河合莞爾のレビュー一覧

  • ジャンヌ ―Jeanne,the Bystander

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    家事ロボットが殺人を犯した。
    ロボット三原則の壁をいかにして乗り越えたのか。
    好みの設定でとても面白かった。
    ロボットを輸送中襲撃を受け、殺人を犯したロボットを捕まえるべき刑事と当のロボット2人の逃避行が始まる。
    2人だけでいるうちに刑事側の心境が少しずつ変わっていくのにニヤニヤした。
    未来の日本の様子なども興味深く描かれていた。
    ラストはちょっと怖い。

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    2026年06月06日
  • デッドマン

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    ネタバレ

    十三年も前に書かれたものとは思えないほど、知識もテクノロジーも古臭くない。
    まず、登場人物たち皆キャラが立ってて“いいヤツ”なので、読んでいて全くストレスがないし好感が持てるので警察側に感情移入しやすい。
    謎や殺され方も使い古されたものではあったけど、ホワイダニットが斬新。気持ちよく騙された〜!
    ただ、ホントに…犯人側が切ないし、マジで最後はエーンお前が死ね〜(包丁を振り回す絵文字)になってしまうので、そこだけモヤる…。猿が死ななくてよかった…。

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    2025年02月12日
  • ジャンヌ ―Jeanne,the Bystander

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     数ヶ月前であれば、恐らくただのSFミステリ=エンタメ小説とだけ思って読んだことだろう。
     これは日本の抱える人口動態の問題、その行く先を端的に指し示したものであると同時に、「人間とは何か?幸福とは何か?」の問いに応えようとする哲学の入門書でもある。
     失われた30年の結果である「今」、そして「未来」において人は幸福をどのように考えるとよいのか?善悪の問題や介護問題、そして国防問題も絡めながら考えられるよい書籍だった。

     個人的には、コスモ・バビロニア主義における洞察力に優れた人(ニュータイプ)による統治が最も合理的であるように思うが、この論を出した瞬間、差別の問題が起きてくる。ヒトはその本質から差別の問題をクリア出来ておらず、合理性は必ずと言っていいほど分断と憤怒の嵐を巻き起こす。恐らくは既得権益層の損失、自己愛憤怒を刺激するというのが大きな理由だ。個人主義がはびこるのをヒトという種は抑制できていない。「智を以て愚に説けば必ず聴かれず」ということにつながるのはこういうところからだろう。

    加害者(悪)がなぜそうなったのか?について知ろうとしない、考えを止めている点で、結局ジャンヌも中途半端な知識しか持っていないことになる。それでいて善悪を断じるとは片腹痛い。思考し続けることを止めた存在は決して神ではない。それ故、ジャンヌは別のタイプの人間…というだけの存在、不完全な存在という枠は出ていないものと考えられる。
    進化という歴史の中でなぜ悪存在が淘汰され得なかったのかについて思いを馳せるべきだろう。

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    2024年06月05日
  • 800年後に会いにいく

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    文庫本の表紙の裏に書いてあった8行のストーリーを読んで、すぐに手に取りました。
    どうやって800年後に行くのか、壮大な設定にとてもワクワクしました。
     タイムスリップ物は、時空の穴みたいな所にいつの間にか紛れ込んで、とか意識失って気づいたら、というのがお約束ですが、このお話では現実的なタイムスリップ方法が書かれていて本当にいつかできるのではないかと思わされます。
     物理、生物、科学、哲学、神話、などなど教科書を読んでいるような難しい言葉が沢山出てきます。ストーリーを追うだけで精一杯でしたので、すべてを理解するために、もう一度読みたいと思います。
     想像していたような結末ではなかったのですが、SFのストーリーではなくより現実的な着地で良かったのかなと思います。
     久しぶりに面白い小説に出会えました。

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    2023年10月13日
  • ジャンヌ ―Jeanne,the Bystander

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    ロボット三原則があるにも関わらず殺人を行ったロボットの犯行理由、原則の回避方法を巡るお話

    以下、公式のあらすじ
    ---------------
    彼女は、なぜヒトを殺せたか?
    改変不能の「自律行動ロボット三原則」を埋め込まれ、バグもなく正常な家事ロボット〈ジャンヌ〉。
    “不可能な殺人”を犯した彼女に対峙した刑事が、衝撃の事件の先に見たものとは――
    まさに今読むべき、大興奮のSF×ミステリ・エンターテインメント!

