きみは誤解している

きみは誤解している

小説・文芸
671円 (税込)

3pt

3.8

競輪場を舞台に綴る切ない6つの人間ドラマ

「ねえ聞いてるの? 自分のことを僕って呼ぶ人間がギャンブラーになんかなれるわけないって、あたしは言ったのよ」とマリは婚約者の青年をたしなめる。JRの勤勉な駅員として働く彼の、唯一の趣味は競輪。そんな彼が、死期の近づく父の残した当たり車券を元手に大口勝負を挑もうとする表題作。
信用組合に勤める女が、車券の一点勝負にギャンブルの真髄を見い出したきっかけを語る「遠くへ」。
十三年間定職に就かず、競輪場で儲けた金だけで生活している独りぼっちの男が、中学時代の同級生と再会したときの顛末を告白する「この退屈な人生」。
ある夜明けのくしゃみと三万円分のはずれ車券のせいで、夫婦のあいだに波風が立ちはじめた鮨職人の「女房はくれてやる」。
賭けに負けたことがない女子高生が、姉の婚約者の応援に駆り出されたのを機にこっそり通い出した競輪場で淡い恋心を抱く「うんと言ってくれ」。
同棲相手の会社の金を持ち出したという兄を追って、八年前のある出来事から車券を買わなくなった競輪ファンの弟が佐世保競輪場へ向かう「人間の屑」。
全六篇収録。
競輪場を舞台に繰り広げられる切ない人生が放つ一瞬の輝きを、透明感あふれる文章で綴った珠玉の作品集。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    小学館
  • 掲載誌・レーベル
    :
    小学館文庫
  • タイトル
    :
    きみは誤解している
  • タイトルID
    :
    197298
  • ページ数
    :
    320ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年02月01日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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きみは誤解している のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ハードボイルド。ハードボイルドっていうのはこういうダメでどうしようもなく、そしてそれを変えようもない男たちの物語なんだ。 ギャンブラーは女を泣かすことも自分を騙すこともお手の物だ。彼らはこう言う。「俺に言わせればギャンブルの手など借りなくても人生なんてもともと狂ってる。俺はそう思う」 屑が嫌いな人は近寄らないほうがいい。愛すべき屑たち。人生なんてそんなもんだろう。
    ただ表題の主人公の車券はそのまま大外れしてほしい。

    0
    2020年02月25日

    Posted by ブクログ

    いやあ、うまいなぁ。
    すべて競輪にまつわる6つの短編を掲載。
    通底するのは漠然とした人生への諦念と、それでも諦めきれずに何かに賭けてみる男たち(女たち)の物語。
    「きみは誤解している」
    いや、誤解していない。
    「遠くへ」
    それは憧憬。
    「この退屈な人生」
    だから何かに賭けてみたくなるんだ。
    「女房はくれてやる」
    時には負けたって当たり前じゃないか。
    「うんと言ってくれ」
    その一言に私は賭けてみる。
    「人間の屑」
    どうせ+-0なら券は買わない。意味ないじゃないか。
    そうだろ?ミスバレンタイン。

    0
    2018年01月22日

    Posted by ブクログ

    競輪をこよなく愛する男女の切なく輝く一瞬を綴った6つの人間ドラマ。残り一周を報せる鐘の音が聞こえるような緊張感が漂う作品集。
    ギャンブルは人生を狂わすというが、その渦中に身を置くと、尋常ではない喜びと哀しみが味わえる。極めれば極めるほど知的興奮が上昇するので、止めるきっかけが見つからない。本作品の登場人物たちは、ギャンブル感に優れた者と人間の屑のように身を落とす者がいるが、私を含めほとんどの人間は表題作のような者だ。嫌なヤツだけど親近感は覚えた。

    0
    2016年11月23日

    Posted by ブクログ

    競輪というギャンブルにかける、あるいは振り回される様々な人間の小説。競輪をまったく理解しない私でも付録と称される解説小説が最後についている。それで競輪の知識があがるわけでもないが。6つの小説のそれぞれタイトルが秀逸。ギャンブラーがいいそうな、少々芝居がかった、自分のことを夢見心地でみているような、そんな話にぴったりのタイトル。語り口のテンポのよさも佐藤正午ならでは。

