佐藤正午のレビュー一覧

  • 女について

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    【本の内容】
    彼女はぼくと同じ18歳だった。

    初めての女性だった。

    好きかと尋ねられて頷いた―家族以外の女性についた初めての嘘。

    嘘を重ねるために他の女性を拾い、途切れ途切れに続いた彼女との関係も、ぼくが街を出ることで終止符が打たれた―。

    そして長い時を経て、ぼくは再び彼女と出逢った。

    (「糸切歯」)青春のやるせなさ、ほろ苦さを瑞々しい感性で描く秀作集。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    彼はいつも止まっている。

    些細なことにも途方に暮れる。

    そうやって、ゆっくり進む。

    感情がスローなペースで読者の心に浸透していく。

    この主人公はシャーレに入った水のように純粋で無垢で磨れて

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    2014年08月26日
  • ダンスホール

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    ネタバレ

    『愛の力を敬え』『空も飛べるはず』『ピーチメルバ』『ダンスホール』これが題名ですが、それぞれ曲を聴きながら読んでみると、どんなリンクになっているのか(なっていないのか)楽しめるかも知れません。

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    2013年12月01日
  • きみは誤解している

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    競輪をテーマとした短編集。
    競輪にハマって抜け出せない、あるいは抜け出す必要のないような人たちをつらつらと追っていく。勝っても負けても最終的には損するということをわかっている上で、全員が全員競輪場に赴く。
    話としては面白く、興味深い話もあったけど結局心情は理解できなかった。この本に則って自分を評するならきっと、カスみたいな人間と罵られるんだろうけど、それはそういうものでいいんだろう。

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    2013年09月02日
  • 事の次第

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    『バニシングポイント』改題。
    佐藤さんらしい作品だと思います。基本的に男と女の物語ですが、どこか夜の街の破戒的な雰囲気が漂います。
    解説にもあるように、7つの短編が上手くリンクしているようなのですが、どうも、ドタバタとした日常の中で読んだため、途切れ途切れになって頭に入ってきませんでした。
    もっとも、ほかの人の感想を見ても「分かり難い」と書かれているものが多いので、そういう作品なのかもしれません。

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    2016年06月19日
  • カップルズ

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    主人公の小説家(≒著者)が街に流れる噂に興味を持ち、それの噂を追いかける姿を小説にして行くという面白い形式の短編集です。
    派手さはないけれど、良くできた物語。
    でも。面白いかといわれれば、何となく消化不良。
    あとからじわじわくるのかなぁと思ったけど、どうもそうでも無さそうです。

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    2016年06月19日
  • 取り扱い注意

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    積読本の山にあるのを見つけたけれど、今となってはいつ買ったのか、どうして買ったのか全く思い出せず。
    解説が北上次郎だから、もしかして本の雑誌で紹介されてたのかな。
    すらすら読めるけどつかみどころのない不思議な話。まあ、おもしろかったんだけど。

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    2012年06月30日
  • 永遠の1/2

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    旅行用にボロボロにしてもいい文庫を親から借りたので読みました。なんと自分が生まれる前に書かれた本だったなんて。

    すばる文学賞受賞作品だったそうです。たしかに400ページほどのちょっと眺めの小説だったのですが、すらすら読むことが出来ました。文庫の後ろで佐伯彰一さんの解説には「軽み」を身につけた日常系ミステリーというような内容でした。

    本作品は日記という体で文章が書かれています。重大な犯罪が起こる、予想もしないトリックがある、巧みな文章構成で読者をはっとさせる、というような内容ではなく、それはたしかに日記として読める少し不思議な日常といった感じでしょうか。やはり何よりの特徴はさらっとした口当た

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    2012年03月18日
  • リボルバー

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    警官から奪われた拳銃、それを手にしてしまった高校生。リボルバーを持って北海道へ。それを追う元 警官と高校生の少年のクラスメートの少女。
    世の中には忘れてはならない事と忘れてしまわなければならない事がある。 
    もう一組、ギャンブル好きの男二人組も北海道へ行くことで話がおもしろくなっている。

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    2010年12月11日
  • Y

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    過去のある時点に戻り、人生をやり直すことが本当に幸せなのか。

    以前に読んだ佐藤正午さんの作品もそうだったのだが、タイムリープできるような力をつけても人の心はわからないのね・・・。という怖い話。

    時空を超えた究極のラブ・ストーリーとあるが、あまりに独りよがりなので、ラブ・ストーリーといえるのか?まあ、片思いでもラブはLoveか。

    一人称の私とフロッピーディスク内の僕と君がクロスするので少し分かりづらい。それが、最後に結びついてビックリするような展開になるのかとも思ったのだが、特にそのような展開もなくて拍子抜け・・・。

    でも、最後まで展開が気になるミステリーとして面白く読めた。

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    2019年01月16日
  • 小説の読み書き

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    小説家の読書コラム。本人の小説は未読。
    重箱の隅をつつくような話が多いけど、書いてる方もそれに意識的だし、個人的にも読み方として共感するところがあるから楽しめた。
    あとがきで、現在活躍中の作家についても書く構想があったけど、ヤバイからやめたという様なことを語っていた。とすると、評論家ってのは絶対小説書けない仕事なんだな。

