【感想・ネタバレ】生のみ生のままで 上のレビュー

あらすじ

「私たちは、友達じゃない」25歳、夏。恋人と出かけたリゾートで、逢衣は彼の幼なじみと、その彼女・彩夏に出逢う。芸能活動をしているという彩夏は、美しい顔に不遜な態度で、不躾な視線を寄越すばかりだったが、四人で行動するうちに打ち解けてゆく。東京へ帰った後、逢衣は彩夏と急速に親しくなった。やがて恋人との間に結婚の話が出始めるが、ある日とつぜん彩夏から唇を奪われ、「最初からずっと好きだった」と告白される。彼女の肌が、吐息が、唇が、舌が、強烈な引力をもって私を誘う――。綿矢りさ堂々の新境地! 第26回島清恋愛文学賞を受賞した鮮烈なる愛の物語。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

最近は綿矢さんの本を多く読んでますが、この本は特に良かったです。
逢衣(あい)、彩香(さいか)を巡るストーリーと美しくもあり鋭く緊張感のある文章に没入しました。

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2025年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

正論を言っているつもりなのに、一言発する度に気が重くなって動揺した。確かにどんな熱い想いもずっと放っておけば冷める。でもそれはどういう生き方なんだろう。生きていると言えるのだろうか。

本文中より抜粋
刺さりました。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

同じ女として「あぁ、、めっちゃわかる。共感」と何度も思った。日本ではまだ馴染んでいない同性愛についてここまで繊細にそして美しく表現されているのはこの作品だけだと思う。自分の考え方を改めさせるような、恋愛という泥のように赤い気持ちを体験させられる素敵な作品。

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2025年03月15日

Posted by ブクログ

そこまで題材は魅力的なではないと思っていたが、引き込まれる。
綿矢さんの文章は馴染みやすく、好きだ。

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2025年02月18日

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始めはなんて感じの悪い女なんだろう、って思ったのに。その心に触れていくうちに、なんて可愛らしい『女』なんだろう、と思い、苦しくなり、常識のラインすら薄く消えていく。

一人の『人』を好きになる。たった一人。この人だけ。

二人の関係が気になってどんどんページをめくり、気がつけば終わっていた。

とても良かった。

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2025年01月07日

Posted by ブクログ

最高の百合小説。
下もすぐ読みました。
みんなの気持ちがわかる。愛に性別は関係ない!
恋愛ものは苦手だったけれど、この本だけは不思議とドキドキしながら読めました!

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2024年10月17日

Posted by ブクログ

上巻のまだ半分ほどまでしか読んでないのですが、自分がバイだからなのか、主人公の感情もさいかちゃんの言葉に伴う感情も、どちらもものすごく共感できる感情だったことが感動的で、誰かに伝えたくてここへ記しに来ました。
私は自身をバイと自覚したのが社会人以降で、今は交際中の彼女がいるんですが、さいかちゃんが主人公に初めて会ったときの感覚の表現が、私が彼女に初めて会ったときの感情とあまりにも同じで、驚きました。そう、男も女も関係なくその人やから好きになったのよね、今まで同性のタイプとかなかったのに、その人を一目見た途端、異常なまでに綺麗に見えて、『あ、この人私のタイプや』ってなるよな、視線が吸い込まれるよねって。

Bの方はもちろんのこと、B以外のLGBTQ+の方も、そうでない方にも、恋に興味がある人にはみんな読んでほしい。
楽しいよりも切なさにすごく共感できる本です。

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2024年01月06日

Posted by ブクログ

めっちゃ面白い。

あらすじを読んで内容を知っていたから「退屈などしていなかった。」という出だしだけで、ぐっと心を掴まれた。

そのあとはポップなのにみずみずしい文体でぐんぐん読み進める。人や情景の描写が上手だから、繰り広げられている光景が自然と思い浮かぶ。たまに出てくる比喩もわかりやすくてユーモアがある。

下巻が楽しみ。

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2022年08月11日

Posted by ブクログ

あなたは、こんな思いを抱いたことがあるでしょうか?

