乗代雄介のレビュー一覧

  • 皆のあらばしり(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    素数の木曜日という響きも良く、それを待ち侘び、その間起きたことは二人の会話でしかわからず、わくわくしながら次の素数の木曜日を読み、最後はどこから形成逆転したかに驚き…もう一度読まないといろいろついていけないと思うが、わくわく感だけは間違いない。
    青年がどんな大人になりたいか、語ったことこそがわくわく感に繋がっているのだと思った。

    0
    2025年08月24日
  • パパイヤ・ママイヤ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    美しかった。
    本当に文章が美しい。僕は元々情景描写を好まない人間だが、乗代雄介の情景描写は本当に好きだ。
    あまりにもど真ん中の青春で、それに対するメタも含んではいるのだが、やはりそれを美しいと信じようとするパパイヤやママイヤの、そして乗代雄介の意図が感じられた気がする。
    「旅する練習」では景色を文章として残そうとしていたが、本作では写真で残そうとしている。残そうとしていると言っても、序盤のママイヤは「変わっちゃうのに耐えられない」が故に、現像を拒否する。しかしパパイヤとの交流を通じ、変わっちゃうと分かっていても、そこにあった美しいものを、美しいと感じた自分自身を、信じられるようになり、強くなる

    0
    2025年08月15日
  • GOAT meets01

    Posted by ブクログ

    はじめて文芸誌を隅から隅まで読んだ。

    良い意味でハードルが低く、ここから文芸誌を手に取る人もたくさんいると思う。
    小学館さん凄いことやってます!!!

    0
    2025年08月13日
  • それは誠

    Posted by ブクログ

    人によって心を動かされる部分は違うことを改めて感じた作品だった。
     癖のある文章だなと思っていたが、最後まで読むとその癖があるから良いと感じた。
     最後になぜおじさんに会いたかったのかや松くんなどの対応などわかった時満足できる。
     溺れている人がいたら、助けることができる人間が理想だが、一緒に溺れていく覚悟ができる人間も必要だと感じた。自分も惚れた友達、女性には一緒に溺れる覚悟を見せれる人になりたいと思った。

    0
    2025年07月12日
  • 二十四五

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    阿佐美景子(主人公)が、仙台である弟の結婚式に向かう電車で、ある女子大生(平原夏葵)に声をかけられる。

    サラッとしている読み心地で、
    読み進めていく中で少しずつ事実関係など分かってくるような、
    叔母(ゆき江ちゃん)の喪失をすごく引きずっていることが分かってきて、
    主人公は作家になって活躍してることとか、
    24、5歳の阿佐美景子が、なんだかかなり大人っぽく感じた、自分より、ね。
    始めから終わりまでキーパーソン的な女子大生がすごく好感を持てる子であり、
    ほんとみなさん、しっかりしてるよなーと思ってしまう。またまた自分と比べて。

    何かあるわけでもないようだけど、
    出来事とは、個々人の中で起こって

    0
    2025年05月18日
  • 二十四五

    Posted by ブクログ

    読んでいて気持ち良くなる文章なのが好み。「旅する練習」のような感じの作品だが、これと比べると衝撃度は小さい。ただし、文章の裏に隠されたものが読み取れなかったのかもしれない。東日本大震災と絡めた作品であり、そこがきっと何か重要な何かがありそう。主人公である姉(景子)と弟との関係、姉と叔母(故人)との関係、弟の結婚相手、仙台で知り合った女性との関係・・・など様々。叔母の死因は何だっけ、震災と関係あるのかななど思ったり。読みやすいが解釈が難しい作品だった。でも、そろそろ芥川賞を獲るような気がする作家である。

    0
    2025年05月14日
  • それは誠

    Posted by ブクログ

    良かった、やはり学校を舞台とする小説は個人的に好きで、彼の小説で描かれる、歳と思考がかけ離れているが一部抜けている部分のある愛らしいキャラクターが私は好き

    0
    2025年05月04日
  • それは誠

    Posted by ブクログ

    旅する練習でもそうだったけど、この人の作品で出てくる土地とかをストリートビューでつい調べてしまう。誠たちがピザ食べながら会話した八ノ上横穴墓群、おじさんと会った後、みんなで線路沿いの道を歩きながら金網越しにみた西の空など。そこにいるはずもない彼らの影を見てしまう。高校生のこの時期にしかできない同級生とのやりとり、ちょっと踏み外しちゃいますか!的な冒険心、めちゃくちゃ貴重で尊くて今風にいうとエモい時間だなと思いながら読んだ。でも自分たちが当事者だったときはこのエモさになかなか気付けないなあとか。宮沢賢治の一緒に溺れるという話から蔵並が感化されたんだという場面が好きだ。最後の誠と小川のやりとりもと

    0
    2025年04月09日
  • 二十四五

    Posted by ブクログ

    仙台へ向かう新幹線の中で、ヤマシタトモコの『違国日記』の最終巻を読んでいましたよね、とショートヘアの女の子から声をかけられたところから物語ははじまる。

    『違国日記』も叔母と姪のおはなし。『違国日記』は、大切に読んだ漫画なので、最初からとても惹かれてしまった。

    弟のことを書いた「ヒヤシグマの生態」のエピソードが可愛かった。

    本を沢山読んでいたけれど書かなかった叔母のゆき江ちゃんのことをもっと読んでいたかった。

    0
    2025年03月29日
  • それは誠

    Posted by ブクログ

    修学旅行の自由行動で離れて暮らすおじさんに会いに行く。クラスでも馴染めるやつなんていない、一人狼を気取っていたけど、会うためになんやかんやで協力してくれるクラスメイトと仲深まる青春ストーリー。