    「私は、自律行動ロボット三原則に逆らう行動はできません」
    人口が5000万人まで減少した2060年代、ロボットの存在は珍しいものではなくなっていた。
    ある日、警視庁の刑事・相崎按人は“ありえない”現場を目撃する。
    政府主導で開発された家事用人間型ロボットが主人を殺害し、風呂場でその死体を洗っていたのだ。
    〈ジャンヌ〉と名付けられたそのロボットにも、人間に危害を加えることを禁じる「自律行動ロボット三原則」が組み込まれ、絶対に人を殺せないはずだった。
    バグが疑われたが、科捜研での検査では異常なし。
    急遽、製造元のJE社への護送を命じられた相崎は、道中、謎の武装集団の襲撃に遭う。
    その絶体絶命のピンチから相崎を救ったのは、なんとジャンヌだった……。
    ---------------


    犯行の現場の状況から、物語の定番の展開が推測できてしまう
    それを基に原則が回避できた理由も容易に想像がつく
    終盤のあのセリフまんまを序盤に思いついてしまう自分の物語摂取量が嫌になっちゃうね

    でもまぁ「どうやってそこに至ったのか?」という予測はちょっと外れたかな
    シェリーの神格化めいた展開ではなかったですねぇ
    聖書での殺した人数の最多は神という余計な知識がある故か……

    襲撃者達の背後の存在も、殺人ができるロボットを欲していて、それなりの権力を持っているという条件なら大まかな該当組織は一つでしょうよ

    なのでストーリーとしてはまったく意外な点がなかったけれども
    読み終えるとまるで哲学書を読まされたような読後感


    襲撃者を撃退した際にジャンヌが語ったフレーム問題回避の説明
    思考プロセスがを有限に設定されているからというけど、5段階というのはプロセス数が少なすぎないか?
    もしくは、副次的な事象を細かく分ければいくらでも人間を害せるように思える

    このセリフ自体がフェイクの可能性もあるんだけど、ここで敢えてジャンヌが「嘘」をつく必然性が思い浮かばない
    という事は、正規の思考ルーチンなんでしょうねぇ
    ってか、本当に危ういな


    リアルにAIの法整備が行われるケースを考えると、かなり難易度が高いのを実感する

    今更ロボット三原則なんて単純なものは採用しないだろうけど
    今作のような大原則があったとして、附則や細則の文言や言葉の定義が難しい

    何をもって対象を判別するのか?という問いの絶対的な正解はない
    世の中にあふれる他のSF作品でも、アンドロイド、サイボーグ、ヒューマノイドの人権に関する議論がされてあったりするし
    明確な定義ってその時代や社会背景によって如何様にも変化しうる


    リアリティという観点では杜撰な設定だけど、思考実験としては面白い題材でした

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    2023年09月17日
  • カンブリアⅡ 傀儡の章 警視庁「背理犯罪」捜査係

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    シリーズ第二作。都知事選のライバル二人が死んだ。運転が思うようにできなくなったり、車が突然襲って来たりして。超能力者による背理犯罪なのか? すごく面白かった。超能力者による犯罪だとどうやって認定するのか、どうやって逮捕するのか、公判維持できるのか?そういう痒いところ全てに手が届いてる。 現職知事が学歴詐称したりできもしない公約をぶち上げ一つも実践できないなど、あの都知事をモデルにしてるとか思えない。彼女に対してかなり批判的なのが作者の考えなのだろう。 結末は次作に続く。

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    2023年06月19日
  • カンブリアⅢ 無化の章 警視庁「背理犯罪」捜査係

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    前作の続き。超能力者の逮捕を警察庁が禁止した。特殊八係が考えた、伊沢を逮捕する方法は。伊沢の息子高山宙はどこに。やくざ、都知事との関係。


    これもまたすごく面白かった。超能力をあるものだと認めてしまえば、あとは正統派警察ミステリー。都知事のキャラが腹立たしいほど立ってる。

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    2023年06月13日
  • カンブリア 邪眼の章 警視庁「背理犯罪」捜査係

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    早く早くと思うあまり、頭で理解するより文字を追うほうが早くなってしまうくらいおもしろかったです。ありえないと思いながらも、もしかしたらありえなくないのかも…と思わせられるのも、一生懸命な登場人物たちも好きです。
    誤植がちょっと残念。

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    2023年05月28日
  • 粗忽長屋の殺人(ひとごろし)

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    古典落語の世界を舞台に展開される、4席からなる連作ミステリー。
    隠された謎に迫る長屋の馴染みの面々が愉快。話の最初にそのお話のもとになっている落語を簡単に説明してくれているので、落語に詳しくなくても楽しめるから有り難い。
    また、吉原と関係が度々でるけどその説明もきちんとしてくれて話の理解度があがる。けど辛い。セリフの掛け合いもテンポが良く、おもてなしなどの時事要素も上手く織り交ぜているので落語に普段馴染みのない人でも楽しめると思う。そして1番かっこいいの伊達綱宗公だった。

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    2023年04月29日
  • 豪球復活

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    野球の話だから、面白くないことはないと思っていたが、これ程とは。さしずめ野茂がモデルなんだろうなという野球の部分は当たり前に詳しく面白く、最近流行りの回転数とかの話も出てきてなるほどなと思わせながら、一方で、設定はありきたりの殺人事件なんだけど、主人公の造形描写にあんな捻りがあったとは…
    この作家もまた、別の著書も読んでみたいな。

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    2023年02月17日
  • ジャンヌ ―Jeanne,the Bystander

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    めちゃくちゃ面白かった。
    こうなってもおかしくないなと思う未来で起きる、人間に危害を加えられないはずのロボットの殺人。
    哲学的だし、色んなことについての理解だったり、考え方だったりがすごく深くて、読んでよかった。

