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Posted by ブクログ
女性の同性恋愛小説。
題材は別に興味をそそられるわけではなく、むしろ苦手な部類。
しかし、読み進めいていく、引き込まれる。
性描写がある題材は、「キレイ」だと受け取れるか、「ちょっと気持ち悪い」と受け取れるかで、その作家さんの次の作品を読むかどうかを判断する。
人気の作家さんでも、自分に合わない性描写は、次の作品を読むことは無い。
綿矢さんの描写は「キレイ」と思える。
途中、バッドエンドになるのではと思いながら読んでいたが、素晴らしい終わり方。
惹かれ合うのに、性別は関係ない。
自分にも子供がいる。親の葛藤もわかる。
でも、本人達の気持ちに偽りがなければ、背中を押せる存在になりたい。
Posted by ブクログ
ぐんぐん加速していった下巻。一目会うことさえ叶わなかった7年をはさんで、二人が一度クロスし、そして再び一本のラインとして交わりあっていく様子が、鮮やかに描かれていた。一方がむかし言っていたことをもう一方がずっと覚えていたり、現在と過去がシンクロしたりと、このふたりの長い年月を読者としてずっと追ってきた喜びが感じられた。
一度固く閉ざされてしまった彩夏の心がほぐされていった直接的なきっかけや、逢衣と両親のその後など、はっきりとは書かれていない。納得いかない読者もいるだろうが、現実って実際はこんなものだろうなと、むしろ自然に思われた。なにもすべてにおいて、はっきりした出来事をきっかけに心が動いていくのではない。ひかれあってしまうものはどうしてもそうなるというような、傍から見れば曖昧な、でも当人にとっては必然的な、自然な成り行きというものはたしかにある。
逢衣と彩夏が交わるシーンが全編を通して複数回、濃密に描かれるが、そのどれもがまったく同じでないことがすごいと思った。そこには二人の関係性における微妙な変化が、これ以上ないほどこまやかに映し出されている。私自身にはそんな経験が(たまたま)ないからなのかもしれないが、先入観にとらわれることなく、愛する人の身体をひとつずつ知っていく幸福をリアルに感じることができた。
同性愛に対する世間の風当たりがやや極端で画一的なのはちょっとひっかかった。とはいえ、本作の初出から7年が経っても、いまだに日本のトップに立つ政治家でさえ同性婚反対を声高に叫んでいる。これが現実かと思うと、逢衣と彩夏がたどり着いたラストの意味をあらためて考えさせられる。
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