佐藤正午のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
3.2
生まれ変わりをテーマにした作品だった。
もともと輪廻転生を信じておらず、この作品を読めば少しは考えが変わるかもしれないと期待していたけれども、その感覚は大きくは変わらなかった。
気になったのは、瑠璃が前世の記憶を強く持ちすぎていること。
断片的な記憶ならまだ理解できるのだけど、あそこまで前の記憶を持っていると「生まれ変わり」というより「憑依」に近く感じてしまう。
それと、子供の女の子と大人の男性の関係性も、作品が意図するほど美しくは思えなかった。
小山内堅のように半信半疑の立場で戸惑う人物には共感できると思ったんだけどなあ。
文章は読みやすく、ラストシーンだけはまあまあ好き。 -
Posted by ブクログ
率直な感想は、「佐藤正午の本を読んだ」という一言に尽きます。
論理的でない会話や行動、仕草などは彼のスタイルであり、僕はいつもそこに感動させられます。
純文学にあたるのでしょうか。あまりこの分野を読まないため断言はできませんが。
違う気もしますが、人のまとまりのつかない感情や在り方を「表現」する文章に、強く心を揺さぶられました。
ストーリーや構成も非常によくできていたと思います。
ただ、本作は(というより佐藤正午作品全般に言えることですが)賛否が分かれるのも理解できます。
私自身も、読むタイミングによっては「なんだこれは」と感じていたかもしれません。
評価を数値でつけるのは難しいため、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ佐藤正午氏は、なかなか手強い人だなと思いました。
最初の聞き手の伊藤ことこ氏が早々に根を上げたのも納得です。
2番手の聞き手、東根ユミ氏もだいぶん苦労された様子でしたが、終盤にいくにしたがって、言葉のキャッチボールが少しはスムーズにできるようになったのではないかと思いました。
面と向かってするインタビューとメールでのインタビュー、どちらもそれぞれのよいところ、都合の悪いところがあると思いますが、メールは一方的になったり、相手を気遣い切れなかったりで、やはり対面でのインタビューの方が、総合的に考えると有益なのではないかと思うに至りました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの小説を読んでしまったら、周りの人間関係が違った景色に見える。だろう。
生まれ変わりはあるかないか、などどうでもいい。この小説を読んで気づいたのは生まれ変わりの可能性のある人物というのはその人が生きてきた過去の記憶があるかどうかで判断する。つまり、記憶は同一だけれども、肉体的には別人。もっと言えば、記憶がなければというか、揮発性のメモリであれば生まれ変わりとかそんなことは関係ない。争いもなくなるだろうなぁ。
----
あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、