 『人をこんなに好きになることが世の中にあるって、今まで私は知らなかった』

人が人を好きになる、これは誰にでもあることだと思います。小学校の頃の初恋に始まって、人は生きる中に必ず他人を好きになる時が訪れます。もちろん、そのすべてが成就するとは限らないでしょう。儚く消え去ってしまう、もしくは脆くも崩れ去ってしまうという展開、これも誰もが一度は辿る道だと思います。しかし、上記したようなその人の心の中に秘めた感情、これは誰が誰にそのような感情を抱こうともそれはその人の自由なはずです。誰にも咎められることなどないはずです。

さてここに、『人をこんなに好きになることが…』と、ある人を好きになってしまった二十五歳の女性を描く物語があります。『いまの恋をどうしても諦められない』と思う女性を描くこの作品。そんな女性が『ねえもう好きで好きで抑えられないよ…どうすれば良いか自分でも分からない』と気持ちを昂らせていく様を描くこの作品。そしてそれは、”女性同士の情熱的な恋を描く”綿矢りささんの美しい言葉が紡ぐ愛の物語です。

『颯はさ、このスカイホテル湯沢ってとこに、何回ぐらい行ったことがあるの』、『夏は海水浴できるんでしょ…』と『運転中の颯』に話しかけるのは主人公の南里逢衣(なんり あい)。『高校のときの一つ上の先輩、丸山颯(まるやま そう)と社会人になってから付き合い始めて二年経ち、二十五歳のいまお盆休みに秋田へ』と向かう逢衣は『あのころはほとんど口もきけず遠くから盗み見るだけしかできなかった丸山先輩と』こうしていられることを『夢のよう』と感じています。『想像よりも大きな造りで、深い山林に囲まれて唐突にそびえ立ってい』る『ホテルへと到着した二人は、翌日、『たくさんの海水浴客に交じって泳ぎ、三時半にはまたホテルに戻ってき』ました。『車酔いし、ロビーのソファに座っ』た逢衣を残して、『急に受付の方へ走って行き、チェックインの順番待ちをしていた一人の男性に声をかけた』颯。『女性を連れているその男性は、親しげに話しかけてきた颯をすぐさま認識したようで、打ち解けた笑顔を見せ』ます。一方の『女性の方は颯とは知り合いではないようで、微動だにせずサングラス越しに二人を眺めてい』ます。そして、『こっちに来いと手招きのジェスチャアを』する颯。『逢衣、偶然すごい懐かしい奴に会えちゃったよ。こいつ中西琢磨(なかにし たくま)。俺たち小学生の頃、よくこのホテルで夏休みや冬休み、一緒に遊んだんだ』と説明する颯。そんな『颯の陰に少し隠れながら、彼女然とした微笑みを作』ると、『颯の彼女の、南里逢衣です。私たち、あと三泊するので、良かったら一緒に遊んでくださいね』と挨拶する逢衣。『ありがとうございます、ぜひ!僕らもこれから三泊するのでよろしくお願いします』と応じる『琢磨は感じの良い爽やかな人』でしたが、『連れの女性はちょっと頭を下げただけでサングラスすら取ろうとし』ません。『琢磨の彼女?よろしくね!丸山颯です…』と颯が挨拶しても『女性は首を少し傾けただせで名前さえ名乗』りませんでした。そして、『あとで連絡するよ』とその場を後にした琢磨は『明らかに連れを気遣っている様子』です。『私は人見知りのタイプではないから、大概の女の人となら初対面でも平気なのだが、あの女性は厄介そうだ。美人に多い、その場にいる全員がちやほやしないと臍を曲げてしまう根っからのお姫様体質で、褒めそやさない限りは会話が成立しないタイプかもしれない』と思う逢衣。そして、『夜、結局琢磨から電話が来て、二人は』逢衣『と颯の部屋までやって来』ました。『女の人はさすがにサングラスは外して』いるという中に、『私が今までの人生で初めて会うレベルで整っている』と女の顔立ちを見る逢衣。『この子は僕の彼女の荘田彩夏(しょうだ さいか)。ロビーではちゃんと紹介できなくてごめん』と、説明する琢磨に、『サイカ!やっぱりそうだ、週刊誌の表紙で見たことがあるよ。最近はドラマでも見たし、高校生の役やってたよね、なんてドラマかは忘れたけど』と言う颯に、『颯、失礼だよ』と、『プライドの高い人は地雷がどこにあるか分からない』と思う逢衣は琢磨の『浴衣の袖を引っ張』ります。『荘田彩夏です。さっきはちゃんと挨拶できなくてごめんなさい』と、『意外にも彼女は、今回は頭を下げて挨拶し』ます。『常識が無いわけじゃないんだと』ほっとする逢衣。『そう、彩夏は芸能活動してるんだ…気を付けなくちゃいけなくなって。僕たち内緒で付き合ってるから』と補足する琢磨は、『二人で出掛けられたこと自体が久しぶりなんだ』と続けます。そんな琢磨は、『眼科クリニックに勤め』る中に、『併設してるコンタクトレンズショップ』に彩夏が客としてやってきたことをきっかけに付き合い始めたと説明します。『私も颯も二人のお付き合いのことは、絶対外に漏らしませんから、心配しないでくださいね!』と言う逢衣に『笑顔でありがとう、と返してくれ』る琢磨の一方で、『横目で冷淡な一瞥を投げて寄越しただけで、ほとんど反応もない』という彩夏を見て、『くそー、こんな人でなければ、私も芸能人と飲めるって、はしゃいだのになぁ』と思う逢衣。そんな逢衣と彩夏の運命の出会いの先に、まさかの関係性が紡ぎあげられていく『生のみ生のまま』な二人を描く物語が始まりました。

