乗代雄介のレビュー一覧

  • 旅する練習

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    最後に待ち受けている一文の、あまりにささやかで、かつなんと破壊力のあることか。読者は微笑ましい気持ちで彼らの旅の行く末を見守っているはずで、登場人物たちに思い思いの感傷を抱いているはずで、そうくるか、と読者の心を破壊しにかかるのは唸らされてしまった。
    そこに辿り着く、そのための物語なのだ、と読み終えた今では思う。

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    2024年11月07日
  • 旅する練習

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    ほのぼのとのんびりと旅は始まる。サッカーボールを蹴りながら、それが練習なんですね。長い距離を歩くなんて、最後はいつだろう。歩くと普段は通り過ぎて気がつかないことにも目が行くことでしょう。練習の旅の行きつく先が悲しい。どこかを歩きたくなった。

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    2024年10月25日
  • 旅する練習

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    少し遠出をしたいと思いました。
    この本はとても悲しい気持ちになりますが、それと同時に旅による、思い出ができる素晴らしさも教えてもらいました。柳田國男の作品を読んでみたいと思いました。

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    2024年10月22日
  • 旅する練習

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    ネタバレ

    書き写したくなるような箇所がいくつかあった、それは柳田国男や小島信夫の著書からの引用部分だった。「私」の記述や「亜美」の日記やジーコの評伝などと重層的にからまりあって面白い読書体験だった。この作家を追い続けるかどうかはまだ決められないけれど。読んだ3作の中では『それは誠』が好きだ。ついでに台164回芥川賞の選評も読んでみたが、プロの作家先生たちの受け止め方が様々で、文学賞選ぶのも大変ですね~と思ってしまった。だから一読者がどの作家のどの作品にひかれるかなんて運命の出会いのようなものだと思う。出会えたひとは幸せだ。

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    2024年09月05日
  • 旅する練習

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    ネタバレ

    過去の乗代作品の持って回ったような表現は抑えられ比較的読みやすい。風景描写は個人的に得意ではないのでうまくイメージ作りはできないところがいくつか。
    ロードムービーのような展開で心地よく読み進めていたが、結末はそうする必要があったのか私にはわからない。

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    2024年07月28日
  • 旅する練習

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    ネタバレ

    難しかった。
    僕が子供だというのもあるのかもしれないが、それ以上に単純に観念的な難しさを感じた。
    忍耐という概念があまり掴めなかった。
    ただ十分に面白かったのと、文章がとても綺麗だった。硬い文ではあったけど。

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    2024年05月02日
  • 十七八より

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    1行で終わるところを3、4行かけて描写する。そして匂わせるばかりではっきり描かない所はこの手の作品を読みなれない人には何を読まされてるのか?となるかも。好きな人にはたまらない。

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    2023年10月08日
  • 本物の読書家

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    本書は、2015年にデビューした新鋭による2冊目の書物である。2018年本作「本物の読書家」で野間文芸新人賞受賞。2019年、2021年芥川賞候補。

    表題作「本物の読書家」では、語り手の「わたし」が、独り身の大叔父を茨城県の高萩にある老人ホームに入居させるため、上野から電車で同行する。車中で二人はあやしげな大阪弁の男と出会う。この男が開陳する文学関連のマニアックな知識に反応する読書家の「わたし」と大叔父。やがて大叔父の口から、信じがたい秘密が告げられる。 

    川端康成の名作「片腕」を本当に書いたのは自分だ、という大叔父の主張を、小説外の事実として認める読者はいないだろう。文豪川端康成の

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    2023年02月24日
  • 鉄道小説

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    JR時刻表を出している交通新聞社が出した小説ということで、鉄分高いのかなー、と思いながら読んだけど、そんなことはなかった。各話に鉄道が出てくる短編集ってだけで、五話五様の普通のアンソロジーとして楽しめる内容だった。

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    2023年01月31日
  • 本物の読書家

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    ネタバレ

    「本物の読書家」と「未熟な同感者」の二篇収録。

    相変わらず難解。でも個人的には「読んでて分からないけれど楽しい」作家さんでもあります。話として面白かったのは「本物の読書家」で好きなのは「未熟な同感者」でした。「未熟な同感者」は少し百合ですね。

    「本物の読書家」
    老人ホームに入る大叔父上に最寄り駅まで同行する主人公は大阪弁の読書家と相席になる。川端康成の『片腕』が出てきます。既読で良かった…。
    主人公の自意識過剰っぷりに「ちょっと落ち着いて」と言いたくなりました(笑)

    『ロリータ』を2月に読む予定なので楽しみです。

    「未熟な同感者」
    こちらは頻繁に引用されるサリンジャーをまったく読んでい

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    2023年02月02日
  • 本物の読書家

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    「皆のあらばしり」で今年気になる作家NO.1になった乗代雄介。次は「旅する練習」を開こうと思いつつ目の前に文庫が次々現れてたどり着けません。前回は「十七八より」。今回は「本物の読書家」。今度の文庫は「本物の読書家」と「未熟な同感者」の二編が収録されていました。単行本の時も同じ構成かな?先ずは「本物の読書家」。登場人物の関西弁の饒舌な男、これ「皆のあらばしり」のあの男の再登場?とびっくり!いや「本物の読書家」の方が先に書かれているので「皆のあらばしり」の方が再登場か…さらには「未熟な同感者」の一人称の女子も「十七八より」の高校生が大学生になった感じ。アセチレン・ランプ、スカンク草井などのような手

