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「山は半分殺してちょうどいい――」現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。山を殺すとは何を意味するのか? 人間はなぜ他の生き物を殺すのか? 果たして自然との真の共生とは可能なのか――。直木賞・山本賞受賞作『邂逅の森』に連なる「森」シリーズの第一弾。大自然と対峙する人間たちを描いて感動を呼ぶ傑作長編。
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Posted by ブクログ
邂逅の森に引き続き、この作品もとても良かった。 生命と向き合ってはじめて感じ取れる世界があるのだとあらためて気付かされる。間接的な体験ではあるが、自分の視野を拡げてくれた。
相剋の森とは時代設定が変わり、 現代の世の中で自然と人間はどうあるべきか というかかわり合いの話がテーマになっている。 物語としても読ませるし、 読み手として考えさせられるところも多い。
「邂逅の森」も面白いが、こちらもまた面白い。自然と人間がどんな距離感でいるべきか、筆者の言いたいことはそこなんだろう。きれいな直線で分ける論理は逆に危なくて、いい感じの落としどころを探っていく。そんなスタンスに共感する。マタギとしての話も面白いが、滝沢の悩み(妻との関係)など、伏線となる設定も面白い...続きを読む。
熊谷達也さんの作品は「邂逅の森」で衝撃を受けてからたくさん読ませてもらいました。少し前に山背郷を読んでからの森シリーズ第一作目の本作に辿り着いております。ですから物語終盤の主人公のルーツの件で邂逅の森と繋がる部分などホント、ワクワクしながら読み進められ非常に面白く本作も読ませて頂きました。とにかく山...続きを読むと共に生きている男達の描写は素晴らしく、巻き狩りの件のかっこよさは堪らないものが有りますね。また邂逅の森を読んでみたくなりました。熊谷さんの物語に出てくる男どもは強くて土臭くて男臭い中に愛おしさを感じます。とてもいい作品です。オススメです。
いや~、とても面白く一気に引き込まれてしまった。 『邂逅の森』と話が交わる部分もあり、『邂逅の森』を先に読んで両方を読むのがお薦めです。 時代は現代、マタギの取材をする編集者の視点から、マタギ文化や自然保護が語られていく。 最後の山巻きは臨場感があり、とても良かった。
マタギの物語。 自然保護云々もあるけれど、あくまで対等に自然、熊と向き合って生きてってるんだろう。 「熊を殺す代わりに、己の欲も殺す」 わざわざ苦労して熊狩りをしなくても食べていけるこの時代に、あくまで狩りを続けていくのは、文化の継承もあるんが、それよりも先祖から受け継いだ血が騒ぐっていうとこ...続きを読むろにこの物語の魅力が詰まってるように思う。 文字通り、終盤の狩りの場面は読んでるこっちの血も沸騰してしまう迫力。 まっとうな動物愛護団体や、害獣駆除に悩む地方自治体も登場し、自分のスタンスも考えさせられます。
ご存知“森シリーズ”。 「邂逅の森」が、一昔前のマタギの生き様を描いたのに対し、 こちらは、“現代のマタギ”と“自然愛護”という対極の文化が、どうあるべきかを描いたもの。 結論的なラストではないものの、だからこそ一考に価する。 個人的には、またしてもマタギの男に惚れ込んでしまいました…...続きを読む。
内容 「山は半分殺してちょうどいい―」現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。山を殺すとは何を意味するのか?人間はなぜ他の生き物を殺すのか?果たして自然との真の共生とは可能なのか―
読みたいのに、美佐子がどうしても好きになれずに進まなかった。でも、美佐子と一緒に学んでいった。理屈じゃない。この文を読んで理解する話じゃない。一冊読む中で、一緒に理解していけるものなのだと思う。良書だった
邂逅の森から読んでしまったが、こちらがマタギ3部作の1つ目。 時代は現代に移り、現代ならではの問題が主題。記者である美佐子の取材シーンや、山のシーンはたっぷりとしていて満足。ただ、女性の書き込みは浅いよね、と女性として思う。 なんにせよ、面白かった。マタギの郷にいきたいという欲が、また強くなった...続きを読む。
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