“25歳、夏。逢衣は恋人の颯と出かけたリゾートで、彼の幼馴染とその彼女・彩夏に出会う。芸能活動しているという彩夏は、美しい顔に不遜な態度で、不躾な視線を寄越すばかり。けれど、4人でいるうちに打ち解け、東京へ帰った後も、逢衣は彼女と親しく付き合うようになる。そんな中、彼との結婚話が出始めた逢衣だったが、ある日突然、彩夏に唇を奪われ ー。女性同士の情熱的な恋を描く長編”と内容紹介にうたわれるこの作品。綿矢りささんの作品では珍しく上下巻からなる長編小説になっています。

そんなこの作品は内容紹介にある通り、”女性同士の情熱的な恋を描く”物語です。女性を感じさせる二人の右手と左手がどこか妖しく繋がれた表紙がその内容を暗示もします。私は上下巻からなるこの作品について、現時点で上巻を読み終えた段階でこのレビューを書いています。”女性同士の情熱的な恋”という表現からはさまざまなイメージが浮かぶと思いますが、そこには性的な描写が登場するかどうかも一つのポイントだと思います。まずは、この点から見てみましょう。それはこの上巻にもこんな風に登場します。

 『玄関に入りドアを閉めると私たちは靴を脱ぐ暇もなくお互いの唇を合わせた。繊細に動く彼女の舌に、私はもっと欲しいと自らの舌を絡ませてねだるのをやめられなかった』。

私は今までに1,000冊以上の小説ばかりを読んできました。そして、その中には数多の性描写を目にしてもきましたが、”女性同士”の場面はあまり記憶にありません。

 『唇を合わせながら、彼女の背中に手を回してブラジャーのホックを外す。服や下着が隠している情報はとても多い。一枚脱いで素肌をさらすだけで、その人の形、色や香り、すべての情報が一気に溢れ出す』。

唇を合わせるだけでは止まらず、その手は自然と身体へと伸びていきます。

 『本能に導かれた飾らない肉体の動きは、一挙手一投足が相手を求めるひたむきな愛情に溢れていた。二人の間で衝立の役割をしていた私の立て膝が力を失くして倒れた』。

そんな風に描かれていく逢衣と彩夏を描く場面は、そこまで多いわけでも過激になりすぎるわけでもありませんが間違いなく衝撃的です。ただし、それはどこまでも美しく描かれます。神々しいとまでは言いませんが、表紙が放つ強い白色の印象そのままです。それは、この作品の冒頭がこんな文章で始まることも影響していると思います。

