意識のリボン

意識のリボン

506円 (税込)

2pt

母親を亡くした二十代の「私」は、「絶対に長生きするからね」と父に誓ったのに、交通事故に遭ってしまう。激痛の嵐の中、目を開けると二メートルほど下に自分の身体を見下ろしていて……。表題作ほか、姉妹、妻、母親――様々な女たちの視線から世界を切り取り、人生を肯定するあたたかさを感じさせる。著者新境地の全八編の短編集。

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意識のリボン のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ


    僕たちは、普段感情を表す際、簡潔で単純な言葉でまのめてしまう。本来は、複雑なレイヤーがあるものをしまったものを引き出しから出すように。

    本作は、感情を行ったり来たり迷ったりで親密な口調僕らに話しかける。大きな解決もないが少し背筋が伸びただけで良いのでは?そこが新鮮で面白い。現在の僕たちの心のひだ

    0
    2025年10月08日

    Posted by ブクログ

    「自己」とか「意識」といったものの曖昧さ、多面性をいろんな角度から切り出した短編小説集、という雰囲気。
    それぞれの作品の主人公の世界の捉え方、感じ方はまったく共感や理解のできるものではないけど、自分にはない見え方を垣間見させてくれるから綿谷りさ作品は面白い。

    0
    2025年05月04日

    Posted by ブクログ

    お洒落な表紙、「意識のリボン」なんてファンシーなタイトルだが、その中身はひどく人間らしい感情に溢れている。岩盤浴で見かけた見知らぬ女性二人組の間の歪なパワーバランスを外野から密かに憂慮してみたり、三十歳を迎えた女性が抱く、日に日に老い行く自らへの焦りを何気ない日常と混ぜ合わせながらユニークに表現して

    0
    2024年01月07日

    Posted by ブクログ

    綿谷りささんの小説を初めて読んだ。
    率直にどれも面白い。そして女性を描くのが上手い。
    1番最初の話から心を掴まれた。見知らぬ展開としての面白さもあるし、地で面白いというのもある。
    1番好きだったのは表題作である「意識のリボン」こんな考え方をしたことはなかったがこんな感じだと良いなと思うし、心にスッと

    0
    2023年10月19日

    Posted by ブクログ

    2014〜2017年、4年の間に発表された9つの短篇をまとめた1冊。ずっと先、綿矢りさという作家を語る時、この短篇が重要なターニングポイントだったと語られるような気がしている。

    0
    2023年08月01日

    Posted by ブクログ


    なんとなく手に取る機会がなかった
    はじめての綿矢さん作品。

    リボンモチーフのものが好きなわたしは
    ただ単純にタイトルに惹かれ
    装丁のイラストのタッチも好みだったから
    パッと目についたのがきっかけ。


    独身女性、母、妻、娘…女性が主人公の短編集。
    「こたつのUFO」「怒りの漂白剤」そして

    0
    2022年04月03日

    Posted by ブクログ

    不思議で、どこか怖さのある短編集。
    昔読んだのを読み返してるけど、全然覚えていなかった。

    ●履歴のない女
    娘と自分が、肺炎をきっかけに剥がれる。
    病気になったのが自分じゃなくてよかった、と思ったと。
    妻や母の役割が剥がれて、自分になるきっかけがわたしにも訪れるのかも。不思議な読後感。

    ●履歴のな

    0
    2022年03月17日

    Posted by ブクログ

    みなさんおっしゃってる通り、エッセイなのか小説なのか分からない不思議な短編ばかりだった!
    「こたつのUFO」にあったように、書いたものからその筆者の人柄を判断してしまうのは多かれ少なかれあるなあ、と思った
    何ならその人がどういう文章を読むかでも判断してしまうこともあるし
    相手のことを知りたいと思った

    0
    2021年11月17日

    Posted by ブクログ

    超久しぶりの綿矢作品は短編集。エッセイなのかと思わせる小説、独特の捻くれた視線が鮮やかな小説、どれも面白かった。

    0
    2021年09月30日

    Posted by ブクログ

    エッセイ集のような短編小説集。
    「こたつのUFO」の突拍子もなさに笑いながら、姉妹の話に心当たりがあってすこし気分を害しながら(それだけ巧みだということ)。だけど「意識のリボン」表題作で、それまでのちまちまとした感情を突き抜けてしまった。
    ずっと読んできた綿谷りさによる、魂と肉体とひかりの話を読める

    0
    2021年04月06日

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