    一文が長くてよみにくいなと、最初諦めかけたものの、最後まで読んでよかった。ずるさや寂しさを飲み込めない高校生男子。頑張れって思った。

    0
    2025年03月23日
  • 二十四五

    Posted by ブクログ

    弟の結婚式に出るため仙台にやってきた景子。叔母の死の喪失感から仙台を彷徨うような姿と知り合った女子大生との思いがけない交流。3日間の結婚式を挟む滞在の心情の変化がとても良かった。
    話全体の流れなどとても好きです。

    0
    2025年03月06日
  • 二十四五

    Posted by ブクログ

    弟の結婚式なのに、どこか浮かない景子。未だ叔母・ゆき江ちゃんを喪った悲しみが癒えず…具体的な思い出や言葉の描写がないにも関わらず、憂いを醸す筆力が見事。『十七八より』の続編だったとは知らず、本書を先に読んでしまった。

    0
    2025年03月01日
  • 旅する練習

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み終わって読み返したくなった。
    最後を読んだ時は、なんであの結末にする必要があったのか疑問に感じたけれど、解説を読んで腑に落ちた。何気ない日常とちょっとした喜怒哀楽を生む出来事が繰り返されるその人生を描いていた。
    正直最後の展開がなければこんなに心動かされなかっただろうし、考えず平和な作品だったなぁくらいの感想になるところだった。

    事細かに記録された旅の話、あまりにも細かい描写が多く初めて出会う単語もあり読むのに苦労した。でもこれも全て、あの最後のためにあった。
    どんな旅行でもあんなに全てのことを記録することは自分にはできないし、いくら小説家の叔父だからといってあんな事細かに記録するわけじ

    0
    2025年02月28日
  • 旅する練習

    Posted by ブクログ

    鬱屈としたコロナ禍の時期に、穏やかな実りある時間があった、という事を満喫しながら読み進めた。最後は、旅で何かを得たであろう亜美と叔父さんの様子が描かれるんだろうな、と思いながら読み進めての、予想しなかった展開の破壊力。こうくるとは思わなかったので、何度も読み返し、作者がなぜこういう終わりにしたのか、考えてしまった。

    0
    2025年02月23日
  • それは誠

    Posted by ブクログ

    うん、これはいい!
    ひさびさに当たりくじを引いた気分だ。

    高校生が修学旅行中に親戚を訪ねる、という、ネタバレのしようがない単純な話が、実にスリリングでライブ感溢れる語り口で展開し、うっかりしてると心の深いところを揺さぶられる。

    小劇場の舞台を観ているようなテンポのいいセリフのやり取りに乗せられてページを捲ってしまうが、細かく見ると、人物造形や情景描写、セリフのひとつひとつが緻密に構成されていて、技巧性も高い。

    2冊目、3冊目と次々に手に取ってしまいそうな、楽しみな作家さんだ。

    0
    2025年01月10日
  • それは誠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ひたすらに心地よい文章の中に浸かることができた。久々の読書がこの本でよかった。
    僕は誠のような人間を心底愛している。彼のような人間を本当にかっこいいと思っている。でも彼のようになれない。僕は「孤独」を恥じてしまう。誠は美しい人間だ。
    今日、高校生活最後の授業があった。
    図らずも、我が校は教育目標に「誠」を掲げている。
    それもあって本当にたまにだが、「誠」とは何かについて考える。
    もちろん答えはないわけだが、佐田誠が持っているような人間的美しさを「誠」として形容することを、一つ高校生活を送った上での回答としておきたい。

    0
    2024年12月05日
  • 旅する練習

    Posted by ブクログ

    最後に待ち受けている一文の、あまりにささやかで、かつなんと破壊力のあることか。読者は微笑ましい気持ちで彼らの旅の行く末を見守っているはずで、登場人物たちに思い思いの感傷を抱いているはずで、そうくるか、と読者の心を破壊しにかかるのは唸らされてしまった。
    そこに辿り着く、そのための物語なのだ、と読み終えた今では思う。

    0
    2024年11月07日
  • 旅する練習

    Posted by ブクログ

    ほのぼのとのんびりと旅は始まる。サッカーボールを蹴りながら、それが練習なんですね。長い距離を歩くなんて、最後はいつだろう。歩くと普段は通り過ぎて気がつかないことにも目が行くことでしょう。練習の旅の行きつく先が悲しい。どこかを歩きたくなった。

    0
    2024年10月25日
  • 旅する練習

    Posted by ブクログ

    少し遠出をしたいと思いました。
    この本はとても悲しい気持ちになりますが、それと同時に旅による、思い出ができる素晴らしさも教えてもらいました。柳田國男の作品を読んでみたいと思いました。

    0
    2024年10月22日
  • 旅する練習

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    書き写したくなるような箇所がいくつかあった、それは柳田国男や小島信夫の著書からの引用部分だった。「私」の記述や「亜美」の日記やジーコの評伝などと重層的にからまりあって面白い読書体験だった。この作家を追い続けるかどうかはまだ決められないけれど。読んだ3作の中では『それは誠』が好きだ。ついでに台164回芥川賞の選評も読んでみたが、プロの作家先生たちの受け止め方が様々で、文学賞選ぶのも大変ですね~と思ってしまった。だから一読者がどの作家のどの作品にひかれるかなんて運命の出会いのようなものだと思う。出会えたひとは幸せだ。

    0
    2024年09月05日