佐藤正午のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
これは重いぞー、重い。ページ数も多いけどそこに詰め込まれた文字数も多い。1ページにぎゅうぎゅうに文字が詰め込まれてない、改行しない。しかも割とどうでも良い、ぎゅうぎゅう?牛々?みたいな事が書いてあった、もうどうでも良いよ!って感じになって、それもまた楽し。
ともかく主人公の小説からしからぬ適当な物言いになごむ。ていうかそれを延々と繰り返されていい加減に飽きてくる、ていうかイラついてくる、と言いたいところなんだけど、意外やこの適当さ加減が、高田純次のような愛らしさというか、なんかけっこう悪くなく、なんやかんやとまぁ許してしまう、みたいな。そんな感じの適当さ加減を楽しむ本、と思いきや、帯には愛の心理と幻想を描いた、大傑作長編、とあって、もうピエール瀧もびっくりである、かもしれない。 -
Posted by ブクログ
拳銃を拾ってしまったら...届けるのが普通でしょう。でも吉川少年は届けなかった。復讐するために。九州から北海道までの復讐劇かと思いきや、ライラックをプレゼントするために同じく九州から北海道へ奔走する蜂矢さん。同じ西海市から薄野へ同じ時に旅をし、同じ時に帰ってくる。そして繋がる。途中まではうまく入り込めず、読むのやめようかなと思っていたのにいつの間にか夢中で読んでました。読み進める中なんだか引っかかるものがあったのですが、あとがきまで読んだ時ようやくわかりました。携帯電話が出てこない。連絡や地図、行き方など今では携帯電話を使うのが当たり前。携帯使えばいいのに...無意識に引っかかってました。それもそのはず、単行本は1985年発行とあった。今は便利になったものですね。
h29.5.13 -
Posted by ブクログ
【本の内容】
結婚5年目の冷めきった夫婦の「噂」、赤い手袋をはめて街に現れる娼婦の「噂」、不幸な事件で夫を亡くした美女の「噂」、奇妙な癖を持つデパート店員の「噂」…。
小さな街に暮らす人々の平凡な人生に隠された過去と事件。
男がいて、女がいて、そこからはじまる愛すべき人間ドラマ。
地味な日常にあざやかな彩りを添える、自分ではない誰かのうわさ話7編。
[ 目次 ]
[ POP ]
で、何がいいたいの?…だめだめ、佐藤正午を読んだ後そんな野暮なこと言っちゃあ。
ストーリーだけを話すと平凡で、怒涛のような盛り上がりはないんだけれど、例えば太宰治を読んだ時の感じに少しだけ似ている。
ちょっとしたフレーズがいつまでも心に残るところなんか。
本作は全編通じての主人公である小説家が7つの噂話の真相を、好奇心のおもむくままに探っていく。
もちろん真相は現実と同じで何ら劇的なことはなく、意外と大したことなかったりする。
多少の謎を残したまま話が終わるので、読み手は本を閉じた後あれこれと想像することができる。
そんなささやかな楽しみのある短編集だ。
著者の作品は、常に何かに対して深追いすることなく一定の距離間を保って他人と接する乾いた感じと、人間ってどうしようもないなあという愛しさみたいなものがミックスしている所が魅力だ。
7つの作品の中でも特に『好色』が好き。主人公・有尾杜夫の徹底した好色ぶりに呆れ、彼の妻の徹底したポストイット貼りにじわじわっと恐怖感を抱いた。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]