 『青い日差しは肌を灼き、君の瞳も染め上げて、夜も昼にも滑らかな光沢を放つ。静かに呼吸するその肌は、息をのむほど美しく、私は触れることすらできなくて、自らの指をもてあます。
  ねえ、君は言ったね。私たちは永遠には生きられない、と』

綿矢りささんらしい美しく気高い表現だと思います。何かを予感させもするこの作品冒頭の印象は間違いなくこの作品を読み進める読者の印象を左右していきます。”女性同士”の行為の場面がどのように見えるのか、感じるのかは人によって異なるとは思いますが、間違いなく、それも含めてこの作品の大きな魅力の一つだと思いました。

さて、”情熱的な恋”について、行為の場面から入ってしまいましたが、そもそもこの作品で、”女性同士”という言葉で描かれていく二人についてご紹介しておきましょう。

 ・南里逢衣: 25歳。『携帯電話ショップで働いてる』。『カウンターに座ってお客様の新規購入の手続きや操作方法の案内をしてる』。
   → 彼氏は丸山颯

 ・荘田彩夏: 25歳。『オーディションに何回も落ちてようやくプロダクション所属になった』。『芸能活動』をしており、最近は『高校生の役』でドラマ出演。
   → 彼氏は中西琢磨(内緒で付き合っている)

物語は『付き合い始めて二年』という逢衣と颯が『お盆休みに秋田へ旅行』に出るところから始まります。『湯沢市の巨大ホテル』へと宿泊する中に、『小学生の頃、よくこのホテルで夏休みや冬休み、一緒に遊んだ』という琢磨を見かけ声をかける颯。声をかけられた琢磨も彼女を連れており、それこそが『芸能活動』をしている荘田彩夏でした。一言もしゃべらず半端ない威圧感を醸し出す彩夏を『厄介そう』と感じる逢衣。しかし、予想外な出来事で生死をかけるタイミングを共にすることになり、逢衣の中に変化が生じはじめます。

 『初めは無理なくらい苦手だったけど、泊まりがけで一緒に過ごし、彼女の色んな面が見られて、結構おもしろい人だと分かった。いままでの友達にはいないタイプで新鮮だ。東京へ帰っても、もしかしたら友達になれるかもしれない』。

物語は、運命の出会いの後、東京へと戻った先に二人が再会する先の物語が描かれていきます。上記した通り、逢衣が『携帯電話ショップ』で働く一方で、彩夏が『芸能活動』をしているというように異なる世界に生きる二人がお互いの日常を語り合っていく場面はとても新鮮です。『芸能界』で活躍する彩夏の人となりを感じさせるこんな会話を抜き出したいと思います。

 逢衣: 『彩夏みたいに自分でなきゃできない、才能が認められて開花するような仕事だったら、私もたとえ結婚しても続けるだろうけど』。

 彩夏: 『私の仕事は私でなきゃできないなんてあり得ないよ、代わりはいくらでも居る…やっと席を確保して意地でも動かないっていうのが今の私の状況だよ』。

 逢衣: 『彩夏みたいに上手く見つけられる人は一握り、ほとんどの人は自分でも合ってるかどうか分からない仕事を、早く終わらないかなー、退屈だなーって思いながら日々こなしてるの』。

 彩夏: 『私だってすぐこの仕事に辿り着けたわけじゃない…何が近道か正解かも全然分からなかったから、十五歳の頃から学校もろくに通わずにとにかく働いた。だからこそ今があると思ってる』。

私は芸能界には全く縁のない世界に暮らしています。その分、どこか雲の上の世界のような印象も受けています。また、どこかそこに浮かれたイメージを重ねてしまいます。しかし、この作品で描かれている彩夏は実に芯のしっかりした地に足着いた人物像を感じさせてもくれます。綿矢さんには芸能界の舞台裏を描いた「夢を与える」という作品があります。芸能界をスターダムにのし上がっていく者の栄光と失墜の物語である「夢を与える」とこの作品ではテーマも異なりますし本来的には別物の作品です。しかし、芸能界を描く雰囲気感にどことなく似たものを感じさせるところが興味深いです。

