乗代雄介のレビュー一覧

  • 二十四五

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    亡くなった叔母を想いながら弟の結婚式のため仙台へ行く姉。そこで出会った人々。なんて言うか、しみじみ良かった。

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    2025年02月11日
  • 旅する練習

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    美しい情景描写と、元気な亜美の描写が想像容易い細かい言葉で表現されてて自分も旅をしているように思った。
    緩やかな旅の収穫を抱えてそれぞれ夢へ向かっていく
    そんなラストかと思えば、悲しい最後。
    一読したもののもう一周読みたくなった。作者は全体を知っていて1から書いたから。僕も同じ気持ちでもう一度読もうと思う。

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    2025年02月09日
  • 本物の読書家

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    ⚫︎受け取ったメッセージ、感想
    「旅する練習」が比較的評価が高い印象の作者だが、私はなんとなく好きになれないままだったが、こちらの「本物の読書家」を読んで、著者の考えがわかったような気がして、「旅する練習」の結末があのような形なのも、なんとなく理解でき、読んで良かったと思った。

    著者は、書くこととは?読むこととは?を丁寧に探っていることが伺えた。書かれた作品がうまれた背景(事実)、著者を通して書かれる本物(真実)とのバランスについて思いを馳せることができた。

    「本物の読書家」「未熟な同感者」ともに、書かれた作品を通して、事実と真実の乖離の間にこそ、作品は生まれるのだということを改めて思った。

    「本物の読書家」では、ミステリー仕立てで読者を引き込みつつ、種明かしの推察あり、主人公は作者なのか?いや、ここに書いてあること自体すでに創作物だし…と何十もの入れ子状態で、なんとも面白い作品だった。

    「本物の読書家」キーフレーズ
    ・「事実は小説より奇なり」
    ・ナボコフの引用 狼が来た
    ・カフカの引用 彼女を愛していて、話すことができない。彼女を待ち伏せるのも、彼女と出会わないためである。
    ・マーク・トウェインの引用 たしかに、事実は小説より奇なり、である。だが、それは小説というものが、本当にそんなことがあり得るかどうかを無視できないからである。その点、事実は違う、ありえるかどうかなど問題ではない。実際に起こっているのだから。


    ⚫︎本概要より転載
    老人ホームに向かう独り身の大叔父に同行しての数時間の旅。大叔父には川端康成からの手紙を持っているという噂があった。同じ車両に乗り合わせた謎の男に、私の心は掻き乱されていく。大変な読書家らしい男にのせられ、大叔父が明かした驚くべき秘密とは。――「本物の読書家」

    なりゆきで入った「先生」のゼミで、私は美少女・間村季那と知り合う。サリンジャー、フローベール、宮沢賢治らを巡る先生の文学講義、季那との関係、そして先生には奇妙な噂が……。たくらみに満ちた引用のコラージュとストーリーが交錯する意欲作。――「未熟な同感者」

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    2025年02月03日
  • 本物の読書家

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    こちらも『未熟な同感者』同様、引用が多かった。
    相席の男は、喪黒福造みたいだと思いながら読んでいた。

    間氷青年目線だから、大叔父のことに興味を惹かれるよりも相席の男の怪しさと途中からの間氷への対応に不信感で一杯だった。

    『未熟な同感者』は
    『十七八より』と『最高の任務』の間の話。
    とは言っても今回は家族はほとんど出ない

    ゼミで一緒になった子に叔母を少し重ねる主人公とゼミの授業が描かれる。

    サリンジャーとカフカ、一冊でも読んでいたので授業を放り出さずに読めたかも

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    2024年12月16日
  • 十七八より

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    私も高校生の頃、60代の古典の先生が好きだったな。

