乗代雄介のレビュー一覧

  • 二十四五

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    2日半くらいのことの、思い出を含めた心理戦。さすが芥川賞候補。心理描写の表現がすごい。よくわかる!ところと、何回か読み直してもよくわからんところと。
    結局、主人公の亡くなった叔母、についてがいちばん謎。

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    2025年03月16日
  • 二十四五

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    弟の結婚式で仙台に来た姉、阿佐美景子。2年ぶりに家族と会い、弟と語らい、変わっていないことに安堵している気がしました。彼女が尊敬していた叔母への思いを何度も反芻し、心の中でなんとか消化しようともがいている様子が伺えました。家族と会わなかった2年間、彼女が大切に思っていた叔母との日々を逡巡していたと思います。自分のことを一番わかってくれていた人が、まだまだ共にいるような気持ちでいることは、大切な人を亡くしたことがある人にしかわからないものだと思いました。

    小説の終わりに、新幹線の中で出会った平原夏葵の明るさが、景子が前向きに向かおうとする兆しを生み出したことに安堵しました。

    景子が作家という設定だったからなのか、今まであまり出会わなかった表現があり、それがとても新鮮に感じた小説でした。


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    2025年03月16日
  • 二十四五

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    ネタバレ

    あたたかい文章だった。
    「十七八より」に比べればずっと読みやすかったが、全体を貫いているものは見えにくかった。
    結局、景子は何のために叔母のことを書くのだろうか。

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    2025年03月15日
  • 二十四五

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    個人的にはあまり刺さらなかった、、
    主人公が本当に叔母さんのことをリスペクトしているんだなということがわかる作品。

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    2025年03月15日
  • 二十四五

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    少しずつわかってくるのは、作家になった二十四五の私の気持ち。
    弟の結婚式に参列する前後の気持ち。
    どこかに必ずあるのは、亡くなった叔母のこと。
    かつてはずっと近くにいた叔母のこと。
    初対面で話しかけられた就活帰りの女の子にもう一度会おうと思ったのが、何故だろうかと…わからなくもないと思えるその不思議さが後をひく。

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    2025年03月01日
  • 旅する練習

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    結末に関しては途中で気付いた。ある程度示唆されてはいると思うものの、芥川龍之介の奉教人の死 に対する志賀直哉の批判を思い出してしまった。
    筋自体が、大人に都合の良い子供を演じるような作品になってしまっているように感じてしまい残念だった。

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    2025年02月28日
  • 二十四五

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    自分はまだ身近な人を失った経験が少ないので、この作品を読むことを通して、喪失を抱えたまま生きていくこと、その呪い性を追体験できたような気が…いや、そんな甘いもんじゃないよなぁ。でも、美しい小説だった。本作が続編だとつゆ知らず。『十七八より』も読まなきゃ。

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    2025年02月15日
  • 二十四五

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    やっちまったー!前作があるとも知らず、叔母への想いが消化不良なまま、よくある亡き者を想う物語で終わってしまったぁ。

    これを読む方は「十七八より」から読みましょう。

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    2025年02月13日
  • 二十四五

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     2024年下半期の芥川賞受賞2作品を両方未読なのに、同候補作の本書を手にしました。これまで乗代雄介さん作品を2冊既読だったのと、少し前に敬愛する某書店主さんのレビューで心が動きました。

     本作は、亡き叔母との特別な記憶を強く残す主人公・私(景子、二十四五の作家)が、参列した弟の結婚式で親族等と再会し、思い出話を語る中で叔母の痕跡を辿っていく話です。

     景子は、5年前に死んだ叔母の克明な記憶(大事な存在であり苦い思い出)を忘却の彼方に失いつつあり、苦悩しているようです。今ある自分に、叔母が大きな影響を与えたのは見て取れますが、結婚式で周囲が語る叔母からは、景子にとっての特別な存在の具体像はなかなか見えてきません。

     結婚式のため仙台に赴く際に、就活帰りの女子大生・夏葵と出会い、式後も再会して1日を共にします。この出会いが変化をもたらすのでした。
     叔母の記憶が少しずつ削られ、書けなくなるかもしれない残酷な現実。逆に、受け入れることが希望につながるということを、叔母を知らない大学生の夏葵との触れ合いで気付かされます。それは、今生きている人が変わっていくことだと…。

     結婚式前後の内容が冗長に感じ、『違国日記』のモチーフを活用した大学生との出会いと再会、会話内容が少しリアリティに欠ける印象をもちました。
     それでも、主人公の喪失を抱えて生きていく祈りの物語は、間違いなく繊細で深みがありました。足掻き苦しんだ足枷が外れ、景子が新たな作品を提供していく新境地の未来が思い浮かびました。

