河合莞爾の作品一覧
「河合莞爾」の「共謀捜査」「かばい屋弁之助吟味控」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
河合莞爾『かばい屋弁之助吟味控』祥伝社文庫。
これまで近未来警察小説やちょっと毛色の変わった小説を書いて来た河合莞爾にしては珍しい時代小説。まさか新刊文庫が時代小説とは思っていなかったので、行きつけの本屋で新刊文庫の書棚を探しても見付からず、店員にお願いして見付けてもらい、やっと購入。どうやら時代小説の書棚に収まっていたようだ。
時代小説と言ったが、普通の時代の小説ではない。言うなれば、時代お白洲法廷ミステリー小説だろうか。主人公の弁之助が、お白洲で無実の者を弁護し、見事に冤罪を晴らしてみせるのだ。
痛快無比。謎が謎を呼び、その謎が全て明かされるや、気分爽快。見事な時代お白洲法廷ミステリー小説であった。
終盤の展開は非常にテンポ良く、それでいて一波乱二波乱ありで、手に汗握りながら読み終えた。
ある日の朝、漆問屋が大爆発を起こし、主人が焼死する。捕縛され、拷問の果てに罪を認めたのは手代の忠吉だった。だが、牢屋敷で起きた火災の混乱に乗じて逃げた忠吉は、大名家の子息で今は町人身分の弁之助に無実を訴える。
かつて公事方御定書編纂にも関わっていた弁之助が事件を調べると、現場に火薬の痕跡は無く、火事の折美しい振袖が空を舞ったという噂を知る。そして、弁之助は弁護する者無きお白洲で、忠吉を弁護し、冤罪を晴らしてみせる。
本体価格800円
★★★★★
Posted by ブクログ
数ヶ月前であれば、恐らくただのSFミステリ=エンタメ小説とだけ思って読んだことだろう。
これは日本の抱える人口動態の問題、その行く先を端的に指し示したものであると同時に、「人間とは何か?幸福とは何か?」の問いに応えようとする哲学の入門書でもある。
失われた30年の結果である「今」、そして「未来」において人は幸福をどのように考えるとよいのか?善悪の問題や介護問題、そして国防問題も絡めながら考えられるよい書籍だった。
個人的には、コスモ・バビロニア主義における洞察力に優れた人(ニュータイプ)による統治が最も合理的であるように思うが、この論を出した瞬間、差別の問題が起きてくる。ヒトはその本質から差別の問題をクリア出来ておらず、合理性は必ずと言っていいほど分断と憤怒の嵐を巻き起こす。恐らくは既得権益層の損失、自己愛憤怒を刺激するというのが大きな理由だ。個人主義がはびこるのをヒトという種は抑制できていない。「智を以て愚に説けば必ず聴かれず」ということにつながるのはこういうところからだろう。
加害者(悪)がなぜそうなったのか?について知ろうとしない、考えを止めている点で、結局ジャンヌも中途半端な知識しか持っていないことになる。それでいて善悪を断じるとは片腹痛い。思考し続けることを止めた存在は決して神ではない。それ故、ジャンヌは別のタイプの人間…というだけの存在、不完全な存在という枠は出ていないものと考えられる。
進化という歴史の中でなぜ悪存在が淘汰され得なかったのかについて思いを馳せるべきだろう。
Posted by ブクログ
文庫本の表紙の裏に書いてあった8行のストーリーを読んで、すぐに手に取りました。
どうやって800年後に行くのか、壮大な設定にとてもワクワクしました。
タイムスリップ物は、時空の穴みたいな所にいつの間にか紛れ込んで、とか意識失って気づいたら、というのがお約束ですが、このお話では現実的なタイムスリップ方法が書かれていて本当にいつかできるのではないかと思わされます。
物理、生物、科学、哲学、神話、などなど教科書を読んでいるような難しい言葉が沢山出てきます。ストーリーを追うだけで精一杯でしたので、すべてを理解するために、もう一度読みたいと思います。
想像していたような結末ではなかったのですが、SFのストーリーではなくより現実的な着地で良かったのかなと思います。
久しぶりに面白い小説に出会えました。