    家族四人のところの会話が特に好きだった。

    モスでのタバコの話、犯人はお前かーとツッコミ入れながら読んでいたけど、これはミステリーではありません。

    ギバちゃんのドラマも色々見返したくなったな。
    景子の口達者や少女としての機微の描かれ方がとても良かった。

    そんな景子に負けてないどころか、景子の大人版みたいな叔母も良かった。

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    2024年11月19日
  • 本物の読書家

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    大叔父上は本当に川端康成からの手紙を持っているのかという謎で引っ張りつつ、列車で居合わせた読書家の男と大叔父上、主人公の三人の会話で物語が進む。主人公の発言のみカギ括弧のセリフではなく地の文にすることで読者も三人の空間にグッと入っていける効果があるように感じた。

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    2024年08月25日
  • 十七八より

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    そういえば、私も少女だった!いまもなお、ふとした時にあらわれて、平凡なおばさんになった私を苦しめます(笑)読んでいて気持ち良すぎてびっくりした。とてもすき。ありがとう。

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    2023年06月03日
  • それは誠

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    高校2年生の修学旅行を描いた青春小説だ。淡い恋心や、友人のごった煮感、そして主人公の自意識など、思春期真っ只中の主人公のみている世界が当時の温度そのままに描かれていて、一冊読み切った後に、同じ修学旅行を共にしたかのようなあたたかさが残る作品だった。

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    2026年09月20日
  • 旅する練習

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    サッカー少女と小説家の叔父との、練習の旅。我孫子から鹿島まで歩く2人の旅は、川沿いをドリブルしながら歩いたり、志賀直哉や柳田國男の足跡をスケッチしたり、親しいからこそのちょっとした憎まれ口の言い合いもとても微笑ましい。
    旅の途中で出会う内気なお姉さんは、「こうやって歩くだけで分かることなんて沢山あったのに、そういうことは何も教えられなかった」と少女の亜美ちゃんを眩しく、羨ましく感じる。
    川沿いを歩く二人、川辺の鳥たち、眩しい未来、そんな瞬間を永遠に閉じ込めておきたかった。そんなお話でした。

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    2026年08月22日
  • 本物の読書家

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    この気持ち悪さこそ、本という媒体でしかなし得ないことだと思います。普通の人が、普通に喋っている。なのに、奇妙で奇怪。後味は良くないが、コンパクトであるぶん気持ちがいい。ぜひ、実写化しないでいただきたいと思いました。

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    2026年07月21日
  • それは誠

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    ネタバレ

    読み始めて、なかなかクセのある文体だから
    「時間がかかりそうだな」と思ったけれど、
    あっという間に読み終わってしまった。
    くだらなくて、しょうもなくて、
    ちょっとしたことで笑ったり、空気が張り詰めたり
    そういう瞬間の繰り返しが起こる学生たちの
    リアルな会話の描写がいちばんの面白さかな。

    順番に回ってくる、小川楓を撃つシーンとか
    実際その場にいたら気まずそうだもん。
    だけど、「乗っておく」みたいな。

    ラストの方の夕焼けの描写はきれいだったな。
    小説の面白いところってこういうのだよね。
    浴びてない夕日の、濃い色を
    確かに見た気がしている。

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    2026年07月11日
  • 旅する練習

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    中学入学を前にしたサッカー少女と、小説家の叔父が徒歩で旅行した6日間のロードムービーの様な小説。
    ずっと穏やかな雰囲気で、道中旅を一緒にする女性も登場するけれど、大きく、小さく成長を描いていた。
    だけど、、最後で全部がひっくり返ったくらいの衝撃でした。優しくて悲しい色の小説でした。

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    2026年06月07日
  • 旅する練習

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     あることをきっかけに手に取った。作者の本は以前『十七八より』を読んだことがあるが、ピンとこなかった。この本は、途中までとても楽しく読んだ。それは、この本の舞台である利根川沿いや神崎のあたりを岩本素白の随筆を頼りにかつて歩き回ったことがあるからでもあり、柳田國男の書いたものに親しんだ過去があるからでもある。過去の文学作品を引用しながら少女との何気ない日常を書き綴るその手法は、かつての堀江敏幸っぽくもあるなあ、と思いながら読んでいた。オビに、大塚真祐子という文筆家・元書店員の方の「読み終えて、声をあげるほど泣いた」というコメントがあり、泣くために本を読む習慣のない私にはこのコメントがなんの効果を狙ってオビにのせられたのかさっぱりわからないが、作中に登場するある人物が成長した場面で、ああ、しいていえば、ここが泣くべき場面なのかなあ、と思った。でも、読み終えた今、たぶん、大塚さんが声をあげるほど泣いたのは、別の人物の辿った道についてなのだろう、と思う。うーん。私は、この本は、結末さえなければ大好きな一冊になったんだけどなあ。

