佐藤正午のレビュー一覧

  • 鳩の撃退法 下

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    上巻をやっとこさ読み終わったところで、少し見えてきたこの作品の魅力。下巻はまた四苦八苦(苦しいわけではないのだが!笑)で読み終えたが、うまくまとめる言葉を見つけることができないまま、しばらく心の中で温存・反芻しているうちに、まったく感想を書くことができなくなってしまった稀有な作品。

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    2024年03月16日
  • 書くインタビュー 1

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    作家である佐藤正午氏と、メールを使ったインタビューです。インタビューというと対面で行われるものですが、これはメールを使ってのやり取りをしています。
    最初の方は、どうなってしまうのか心配になる程、やさぐれたやり取りが続きました。途中から、健全なキャッチボールがとなってきて、良い形に収まってきますので、これから本書を読む人は安心して読み続けてください。
    作家が作品を生み出すアプローチに関する様々な手法はとても興味深いものがあります。さらに、続きを読みたいと思っています。

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    2024年03月10日
  • 永遠の1/2

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    著者のデビュー作。
    何とも気取らない文章で淡々と語るのだろう。
    それでいて、大きな変化もあるわけでもないが、ミステリーのような要素も重なり、引き込まれていく。
    気だるい青年の一年にわたる出来事をコミカルに見せる。
    村上春樹の小説のような雰囲気を感じずにはいられない。
    始まり方と終わり方が後腐れなく、さらりとしていた。

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    2024年02月06日
  • 鳩の撃退法 下

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    ⚫︎受け取ったメッセージ
    のちに直木賞作家になる著者が描く、
    元直木賞作家の作品内で起こった現実から生み出された、どこまで現実か虚構かわからないメタのメタ構造。

    人は大なり小なり
    現実の断片を繋ぎ合わせて
    現実の世界を自分の都合のいいように切り取り、
    繋げ、何かを信じ、それがその通りになったり、ならなかったりして一喜一憂する。

    そこをエンタメ小説で書き上げる筆力に脱帽。


    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    ―このままじゃおれたちはやばい、ラストに相当やばい場面が待っているかもしれない。だけど厳密にやばいのはあんただ。わからないか。夜汽車に乗って旅立つ時だよ。身を潜めて小説の下書きを進める津

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    2024年02月01日
  • 鳩の撃退法 上

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    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    かつては直木賞も受賞した作家・津田伸一は、「女優倶楽部」の送迎ドライバーとして小さな街でその日暮らしを続けていた。そんな元作家のもとに三千万円を超える現金が転がりこんだが、喜びも束の間、思わぬ事実が判明する。―昨日あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ。偽札の出所を追っているのは警察だけではない。一年前に家族三人が失踪した事件をはじめ、街で起きた物騒な事件に必ず関わっている裏社会の“あのひと”も、その動向に目を光らせているという。小説名人・佐藤正午の名作中の名作。圧倒的評価を得た第六回山田風太郎賞受賞作。

    ⚫︎感想は下巻へ

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    2024年02月01日
  • 鳩の撃退法 上

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    佐藤正午さんが読みたい&藤原竜也が主演の映画をやったと言うのも惹かれて購入⭐︎
    文章がちょっとしつこいというか。。くどい笑。
    でも、嫌いじゃない。惹き込まれる。
    主役の津田伸一がダメ人間なとことか、セリフとか行動とか。。藤原竜也がピッタリだと思った!まだ前半戦。後半も楽しみ‼︎

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    2023年10月02日
  • Y

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    "時間を超えた究極のラブストーリー"という惹句なのだけど、自分にとっては"中年あるある"と"自分の人生をちょっとだけでも肯定する"というこの先生きていく上でのエールをもらった読後感でした。映画『エブエブ』を観た時と同じような気持ち。

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    2023年08月28日
  • 鳩の撃退法 下

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    ネタバレ

    帯に糸井重里が「こんなの書けたら、嬉しいだろうなぁ」と。まさにその通りで、まずは並の人では書けないだろう。いつかは真相がわかると思って読み進めるが、真実は闇の中。どこまでが執筆アイデアで、どこからが真実なのか?終盤にむけ収斂していくかと感じたが、結局迷路のごとく迷いに迷う。驚きの名作(迷作)だった。

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    2023年06月11日
  • 鳩の撃退法 上

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    「永遠の1/2」に似た違和感、空気感を纏った不安を文章にした「鳩の撃退法」。現実と仮想のあいだで読者は迷子になる。この違和感、不安が下巻でどう進むのか?
    先に進みたい。

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    2023年05月28日
  • 鳩の撃退法 下

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    映画を見たけど、本の方が面白いと聞いたので

    なるほどー映画だとすべてが事実かのように見えちゃうけど、じつはどこまで本当でどこからが想像の産物なのか分からないこの曖昧さがこのお話の面白さなんだな
    映画も原作に倣って、「あり得たかもしれない話」ってことなんだろうな

    気になって聴き返してみたけど(Audible)津田は高知秀吉の妻の顔を知らないよね??
    ベンツや動画の晴山青年の相手が高知奈々美だったとは限らないよね??
    高知秀吉一家の行方不明事件と、晴山青年と謎の女性の遺体が上がった事実からのこれも想像ってこと??

