あらすじ
「私たちは、友達じゃない」25歳、夏。恋人と出かけたリゾートで、逢衣は彼の幼なじみと、その彼女・彩夏に出逢う。芸能活動をしているという彩夏は、美しい顔に不遜な態度で、不躾な視線を寄越すばかりだったが、四人で行動するうちに打ち解けてゆく。東京へ帰った後、逢衣は彩夏と急速に親しくなった。やがて恋人との間に結婚の話が出始めるが、ある日とつぜん彩夏から唇を奪われ、「最初からずっと好きだった」と告白される。彼女の肌が、吐息が、唇が、舌が、強烈な引力をもって私を誘う――。綿矢りさ堂々の新境地! 第26回島清恋愛文学賞を受賞した鮮烈なる愛の物語。
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Posted by ブクログ
最近は綿矢さんの本を多く読んでますが、この本は特に良かったです。
逢衣(あい)、彩香(さいか)を巡るストーリーと美しくもあり鋭く緊張感のある文章に没入しました。
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正論を言っているつもりなのに、一言発する度に気が重くなって動揺した。確かにどんな熱い想いもずっと放っておけば冷める。でもそれはどういう生き方なんだろう。生きていると言えるのだろうか。
本文中より抜粋
刺さりました。
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同じ女として「あぁ、、めっちゃわかる。共感」と何度も思った。日本ではまだ馴染んでいない同性愛についてここまで繊細にそして美しく表現されているのはこの作品だけだと思う。自分の考え方を改めさせるような、恋愛という泥のように赤い気持ちを体験させられる素敵な作品。
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始めはなんて感じの悪い女なんだろう、って思ったのに。その心に触れていくうちに、なんて可愛らしい『女』なんだろう、と思い、苦しくなり、常識のラインすら薄く消えていく。
一人の『人』を好きになる。たった一人。この人だけ。
二人の関係が気になってどんどんページをめくり、気がつけば終わっていた。
とても良かった。
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最高の百合小説。
下もすぐ読みました。
みんなの気持ちがわかる。愛に性別は関係ない!
恋愛ものは苦手だったけれど、この本だけは不思議とドキドキしながら読めました!
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上巻のまだ半分ほどまでしか読んでないのですが、自分がバイだからなのか、主人公の感情もさいかちゃんの言葉に伴う感情も、どちらもものすごく共感できる感情だったことが感動的で、誰かに伝えたくてここへ記しに来ました。
私は自身をバイと自覚したのが社会人以降で、今は交際中の彼女がいるんですが、さいかちゃんが主人公に初めて会ったときの感覚の表現が、私が彼女に初めて会ったときの感情とあまりにも同じで、驚きました。そう、男も女も関係なくその人やから好きになったのよね、今まで同性のタイプとかなかったのに、その人を一目見た途端、異常なまでに綺麗に見えて、『あ、この人私のタイプや』ってなるよな、視線が吸い込まれるよねって。
Bの方はもちろんのこと、B以外のLGBTQ+の方も、そうでない方にも、恋に興味がある人にはみんな読んでほしい。
楽しいよりも切なさにすごく共感できる本です。
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めっちゃ面白い。
あらすじを読んで内容を知っていたから「退屈などしていなかった。」という出だしだけで、ぐっと心を掴まれた。
そのあとはポップなのにみずみずしい文体でぐんぐん読み進める。人や情景の描写が上手だから、繰り広げられている光景が自然と思い浮かぶ。たまに出てくる比喩もわかりやすくてユーモアがある。
下巻が楽しみ。
Posted by ブクログ
ずっと読んでみたかった一冊。しっとりねっとりした感じを勝手に想像していたが、現代的でスピード感もありぐんぐん読ませる感じだった。お互い彼氏のいた逢衣と彩夏が付き合うようになった経緯もなかなか急なのでびっくりしたけど、それは読者にとってわかりきった展開なのでこれくらいでいいのかも。とはいえ元彼氏の颯と琢磨があまりに物分かりがよすぎて不憫……。
ところどころ文章が荒っぽい感じがするのに引っかかりつつも、先が気になりあっという間に読み終えた。もともと素朴な印象だった逢衣が、彩夏と一緒にいるうちにどんどんあか抜けていくような様子にわくわくした。女性が女性と交わることではじめて得る気づきが丁寧に綴られているのがとてもよく、そういう経験のない私でさえうっとりしてしまうほどだった。
