乗代雄介のレビュー一覧

  • 旅する練習

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    淡々と話が進んでいく感じが好きです。
    ですが、最後はえっ!となり、号泣でした。
    それもそれまでの何気ない出来事があってこそでした。
    乗代さん、好きな作家さんになりました。

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    2025年11月03日
  • 旅する練習

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    乗代さんの作品の中でも瑞々しい文体が光る作品です。主人公が見つめるサッカー好きの少女の描写に始終、愛情を感じます。

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    2025年09月24日
  • それは誠

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    「旅する練習」に続いて、2作目。
    高校生男子の語りで物語が進む。サリンジャーぽい青春小説。
    母を亡くした自分を育ててくれようとしたおじさんを訪ねる旅(修学旅行の自由行動時間をクラスメート男子と!)。
    親しくもないクラスメートが、だんだん親しくなっていく。「旅する練習」でも感じたけれど、前半の淡々とした語りから、後半はもうぐーっと盛り上がっていく。読後は、静かな感動が残る。
    ほのかに憧れる女子との関係も物語のスパイスになっててよいなあ。

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    2025年09月13日
  • 皆のあらばしり(新潮文庫)

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    自分が知らないというだけで興味を持たず、自分のことだけ考えて死んでいくから苦しい、すぐ読んでもらわねば意味がないという軟弱な自意識等、知識や学問への敬意からか、結構過激な言葉が出てくる。一つ一つ刺さる。高校生くらいの時に、こんな大人に出会ったら、心酔するのではないか。

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    2025年08月24日
  • 旅する練習

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    ジーコが鹿嶋(鹿島)にもたらした影響は果てしない。
    合宿所から持ってきてしまった一冊の本を返しにひたすら、歩いて、周りの歴史的なもの見たりとテレビ東京とかでありそうな。小説でありながら旅の本みたいな

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    2025年08月10日
  • 旅する練習

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    海岸で亜美の名前の由来を思いながら少女の成長を喜ぶ叔父の温かな眼差しは旅の終わりの寂しさも相まって感動する。旅後の結末は作為を感じなくもないがそれがこの作品の魅力を損ねているとも思わない。

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    2025年08月05日
  • 二十四五

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    『旅する練習』を読んだ後、映画『海がきこえる』を観た後だったからか、語り手が男性だと感じたので、女性だと知った時驚いた。
    ものすごく感動するということではなく、ずっと平坦なんだけれどじんわりする感じがした。

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    2025年08月05日
  • 二十四五

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    すっごく良かった。主人公が『違国日記11』読んでるっていうのが、BGMみたいに効いてくる。私はもう24も25も過ぎちゃったけれど、今読めて良かったし、また読みたくなる日が来るはず。妹の結婚式とか仙台行った時とか。それまでとりあえず生きていこうか、と思えたかも。

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    2025年04月29日
  • 二十四五

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    ネタバレ

    この本の前の「十七八…」読んだあとなので
    不在の叔母さまへの気持ちが分かってしまいいっしょに切なくなる。
    文藝春秋の三月号の芥川賞選考委員の先生方にもっともっと話題にのぼらせてあげたかった。気に入った本でしたので。
    あの時から七八年大人になった景子さんと家族の皆さん、相変わらず会話が絶妙で、特に洋一郎くんがちゃんと所帯を持つ青年に成長してくれたのは、私のようなよそのおばさんもとても嬉しいことですよ。
    シリーズ化してご両親にもまたお目にかかりたい気がします。

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    2025年03月12日
  • 二十四五

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    いや、えぐい
    これが芥川賞受賞してたらどれだけ本好きとして自信が持てたことか。
    文学的センスが好みでした。
    本筋には絡まない所作や視点の描写がすごく程よく、共感し、かといって本筋を損なわない、今までで一番好きな描写加減だったかもしれない。
    地元仙台ということもあるからなのか。すごく親しみを持てた。
    今までは出てくる地名とかはおざなりにしてたけど、よく調べて読んだらこの本みたいに数倍楽しめる要素たり得るのだろうか。

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    2025年02月21日
  • 二十四五

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    いつまでも疼く痛みを、言葉のせせらぎが少しずつ押し流す。
    晴れ渡るほどではないけれど、差し込む光に目を細める。
    過去も内側も肯定し、収まるところへ揺すってくれる、出会えてよかった一冊です。

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    2025年02月13日
  • 二十四五

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    亡くなった叔母を想いながら弟の結婚式のため仙台へ行く姉。そこで出会った人々。なんて言うか、しみじみ良かった。