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    2023年01月08日
  • 豪球復活

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    記憶を失くしたプロ野球選手の矢神大。
    リハビリ先のLAから失踪し、ハワイでホームレスになっているところを球団のブルペンキャッシャー・沢本に発見される。
    記憶を失くし、投球方法も忘れてしまった矢神を球界に復帰させるべく、沢本は奔走する。
    しかし、矢神には高校時代に消えるボールで人を殺した容疑がかけられていた・・・
    球団の支配下にある投手が失踪し、記憶を失う・・・何とも奇想天外な設定だが、これが面白かった!
    投球術の描写も細やかで、映像が頭の中に浮かぶよう。
    高校3年で甲子園で活躍し、一躍時の人となり、プロになっても160キロを超えるピッチャーとして、勝率も8割を超えるなんて、実際にこんな選手がいたら、どんななんだろう?
    打者の手元でホップするストレートの描写は、金農旋風を巻き起こした時の吉田投手のギアが上がった時のストレートを思い出す。
    本当に投球の描写だけでもワクワクが止まらないのに、球団の見栄から矢神をプロ野球界から追放した球団に反旗を翻したオールスター1位の選出も胸が熱くなった。
    それだけでも十分なのに、きちんと過去の殺人事件の真相も描いているし、救いのあるラストで十分読みごたえのある作品だった。

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    2022年12月29日
  • 800年後に会いにいく

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    素晴らしく読者の想像力を刺激し意表を突きつつ予定調和の世界へ。
    筆者の物語は自分の好みにとても合うようだ。

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    2022年12月22日
  • 800年後に会いにいく

    購入済み

    物語は生き続ける

    後書きより、悲しみや恐怖が幸せな未来を作るはずがない。生まれた物語は消えない。っといった言葉が示すように、物語と心のお話だが、そこに科学が密接に絡んでいてとても面白かった。あと、環境問題なども含めて、未来について考えさせられた。物語の構成が良かったです。

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    2022年05月05日
  • デッドマン

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    冒頭からひきこまれ、ありとあらゆる推理で
    からくりを暴こうと読み進んだが、
    まったく想像できないミステリーでしたw
    事件は40年もの時を超えて
    真実に辿り着く。
    めちゃくちゃ読み応え抜群の作品でした。
    カラクリは全て目的を達成させるべく
    巧妙に根拠ある犯罪である事を証明してくれた。
    悲しい結末も、納得のラストとして
    読み切る事ができました。
    著者の作品ははじめて読みましたが、
    他作品も必読です!

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    2021年01月01日
  • カンブリア 邪眼の章 警視庁「背理犯罪」捜査係

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    SFもどきの展開にどう落とし前つけるのかが気になった。が、全体に凄く満足。主人公二人組がちょっとヒーロー過ぎるかな、とは思ったが伏線も回収してるし、スピード感もあるし、荒唐無稽な感じも、重い材料をやわらげている。今迄ににない作品。次作にも期待。

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    2020年06月19日
  • 粗忽長屋の殺人(ひとごろし)

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    落語を舞台にしたミステリとかは結構読んだことありますが、どれも「寄席」を題材にして噺家さんが謎を解いたりとかだったんですがこれはすべてが噺の中で完結しているのがすごい。有名な噺の中で謎を見つけて、おなじみのはっつぁん熊さんがどたばたしながらもその真相をご隠居が解き明かし、落語としてもきちんと成立している。すごいですよこれは。もっと評価されてもいい一冊。
    子供のころから落語の本を読むのが好きで、ミステリも大好きなんですがそんな自分にはこの上ない最上の本です。かなり限定された褒め方ですけども。
    これ続編とかでないのかなあ・・・本当に心の底から切望します。

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    2019年04月10日
  • デッドマン

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    流石はミステリ大賞受賞作と言える小説でした。
    よくこんな話が考えれるなぁ!
    全ての辻褄が最後に確り合ってました。

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    2019年03月11日
  • デッドマン

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    ネタバレ

    おもしろかった!

    死体から人間を作れるはずないとわかっていても、もしかして…と思ってしまった。
    捜査する4人もそれぞれタイプが違ってよかった★
    男の人が1つのことに向かってがんばってるのってかっこいい!
    元刑事さんは切ないなあ…。

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    2018年06月23日
  • デッドマン

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    ネタバレ

    評価は5

    内容(ブックデーターより)
    頭部がない死体、胴体がない死体、右手がない死体…。遺体の一部が持ち去られる猟奇殺人事件が6件連続して発生した。捜査が混乱を極める中、ある日本部に1通のメールが届く。僕は継ぎ合わされた死体から蘇った死人です。僕たちを殺した犯人を見つけてください―。鏑木警部補率いるクセ者揃いの特捜班が前代未聞の謎に挑む。度肝を抜く結末が待ち構える警察小説新次元!横溝正史ミステリ大賞受賞作、待望の文庫化。

    刑事達の個性表現に今ひとつキレが無かったのが残念だったが、個人的に話は面白かった。

    しかし内閣官房長官…こんな人が生き延びて良い思いしてるって、許せない気持ちになった。人生平等じゃないんだ!と改めて思い知らされた。

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    2018年11月14日