あらすじ
彼女はぼくと同じ18歳だった。初めての女性だった。好きかと尋ねられて頷(うなず)いた──家族以外の女性についた初めての嘘。嘘を重ねるため他の女性を拾い、途切れ途切れに続いた彼女との関係も、ぼくが街を出ることで終止符が打たれた──。そして長い時を経て、ぼくは再び彼女と出逢った(「糸切歯」)。青春のやるせなさ、ほろ苦さを瑞々しい感性で描く秀作集。(『恋売ります』改題)
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Posted by ブクログ
男性の描く女性だな、と思いました。視点や感覚がハッキリ違うので、男性作家さんの恋愛小説は新鮮です。
女性の背景が似通ってる人物が別の話に出たりするので連作短編集かと思いましたがたぶん別個のお話です。主人公と遊び人な友人のお話はいくつかあるけど。この友人は(懲りないなぁ…)と思ってしまってちょっと呆れつつ、しょうがないなぁと思います。自分や知人と関係持ってる人がこんな人物じゃなければ、こういう人でも仕方ないなぁと許せるんだけれど。。
佐藤正午さんも初めて読んだのだと思います。読みやすいし、ダメだなぁと思ってても登場人物に苛ついたりしないで読めます。男性がちゃんとしてないから苛つかないのかなぁ…ファンタジーが鼻に付かない不思議なバランス。
Posted by ブクログ
【本の内容】
彼女はぼくと同じ18歳だった。
初めての女性だった。
好きかと尋ねられて頷いた―家族以外の女性についた初めての嘘。
嘘を重ねるために他の女性を拾い、途切れ途切れに続いた彼女との関係も、ぼくが街を出ることで終止符が打たれた―。
そして長い時を経て、ぼくは再び彼女と出逢った。
(「糸切歯」)青春のやるせなさ、ほろ苦さを瑞々しい感性で描く秀作集。
[ 目次 ]
[ POP ]
彼はいつも止まっている。
些細なことにも途方に暮れる。
そうやって、ゆっくり進む。
感情がスローなペースで読者の心に浸透していく。
この主人公はシャーレに入った水のように純粋で無垢で磨れていない感性の持ち主だと思う。
最初は出口の見えない重たさが読みづらいと思ったが、一つ年下の友人が話の中に出てきたあたりから文章にリズムがでだした。
おもしろい作品である。現実にある様々な出来事が著者の目を通すとどんな風に映るのか興味がわいてくる。
同じはずの世界を他の人がまったく別のものとして見ていたことに気づかされる、そんな不思議な感覚を味わった。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]