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    2025年02月11日
  • 旅する練習

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    美しい情景描写と、元気な亜美の描写が想像容易い細かい言葉で表現されてて自分も旅をしているように思った。
    緩やかな旅の収穫を抱えてそれぞれ夢へ向かっていく
    そんなラストかと思えば、悲しい最後。
    一読したもののもう一周読みたくなった。作者は全体を知っていて1から書いたから。僕も同じ気持ちでもう一度読もうと思う。

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    2025年02月09日
  • 本物の読書家

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    ⚫︎受け取ったメッセージ、感想
    「旅する練習」が比較的評価が高い印象の作者だが、私はなんとなく好きになれないままだったが、こちらの「本物の読書家」を読んで、著者の考えがわかったような気がして、「旅する練習」の結末があのような形なのも、なんとなく理解でき、読んで良かったと思った。

    著者は、書くこととは?読むこととは?を丁寧に探っていることが伺えた。書かれた作品がうまれた背景(事実)、著者を通して書かれる本物(真実)とのバランスについて思いを馳せることができた。

    「本物の読書家」「未熟な同感者」ともに、書かれた作品を通して、事実と真実の乖離の間にこそ、作品は生まれるのだということを改めて思った

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    2025年02月03日
  • 本物の読書家

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    こちらも『未熟な同感者』同様、引用が多かった。
    相席の男は、喪黒福造みたいだと思いながら読んでいた。

    間氷青年目線だから、大叔父のことに興味を惹かれるよりも相席の男の怪しさと途中からの間氷への対応に不信感で一杯だった。

    『未熟な同感者』は
    『十七八より』と『最高の任務』の間の話。
    とは言っても今回は家族はほとんど出ない

    ゼミで一緒になった子に叔母を少し重ねる主人公とゼミの授業が描かれる。

    サリンジャーとカフカ、一冊でも読んでいたので授業を放り出さずに読めたかも

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    2024年12月16日
  • 十七八より

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    私も高校生の頃、60代の古典の先生が好きだったな。

    家族四人のところの会話が特に好きだった。

    モスでのタバコの話、犯人はお前かーとツッコミ入れながら読んでいたけど、これはミステリーではありません。

    ギバちゃんのドラマも色々見返したくなったな。
    景子の口達者や少女としての機微の描かれ方がとても良かった。

    そんな景子に負けてないどころか、景子の大人版みたいな叔母も良かった。

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    2024年11月19日
  • 旅する練習

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    仲のよい叔父である「私」と中学入学を目前にした姪の亜美が、「私」は文章で風景を描写する練習をしつつ、亜美はサッカーの練習をしながら鹿島まで歩いて旅をするロードムービー的な物語。途中で同じく徒歩で鹿島スタジアムを目指していたみどりと合流し、彩りが加わる。人間模様でちょっとした波風は立つことはありましたが、基本的に和やかな雰囲気の中、淡々と旅は続けられ、無事に旅を終えることができたかにと思ったのですが、物語の終盤にさりげなく書かれた数行にわが目を疑い、その箇所を数回読み返してしまいました。何ともやるせない。人生は角も儚いものと思うしかないのだろうか。

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    2024年10月06日
  • それは誠

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    どこまで誠の文章を信用するかで、いろんな解釈ができる凄い作品だと思った。
    個人的には、たぶん誠は何らかの言語障害を持っていて、現実ではうまく人とコミュニケーションを取れない子なのではと思った。だから、パソコンで文字を打ち込んで会話するシーンもそうだし、松との関わり方もそうだし、相手を見て喋るシーンが極端に少なかったり、まさに「見つめ合うと素直におしゃべりできない」子なんだと思う。背伸びしてカッコいい事を言いたがる年頃の感じも、どこか現実での鬱屈した部分を書くことで発散させるため。という、そんな想像をしながら読んだ。

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    2024年10月03日
  • 本物の読書家

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    大叔父上は本当に川端康成からの手紙を持っているのかという謎で引っ張りつつ、列車で居合わせた読書家の男と大叔父上、主人公の三人の会話で物語が進む。主人公の発言のみカギ括弧のセリフではなく地の文にすることで読者も三人の空間にグッと入っていける効果があるように感じた。

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    2024年08月25日
  • それは誠

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    ネタバレ

    初よみ、意外にもとてもよかった。比べるのもなんだが私としては「成瀬は~」よりずーっと好きである。過去長い入院生活でラジオを聴く楽しみを知ってから長年のラジオ愛好者なのだが特にNHKの朗読とラジオドラマは欠かさず聴いている。少し前にこの「それは誠」のドラマをやっていて50分の作品がよく出来ていて感動してしまったので原作を読んでみた。ドラマの方も原作のエッセンスをうまく生かしていたと改めて感心した次第である。まだ作品数が少ないのでとりあえず文庫になっているものから読んでみようと思う。
    読もうと思って買った本もまだ手付かずなのにこうして枝葉が広がっていくのもまた楽し。

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    2024年06月27日