2人の関係性、怖いほど順調だなと思っていたらやはり最後に危機が訪れたところで上巻終わり。下巻も楽しみ。
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高校の頃から憧れだった男の先輩と付き合っていたのに、女である彩夏からのアタックによって惹かれていくことなんてあるんだと思った。颯と付き合ってたときの逢衣は本来の自分の性格を隠して女性らしい控えめな彼女を演じていたのに、彩夏と付き合ってからは自然体でいられるようになったところも良かった。
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今までこういう本を読んだことがなかったから、面白かった。女性ならではの、わかるっと共感出来る女性の神秘的感覚があったり。メイクやファッション、香水の事など細かく描かれて、きっと女の子を好きになったら、男性と恋愛するときとは違う目線になるんだろうなと思った。堕ちるべくして堕ちていく、ただの好意からその人の全てを見落とさず意識するようになる瞬間は、きっと一番人が興奮して高ぶっている瞬間。表現の仕方や細やかな描写がさすがだなっといったところ。とても面白く下巻も忘れる前に読みたい。
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あの日あの時あの場所で君に会えなかったら見知らぬ2人のままでいられたのに__。まさに恋に"落ちる"という言葉がぴったりな恋愛小説だと思った。溢れ出る感情が美しくも激しく表現されていて惹き込まれた。下巻も早く読みたい。
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女性同士の恋愛を描いた作品の中で、退廃的にならず人生と未来をまっすぐ見つめるような小説は滅多にない気がする。
涙なしには読めないくらい、自分にとって大きな意味をもつ作品。
彩夏が芸能人という設定のため、ちょっと非日常的な内容にはなっているけど、同性愛者だからという理由に芸能人の恋人だからという理由が重なり、ロミオとジュリエットのような世界観のラブストーリーになっている。お話としてとても素敵だと思ったし、後半のふたりの関係性の描き方がまた素晴らしい。こんなにも描きにくいシチュエーションを、愛をもって、現実を見つめて、丁寧に誠実に書いてくれた人がいるという事実にそれだけで救われる。
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久々に恋愛小説を読んだ!
二人の出会いから付き合うまでは、読んでてトキドキするよりしんどい感じが強かったけど、後半の幸せそうな、2人の時間を大切にしている感じが良かった。最後はイヤーな終わり方で後半読むの怖いな…
信じてた人に裏切られるの辛い
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デビュー作の『蹴りたい背中』を読んで、綿矢りささんの書く文章に魅了されました。
うまく言葉にできないけれど、文章がべったり濃い感じがしてそれがとても好きで。
けれど、他の作品を読んでも『蹴りたい背中』を超える衝撃には出会えず悶々としていました。
(もちろん、どの作品も面白くはありました)
そんな中でこの『生のみ生のままで』を読み、久しぶりに「そうそう!こういう文章が読みたかったんだよ!」という感覚になれました。
すごく良い。良かったです。
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読んでいるうちにぐいぐいと引き込まれて、あっという間に読みきってしまった。男とか女とか関係なく、人を好きになるってこういうことだよなあと思わせられる物語だった。映像化してもすごく良い作品になりそうだと思う。
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上巻、感想
出逢いが気不味くも惹かれていくってどんな感じだろうと気になり、読み進めた
お互いパートナーに不具合無いのにそこにサヨナラする
まぁ、そうだよなぁ
本気で好きになったら身辺綺麗に愛する人だけに時間使いたい
しかし、今の私にしみた逢衣の彼の言葉
『2人は力が拮抗して対立しているように見える
あなた達はいつかはお互いの気の強さが激しくぶつかって、傷つけ合うんじゃないかな』
付き合っていると好きなのに上手くいかない場合はコレを疑うといい
傷つけ合いたくない
ただ好きなのに
そう思いながら2人を心配しながら上巻を読み終えた
