    2025年11月03日
  • スペインの雨

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    短編集はあまり好みではないのだけど、これは心地よく読めた。
    佐藤正午さんの文章は美しくて好きだ。
    「ルームメイト」が一番よかったかな。

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    2025年10月14日
  • 月の満ち欠け

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    佐藤正午さんの直木賞受賞作です。映画化もされているらしく、佐藤正午さんの、万人受けするような作品って一体どんな感じなんだろうと期待と不安で読んでみました。が、やっぱりちゃんと佐藤正午さんでした。軽妙で独特な会話のやり取りが非常に癖になります。この物語は登場人物がそこそこ多く、時間も行ったり来たりするのでだんだん誰と誰がどの時代の何だったっけってなるんで相関図を作りながらがいいかも。「生まれ変わり」という非現実的・非科学的なテーマを扱っているのでファンタジーだと割り切って読みましたが、参考文献にもあるように、実際に前世の記憶をしゃべる子供がいるらしく、研究も行われているそうです。

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    2025年10月04日