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分断された平和な日々の再生を願って、明日へと続くペダルを踏み続ける
間優一は、多少のさざ波はあっても大過なく仙台で会社員生活を送ってきた。50代半ばに差し掛かり、健康上の理由からロードバイク(本格的なスポーツ用自転車)に乗るようになる。部下の唯の指導を受けて、優一のロードバイク技術はめきめき向上していく。思えば本気になって趣味に打ち込むことは、いままでに経験のないことだった。おりしも新型コロナウイルスのパンデミックが仙台にも広がり経済にも影響を及ぼすように。そんな息苦しい状況にあっても、自転車を通して、優一たちは新しい扉を開いてゆく。直木賞作家であり、自ら愛車を駆りイベント入賞も果たす現在最も自転車に詳しい作家が、ロードバイク愛を込めて描く感動の物語。
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Posted by ブクログ
50代半ばの男性が、健康診断の結果に何かしないとヤバすぎる危機的状況に気づくのだが…
スポーツクラブに入ろうかと思っている矢先のコロナ禍。
そんなときに社内で一番若手の水野唯にロードバイクを勧められ、次の日には一緒に自転車屋さんに行く。
結局、一目惚れしたロードバイクを手に入れて走り始める。
ちょうどコロナで緊急事態宣言が出て、会社でもリモートワークを推奨している。
地下鉄やバスでの通勤を避けて、自転車に替えたという人も多かったのではないだろうか。
今や若い人だけに限らず、ロードバイクを乗っている人をけっこう見かけるようになった。
それは、やはりコロナ禍の影響も少しはあるのだろうか?
ロードバイク中心の話だけではなく、コロナ禍での会社の中での立場や状況、仲間など大切なものが何かを伝えている。
同じとは言えないまでも似たような経験をした人もいるのではないかと思った。
しかし、若いのに水野唯ちゃん凄いよなぁと感じた。
性格的に明るいイメージではなく、ちょっととっつきにくい感ありなのだが、仕事のスキルは高い。
ロードバイクでは大会に出場する腕前の持ち主。
だれが主人公⁇って
55歳の本間優一だろうけど。
Posted by ブクログ
自転車、コロナ、テレワーク。この三題噺を2020年から21年にかけて、仙台周辺を舞台に小説にしたものがこの本の内容と言ってよい。
小さな印刷会社企画部門の室長である主人公は健康のために、部下の女性のすすめに従い70万円もするロードバイクを購入、その娘に手ほどきを受けながら、泉ヶ岳への挑戦や、泉NTから亘理往復という100kmライドを達成していく。この間の初心者の苦労や半年でひと月に1000kmのトレーニングを乗りこなすまでの喜びが、軽快な文章で書かれていて一気呵成に読み終えてしまう。
一方、テレワークの必要性から会社としてサーバーの構築をしなければならなくなるが、当該部下にはとんでもないハッカー能力があることがわかる。しかし、コロナ不況となった会社からその娘の解雇通告を命令され、合点がいかない主人公も会社をやめてしまう。
この続きまで書くとネタバレになるのでやめておく。著者の出身地でもある仙台に土地勘のある人間には、一層興味が惹かれるようにできているが、ご当地小説というだけでなく、しっかりとした筋立てで読んでいてグイグイ引き込まれる。
理系の著者らしい一面もあって、世代間のITリテラシーギャップや、逆にIT能力だけでDXが進められない一面もさりげなく書かれていて、広く読者の共感を呼ぶことだろう。
この小説は地元の新聞『河北新報』に連載されたようだが、どういうわけか、1970年代に『週刊ダイヤモンド』で連載された、三浦朱門『十三秒半』(文藝春秋 1979)を思い出してしまった。
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