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昭和40年代、宮城県。捕鯨船の漁師たちは捕獲禁止の流れに不安を覚え、稲作農家は減反政策で前途多難な状況を迎える。庶民生活には自家用車が登場し、団地が建ち始めるが……。日本の高度成長期、消えゆくものと始まるものが混在する時代に、地方の人々は未来への希望と不安を抱えてたくましく生きていた。人の暮らしの真の豊かさに気づかされる実力派短篇。
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Posted by ブクログ
郷土の作家ですが、残念ながら今まで読んだことがありませんでした。初めて読んでみたのですが、当に郷土を舞台にした高度成長時代の頃の昭和の時代の短編が8つ。いわゆるズーズー弁を喋る登場人物たちや馴染みの地名に、そこに自分がいるような臨場感が湧き起こりぐいぐい読み進むことができました。良く考えてみると話し...続きを読む言葉がその土地の良さを物語っているにも関わらず、方言で書かれた小説が少ないのは残念なことかもしれないと考えます。
熊谷達也の稲穂の海を読みました。 昭和40年代の仙台近辺を舞台に、その時代に生きた人々を描いた短編集でした。 方言をとりまぜて描かれていてその時代の空気が感じられる物語でした。 現在ではこの時代の名残もほとんどなくなってしまっていて、昭和は遠くなったなあと思ったのでした。
昭和40年代の宮城県に住む人々の暮らしぶりを描いた短編集。 方言使いで書かれているものもあり、非常に情緒豊か。 昔話『梅太郎』が良かったな。
昭和40年代を舞台にした短編集です。 熊谷さんといえば東北、自然、動物、マタギなんてキーワードが浮かびます。この作品は東北を舞台としているものの、人情ものというのが相応しそうです。 衰退する捕鯨の砲手を描いた「酔いどれ砲手」、米の減反政策に翻弄される農民を描く「稲穂の海」、民話の語り部を主人公にする...続きを読む「梅太郎」、屋台の親父の幸せを描いた「屋台「徳兵衛」」、スバル360との不思議な邂逅の物語「てんとう虫の遍歴」、畜産農家の悲喜の「桃子」、ちょっとスタンドバイミーを思わせる「星空を見ていた夜」、不思議な「団塊の世代」。 高度成長期の貧しさからの脱却の時期、どこか希望に溢れ、ノスタルジックで、暖かい。そんな話が続きます。熊谷さん、こんな話も書くんだな。
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