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    2022年09月10日
  • 十七八より

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    「ミック・エイバリーのアンダーパンツ」で果てしのない饒舌さに挫折し、「皆のあらしばり」を会話の応酬の末のストーリを堪能し、なんだか知らないうちに気になる作家No.1になってしまった乗代雄介。次なるターゲットは「旅する練習」と決めていましたが、文庫でデビュー作を見つけ、途中下車読書しました。第58回群像新人文学賞受賞の作品ということです。デビュー作には、その作家の特質がすべて込められている、と誰かが言っていたような、言っていなかったような…しかし、この「十七八より」には乗代雄介の作家としての文学観が決意表明として表されているような気がしました。(すいません、読み始めたばっかりなのに、すべてを知っ

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    2022年05月29日
  • 十七八より

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    ブログの方のミック・エイヴォリーのアンダーパンツの方を過去に時折読んでおり、素っ頓狂な発想と文章に感心していた。
    その著者の小説デビュー作が文庫になったので読んでみたのだが、これまた内容よりも文章主体の一風変わった作品。巻末の評にある通り衒学的でもってまわった表現、ともすれば読みにくい翻訳小説の如き文体で彩られている。やたらめったら描写の細かい挿入エピソードや作中作などは先のブログから引っ張ってきたかのよう。
    小説に結末を期待する人には受け入れにくいかもしれないが、文体を愉しむという点では申し分なし。「あの少女」の振舞を自らに当て嵌めたり、考察したりなど野暮なことはするまい。

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    2022年05月14日
  • 十七八より

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    評価の難しい本。小難しい表現を折り重ねていて、決して読みやすい文章ではない。それでいてそんな表現の向こうに17、8歳の少女の微妙に揺れ動く心情が垣間見える。そんな小説です。

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    2022年01月29日
  • 十七八より

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    ネタバレ

    第58回群像新人文学賞受賞作。デビュー作。

    芥川賞候補『旅する練習』は既読、『皆のあらばしり』は冒頭10頁既読、で本作にいざ挑戦!

    あれ?これは乗代さん?文体が既読の作品と全然違って翻訳の直訳文のような文章…という戸惑いを隠せないまま読み進める。

    文学好きのある少女(阿佐美景子)の、叔母とのやり取りを軸に置いた他愛のない日常。「少女」は、弟の「姉」であり、叔母の「姪」であり、主語が場面によって変わる上に、文章自体もなかなか独特かつ難解。

    家族の前では茶目っ気もあり、教師とのやり取りでは時に大人びていたり、病院の待合では不可解な大人に怯えたり…。少女の日常はありふれた事が次々に起こって時

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    2022年08月14日
  • それは誠

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    乗代雄介『それは誠』文春文庫。

    第40回織田作之助賞、第74回芸術選奨文部科学大臣賞のW受賞作にして、第169回芥川賞候補作にもなった作品のようだ。

    表題作の『それは誠』の他に『Sに』という掌編が収録されている。

    乗代雄介の作品は過去に『本物の読書家』『旅する練習』の2作を読んでいる。『本物の読書家』は自分にはしっくり来なかったが、『旅する練習』は不思議な魅力のある作品だった。

    さて、まずは表題作の『それは誠』である。高校2年生の佐田誠が修学旅行で東京に行くのだが、二日目の自由行動を使って、過去に生き別れとなった大好きなおじさんに会いに行くというストーリーであった。どこか『旅する練習』

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    2026年04月16日
  • 二十四五

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    偶然手に取った本作。
    作家の主人公の語り口調や描写が巧妙すぎて読むのが難しいと思いきや、芥川賞候補作と知り納得。また阿賀佐家シリーズや前作もあるとのこと。なるほど…!
    未熟な自分にはすっと入る文章や内容ではないものの、思いつかない文章表現が新鮮でした。
    弟との距離感がよかったから、また機会があったら阿賀佐家シリーズの別冊にチャレンジしてみようかな。

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    2026年04月15日
  • パパイヤ・ママイヤ

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    乗代は場所を起点に小説を書く人なんだなー。読み飛ばしがちな自然描写が布石になっているのは面白かったが、作られた小説感が否めず、入り込めない印象。

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    2026年03月24日
  • 皆のあらばしり(新潮文庫)

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    歴史が好きな人には楽しめそうな作品。
    高校生の主人公は、1人の男との出会いをきっかけにある書の存在を知る。
    それは偽書なのか?
    物語は栃木県の地理や歴史をたどりながら進んでいく。

    最後まで完全にはスッキリしない部分もあるが、すべてを明かすことがこの作品の目的ではないのだろう。
    作者がかなり調べ、練って書いたのだろうと感じさせる内容だった。

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    2026年03月14日
  • 旅する練習

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    日記の描写がすごくて景色がそのまま想像できた、私も一緒に旅した気持ちになった。私もあまりイヤホンつけたり携帯見ながら歩いたりせず、たまには周りの音を聞いて、鳥とか見て季節の変化とか探しながら歩こうと思った。
    まさかの結末でやりきれない思いになったけど、好きだと思うことは好きだと思ってるうちに全力でやらなきゃなあ〜と思うなどした。大人になって何かを好きだなと思う瞬間や好きなことをやりたい!みたいな情熱が少しずつ消えてきてる気がするけど、そういう気持ちを大事にしたいしちゃんと動きたいなあ

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    2026年01月25日