冬に子供が生まれる

冬に子供が生まれる

1,782円 (税込)

8pt

著者七年ぶりの新作長編!直木賞受賞第一作!

その年の七月、丸田君はスマホに奇妙なメッセージを受け取った。
現実に起こりうるはずのない言い掛かりのような予言で、彼にはまったく身におぼえがなかった。送信者名は不明、090から始まる電話番号だけが表示されている。
彼が目にしたのはこんな一文だった。

今年の冬、彼女はおまえの子供を産む

これは未来の予言。
起こりうるはずのない未来の予言。
だがこれは、まったく身におぼえのない予言とは言い切れないかもしれない。
これまで三十八年の人生の、どの時代かの場面に、「彼女」と呼ぶにふさわしい人物がいるのかもしれない。
そもそも、だれが何の目的でこの予言めいたメッセージを送ってきたのか。
丸田君は、過去の記憶の断片がむこうから迫ってくるのを感じていた──。

三十年前にかわした密かな約束、
二十年前に山道で起きた事故、
不可解な最期を遂げた旧友……

平凡な人生なんていったいどこにあるんだろう。
『月の満ち欠け』から七年、かつてない感情に心が打ち震える新たな代表作が誕生。読む者の人生までもさらけ出される、究極の直木賞受賞第一作!

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    小学館
  • ページ数
    370ページ
  • 電子版発売日
    2024年01月30日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    2MB

閲覧環境

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冬に子供が生まれる のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    むちゃくちゃ面白い。ミステリーホラーなのかな? かつてUFOに出会った子どもたちが大人になって覚える違和感。中心をあえて外して周りをぐるぐるしていく不安感、一人称がブレるような仕掛け、集中が途切れる瞬間が主人公たちの追体験な風もあり……。好き。

    0
    2025年05月04日

    Posted by ブクログ

    人生の記憶、人々の記憶、あいまいさで満ちているこの世界、何が正しいのか分からなくなることも多々ある。
    人々が感じているこの世界の不思議さや、儚さを、見事に面白く小説にしてしまったような。
    読んでいる間中、2人の少年を混同し、分からなくなってしまう。
    最愛に人たちを亡くした者たちの後悔や、寂しさが痛烈

    0
    2025年04月09日

    Posted by ブクログ

    ある夏、丸田君のスマホに届いた「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」というメッセージ。
    心当たりはないものの、それをきっかけに、彼は遠い記憶の中から失った過去を少しずつ取り戻してゆく。
    第三者である語り手(これもまた物語のキーになります)により明らかになる過去の不思議な事件。
    丸田君そして周囲の人達

    0
    2025年01月18日

    Posted by ブクログ

    子どもの頃にUFOを見た3人の男の子…

    不思議なできごとの真相を知りたいと、読みながら一緒に追いかけていたはずが、するりするりと視点が変わり彼や彼女らの心のうちを知るほどに、真相なぞどうでもよいという気持ちになってくる。

    生きていくってこんなに曖昧で、記憶も自身の存在も。
    そんななか、みんなよく

    0
    2024年12月07日

    Posted by ブクログ

    彼はこう思っていた。僕は大事なことを忘れているのかもしれない。何かとてつもなく大きな約束を果たさないまま生きているのかもしれない。漫然と、平気でいままで生きてきたのかもしれない。そしてそのせいできっと誰かに歯がゆい思いをさせている。失望させている。誰か、顔は見えないけれど、どこかにいるその誰かを、深

    0
    2024年11月04日

    Posted by ブクログ

    「冬に子供が生まれる」(佐藤正午)を読んだ。
    
奇跡のような一冊。
    
途中までは《これはちょっとしんどいな。肺腑を抉られる感じの物語なんだよ。マルセイの、マルユウの、真秀(まほ)の、胸の内を思うと、もう心が折れそうなくらいに辛い》という感じ。
    
でも読み終わってたどり着いたそこには・・・。

    なんか

    0
    2024年09月10日

    Posted by ブクログ

    佐藤正午「冬に子供が生まれる」
    提示される世界は最初から揺らいでるし語り手も誰なのか信用できるのかもわからないし、ミステリなのかファンタジーなのかなんなのか、どういうふうに読んだらいいか判らないまま進んでいって、中盤あたりでふと、これは人の一生についての話なのかと気づいた。佐藤正午だもん。不確かな記

    0
    2024年06月09日

    Posted by ブクログ

    おもしろかった
    と同時に訳のわからない本だなとも思った。

    結局、何が起こったのかはっきりと買いてはいないし、数学の先生はどうして杉森さんに執着していたのか分からないし、亡くなったライターの娘さんも何を求めていたのかわからない。
    という、主要でない登場人物のことも気になるし。

    主人公レベルのマルセ

    0
    2025年07月20日

    Posted by ブクログ

    この小説はミステリーでもあり
    SFでもあり一つの長い人生の記憶でもある。
    マルセイとマルユウの交差した人生は
    人の記憶の曖昧さと、この世の不思議
    を同じく交差させた人生だった。
    人生全てがifの世界であり、人はいつも
    その事を考えずにはいられない。
    肉体は無くなっても魂は何処かにあると
    信じたい。

    0
    2025年05月02日

    Posted by ブクログ

    佐藤正午のお話は、純文学とミステリーの間くらいにいつも感じます。ちょっと不思議不合理。けれど純文学よりは腑に落ちる
    要はこれもどんどん読み進めてしまいました

    0
    2025年02月22日

冬に子供が生まれる の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    小学館
  • ページ数
    370ページ
  • 電子版発売日
    2024年01月30日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    2MB

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