    読んだあともいろいろ気になるー

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    2023年05月25日
  • 小説家の四季 2007-2015

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    前作の『小説家の四季1988年〜2002年』と比べると、小説家になった著者の姿で語られている印象を持った。著者の小説はまだ読んだことがない。『鳩の撃退法』という映画を見たことがあるが、同じ題名の書籍もあるので原作なのだろう。今度は、小説を読んでみる。

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    2023年03月21日
  • 夏の情婦

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    やや寡黙な青年が主人公の短編5編。とてもリアルに感じられ、また、作者が同年齢の頃に書いた小説でもあることで、本人の自伝ではないかと思いながら読んだ。
    男目線での恋愛小説は主人公が寡黙な人であるならある程度モテなければ物語にならないと思うが、そんな願望も含めて楽しく読めました。傘を探して出会いを重ねる「傘を探す」が一番印象に残る。

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    2023年03月21日
  • 小説家の四季 1988-2002

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    小説家の日常を、年に4回春夏秋冬のタイミングで綴ったエッセー集。インターネットの黎明期に関する話題が興味深かった。
    それなりに作品を世に送り出している作家時代のエッセーなので、必死さはあまりなくマイペースで作品を生み出している様子を知ることができる。
    言葉を大切にしている職業人らしい逸話や、小説のプロットが生まれる場面も知ることできる。
    佐藤さんの小説は、残念ながら読んだことがない。本書と共に手にした作品『月の満ち欠け』を早速読みたい。

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    2023年02月26日
  • 鳩の撃退法 下

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    面白かった。これぞ小説。小説の醍醐味。でも多分、まだ分かってない。もう一度読まないといろいろと分からない。鳩の撃退法というタイトル。つがいの鳩。面白かったけど、ちょっとモヤモヤ。

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    2023年01月28日
  • 鳩の撃退法 下

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    小説家が現実の世界を元に書いた物語に現実が吸い寄せられる話し。上下巻の長編だけど、最初の方の伏線を見事に回収されて綺麗な終わり。ただ、最初の方は、ややまどろっこしい進み方でなかなか入り込めなかった。すぐに引き込まれて先を読みたい気持ちが高まった。

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    2022年12月31日
  • 鳩の撃退法 上

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    ネタバレ

    小説家が現実の世界を元に書いた物語に現実が吸い寄せられる話し。上下巻の長編だけど、最初の方の伏線を見事に回収されて綺麗な終わり。ただ、最初の方は、ややまどろっこしい進み方でなかなか入り込めなかった。すぐに引き込まれて先を読みたい気持ちが高まった。

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    2022年12月31日
  • 鳩の撃退法 上

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    初佐藤正午さん。これまで読んだことのない文体・構成が新鮮でとても面白い。糸井重里さんが「ピントが合うまでの時間がどうしても必要なんですよね。話はちゃんと読めるんですが、ピントが合わない。バチーンと合ってからどんどんおもしろくなるんです」と言及されていたが、大いに納得。上巻最後まで読んで初めの方のページをめくってみたら、内容がスルスルわかって、もう一度読みたいくらいに。登場人物も結構多いし、なかなかキャラをつかみきれない、と思ったところで、私は邪道かもしれないが映画化の相関図を横に置いて読んでみた。するとたちまち内容が入るようになった。文中に突然筆者が顔を出したり、読者に呼びかけたり、自由自在。

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    2022年10月22日
  • 夏の情婦

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    社会的には、そしておそらく女性から見たらダメな部類に入る男の恋愛を描く短編集。
    みんなどことなく投げやりで、でも不思議と女性にモテて、だけど最後まで思い通りにはいかないところが良いなあ。デビューした頃に何冊か読んで以来久しぶりの佐藤正午さんだったけど、若い時には感じなかった味わいがあるかも。
    もう少し別の作品も読んでみようかな。

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    2022年09月12日
  • 鳩の撃退法 下

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    いつも1時間で文庫本1冊読むのに、この本はめちゃくちゃ時間かかった…。
    途中で読むの飽きかけて、2ヶ月ぐらいかかった笑
    でも本を読む楽しさを再認識させてくれた本。
    回りくどくて理屈っぽいところが自分は好きだった。
    一筋縄でまとめられない本の方が読む甲斐あるよね!

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    2022年09月08日
  • 鳩の撃退法 上

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    なかなかに読みにくい文章……だけど癖になるっちゃなる。笑
    時系列も行ったり戻ったりでしっかり読まないと理解するのが難しい。でも、いつも速読しちゃって話の展開だけを追ってしまう自分にとって、小説の良さを再認識させてくれた作品。下も気になるから今から読んできます!

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    2022年08月17日