    0
    2012年06月23日

    Posted by ブクログ

    佐藤正午が競輪好きなことは「side B」から知ったのだけど、これは競輪を題材にした6つの短編集。
    作者は佐世保だけど、私は長崎に住んでいた頃、もう50年程前になるけど、造船所勤めの伯父に連れられて競輪場へ行ったことがある。今は競馬ばかりで、競輪は観たい番組がない時に大きなレースをやっていれば観る程度だけど、別に競輪も嫌いな訳じゃなく、私のこういうもの好きはその頃にルーツがあるかもと思ったりする。
    その割に博才無いこと甚だしく、わざわざ当たり馬券を外して買ってるような結果には、我ながらよくも続けているもんだとうんざりするが、来週になったら、今度こそ当たる様な気がするんだよねぇ、これが。最初の話には、そういったギャンブルが仕掛ける甘い罠へ陥る道筋が良く描けていて、そこからもうこの世界へ吸い込まれる。
    ところで、昔は戦災復興の名のもとにあった長崎の競輪場もずっと昔に廃止になって、今はラグビー・サッカー場になっているのだけれど、それをやらない人から見た時の如何わしさやお金にだらしの無い人が嵌る陥穽っていうのはどうしようもなくて、世間のそういうイメージは拭い去れないねぇ。だから4つ目のお話で、鮨屋の社長が『ギャンブルは人生を狂わす』とか言うのも分からないではなく、全編を通してそういう日陰のイメージが漂うお話しは愁いに満ちて物悲しい。
    それぞれのお話であまり賭ける金が大きいのと、それで当たっちゃうのが、私のように小銭で楽しんでると言うか、小銭しか賭けれない者にとっちゃぁ、ちょっと勝手が違ったりしながら読み進めるが、初刊時の書下ろしである最後の話で『競輪場の中では、度胸という言葉は常に自暴自棄と背中合わせであること、そして競輪場を一歩外とにでれば、その種の度胸は何の役にも立たない』とか『寝る間を惜しんで競輪場に通いつめても、どんなに熱心に予想を立ててみても、勝ったり負けたりを繰り返すだけだ』と漸く世間並みの言葉が並んだかと思いきや、最後に曰く、そういう考え方で車券を買うのは『競輪をやる人間としては、クズだ』と喝破するのだから、もはや筋金入りですな。これでやっていっては私のような真面目なサラリーマンが長く続けていられる訳もなくて、まあ、愉しみ方は人それぞれでいいんだけどね。
    全国44ヵ所、結構街中にある競輪場の場所柄や遠征で旅する競輪選手の生活に、ラインや脚質といったレースの特性の上に成り立つ話でありながら、普遍的な男や女の話にもなっていて、なかなか読ますこの世界。寺山修司や山口瞳、虫明亜呂無の頃を思えば、競馬でこういう話を書いてくれる人がいないのかと、ちょっと羨ましく思ったりもする。

    0
    2015年10月03日

    Posted by ブクログ

    オーディブル
    佐藤正午さんだから読んでみた。
    競輪に興味なかったから、新しい世界を知ることができたが、どの短編も、心が動かなかった。

    0
    2026年03月24日

    Posted by ブクログ

     競輪を共通のテーマにした短編小説集ですが、結構面白かった。世の中には競輪で儲けている人も存在するのかもしれないと思わせる。世の中にはギャンブルを巡る悲劇が多いのだが、この小説はカラッとしていて好感が持てる。

    0
    2024年07月07日

    Posted by ブクログ

    競輪をテーマとした短編集。
    競輪にハマって抜け出せない、あるいは抜け出す必要のないような人たちをつらつらと追っていく。勝っても負けても最終的には損するということをわかっている上で、全員が全員競輪場に赴く。
    話としては面白く、興味深い話もあったけど結局心情は理解できなかった。この本に則って自分を評するならきっと、カスみたいな人間と罵られるんだろうけど、それはそういうものでいいんだろう。

    0
    2013年09月02日

きみは誤解している の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    小学館
  • 掲載誌・レーベル
    :
    小学館文庫
  • タイトル
    :
    きみは誤解している
  • タイトルID
    :
    197298
  • ページ数
    :
    320ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年02月01日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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