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Posted by ブクログ
主人公 泊敬介は函館の潜水夫。昭和9年の函館の大火事で妻子と母親を失う。昭和20年の函館の空襲で大怪我を負い、左足がやや不自由になる。そして昭和29年の洞爺丸沈没で九死に一生を得る。次から次へと災難に襲われる。
そんな災難はなかったほうが勿論いい。けれど、振り返って見た時に、それがあったから、今の自分がこうしていられる、と気づく。
でも、それは何もせずにいたら得られないのだと思う。
「人と人を結びつける絆は、人生の苦難や嵐を乗り越えれば乗り越えただけ、いっそう太くて強固なものになる。ただし、その絆は、人の努力のみによって作られる。」
と敬介の言葉にあるように。
時に投げやりになることもある。生きていても辛いだけだと。けれど、それでも生きて行く。それはきっと1人ではないと分かっているから。何があろうと傍にいてくれる人がいるから。
次々と敬介を襲う苦難に、そこまでしなくても、と思う。でも、だからこそ第三部「鎮魂」のラストに希望を想う。あまりにも都合良すぎる設定かもしれないけれど、現実にももしかしたら起こりうるかもしれない、と静かな感動に包まれる。
読んで良かった。
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