感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2022年12月29日
邂逅の森に引き続き、この作品もとても良かった。
生命と向き合ってはじめて感じ取れる世界があるのだとあらためて気付かされる。間接的な体験ではあるが、自分の視野を拡げてくれた。
Posted by ブクログ 2017年04月02日
相剋の森とは時代設定が変わり、
現代の世の中で自然と人間はどうあるべきか
というかかわり合いの話がテーマになっている。
物語としても読ませるし、
読み手として考えさせられるところも多い。
Posted by ブクログ 2015年02月21日
「邂逅の森」も面白いが、こちらもまた面白い。自然と人間がどんな距離感でいるべきか、筆者の言いたいことはそこなんだろう。きれいな直線で分ける論理は逆に危なくて、いい感じの落としどころを探っていく。そんなスタンスに共感する。マタギとしての話も面白いが、滝沢の悩み(妻との関係)など、伏線となる設定も面白い...続きを読む。
Posted by ブクログ 2014年12月26日
熊谷達也さんの作品は「邂逅の森」で衝撃を受けてからたくさん読ませてもらいました。少し前に山背郷を読んでからの森シリーズ第一作目の本作に辿り着いております。ですから物語終盤の主人公のルーツの件で邂逅の森と繋がる部分などホント、ワクワクしながら読み進められ非常に面白く本作も読ませて頂きました。とにかく山...続きを読むと共に生きている男達の描写は素晴らしく、巻き狩りの件のかっこよさは堪らないものが有りますね。また邂逅の森を読んでみたくなりました。熊谷さんの物語に出てくる男どもは強くて土臭くて男臭い中に愛おしさを感じます。とてもいい作品です。オススメです。
Posted by ブクログ 2010年02月20日
いや~、とても面白く一気に引き込まれてしまった。
『邂逅の森』と話が交わる部分もあり、『邂逅の森』を先に読んで両方を読むのがお薦めです。
時代は現代、マタギの取材をする編集者の視点から、マタギ文化や自然保護が語られていく。
最後の山巻きは臨場感があり、とても良かった。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
マタギの物語。
自然保護云々もあるけれど、あくまで対等に自然、熊と向き合って生きてってるんだろう。
「熊を殺す代わりに、己の欲も殺す」
わざわざ苦労して熊狩りをしなくても食べていけるこの時代に、あくまで狩りを続けていくのは、文化の継承もあるんが、それよりも先祖から受け継いだ血が騒ぐっていうとこ...続きを読むろにこの物語の魅力が詰まってるように思う。
文字通り、終盤の狩りの場面は読んでるこっちの血も沸騰してしまう迫力。
まっとうな動物愛護団体や、害獣駆除に悩む地方自治体も登場し、自分のスタンスも考えさせられます。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
ご存知“森シリーズ”。
「邂逅の森」が、一昔前のマタギの生き様を描いたのに対し、
こちらは、“現代のマタギ”と“自然愛護”という対極の文化が、どうあるべきかを描いたもの。
結論的なラストではないものの、だからこそ一考に価する。
個人的には、またしてもマタギの男に惚れ込んでしまいました…...続きを読む。
Posted by ブクログ 2019年07月09日
内容
「山は半分殺してちょうどいい―」現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。山を殺すとは何を意味するのか?人間はなぜ他の生き物を殺すのか?果たして自然との真の共生とは可能なのか―
Posted by ブクログ 2019年01月22日
読みたいのに、美佐子がどうしても好きになれずに進まなかった。でも、美佐子と一緒に学んでいった。理屈じゃない。この文を読んで理解する話じゃない。一冊読む中で、一緒に理解していけるものなのだと思う。良書だった
Posted by ブクログ 2018年01月22日
邂逅の森から読んでしまったが、こちらがマタギ3部作の1つ目。
時代は現代に移り、現代ならではの問題が主題。記者である美佐子の取材シーンや、山のシーンはたっぷりとしていて満足。ただ、女性の書き込みは浅いよね、と女性として思う。
なんにせよ、面白かった。マタギの郷にいきたいという欲が、また強くなった...続きを読む。
Posted by ブクログ 2014年11月26日
「邂逅の森」の続編ということで期待たっぷりに読み出した。前作ほどのインパクトはないが、登場人物を含め、現代との絡みが巧みに表現されていて作者の手腕に感心した。
Posted by ブクログ 2014年06月30日
編集者である美佐子は、マタギを取材する際に出会ったカメラマン吉本の「山は半分殺してちょうどいい」という言葉が心に深く残る。
山に生きるマタギという存在、熊と人、自然との真の共生、非常に読み応えがある。
個人的な好みとして、美佐子の恋愛はここまで書かなくても良いような気もしますが。
Posted by ブクログ 2013年09月19日
マタギシリーズ3部作の1部目。マタギとそれを取材するカメラマンとライターの話。
それらを通して、自然との共生とは何か? 狩は現代においてひつようなのか?と言ったことを考えさせられる。
Posted by ブクログ 2012年04月11日
「自然と調和して生きる」 壮大なテーマを題材にした力作。伝統的な熊狩りと野生動物の保護という視点で読者に分かりやすい形で論争を提示している。主人公は女性のライター。シンポジウムにて偶然耳にした「山は半分殺してちょうどいい」という言葉。物語が進むにつれ、意識が少しずつ氷解していく。筆者渾身のマタギ三部...続きを読む作の第一段。衝撃の二作目と比べても遜色ない出来。ちなみに「相剋」とは 対立・矛盾する二つのものが互いに相 手に勝とうと争うこと。なるほど納得!
