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かつて私の親友だったと名乗る男から、一枚のフロッピー・ディスクと五百万の現金を受け取ることになった。フロッピーに入っていた奇妙な物語を読むうちにやがて、彼の「人生」に引き込まれていってしまう。
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Posted by ブクログ
八月の雨の晩にかかってきた電話。都立高校時代の同級生だと名乗る電話の主に、私は心当たりがなかった。だけど相手は『親友だった』と告げる。『キタガワ・タケシ』と名乗る二十五年前の同級生は、自分の身に起こった不思議な出来事を綴った物語を、〈私〉だけに読んで欲しい、と言う。後日、代理人を通して〈私〉の手に...続きを読む渡ってきたのは、一枚のフロッピーディスクと五百万円の現金。通帳の名義人になっている女性には覚えがある。 『人生をやり直したいと思ったことがありますか?』もしも冗談でなく大真面目に答えるとして、一片の迷いもなく、「ありません」と答えられるひとは少数派だと思います。後悔のない人生を歩むほうが難しいわけですから。本作はそういった繰り返される人生についての物語です。 本書の導入に、《あの日あの時刻に生じてしまった過去の事実を、もしいまから別のかたちに置き換えることができればと、長い人生の途中で誰もが一度は願ってみる奇跡を、本気で願いつづけた物語だ》という文章がでてきますが、やがてその物語が終わりに近づく時、まだこの物語が続いて欲しい、と願ってしまう自分がいました。
かつて親友だったと名乗る男からの電話。主人公には心当たりがない。なぜなら語られる物語は「Y」の字のように分岐した世界線の話だったから。いったい何があった?知りたくて、ページを捲る手が止まらないが、捲るたびに苦しくなった。読後は「もしもの世界」に思いを馳せずにはいられない。 あったかもしれない世界の...続きを読むことを考えても、自分にとっての現実は今生きている世界でしかなくて、向き合うしかない。弓子の言う「運」も分かるが、加藤由梨の言う「縁」もあると思う。自分の運命って、自分で選んでるようで、自分だけでは決して決められない。ままならないことはいっぱいあるもんね。 北川がその後どうなったのかが気になる。何周目かで事実を知ることになるんだろうか。そうなったら狂ってしまいそうだ。下敷きになった「リプレイ」のような運命を辿るといいのだけど……と考えてしまうあたり少しばかり消化不良。
時間軸が交錯していて読みづらかった。人生には分岐点があり、今生きている世界とは違う世界があるのかと思うと心は弾む。
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Y
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佐藤正午
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