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    2026年06月03日
  • それは誠

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    「旅する練習」に続いて、同じ作者の作品を読んでみた。多少、読みづらい部分はある。世代の違いと、巻末の筆者の解説にある(3人以上の会話への挑戦)のためかと感じる。しかし、高校生の小さな旅の中で、主役の佐田誠の心情が、冒険をともにする同級生たちの行動によって、変化を見せる。それは、他のメンバーも同様で、冒険を共にした7人は、一皮剥けたような1日を過ごした。本を閉じた時、良い小説だったと感じる自分がいた。

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    2026年06月03日
  • 最高の任務

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    本のタイトルにもなっている「最高の任務」と「生き方の問題」の2編の短編から成る。

    「生き方の問題」は、まどろっこしい形態の手紙の体裁で書かれており、「こんなまどろっこしくて長い手紙書くやついないだろ」とツッコミたく成るのを抑えて読む必要はあるが、とにかく読む手を止めることができないくらいに読者を引きつける臨場感がある。

    「最高の任務」は「十七八より」を読んだ人ならぜひ読まれたい。「十七八より」よりは読みやすく、亡くなった叔母が生前仕掛けた景子への隠れた任務と、それを誰に言われるでもなく遂行していた景子に感動を覚える。生前の叔母にはすべてお見通しだったのだろうか、なんて小説に対して想像しても仕方がないが、思わず想像したくなる。

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    2026年05月15日
  • 十七八より

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    好き嫌いが分かれるだろうな、とは思うが個人的には嫌いではない。
    日常を淡々と、小難しい語りで振り返る。細部に張り巡らされすぎた記述に時々気持ちが萎えるし、詳細すぎて情景が浮かばないこともしばしばあるが、中盤辺りからそれが病みつきになる。女子高生の日常、というには、国語教師との関係や、病院での出来事は非日常ともいうべきである。純文学好きには強くお勧めする。

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    2026年05月10日
  • それは誠

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    皆それぞれ考え方がバラバラで、友達というわけでも無いけど、共通の目的を通して、協力し合う。ベタつきすぎず、あっさりとした旅の道連れ感が良かった。大日向君みたいに明るくやっている人でも、思うところはあるもんなんだな。

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    2026年05月10日
  • それは誠

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    前半の修学旅行の準備パートはちょっと読みにくい感じもあってそこまででもなかったけど、後半の旅行当日パートがすごく良かった。

    特に何が起こるわけでもない大冒険を通して、特に仲が良いわけではない寄せ集めグループの距離が縮まっていく感じが良かった。

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    2026年05月07日
  • それは誠

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    著者後記を読んでやはりと思ったが、この小説は主人公である高校生が修学旅行のレポートを書いた設定なのでプロらしからぬ文章になっていて、しかも4人の会話がかなり占めるため読みにくい。
    なのに、たまたま一緒の班になったメンバーが高校生らしく斜に構えたり、異性にときめいたり、小競り合いをしたりする様がとてもよいアオハル小説だった。
    絶妙な短編なのも良い。

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    2026年05月05日
  • 旅する練習

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    ネタバレ

    心して読まれよ!
    コロナ禍における叔父と姪の小さな旅。
    作家の語り手とサッカー選手になることを夢見る姪の亜美。旅は、鳥に詳しい語り手からの話と柳田國男の話に頷く亜美が、リフティングを続け、みどりさんと出会い、二人が前を向く利根川沿いのストーリー。
    しかし、最後のぺージに不穏な文章が…
    たしかに、この旅に語り手が、こんなにも思いを残し、書き綴られなければいられない為には、こう言う結末が必要だったのかも知れない。

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    2026年05月04日