少し脱線しましたが、物語では、逢衣と彩夏が惹かれあっていく様子が描かれていきます。

 『ねえもう好きで好きで抑えられないよ、逢衣を見るだけで身体の細胞が全部入れ替わってしまうくらい好き。どうすれば良いか自分でも分からない』。

そんな言葉を口にする彩夏の逢衣への思いの深さに対して、それを受けることになる逢衣の思いは複雑です。

 『彼女の気持ちを知ってしまった今、もう普通の友達同士になんか戻れるわけない』

上記した通り、やがて二人は体を許し合う関係性へと発展していきますが、どこまでいっても二人が”同性同士”であることに違いはありません。

 『同性を好きになる人をいままで特段奇異に思ったことはなかったが、いざ自分の身に降りかかると、駅のホームの黄色い線を足で踏んでいるような、絶対越えてはいけない境界にいる気分になる』。

絶妙な表現でそんな一線を言葉にしていく逢衣。

 『彩夏の告白は日にちが経っても消えてくれず、気がつけば私は彩夏のことばかり考えている』。

物語はそんな先に二人が一緒に暮らす姿を描いていきます。この世には男性、女性問わずさまざまな愛のかたちがあります。男性同士が良いという方も女性同士が良いという方も、今の世はあらゆる関係性が尊重される世の中です。そんな中にあってこの作品の描く”女性同士”は珍しいわけでもないのかもしれません。しかし、この作品では冒頭、逢衣は颯と、彩夏は琢磨と付き合っている様子が描かれていました。そして、その先に”女性同士”の二人が描かれていきます。これが、この作品の描く物語世界です。それは、彩夏のこんな叫びとも言える言葉に表れもいます。

 『男も女も関係ない。逢衣だから好き。ただ存在してるだけで、逢衣は私の特別な人になっちゃったの…逢衣だけは性別を超えて、特別の格別の存在として私の目に入ってきた』

物語はそんな二人に安寧な日々を与えてくれはしません。上下巻からなるこの作品、上巻の最後には、これも宿命と思われる出来事が起こり、下巻へと物語を繋いでいきます。逢衣と彩夏の未来には何が待っているのか?二人の思いの行く末はどうなるのか?いざ、下巻へと読み進めていきたいと思います。

 『初めて女性と付き合って分かったのは、男性と付き合うときよりも、交ざり合ったとき圧倒的に雑味が少なく、純度が高いということだった』。

そんな思いを口にする主人公の逢衣。この作品には逢衣が彩夏との運命の出会いの先に気持ち昂らせていく日々が丁寧に描かれていました。綿矢さんらしく美しく綴られていく物語の雰囲気感に酔うこの作品。スピード感をもってぐいぐい読ませていく綿矢さんの上手さを感じるこの作品。

“女性同士”の濃密な関係性が物語を強く引っ張ってもいく瑞々しさ際立つ上巻でした。

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

ずっと読んでみたかった一冊。しっとりねっとりした感じを勝手に想像していたが、現代的でスピード感もありぐんぐん読ませる感じだった。お互い彼氏のいた逢衣と彩夏が付き合うようになった経緯もなかなか急なのでびっくりしたけど、それは読者にとってわかりきった展開なのでこれくらいでいいのかも。とはいえ元彼氏の颯と琢磨があまりに物分かりがよすぎて不憫……。
ところどころ文章が荒っぽい感じがするのに引っかかりつつも、先が気になりあっという間に読み終えた。もともと素朴な印象だった逢衣が、彩夏と一緒にいるうちにどんどんあか抜けていくような様子にわくわくした。女性が女性と交わることではじめて得る気づきが丁寧に綴られているのがとてもよく、そういう経験のない私でさえうっとりしてしまうほどだった。
2人の関係性、怖いほど順調だなと思っていたらやはり最後に危機が訪れたところで上巻終わり。下巻も楽しみ。

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

高校の頃から憧れだった男の先輩と付き合っていたのに、女である彩夏からのアタックによって惹かれていくことなんてあるんだと思った。颯と付き合ってたときの逢衣は本来の自分の性格を隠して女性らしい控えめな彼女を演じていたのに、彩夏と付き合ってからは自然体でいられるようになったところも良かった。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

