作品一覧

  • 二十四五
    3.7
    1巻1,562円 (税込)
    第172回芥川龍之介賞候補作! 大事な人が、かつてここにいた 確かなしるしを何度でも辿る── 喪失を抱えたまま生きていく、祈りの記録。 ロングセラー『旅する練習』の著者がはなつ待望の新作。 「これは、叔母がどんなに私を思ってくれていたかということを、その死後も巧妙なやり方で繰り返しほのめかされ時には泣かされたところでぴんぴんしている、根深い恨みである。」 実家を出て二年、作家になった二十四五の私は弟の結婚式に参列するため、仙台に向かっている。 五年前に亡くなった叔母の痕跡を求めて、往復する時間の先にあるものとは。
  • パパイヤ・ママイヤ
    -
    1巻715円 (税込)
    どこでどう生きてても友達になりたくない? 17歳の夏、SNSで知り合ったパパイヤとママイヤは木更津の小櫃川河口の干潟で待ち合わせをして、初めて会った。アル中の父親が大嫌いなバレーボール部のパパイヤと、芸術家の母親に振り回されて育った、写真が好きなママイヤ。二人は流木が折り重なる“木の墓場”で週に一回会うようになり、心を通わせる。 そして、奇跡のような出会いは、二人の夏を特別なものに変えていく―― 少女たちの儚くも輝かしい一夏を瑞々しい筆致で描く、新時代のガールミーツガール小説。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『パパイヤ・ママイヤ』 の文庫版となります。
  • 旅する練習
    3.8
    1巻704円 (税込)
    第34回三島由紀夫賞、第37回坪田譲治文学賞、ダブル受賞! 中学入学を前にしたサッカー少女と、小説家の叔父。 2020年、コロナ禍で予定がなくなった春休み、 ふたりは利根川沿いに、徒歩で千葉の我孫子から鹿島アントラーズの本拠地を目指す旅に出る。 ロード・ノベルの傑作! 第164回芥川賞候補作。
  • それは誠
    4.0
    1巻1,800円 (税込)
    第169回芥川賞候補作に選ばれた、 いま最も期待を集める作家の最新中編小説。 修学旅行で東京を訪れた高校生たちが、コースを外れた小さな冒険を試みる。 その一日の、なにげない会話や出来事から、生の輝きが浮かび上がり、 えも言われぬ感動がこみ上げる名編。
  • 最高の任務
    3.0
    1巻704円 (税込)
    第162回芥川賞候補作の表題作と、傑作中篇「生き方の問題」を収録。 「手紙」と「日記」を通して、「書く」という行為の意味を問う――。 野間文芸新人賞受賞の気鋭による青春小説集!  「最高の任務」 大学の卒業式を前にした私は、あるきっかけで、亡き叔母にもらって書き始めた、小学生の頃の日記帳をひもとく。日記を通して語られていく、叔母との記憶……。 「生き方の問題」 僕は、2歳年上の従姉に長い手紙を書き送る。幼い頃からの思慕と、一年前の久しぶりの再会について……。
  • 鉄道小説
    3.3
    1巻1,936円 (税込)
    1872年、新橋~横浜間に日本初の鉄道が開業。2022年、この国には世界に類をみない鉄道網が広がっています。150年の間、枝葉をのばすように広がってきた鉄道は、線路の数、車両の数、駅の数だけ、そして列車に乗った人の数だけ物語を生み出してきました。個人史と鉄道のさまざまな風景が交差する、“人と鉄道の記憶”についての物語を5人の作家が執筆。「これは、自分の/あの人のことかもしれない」と各々の記憶に思いをはせることができるような、長い歴史のレールの先につづくあたらしい「鉄道小説」をお届けします。
  • 本物の読書家
    4.0
    1巻748円 (税込)
    書物への耽溺、言葉の探求、読むことへの畏怖。 群像新人文学賞受賞作『十七八より』で瞠目のデビューを遂げた、 新鋭にして究極の「読書家作家」乗代雄介による渾身の中編集、ついに文庫化。 表題作のほかに「未熟な同感者」を収録。
  • 十七八より
    3.8
    1巻671円 (税込)
    ある夏、ある少女の「1か月」。 いつかどこかに存在したあらゆる一瞬の堆積が、鮮やかに立ち上がる。 第58回群像新人文学賞受賞作。期待の書き手のデビュー作がついに文庫化。
  • 皆のあらばしり
    3.8
    1巻1,650円 (税込)
    幻の書の新発見か、それとも偽書か――。高校の歴史研究部活動で城址を訪れたぼくは中年男に出会う。人を喰った大阪弁とは裏腹な深い学識で、男は旧家の好事家が蔵書目録に残した「謎の本」の存在を追い始めた。うさん臭さに警戒しつつも、ぼくは男の博識に惹かれていく。ラストの逆転劇が光る、良質のミステリのような注目作。
  • 鳥獣戯画/我が人生最悪の時
    3.0
    1巻1,881円 (税込)
    「凡庸さは金になる。それがいけない。何とかそれを変えてやりたいと思い悩みながら、何世紀もの時間が無駄に過ぎてしまった」――28年間の会社員生活を終え自由の身となった小説家。並外れた美貌を持ちながら結婚に破れた女優。「鳥獣戯画」を今に伝える高山寺を興した高僧明恵。父親になる三十歳の私。恋をする十七歳の私。時を超え、主体を超え、物語は旋回していく。語りの力で何者にもなりえ、何処へでも行くことができる小説の可能性を、極限まで追い求めた谷崎賞作家最大級の野心作「鳥獣戯画」。単行本未収録の傑作短篇「我が人生最悪の時」を併録。自筆年譜付きの決定版。
  • ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ
    -
    1巻2,904円 (税込)
    『最高の任務』で第162回芥川賞候補となった現代文学の新星、乗代雄介がデビュー前から15年以上にわたって書き継いできたブログを著者自選・全面改稿のうえ書籍化。  総数約600編に及ぶ掌編創作群より67編を精選した『創作』、先人たちの言葉を供に、芸術と文学をめぐる思索の旅路を行く長編エッセイ『ワインディング・ノート』に書き下ろし小説『虫麻呂雑記』(140枚)を併録。

