乗代雄介のレビュー一覧
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⚫︎受け取ったメッセージ、感想
「旅する練習」が比較的評価が高い印象の作者だが、私はなんとなく好きになれないままだったが、こちらの「本物の読書家」を読んで、著者の考えがわかったような気がして、「旅する練習」の結末があのような形なのも、なんとなく理解でき、読んで良かったと思った。
著者は、書くこととは?読むこととは?を丁寧に探っていることが伺えた。書かれた作品がうまれた背景(事実)、著者を通して書かれる本物(真実)とのバランスについて思いを馳せることができた。
「本物の読書家」「未熟な同感者」ともに、書かれた作品を通して、事実と真実の乖離の間にこそ、作品は生まれるのだということを改めて思った -
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仲のよい叔父である「私」と中学入学を目前にした姪の亜美が、「私」は文章で風景を描写する練習をしつつ、亜美はサッカーの練習をしながら鹿島まで歩いて旅をするロードムービー的な物語。途中で同じく徒歩で鹿島スタジアムを目指していたみどりと合流し、彩りが加わる。人間模様でちょっとした波風は立つことはありましたが、基本的に和やかな雰囲気の中、淡々と旅は続けられ、無事に旅を終えることができたかにと思ったのですが、物語の終盤にさりげなく書かれた数行にわが目を疑い、その箇所を数回読み返してしまいました。何ともやるせない。人生は角も儚いものと思うしかないのだろうか。
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Posted by ブクログ
ネタバレ初よみ、意外にもとてもよかった。比べるのもなんだが私としては「成瀬は~」よりずーっと好きである。過去長い入院生活でラジオを聴く楽しみを知ってから長年のラジオ愛好者なのだが特にNHKの朗読とラジオドラマは欠かさず聴いている。少し前にこの「それは誠」のドラマをやっていて50分の作品がよく出来ていて感動してしまったので原作を読んでみた。ドラマの方も原作のエッセンスをうまく生かしていたと改めて感心した次第である。まだ作品数が少ないのでとりあえず文庫になっているものから読んでみようと思う。
読もうと思って買った本もまだ手付かずなのにこうして枝葉が広がっていくのもまた楽し。