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    2025年02月08日
  • 二十四五

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    デビュー作『十七八より』は未読。関連してるのかな。この作品だけを読んでいるとわからないことが多く理解も漠然としている。『十七八より』を読んでみる。

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    『十七八より』を読んだ。何を言っているのかわざとわかりづらく書かれているようで消化不良。雰囲気を味わった。それと比べると『二十四五』はずいぶんわかりやすく洗練されているように思う。あの少女がそう育ったのか…と感慨深い(そんな風に感慨深く思われて少女は嫌がりそうだけど)。

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    2025年02月09日
  • 十七八より

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    難しかった。
    たくさんの言葉が使われていて読み進めるのは面白かったんだけど、何が言いたいかが今の私にはわからなかった。ただ17.8の頃の繊細さとか、反発したくなる感じとか、もやもやした気持ちが重くのしかかりそうな思春期特有のあの感じを思い出してました。本を読むといろんな景色を色付きで思い浮かぶんだけど、この作品はずっと灰色の景色だったのも不思議な感覚でした。家族の前の少女と、祖母の前の少女、学校での少女、どれも別人みたいで、そのチグハグさとかも含めて面白かったです。ただ本当に難しかったからまた一年後とかにもう一度読んでみようと思います。 

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    2025年02月24日
  • 旅する練習

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    実話なのかな
    と思うストーリーだった。

    中盤から待ち受ける結末が哀しいものである事が何度も漂って、ビクビクしながら読み進めた。

    情景の描写が美しい。

    ある意味贅沢な時間を過ごしていると思った。

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    2024年11月17日
  • 最高の任務

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    一方は手紙、一方は日記という、既に書かれてしまったものを題材にしている。文章は情緒的で文学的。散りばめられた含蓄が作品を彩る一方、難解で読みにくい点は否定できない。けれど、デビュー作の「十七八より」に比べれば読者に寄り添っているか。
    作者の書く女性主人公は「十七八より」でもそうだったが、豊かな教養を持ちながらも、素直でなく、斜に構えたものの見方をする。セリフの一つ一つのウィットがそれを引き立てるのだが、そのためには少女と同等以上にウィットの効いた人物を配置しなければならないのだが、見事に成功している。

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    2024年11月10日
  • 旅する練習

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    ネタバレ

    静かに見守る主人公の表情が目に浮かんだ。
    文体が過去形でラストは何となく分かったが。
    もう一度読むと、感想が変わるかもしれない。

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    2024年10月18日
  • 最高の任務

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    手紙の中であなたのことを思う。客観的に見ている自分を、客観的に見てもらうという手法。同じく、最高の任務でも、同じく日記という手法がとられていて、共に相手、手紙の場合は受取人、日記の場合はそれを見る人、がいる中で書いているという前提がある。なので、物語はどこか第三者的な目を持ちつつ、主観的な語りで進んでいくという特徴を持つ。慣れるまでの間は、一体なんだろうなと思うのだけれど、だんだんと読み進めるうちに、それが読者に宛てた面白い問いかけになっていることに気がつく。この文章が、届くことはおそらくない。そして、私自身に宛てた手紙になっていく。それでも手紙と日記にこだわった語りには、強い思いを感じる。
    人生は簡単ではなくて、その年毎に大変で、辛い思いがたくさんあるんだけど、生きる柱、みたいなものを少しずつ築いていく。その柱たちを大事にしていく過程で、本書では、家族であったり、祖母の優しさであったり、愛する人、そういうものがエネルギーになっていく。男性の持つ、過去への執着と美化する能力は相当なもんだなという話ではあるのだけれど、生き方の問題に登場する彼が求めていくものは、過去にすがる悲しいキャッチとなるだろう。

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    2023年10月01日
  • 鉄道小説

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    鉄道をテーマにした5つの物語。温又柔さんは以前『魯肉飯のさえずり』を読んだので、あの時の台湾の雰囲気をもう一度感じられて良かった。そして、澤村伊智さんの名前を見てお気づきの方、大正解。1つだけホラーテイストです。

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    2023年09月22日
  • 最高の任務

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    別の著書ですが、
    芥川賞候補になっていて著者を知りました。
    -------------------------
    日記の中のあなた。
    過去の中のあなた。
    いまは亡きあなた。
    今は亡きあなたと
    旅に出る方法。
    これは巡礼の物語。
    -------------------------
    装丁の本から星形をくり抜く絵も、
    帯も素敵で手に取りました。