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ユーザーレビュー

  • 二十四五

    Posted by ブクログ

    すっごく良かった。主人公が『違国日記11』読んでるっていうのが、BGMみたいに効いてくる。私はもう24も25も過ぎちゃったけれど、今読めて良かったし、また読みたくなる日が来るはず。妹の結婚式とか仙台行った時とか。それまでとりあえず生きていこうか、と思えたかも。

    0
    2025年04月29日
  • 二十四五

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この本の前の「十七八…」読んだあとなので
    不在の叔母さまへの気持ちが分かってしまいいっしょに切なくなる。
    文藝春秋の三月号の芥川賞選考委員の先生方にもっともっと話題にのぼらせてあげたかった。気に入った本でしたので。
    あの時から七八年大人になった景子さんと家族の皆さん、相変わらず会話が絶妙で、特に洋一郎くんがちゃんと所帯を持つ青年に成長してくれたのは、私のようなよそのおばさんもとても嬉しいことですよ。
    シリーズ化してご両親にもまたお目にかかりたい気がします。

    0
    2025年03月12日
  • 二十四五

    Posted by ブクログ

    いや、えぐい
    これが芥川賞受賞してたらどれだけ本好きとして自信が持てたことか。
    文学的センスが好みでした。
    本筋には絡まない所作や視点の描写がすごく程よく、共感し、かといって本筋を損なわない、今までで一番好きな描写加減だったかもしれない。
    地元仙台ということもあるからなのか。すごく親しみを持てた。
    今までは出てくる地名とかはおざなりにしてたけど、よく調べて読んだらこの本みたいに数倍楽しめる要素たり得るのだろうか。

    0
    2025年02月21日
  • 二十四五

    Posted by ブクログ

    いつまでも疼く痛みを、言葉のせせらぎが少しずつ押し流す。
    晴れ渡るほどではないけれど、差し込む光に目を細める。
    過去も内側も肯定し、収まるところへ揺すってくれる、出会えてよかった一冊です。

    0
    2025年02月13日
  • 二十四五

    Posted by ブクログ

    亡くなった叔母を想いながら弟の結婚式のため仙台へ行く姉。そこで出会った人々。なんて言うか、しみじみ良かった。

    0
    2025年02月11日

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