今までこういう本を読んだことがなかったから、面白かった。女性ならではの、わかるっと共感出来る女性の神秘的感覚があったり。メイクやファッション、香水の事など細かく描かれて、きっと女の子を好きになったら、男性と恋愛するときとは違う目線になるんだろうなと思った。堕ちるべくして堕ちていく、ただの好意からその人の全てを見落とさず意識するようになる瞬間は、きっと一番人が興奮して高ぶっている瞬間。表現の仕方や細やかな描写がさすがだなっといったところ。とても面白く下巻も忘れる前に読みたい。

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2025年04月07日

Posted by ブクログ

あの日あの時あの場所で君に会えなかったら見知らぬ2人のままでいられたのに__。まさに恋に"落ちる"という言葉がぴったりな恋愛小説だと思った。溢れ出る感情が美しくも激しく表現されていて惹き込まれた。下巻も早く読みたい。

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2024年11月18日

Posted by ブクログ

女性同士の恋愛を描いた作品の中で、退廃的にならず人生と未来をまっすぐ見つめるような小説は滅多にない気がする。

涙なしには読めないくらい、自分にとって大きな意味をもつ作品。

彩夏が芸能人という設定のため、ちょっと非日常的な内容にはなっているけど、同性愛者だからという理由に芸能人の恋人だからという理由が重なり、ロミオとジュリエットのような世界観のラブストーリーになっている。お話としてとても素敵だと思ったし、後半のふたりの関係性の描き方がまた素晴らしい。こんなにも描きにくいシチュエーションを、愛をもって、現実を見つめて、丁寧に誠実に書いてくれた人がいるという事実にそれだけで救われる。

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2024年11月06日

Posted by ブクログ

久々に恋愛小説を読んだ!
二人の出会いから付き合うまでは、読んでてトキドキするよりしんどい感じが強かったけど、後半の幸せそうな、2人の時間を大切にしている感じが良かった。最後はイヤーな終わり方で後半読むの怖いな…
信じてた人に裏切られるの辛い

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2024年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

デビュー作の『蹴りたい背中』を読んで、綿矢りささんの書く文章に魅了されました。
うまく言葉にできないけれど、文章がべったり濃い感じがしてそれがとても好きで。
けれど、他の作品を読んでも『蹴りたい背中』を超える衝撃には出会えず悶々としていました。
(もちろん、どの作品も面白くはありました)
そんな中でこの『生のみ生のままで』を読み、久しぶりに「そうそう!こういう文章が読みたかったんだよ!」という感覚になれました。
すごく良い。良かったです。

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2023年12月14日

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読んでいるうちにぐいぐいと引き込まれて、あっという間に読みきってしまった。男とか女とか関係なく、人を好きになるってこういうことだよなあと思わせられる物語だった。映像化してもすごく良い作品になりそうだと思う。

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2023年05月09日

Posted by ブクログ

世間から見て極普通の恋愛をしてきた主人公が、彩夏と出会って徐々に「本物の愛」に目覚めていく様の描写がとても繊細で美しく、胸に刺さった。

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2023年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻、感想
出逢いが気不味くも惹かれていくってどんな感じだろうと気になり、読み進めた
お互いパートナーに不具合無いのにそこにサヨナラする
まぁ、そうだよなぁ
本気で好きになったら身辺綺麗に愛する人だけに時間使いたい

しかし、今の私にしみた逢衣の彼の言葉

『2人は力が拮抗して対立しているように見え
あなた達はいつかはお互いの気の強さが激しくぶつかって、傷つけ合うんじゃないかな』

付き合っていると好きなのに上手くいかない場合はコレを疑うといい
傷つけ合いたくない
ただ好きなのに

そう思いながら2人を心配しながら上巻を読み終えた

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2022年07月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

颯とのあっけない別れに少し驚いたが、それほど彩夏に惹かれてたんだなと思った。百合小説は何冊か読んだことがあるが、ここまで細かく書かれているものは初めて読んだ。女性同士のカップルと女友達は区別がつきにくいから、バレることはあるのか?と思ったけど結構すぐにバレてて展開早いなと思った。続きがきになる。

