佐藤正午のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【本の内容】
結婚5年目の冷めきった夫婦の「噂」、赤い手袋をはめて街に現れる娼婦の「噂」、不幸な事件で夫を亡くした美女の「噂」、奇妙な癖を持つデパート店員の「噂」…。
小さな街に暮らす人々の平凡な人生に隠された過去と事件。
男がいて、女がいて、そこからはじまる愛すべき人間ドラマ。
地味な日常にあざやかな彩りを添える、自分ではない誰かのうわさ話7編。
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で、何がいいたいの?…だめだめ、佐藤正午を読んだ後そんな野暮なこと言っちゃあ。
ストーリーだけを話すと平凡で、怒涛のような盛り上がりはないんだけれど、例えば太宰治を読んだ時の感じに少しだけ似ている。
ち -
Posted by ブクログ
【本の内容】
彼女はぼくと同じ18歳だった。
初めての女性だった。
好きかと尋ねられて頷いた―家族以外の女性についた初めての嘘。
嘘を重ねるために他の女性を拾い、途切れ途切れに続いた彼女との関係も、ぼくが街を出ることで終止符が打たれた―。
そして長い時を経て、ぼくは再び彼女と出逢った。
(「糸切歯」)青春のやるせなさ、ほろ苦さを瑞々しい感性で描く秀作集。
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[ POP ]
彼はいつも止まっている。
些細なことにも途方に暮れる。
そうやって、ゆっくり進む。
感情がスローなペースで読者の心に浸透していく。
この主人公はシャーレに入った水のように純粋で無垢で磨れて -
Posted by ブクログ
旅行用にボロボロにしてもいい文庫を親から借りたので読みました。なんと自分が生まれる前に書かれた本だったなんて。
すばる文学賞受賞作品だったそうです。たしかに400ページほどのちょっと眺めの小説だったのですが、すらすら読むことが出来ました。文庫の後ろで佐伯彰一さんの解説には「軽み」を身につけた日常系ミステリーというような内容でした。
本作品は日記という体で文章が書かれています。重大な犯罪が起こる、予想もしないトリックがある、巧みな文章構成で読者をはっとさせる、というような内容ではなく、それはたしかに日記として読める少し不思議な日常といった感じでしょうか。やはり何よりの特徴はさらっとした口当た -
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過去のある時点に戻り、人生をやり直すことが本当に幸せなのか。
以前に読んだ佐藤正午さんの作品もそうだったのだが、タイムリープできるような力をつけても人の心はわからないのね・・・。という怖い話。
時空を超えた究極のラブ・ストーリーとあるが、あまりに独りよがりなので、ラブ・ストーリーといえるのか?まあ、片思いでもラブはLoveか。
一人称の私とフロッピーディスク内の僕と君がクロスするので少し分かりづらい。それが、最後に結びついてビックリするような展開になるのかとも思ったのだが、特にそのような展開もなくて拍子抜け・・・。
でも、最後まで展開が気になるミステリーとして面白く読めた。 -
Posted by ブクログ
もとは岩波の「図書」に連載されていたもの。
小説家と云う人間が,小説をどう読むか,ということで、近現代の小説家の作品を俎上にあげ、最後に自作を解説して見せた。
ということで、これは作品評ではない。あくまで小説家と云う職業柄、作品の気になる一節を、何故気になるのか,それはどうしてか等という切り口で語ったものだ。一種の文章(文体)読本。
勿論,小説を書いている人間には随分ヒントになるものだろうし、また並みの書評じゃないとみても、なるほどこういうこだわりもアリか、と興味深いことだろう。
しかしまた、酒間の歓談としてもこういうことをやる場合が多いことだろう。どうにでも読め,どうにでも考えら -
Posted by ブクログ
まずタイトルは「ファイブ」じゃなく「ご」のようです、たぶん。そして分厚い。約670頁です。ここまで長くする必要はなかったんじゃないかなーと言うのが正直な感想。序盤はなかなか面白いんですが、中盤あたりから、中志郎って登場人物の、この話の中での立ち位置が不明確になり、重要なのかそうじゃないのか分からない女性が何人も出てくる(しかも忘れた頃に再登場する)し、物語りの行き先がどんどん分からなくなり、読んでて不安になります。ここで挫折する人は多いかも。が、後半は、概ね分かりやすい方向へ収束していくし、津田伸一のキャラも立ってて面白いです。でも読後は、どうなんだろう。これが恋愛小説?