Posted by ブクログ 2011年08月22日
邂逅の森に比べると物語としての物足りなさはあるけれど、得られるものは十分にある作品だと思う。
『自然との共生』と言った言葉は近年よく聞くが、人間が人間の都合で語るのであれば自然を置き去りにした話になってしまう。
人間が上位にあるのでは無く、自然と対等でなければ共生も共死意味を成さないんだろう。
Posted by ブクログ 2010年03月30日
狩りをしているしているシーンよりは、女性ライターの目を通して自然との関わり合いを表現している方が多い作品ですが、それもまたアリかなと思いました。
最後のシーン、どうなったのかなぁ。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
いわゆる「森シリーズ」の一作目。森に生きるマタギの生き様と現代の自然保護の潮流との衝突。自然との共生というものを深く考えさせる作品である。この作品でも語られているが「共生」という言葉は深く考える必要のあるものであると思う。そもそも、自然と人間というものの関係を如何に考えるか?といのが大きな問題であり...続きを読む、そう単純な答えを導くことのできるものではない。
Posted by ブクログ 2023年06月21日
邂逅の森に引き続きこちらも重量感ある内容でした。
そしてやはり、登場人物の男性陣が魅力的。
滲み出る哀愁と存在の重量感(?)がなんか渋いわー
今回は女性ライターの立場から見れたので、読者としても狩猟と動物保護の葛藤など同じ立場から考えることができ興味深かかったです。
そしてライターの取材、写真て壮...続きを読む絶すぎる、なんとなくナショナルジオグラフィーなど思い出した。
記事読む時はきちんと向き合って読もうと思います。
ただ邂逅の森の富次の曾孫のくだり、、、必要だったのかな。。?と疑問が残った。
Posted by ブクログ 2022年06月03日
マタギというのを初めて知ったし、登山経験もほとんどないので、どれだけ理解できてるかというのはあるが、興味深く読んだ。「山は半分殺してちょうどいい」という言葉はパンチラインだと感じる。伝統的な熊狩りと野生動物との共生・保護に関して読みながら学んでいった。
Posted by ブクログ 2017年10月30日
熊谷さんが「東北」に戻ってきました。
「ウエインカムイの爪」の続編に当ります。「爪」の主人公であるカメラマン・吉本は今回の主人公・美佐子の相方として主要な役割を果たし、またヒロインだった玲子も登場します。
ライターの美佐子を中心に、熊猟を行うマタギ達(+吉本)と熊を生かそうとするNPOの三角関係...続きを読むで話が進みます。その中で、自然保護を巡って、様々な意見が交錯します。
相変わらず、力強い作風です。物語に引き込む力は持っています。しかし、今回は焦点が多すぎて、かえってぼやけてしまったようです。幾つかのサブストーリーを切り捨ててしまえば、もっとスッキリした力強い作品になれたと思います。
そんな訳で、ちょっと厳し目に星3つにしておきます。
Posted by ブクログ 2014年09月13日
マタギ三部作の1作目。現在を生きる熊追い人たちの話。マタギの男性とジャーナリストの女性の視点と立場で、それぞれの仕事と生活の有り様から現在を生きていく難しさが描かれる。おすすめ。
尚、第2作は直木賞受賞の『邂逅の森』、第3作は『氷結の森』であるが、ストーリーのつながりはない。
Posted by ブクログ 2013年05月12日
獣道も人の道も険しい。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○本当に俺らが必要としているものは物質的なもんじゃねえ。(P.396)
○バーチャルな世界に慣らされた現代人の愚かな部分である。
テレビが映す映像にすっかり飼いならされていると言ってしまってよいかもしれない。(P.478)
Posted by ブクログ 2013年04月30日
秋田に行くのに面白い東北が舞台の小説を探していたら、邂逅の森というのがあり、その小説と3部作でこれが1作目、とあったので、読んでみた。
マタギを通して自然との共生について考えさせられ、面白く読めたが、恋愛模様はいらないのでは、といまいち読ませる内容でなかったのと、祖先へのオマージュといったくだりが...続きを読む物語全体からは浮いているようでちょっと不思議な感じ。
(3部作の2作目を読むといろいろと謎が解けるようになってた)
現代でも行われている猟やそれを取り巻く環境についてなど、勉強になりました。
Posted by ブクログ 2010年06月07日
ちょっとだけマタギの世界や熊の事をを知っている人なら
とても面白く読めて、解釈も深まる作品だと思う。
この本を手にとる前に
まずはマタギのことをちょっとでも知ってから。
そして「邂逅の森」を読んでからトライすると
面白さ倍増。
Posted by ブクログ 2009年10月07日
もう、個人的には無条件で好きな題材。マタギ。
自然保護、クマとの共存、都市生活....この題材
を描くにあたってついて回るテーマ...というか
必然的に、展開されるストーリーは制約され
予想しやすい話になりがちですが、個人的には
気になりませんねー。
山や森で暮らすという事に、深層的に憧れが
ある...続きを読む所為か、凄く、ワクワクして読み耽ってしまいます。
今作は、若いマタギの頭と、都会の女性ライターという
視点の交差と、その2名それぞれの恋愛模様も描いたため
ストーリー全体や、結末がああいった形になった模様ですが
更に、マタギ側に踏み込んだ展開でも、全然良かったのかも。
でも、凄く、凄く、大好きな場面もあって、大満足の一冊。