    がしかし………!
    何度となく挫折しかけました。苦笑
    あれ、これ読めないかも、無理かもって。苦笑

    何とか読めた理由は、
    物語の中に登場する舞台が、
    栃木県足利市だったり、
    群馬県のぶんぶくちゃがまだったりするから。

    数年だけ住んでたことがあり、
    知っている土地だったからです。苦笑

    二編収録されていますが、
    一作目の「生き方の問題」

    いとこの女性へ宛てた手紙という文体です。
    一方的な独白文。

    読まれたくない読まれたいうジレンマのような気持ちのなかで爆発する自意識と執着心。

    性的な描写も登場しますが、
    これ著者興奮して書いてるんか、と思いたくなるほど。苦笑
    上手く説明できないですが、性的描写が生理的に気持ち悪くて読むのが辛かったです。苦笑

    ただただ気持ち悪くて、気味が悪くて、
    だけれど一生片思い的な
    重たい偏愛はわかる気がしつつも、
    結局わけわからない違和感が残りました。苦笑

    二作目は、「生き方の問題」

    これは、大好きだった叔母を喪った主人公が、
    大学の卒業式になぜか家族全員で出席し、
    行先のわからぬ旅に連れて行かれる話です。

    叔母からもらった日記に書かれている、
    叔母と過ごした日々を重ね合わせながら、
    巡礼ではないですが、
    自分の中の気持ちの整理と、
    弔いと昇華とがテーマなのかな、と。

    こちらの方が個人的には読後は良かったです。

    ただ、どちらも突っ込みたかったのは、
    女性という「性」が気持ち悪くて違和感しかなかった点です。

    登山(トレッキング)の途中で行為に及ぼうとしたり、
    特急列車内の隣の乗客に痴漢されたときの描写がありますが、
    女性が本当にそんなことするかよ、と。
    大多数は怖くて逃げだしたくなるし、そんな風に大胆にならないよ、エロ本かよ、と。

    男の人の幻想というか、都合が良いというか、嫌悪感しかなかったです。
    これが実は著者は女性でしたと言われたら心から謝罪しますが、男性にしか書けないんだろうな、こんな女の人像は、と思います。

    そして、男性は、女性はとか言いながら読みたい気持ちじゃなかったので、余計に嫌でした。苦笑

    そもそも群馬の観光名所(といっても、都会のようなきれいに舗装されていないような道)を、7センチヒール?の靴で普通に歩かせないでほしい。苦笑

    と、フィクションにリアルを求めるなと言われそうですが。苦笑

    とにかくすべてにバイアスと性と軽んじられてる感が強くて、挫折しかけました。苦笑

    だけど、何か理由があるはずと読み切った結果、これだけ長い言葉を書いてる自分はちょっと好きです。笑
    著書に登場するひとりよがりな主人公と一緒ですかね。苦笑

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    2023年09月02日
  • 鉄道小説

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    ネタバレ

    5人の作家による短編集
    鉄道は背景の一コマ的な扱い。滝口氏の「反対方向行き」の目的地の宇都宮と逆方向の電車に乗ってそのままあえて小田原まで行く車内で祖父を回想する時間、空間が、ごとごと揺れるリズムとともに心に残った。
    犬の散歩の話、台湾からの帰化の話、宝塚線中山駅のホラー、青森のトラム、それぞれ作家さんの持ち味が出ていて面白かったです。

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    2023年06月29日
  • 本物の読書家

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    「本物の読書家」と「未熟な同感者」の二篇。どちらも多数の引用を以て構成され非常に読むのがめんどくさい小説。
    前者は1本の道筋を通るのでまだ読みやすい。うさんくさい関西弁を話す男が出てくるが態となのだろうか。
    後者は「十七八より」の続編としてその少女の大学時代を記したもの。大学の講義内容を著す部分が矢鱈多く特異な小説の印象。主眼はどこにあったのか。
    引用される作家は多少読んだこともあるのがあるがそこまで深く読み込んだことはないので何とも言えず。

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    2023年06月16日
  • 鉄道小説

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    【収録作品】「犬馬と鎌ケ谷大仏」 乗代雄介/「ぼくと母の国々」 温又柔/「行かなかった遊園地と非心霊写真」 澤村伊智/「反対方向行き」 滝口悠生/「青森トラム」 能町みね子

    日本初の鉄道が新橋~横浜間に開業した1872/10/14から150年を迎えることを契機に立ち上げた「鉄道開業150年 交通新聞社 鉄道文芸プロジェクト」の一環として制作した短編集とのこと。

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    2023年05月13日