乗代雄介のレビュー一覧
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なんでしょうねぇ、この表紙の写真
岡上淑子 「ダンス」1951年
1950年からわずか6年間のみ美術界に姿を現し、幻の作家とも言われている彼女のコラージュ作品
最初に叔母の亡くなる時の話がある。
主人公は女子高生。過激な事をわざと口走ってしまったりし、学校で嫌な事が起こると帰りに寄る、叔母のいる眼科の受付
叔母は相談に乗るようで、解決してるのかどうか私にはわからない。
叔母との関係は「口に放り込んで味わいかける瞬間のあめ玉のように気を逸らす役割を担っていた」らしい
文学に詳しく、相談した時の返事も文学から。
古文教師の朗読会での教師と生徒の関係、そしてそこにいる男子1名。この男子が、自分は -
Posted by ブクログ
乗代雄介『本物の読書家』講談社文庫。
表題作と『未熟な同感者』を収録した純文学中編小説集。古今東西の文学からの引用の数珠つなぎと知識の洪水。表題作は辛うじてストーリーを辿ることが出来るのだが、『未熟な同感者』はギブアップせざるを得ない。
『本物の読書家』。古今東西の作家や文学に関する豊富な知識の渦とその中に隠された川端康成からの手紙を巡るミステリーという面白さ。川端康成からの手紙を後生大事に持っていると言われる大叔父上を老人ホームに送り届ける役目を任された主人公。高萩に向かう常磐線の車内で関西弁で話し掛けて来た奇妙な男と遭遇する。読書家を自認する主人公と読書に関する様々な知識をひけらかす関 -
Posted by ブクログ
非常に理論的に組み込まれたストーリーで、作中に
他の作家たちの、文献や、作品が組み込まれいて
本作は、小説と呼べるのかと感じてしまいました。
評論の世界に入った印象でした。でも、乗代さんの
特徴である、実在の人物のある隠された秘密、今回でしたら、川端康成の「片腕」をめぐる、間氷と大叔父上の話で、そこに怪しい関西弁を話す田上が絡まっていく群像劇で、実際にはそんな秘密があるのか知らないが、その秘密までもが、信憑性を持った、読者に信じ込みやすいストーリーにさせるところがすごいと感じました。川端康成、カフカ、サリンジャー様々な文豪の作品が、作中に使われていて、文豪たちの思いとか、作品に触れることが出来