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ある夏、ある少女の「1か月」。 いつかどこかに存在したあらゆる一瞬の堆積が、鮮やかに立ち上がる。 第58回群像新人文学賞受賞作。期待の書き手のデビュー作がついに文庫化。
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Posted by ブクログ
私も高校生の頃、60代の古典の先生が好きだったな。 家族四人のところの会話が特に好きだった。 モスでのタバコの話、犯人はお前かーとツッコミ入れながら読んでいたけど、これはミステリーではありません。 ギバちゃんのドラマも色々見返したくなったな。 景子の口達者や少女としての機微の描かれ方がとても良...続きを読むかった。 そんな景子に負けてないどころか、景子の大人版みたいな叔母も良かった。
そういえば、私も少女だった!いまもなお、ふとした時にあらわれて、平凡なおばさんになった私を苦しめます(笑)読んでいて気持ち良すぎてびっくりした。とてもすき。ありがとう。
1行で終わるところを3、4行かけて描写する。そして匂わせるばかりではっきり描かない所はこの手の作品を読みなれない人には何を読まされてるのか?となるかも。好きな人にはたまらない。
「ミック・エイバリーのアンダーパンツ」で果てしのない饒舌さに挫折し、「皆のあらしばり」を会話の応酬の末のストーリを堪能し、なんだか知らないうちに気になる作家No.1になってしまった乗代雄介。次なるターゲットは「旅する練習」と決めていましたが、文庫でデビュー作を見つけ、途中下車読書しました。第58回群...続きを読む像新人文学賞受賞の作品ということです。デビュー作には、その作家の特質がすべて込められている、と誰かが言っていたような、言っていなかったような…しかし、この「十七八より」には乗代雄介の作家としての文学観が決意表明として表されているような気がしました。(すいません、読み始めたばっかりなのに、すべてを知っているような言い方、まずいですね…)感じたのは「ミック・エイボリーのアンダーパンツ」と「皆のあらしぼり」の真ん中に位置する小説であるということ。世の中での自分の置き方を持て余している若者と、独特な自分を社会の中で飼いならして来た年長者とのスペシャルな関係。答えの用意されていない溢れ変える感情。そして、その感情の入れ物になったり、物差しになったりする文学作品。これ、今のところの乗代フォーマット。たぶん、作者はこうやって文学や文章と付合って来たのかもしれません。「あの少女」は作者です、きっと。
ブログの方のミック・エイヴォリーのアンダーパンツの方を過去に時折読んでおり、素っ頓狂な発想と文章に感心していた。 その著者の小説デビュー作が文庫になったので読んでみたのだが、これまた内容よりも文章主体の一風変わった作品。巻末の評にある通り衒学的でもってまわった表現、ともすれば読みにくい翻訳小説の如き...続きを読む文体で彩られている。やたらめったら描写の細かい挿入エピソードや作中作などは先のブログから引っ張ってきたかのよう。 小説に結末を期待する人には受け入れにくいかもしれないが、文体を愉しむという点では申し分なし。「あの少女」の振舞を自らに当て嵌めたり、考察したりなど野暮なことはするまい。
評価の難しい本。小難しい表現を折り重ねていて、決して読みやすい文章ではない。それでいてそんな表現の向こうに17、8歳の少女の微妙に揺れ動く心情が垣間見える。そんな小説です。
物語の語り手が少女時代を懐古し、そこで語られるのは語り手が「十七八」の頃の日常の、細かな、極端に細かな出来事。過去の出来事を、細部を極端に懐古していく、秘密めいた語り口が、高橋源一郎氏や多和田葉子氏には評価されたようだ(巻末に、本作が群像新人文学賞を受賞したときの選評が載っている)。実験的であるこ...続きを読むとはわかるけど、登場する人物たちがやたら理屈っぽく、小説というよりは文芸評論という感じ。
難しかった。 たくさんの言葉が使われていて読み進めるのは面白かったんだけど、何が言いたいかが今の私にはわからなかった。ただ17.8の頃の繊細さとか、反発したくなる感じとか、もやもやした気持ちが重くのしかかりそうな思春期特有のあの感じを思い出してました。本を読むといろんな景色を色付きで思い浮かぶんだけ...続きを読むど、この作品はずっと灰色の景色だったのも不思議な感覚でした。家族の前の少女と、祖母の前の少女、学校での少女、どれも別人みたいで、そのチグハグさとかも含めて面白かったです。ただ本当に難しかったからまた一年後とかにもう一度読んでみようと思います。
一言でいえばすごく難しい。 言葉遊びにずっと付き合わされているようですごく難解。 しかし、意味など理解するのではなく真っ正面から思春期の女子の揺れに付き合うべきなのかとも思った。(著者は男性だが…) 揺れ、危うさ、幼さゆえの冒険… すべてが十七八というタイトルに込められているようにも思う。 しか...続きを読むしやはり難解である。
なんでしょうねぇ、この表紙の写真 岡上淑子 「ダンス」1951年 1950年からわずか6年間のみ美術界に姿を現し、幻の作家とも言われている彼女のコラージュ作品 最初に叔母の亡くなる時の話がある。 主人公は女子高生。過激な事をわざと口走ってしまったりし、学校で嫌な事が起こると帰りに寄る、叔母のいる...続きを読む眼科の受付 叔母は相談に乗るようで、解決してるのかどうか私にはわからない。 叔母との関係は「口に放り込んで味わいかける瞬間のあめ玉のように気を逸らす役割を担っていた」らしい 文学に詳しく、相談した時の返事も文学から。 古文教師の朗読会での教師と生徒の関係、そしてそこにいる男子1名。この男子が、自分は邪魔だから…といったあとに言うセリフが好きです。 その他家族のシーン、病院のシーンなど色々細かい描写が良かったです。 どちらにしてもどの話にも結論はなく、それが文学っちゃあ文学なんですが、もやもやは残るかも この主人公家族は、この後の作品、『最高の任務』にまた出てきます。 このおばさんとちょっと喋ってみたい。
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