あらすじ
商家の大爆発、空を舞う振袖、豆腐小僧の怪……立ちはだかる数々の謎
罪なき者、この私が庇ってみせる。
訳あり手習い師匠の弁之助は、火付犯とされた男を救うため、お白洲に立つ!
暁の町に轟音がとどろく――漆問屋が爆発、主人は焼死した。捕縛され罪を認めたのは手代の男・忠吉。だが牢屋敷の混乱に乗じ逃げた忠吉は、大名家の子息で今は町人身分の弁之助に、無実を訴えた。
公事方御定書編纂にも関わった弁之助が調べると、現場に火薬の痕跡は無く、火事の折美しい振袖が空を舞ったという噂が。
弁護する者なきお白洲で、弁之助が冤を晴らす!
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Posted by ブクログ
河合莞爾『かばい屋弁之助吟味控』祥伝社文庫。
これまで近未来警察小説やちょっと毛色の変わった小説を書いて来た河合莞爾にしては珍しい時代小説。まさか新刊文庫が時代小説とは思っていなかったので、行きつけの本屋で新刊文庫の書棚を探しても見付からず、店員にお願いして見付けてもらい、やっと購入。どうやら時代小説の書棚に収まっていたようだ。
時代小説と言ったが、普通の時代の小説ではない。言うなれば、時代お白洲法廷ミステリー小説だろうか。主人公の弁之助が、お白洲で無実の者を弁護し、見事に冤罪を晴らしてみせるのだ。
痛快無比。謎が謎を呼び、その謎が全て明かされるや、気分爽快。見事な時代お白洲法廷ミステリー小説であった。
終盤の展開は非常にテンポ良く、それでいて一波乱二波乱ありで、手に汗握りながら読み終えた。
ある日の朝、漆問屋が大爆発を起こし、主人が焼死する。捕縛され、拷問の果てに罪を認めたのは手代の忠吉だった。だが、牢屋敷で起きた火災の混乱に乗じて逃げた忠吉は、大名家の子息で今は町人身分の弁之助に無実を訴える。
かつて公事方御定書編纂にも関わっていた弁之助が事件を調べると、現場に火薬の痕跡は無く、火事の折美しい振袖が空を舞ったという噂を知る。そして、弁之助は弁護する者無きお白洲で、忠吉を弁護し、冤罪を晴らしてみせる。
本体価格800円
★★★★★
Posted by ブクログ
江戸時代、武士をやめ商人になった弁之助が冤罪の罪人を命をかけて庇い助ける話。
今でいう、探偵、弁護士なんでもござれの活躍で濡れ義務を晴らします。
とても気持ちの良い主人公とその仲間たちです。