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    2010年07月26日
  • 5

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    とらえどころがなく、何とも言えない読後感の残る作品だが、嫌いではないタイプ。ひねくれた主人公のキャラクター造形も、印象的。

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    2010年06月19日
  • 小説の読み書き

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     もとは岩波の「図書」に連載されていたもの。
    小説家と云う人間が,小説をどう読むか,ということで、近現代の小説家の作品を俎上にあげ、最後に自作を解説して見せた。

     ということで、これは作品評ではない。あくまで小説家と云う職業柄、作品の気になる一節を、何故気になるのか,それはどうしてか等という切り口で語ったものだ。一種の文章(文体)読本。

     勿論,小説を書いている人間には随分ヒントになるものだろうし、また並みの書評じゃないとみても、なるほどこういうこだわりもアリか、と興味深いことだろう。
     しかしまた、酒間の歓談としてもこういうことをやる場合が多いことだろう。どうにでも読め,どうにでも考えら

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    2010年06月15日
  • 5

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    なんか世間から一歩引いて冷静に見渡してる
    的な感じが嫌い。

    嫌いだけど
    すごい心を捉えて放さない。

    むかつく。

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    2010年04月14日
  • 5

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    まずタイトルは「ファイブ」じゃなく「ご」のようです、たぶん。そして分厚い。約670頁です。ここまで長くする必要はなかったんじゃないかなーと言うのが正直な感想。序盤はなかなか面白いんですが、中盤あたりから、中志郎って登場人物の、この話の中での立ち位置が不明確になり、重要なのかそうじゃないのか分からない女性が何人も出てくる(しかも忘れた頃に再登場する)し、物語りの行き先がどんどん分からなくなり、読んでて不安になります。ここで挫折する人は多いかも。が、後半は、概ね分かりやすい方向へ収束していくし、津田伸一のキャラも立ってて面白いです。でも読後は、どうなんだろう。これが恋愛小説?

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    2011年01月14日
  • 永遠の1/2

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    2008年5月13日 読み終えました(´ε')

    27歳、田村宏。
    “失業したとたんツキがまわってきた”
    とはいうものの競輪の儲けで暮らす失業者……。
    競輪場でやけに脚のきれいな
    元人妻・良子と知り合うが、
    その頃から宏そっくりの男が街に出没、
    次々に奇妙な事件にまき込まれていく。
    青春の日の蔭りと明るさをとらえる今日的長編。
    すばる文学賞受賞作。

    うーん(´・ω・`)
    主人公がダメ男すぎて・・
    働けよ!(゚Д゚)
    競輪ってそんなに儲かるもんなのかなー

    なんか良子さんもいづみちゃんも可哀想(PД`q)
    だめ男にひっかかっちゃダメだなあー

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    2009年10月07日
  • スペインの雨

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    手法として面白いものが多かったけれど、ストーリーとしてはまとまりに欠けるものが多かった気がする。しかし、着眼点と着地点がやっぱり面白い。

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    2011年09月03日
  • リボルバー

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    もうちょっとコメディ調にするか、シリアスにするかすればもっと楽しめたのではないかと思う。Life goes on and onみたいな感じは好きなんだけれど、短い?割に登場人物が多くて、それぞれのパラレルな生活が交差しているので、一人一人についての書き込みがもっと欲しい気がした。ネタバレになるけれど、結局、リボルバーが使われないのが期待を裏切っているのかもしれない。

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    2011年09月03日
  • 取り扱い注意

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    かなり好みが別れるんでしょうね。
    なんとも言えない小説ですね。主人公の英雄は「女を蕩かせ夢中にさせる」事が出来る、熱意は無いがそつなくこなす県庁の若い役人。その生涯に時折顔を見せる叔父・酔助はロリータ趣味。英雄が今、蕩かせているのが知事の姪でお嬢さん育ちの美雪。そして、なぜか夢で未来を予見できる三ッ森小夜子。
    ジゴロやらロリータが出てくると言っても、性的なシーンが多いわけでもなく、むしろ酔助に引きずり込まれ、英雄が一緒に犯す犯罪の方が山場なのですが、これも主題とは言えないようです。
    むしろ、破滅的な性格の酔助、何処と無く中途半端なジゴロの英雄、そうした主人公の性格描写自体が主体かもしれません。

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    2016年08月16日
  • 鳩の撃退法 下

    購入済み

    最低

    全く面白くなかった。ストーリー云々ではなく、ダラダラした語り口。主人公の作家のキャラクターの表現であれば、まんまと術中にはまったといえるのか?。この内容であれば三分の一のページ数でも十分。金を返せとわ言わないが、私の時間を返して欲しいくらいです。この本に費やした時間に
    もっと面白い本を3~5冊は読めたと思う。★1を付けたが、本音は0です。

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    2021年09月05日