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

比喩が面白い。
熱湯の中を脳が漂うような、ぼんやりする表現でもこんな物があるかと気が付かされる。

女性同士の恋愛小説を初めて読んだけど、テンポがよく読みやすい。
肉感というか質感の表現が綿矢さんの比喩によって、いやらし過ぎずチャーミングに表現される。

多すぎず少なくもない表現により、脳内で綺麗に映像化できる小説。

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2025年06月02日

Posted by ブクログ

異性だろうが同性だろうが、無理矢理迫られて意外と良かったから好きになるなんてことあるか??と思ってしまった。設定も芸能人とか非現実的で入り込めなかった。

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2024年09月29日

Posted by ブクログ

最初のうちはなぜか物語に入っていけなかった
雷のシーンあたりから
引き込まれていった

上巻では2人の愛がホンモノなのかなって
まだわからないまま終わった。

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2024年06月21日

Posted by ブクログ

逢衣がなんで颯ではなく彩夏を選んだのか、キスされてあんなに激怒してたのに、どうして最終的に彩夏を選んだのか、私にはわからなかった。
平穏でフツウな日常を、世間の当たり前を選ばなかったのか。
ちょっとだけ置いてけぼりを感じた。
分からない、理解できない感覚がありすぎて、冒険心はくすぐられ未知の世界にワクワクするが、どこかで疎外感・失望感があるのも事実。
彩夏のような「人」を好きになる感覚が私にも生まれればいいなと思った。

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2024年02月01日

Posted by ブクログ

性別や立場を超えた愛のお話。
誰かを好きになるとは、こういう感覚のことを指すのだろうか。
やや中弛みはあったが、下巻が気になる終わり方。

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2023年05月27日

Posted by ブクログ

好みが分かれそうな作品。
綿谷りささんなら別の作品の方が好きかな〜。でも、どうにも続きは気になって読んでしまう。下巻もあるので、文句言いながらも読む。どういう結末が訪れるのだろうか。。。

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2022年12月14日

Posted by ブクログ

私に合わないだけか。それとも女性同士の恋愛があわないのか。ちょっと話が合わなかった。
気持ち悪く描いてあるのは、わざとなのか。
ただ、読みやすく表現がきれいな所が多々あり読み終えられた。女性特有の、メイクや香水、ファッションとキラキラしている所も、女性同士の恋愛ぽくて良かった。
同性同士の話は好きなのだが、最後の方で思ったのは主人公の恋人の彩夏を男性に置き換えると恋愛のコミックにありそうな話になりそうということ。
そこが女性だからうまくいかない、ということを描いたのか。
最後は気になる終わりかた。

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2022年12月12日

Posted by ブクログ

綿矢りささんは好きな作家なので、わりと単行本で新刊を買っている。こちらは刊行時に「上下巻かー。どうしようかなー」と買うのをためらっているうちに、月日が流れ、文庫になったので購入。女性同士の恋愛を書いたもの。急転直下で下巻へ続く。

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2022年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初はそうじゃなかったけど雷のところで好きになったのかなと思ってたら一目会ったときからだったので、それを知った上で最初の方を読み返すとまたなにか違うのかも。読み返してみよう。

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2022年08月28日

Posted by ブクログ

彩夏に翻弄される逢依の様子にすごく共感できた。私自身、格好良い女性に惹かれるから、小説の中の描写から彩夏の姿を想像して、ドキドキの気分を味わえた。彩夏が逢依のことをフルーツに例えると梨だと言って、逢依は彩夏をブラックチェリーだと思うというシーンが印象的だった。女優と暮らしても、依存しすぎず、自分の生活は自分でなんとかできるようにとするところや、ベッタリな彩夏を適当に交わす様子は、淡白な梨がぴったりだと思った。
二人の仲を週刊誌に告発したのはやっぱり凛ちゃんなのかな?後半、二人の関係がどうなるか、結末が楽しみ。

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2022年08月12日

匿名

購入済み

空想的な、至極綺麗な女性同性愛

当事者として読みましたが、普通の山あり谷ありな大衆向け恋愛小説という感じでした。描写自体は透明感のある綺麗な文体で、中高生も読みやすいと思います。ただこういう分野を読み慣れていない人にとっては、結構キツいシーンがあるかも。

#感動する #エモい

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2025年04月04日

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