あらすじ
クリスマス・イブの夜、残業をしていた飛田旅人のもとに突然動画メッセージが届く。「このままでは死んでしまう。あたしにスズランを届けて」。動画ファイルの作成日付は2826年12月24日。メイと名乗るその少女は何者なのか。なぜスズランが必要なのか。旅人はメイのために、“ある方法”を使って、800年後の未来に旅立つことを決意する。
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Posted by ブクログ
文庫本の表紙の裏に書いてあった8行のストーリーを読んで、すぐに手に取りました。
どうやって800年後に行くのか、壮大な設定にとてもワクワクしました。
タイムスリップ物は、時空の穴みたいな所にいつの間にか紛れ込んで、とか意識失って気づいたら、というのがお約束ですが、このお話では現実的なタイムスリップ方法が書かれていて本当にいつかできるのではないかと思わされます。
物理、生物、科学、哲学、神話、などなど教科書を読んでいるような難しい言葉が沢山出てきます。ストーリーを追うだけで精一杯でしたので、すべてを理解するために、もう一度読みたいと思います。
想像していたような結末ではなかったのですが、SFのストーリーではなくより現実的な着地で良かったのかなと思います。
久しぶりに面白い小説に出会えました。
物語は生き続ける
後書きより、悲しみや恐怖が幸せな未来を作るはずがない。生まれた物語は消えない。っといった言葉が示すように、物語と心のお話だが、そこに科学が密接に絡んでいてとても面白かった。あと、環境問題なども含めて、未来について考えさせられた。物語の構成が良かったです。
Posted by ブクログ
面白かったです。同作者の別のSFは正直あんまりだったので、失礼ながら、あんまり期待せずに読んだらなんというか、こういい意味で予想を裏切られて。
普段からSFってあんまり読まないので期待値が低いってのもあるんですが、ミステリめいたどんでん返しもあり気持ちよく読めました。
原発に対するお話がちょっと説教臭かったのが少し難点といえば難点だったかな。大事なことではあるけど、リラックスして読書を楽しみたいエンターテイメントな気分の時はちょっとそぐわないかな、と。
Posted by ブクログ
なかなかドラマティックな展開だ。結末が気になって頁を繰るのがもどかしく感じるほどだった。
しかし、まさかこんな仕掛けがあったとは。
ある意味、騙されたような気分だけど、そんなに悪い気はしない。
もっとファンタジックな結末もありなんだろうけど、こんな現実もやっぱり夢があって悪くない。
Posted by ブクログ
就職活動もままならない中、怪しげな求人のチラシにうっかり応募してしまった青年。
800年後の未来から送られてきたと言う動画の謎を解き明かそうとする。
東日本大震災後の未来を語る話。
Posted by ブクログ
河合莞爾『800年後に会いにいく』幻冬舎文庫。
これまでの河合莞爾作品とは風合いの違う恋愛SFミステリー。まずはタイトルの『800年後に会いにいく』だ。プロローグに描かれるのは西暦2826年、本編の舞台は東日本大震災後の現代という800年の時間差。如何にして800年後に会いにいくというのか……
冒頭から興味津々で、心を鷲掴みにされた。今の流行りなのかも知れないが、惜しむらくは表紙イラストがラノベチックであることか。
物語を構成する大きな謎は800年後の世界に何があったのかということと、現代で起きた原発テロの背景だ。そして、飛田旅人がどのような手段で800年後に生きるメイに会いにいくというのか……それに旅人とマリアの恋の行方が絡んでくる。