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「私たちは、友達じゃない」25歳、夏。恋人と出かけたリゾートで、逢衣は彼の幼なじみと、その彼女・彩夏に出逢う。芸能活動をしているという彩夏は、美しい顔に不遜な態度で、不躾な視線を寄越すばかりだったが、四人で行動するうちに打ち解けてゆく。東京へ帰った後、逢衣は彩夏と急速に親しくなった。やがて恋人との間に結婚の話が出始めるが、ある日とつぜん彩夏から唇を奪われ、「最初からずっと好きだった」と告白される。彼女の肌が、吐息が、唇が、舌が、強烈な引力をもって私を誘う――。綿矢りさ堂々の新境地! 第26回島清恋愛文学賞を受賞した鮮烈なる愛の物語。
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Posted by ブクログ
偶々出くわした落雷から始まる二人の恋。彩夏のあまりに突然過ぎる告白に当惑しつつも、最後には本能で受け容れる逢衣の姿が印象的でした。
異性愛を前提とした旧態依然な社会の常識や世間体から解放され、自ら快楽の海に堕ちることを選択した二人。これは正に、18世紀を代表する哲学者ルソーが唱えた『自然に帰れ』の考えを端的に示しているのではないでしょうか。社会化によって失われた人間本来の感性・直感・本能を回復することを目指す。同性愛、マイノリティという枠組みを越え、生の欲求を人間本能の回復にまで昇華させた描写はどれも美しく、綿矢りさの圧倒的な筆力にただただ感動した一冊です。
Posted by ブクログ
上巻のまだ半分ほどまでしか読んでないのですが、自分がバイだからなのか、主人公の感情もさいかちゃんの言葉に伴う感情も、どちらもものすごく共感できる感情だったことが感動的で、誰かに伝えたくてここへ記しに来ました。
私は自身をバイと自覚したのが社会人以降で、今は交際中の彼女がいるんですが、さいかちゃんが主人公に初めて会ったときの感覚の表現が、私が彼女に初めて会ったときの感情とあまりにも同じで、驚きました。そう、男も女も関係なくその人やから好きになったのよね、今まで同性のタイプとかなかったのに、その人を一目見た途端、異常なまでに綺麗に見えて、『あ、この人私のタイプや』ってなるよな、視線が吸い込まれるよねって。
Bの方はもちろんのこと、B以外のLGBTQ+の方も、そうでない方にも、恋に興味がある人にはみんな読んでほしい。
楽しいよりも切なさにすごく共感できる本です。
Posted by ブクログ
ずっと読んでみたかった一冊。しっとりねっとりした感じを勝手に想像していたが、現代的でスピード感もありぐんぐん読ませる感じだった。お互い彼氏のいた逢衣と彩夏が付き合うようになった経緯もなかなか急なのでびっくりしたけど、それは読者にとってわかりきった展開なのでこれくらいでいいのかも。とはいえ元彼氏の颯と琢磨があまりに物分かりがよすぎて不憫……。
ところどころ文章が荒っぽい感じがするのに引っかかりつつも、先が気になりあっという間に読み終えた。もともと素朴な印象だった逢衣が、彩夏と一緒にいるうちにどんどんあか抜けていくような様子にわくわくした。女性が女性と交わることではじめて得る気づきが丁寧に綴られているのがとてもよく、そういう経験のない私でさえうっとりしてしまうほどだった。
2人の関係性、怖いほど順調だなと思っていたらやはり最後に危機が訪れたところで上巻終わり。下巻も楽しみ。
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