佐藤正午のレビュー一覧
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ネタバレ一つ罪を犯した事で市木さんの心に見えない足枷があるなかで、会えない息子の為だけに一生懸命働いて、16年位の間にお金を盗まれたり、コロナ禍があったりで凄く大変な時期もあったけど色んな人と出会って、事件から16年経ってやっと息子と会えたり新しい目標が出来たり、とても素敵な出会いがあって良かった。
市木さんと土居さんのここから先が気になるから続編をと書きたい所だけれど、そういう小説ではないので私の中で市木さんと土井さんの穏やかな幸せの日々を想像する事にしよう。
息子さんとも時間をかけて良い関係になるといい。
後半まで読んでて気持ちが重かったんだけど、ラストで良かったって思えた。
久住呂さんが良 -
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ネタバレ主人公は、ひき逃げという罪を犯し、刑務所で子どもを出産し、出所当日に離婚を受け入れ、子どもとも引き離されます。その後も仕事を転々としながら、ようやく介護という一生をかけられる仕事に巡り合います。そして、念願だった高校生になった息子との再会を果たし、これからは電話で連絡も取れるようになるという結末には、少しほっとしました。
2日で読み終えましたが、気持ちとしては一気読みしたような作品でした。さすが佐藤正午さんだと感じました。
題名の『熟柿』は、本作では「気長に時期が来るのを待つ」という意味で使われており、作品の内容にぴったりだと感心しました。一方で、私が調べたところ、「熟柿」には隠語として泥酔漢 -
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(いつまでも続いていくもの、不変なものなど一つもない。たった1日で人生は変わる。両親の死も突然だった。まだ中学生だったそのときからわたしは知っていたし、42歳になったいまのわたしは、子をもうけた夫婦の絆さえいざとなれば脆いものだとよく知っている。赤の他人との交友関係ならなおさらだろう。いつかはその日が来て、ひととひとは、こうやっていとも簡単に疎遠になってしまうのだ。
柿の実が季節になれば熟すように、物事の成就には適した時期があるというか、そのときが自然に訪れるのを気長に待つというか、百崎さんなんかに言わせると単に消極的なのかもしれないけど、でもそういう、無理強いしない、待ちの時間が必要なとき -
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過去に罪を犯しその十字架を背負いながら生きる女性の物語。起こった出来事、刑務所に入るに至った経緯が淡々と説明されているので手記や回顧録を読んでいる感じがしました。
女性は凶悪犯ではなく身近にいる女性という感じでリアリティがありました。だからシンパシーを感じるかと思いきや、どちらかといえば自分のしたことを忘れて身勝手な考えに着地することに呆れや怒りを覚えることの方が多かったと思います。
普通ではないところをあげるとすれば、時々周りが見えなくなり他人からみると異常ともとれる行動をするところです。自分のことを好きで会えば喜んでくれると勘違いしているストーカーのような思考のせいです。
そんな彼女がな -
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著者初読み。
上巻の冒頭から、話があちこちに飛び、読み進めるのが本当に大変だった。
でも、何故か上下巻で1000ページを超える作品なのに2日で読み終えてしまった…
何を読まされてるのか?
これは本編?
それとも津田が書いてる作品の中?
パラレルワールド的な?
たくさんの???が頭を埋め尽くす。
なのに、先が気になってしまうのは、作者の巧みな筆力によるものだろう。
あらすじだけ読めば、偽札の話のはずなんだけど、本筋が掴めないまま、下巻へ。
下巻は一転して、上巻の点と点を繋ぐように話が進んでいく。
ああ、これがこう繋がるのね…とはなるけど、世界線は相変わらず曖昧なまま。
全部の伏線回収とは行かず、 -
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ネタバレ2020年と思われる年のホラー調小説。
身に覚えのない手紙を受取った38歳のマルユウ、小学生の時にマルユウと一緒にUFOを見たマルセイの葬式に出る佐渡くん、高校卒業時に三人は再び記者に連れられ10年前にUFOを見た山に行くが事故に遭う。
その20年後の物語になるのだが、様々な視点とあいまいな記憶と不可思議な現象が気になってしょうがなく、最後まで読み切ってしまった。
この物語を書いている中学の時の先生の湊、小学時代の先生の杉森、その娘の真秀とマルユウとマルセイたちと関係した人たちも不可思議な現象を感じるのだが、誰も本当のところがわからない。
何とも不思議だが印象に残る小説でした。 -
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タイトルの熟柿「熟した柿の実が自然に落ちるように気長に時期が来るのを待つ事」はこのストーリーの何処に掛けているのだろう。もちろん彼女を好いてくれている土居さんだけど、彼女の人生だろうか、生き別れようやく会えた息子の気持ちだろうか。
獄中で産んで離された息子への思慕。助手席に座っていた元夫は轢き逃げ事件になると分かっていて保身にはしり、自分一人が犯罪者になった事を17年も経って知った事。
前科がある事で転々とした彼女のこれまでは何だったのだろう。
とても嫌なのは親友の鶴子。轢き逃げ事故を起こしたきっかけだし、過敏になっている主人公を逆撫でするような連絡を度々よこす。
連絡を取り合える親しさを -
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3.2
生まれ変わりをテーマにした作品だった。
もともと輪廻転生を信じておらず、この作品を読めば少しは考えが変わるかもしれないと期待していたけれども、その感覚は大きくは変わらなかった。
気になったのは、瑠璃が前世の記憶を強く持ちすぎていること。
断片的な記憶ならまだ理解できるのだけど、あそこまで前の記憶を持っていると「生まれ変わり」というより「憑依」に近く感じてしまう。
それと、子供の女の子と大人の男性の関係性も、作品が意図するほど美しくは思えなかった。
小山内堅のように半信半疑の立場で戸惑う人物には共感できると思ったんだけどなあ。
文章は読みやすく、ラストシーンだけはまあまあ好き。 -
Posted by ブクログ
率直な感想は、「佐藤正午の本を読んだ」という一言に尽きます。
論理的でない会話や行動、仕草などは彼のスタイルであり、僕はいつもそこに感動させられます。
純文学にあたるのでしょうか。あまりこの分野を読まないため断言はできませんが。
違う気もしますが、人のまとまりのつかない感情や在り方を「表現」する文章に、強く心を揺さぶられました。
ストーリーや構成も非常によくできていたと思います。
ただ、本作は(というより佐藤正午作品全般に言えることですが)賛否が分かれるのも理解できます。
私自身も、読むタイミングによっては「なんだこれは」と感じていたかもしれません。
評価を数値でつけるのは難しいため、