乗代雄介のレビュー一覧
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⚫︎受け取ったメッセージ、感想
「旅する練習」が比較的評価が高い印象の作者だが、私はなんとなく好きになれないままだったが、こちらの「本物の読書家」を読んで、著者の考えがわかったような気がして、「旅する練習」の結末があのような形なのも、なんとなく理解でき、読んで良かったと思った。
著者は、書くこととは?読むこととは?を丁寧に探っていることが伺えた。書かれた作品がうまれた背景(事実)、著者を通して書かれる本物(真実)とのバランスについて思いを馳せることができた。
「本物の読書家」「未熟な同感者」ともに、書かれた作品を通して、事実と真実の乖離の間にこそ、作品は生まれるのだということを改めて思った -
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仲のよい叔父である「私」と中学入学を目前にした姪の亜美が、「私」は文章で風景を描写する練習をしつつ、亜美はサッカーの練習をしながら鹿島まで歩いて旅をするロードムービー的な物語。途中で同じく徒歩で鹿島スタジアムを目指していたみどりと合流し、彩りが加わる。人間模様でちょっとした波風は立つことはありましたが、基本的に和やかな雰囲気の中、淡々と旅は続けられ、無事に旅を終えることができたかにと思ったのですが、物語の終盤にさりげなく書かれた数行にわが目を疑い、その箇所を数回読み返してしまいました。何ともやるせない。人生は角も儚いものと思うしかないのだろうか。
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ネタバレ読み始めて、なかなかクセのある文体だから
「時間がかかりそうだな」と思ったけれど、
あっという間に読み終わってしまった。
くだらなくて、しょうもなくて、
ちょっとしたことで笑ったり、空気が張り詰めたり
そういう瞬間の繰り返しが起こる学生たちの
リアルな会話の描写がいちばんの面白さかな。
順番に回ってくる、小川楓を撃つシーンとか
実際その場にいたら気まずそうだもん。
だけど、「乗っておく」みたいな。
ラストの方の夕焼けの描写はきれいだったな。
小説の面白いところってこういうのだよね。
浴びてない夕日の、濃い色を
確かに見た気がしている。 -
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本のタイトルにもなっている「最高の任務」と「生き方の問題」の2編の短編から成る。
「生き方の問題」は、まどろっこしい形態の手紙の体裁で書かれており、「こんなまどろっこしくて長い手紙書くやついないだろ」とツッコミたく成るのを抑えて読む必要はあるが、とにかく読む手を止めることができないくらいに読者を引きつける臨場感がある。
「最高の任務」は「十七八より」を読んだ人ならぜひ読まれたい。「十七八より」よりは読みやすく、亡くなった叔母が生前仕掛けた景子への隠れた任務と、それを誰に言われるでもなく遂行していた景子に感動を覚える。生前の叔母にはすべてお見通しだったのだろうか、なんて小説に対して想像しても -
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『作家と編集者』というタイトルから、早見和真さんの『小説王』のような熱いお仕事小説を想像していた。ところが、一話目の錦見映理子さん「邪悪な香り」でいきなり背筋がゾクゾク……。なんだか寒くなってきた。風邪か? いま季節は春なんだけどなと思いつつ。
新人作家・鷹柳をデビューさせようと奔走する熱血編集者の話かと思いきや、漂ってくるのは不穏な空気と怪しいオピウムの香り。次第に狂気の世界へ足を踏み入れていく編集者・安曇、そして作家・鷹柳の正体とは? 夢か現実か、境界線が溶けていく物語にぐいぐい引き込まれる。
作中作のタイトルに、「もしかして、そういうこと!?」と鳥肌が止まらない。こんな作家と編集者の関