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颯とのあっけない別れに少し驚いたが、それほど彩夏に惹かれてたんだなと思った。百合小説は何冊か読んだことがあるが、ここまで細かく書かれているものは初めて読んだ。女性同士のカップルと女友達は区別がつきにくいから、バレることはあるのか?と思ったけど結構すぐにバレてて展開早いなと思った。続きがきになる。
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比喩が面白い。
熱湯の中を脳が漂うような、ぼんやりする表現でもこんな物があるかと気が付かされる。
女性同士の恋愛小説を初めて読んだけど、テンポがよく読みやすい。
肉感というか質感の表現が綿矢さんの比喩によって、いやらし過ぎずチャーミングに表現される。
多すぎず少なくもない表現により、脳内で綺麗に映像化できる小説。
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異性だろうが同性だろうが、無理矢理迫られて意外と良かったから好きになるなんてことあるか??と思ってしまった。設定も芸能人とか非現実的で入り込めなかった。
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最初のうちはなぜか物語に入っていけなかった
雷のシーンあたりから
引き込まれていった
上巻では2人の愛がホンモノなのかなって
まだわからないまま終わった。
Posted by ブクログ
逢衣がなんで颯ではなく彩夏を選んだのか、キスされてあんなに激怒してたのに、どうして最終的に彩夏を選んだのか、私にはわからなかった。
平穏でフツウな日常を、世間の当たり前を選ばなかったのか。
ちょっとだけ置いてけぼりを感じた。
分からない、理解できない感覚がありすぎて、冒険心はくすぐられ未知の世界にワクワクするが、どこかで疎外感・失望感があるのも事実。
彩夏のような「人」を好きになる感覚が私にも生まれればいいなと思った。
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好みが分かれそうな作品。
綿谷りささんなら別の作品の方が好きかな〜。でも、どうにも続きは気になって読んでしまう。下巻もあるので、文句言いながらも読む。どういう結末が訪れるのだろうか。。。
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私に合わないだけか。それとも女性同士の恋愛があわないのか。ちょっと話が合わなかった。
気持ち悪く描いてあるのは、わざとなのか。
ただ、読みやすく表現がきれいな所が多々あり読み終えられた。女性特有の、メイクや香水、ファッションとキラキラしている所も、女性同士の恋愛ぽくて良かった。
同性同士の話は好きなのだが、最後の方で思ったのは主人公の恋人の彩夏を男性に置き換えると恋愛のコミックにありそうな話になりそうということ。
そこが女性だからうまくいかない、ということを描いたのか。
最後は気になる終わりかた。
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綿矢りささんは好きな作家なので、わりと単行本で新刊を買っている。こちらは刊行時に「上下巻かー。どうしようかなー」と買うのをためらっているうちに、月日が流れ、文庫になったので購入。女性同士の恋愛を書いたもの。急転直下で下巻へ続く。
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最初はそうじゃなかったけど雷のところで好きになったのかなと思ってたら一目会ったときからだったので、それを知った上で最初の方を読み返すとまたなにか違うのかも。読み返してみよう。
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彩夏に翻弄される逢依の様子にすごく共感できた。私自身、格好良い女性に惹かれるから、小説の中の描写から彩夏の姿を想像して、ドキドキの気分を味わえた。彩夏が逢依のことをフルーツに例えると梨だと言って、逢依は彩夏をブラックチェリーだと思うというシーンが印象的だった。女優と暮らしても、依存しすぎず、自分の生活は自分でなんとかできるようにとするところや、ベッタリな彩夏を適当に交わす様子は、淡白な梨がぴったりだと思った。
二人の仲を週刊誌に告発したのはやっぱり凛ちゃんなのかな?後半、二人の関係がどうなるか、結末が楽しみ。
Posted by ブクログ
若い美女同士の恋愛という、中年男子には共感しにくい設定ながら、ぐいぐい読み進んだ。
二人は事務所から別れを強要され、さて下巻はどういう展開となるのやら。