乗代雄介のレビュー一覧
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「皆のあらばしり」で今年気になる作家NO.1になった乗代雄介。次は「旅する練習」を開こうと思いつつ目の前に文庫が次々現れてたどり着けません。前回は「十七八より」。今回は「本物の読書家」。今度の文庫は「本物の読書家」と「未熟な同感者」の二編が収録されていました。単行本の時も同じ構成かな?先ずは「本物の読書家」。登場人物の関西弁の饒舌な男、これ「皆のあらばしり」のあの男の再登場?とびっくり!いや「本物の読書家」の方が先に書かれているので「皆のあらばしり」の方が再登場か…さらには「未熟な同感者」の一人称の女子も「十七八より」の高校生が大学生になった感じ。アセチレン・ランプ、スカンク草井などのような手
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「ミック・エイバリーのアンダーパンツ」で果てしのない饒舌さに挫折し、「皆のあらしばり」を会話の応酬の末のストーリを堪能し、なんだか知らないうちに気になる作家No.1になってしまった乗代雄介。次なるターゲットは「旅する練習」と決めていましたが、文庫でデビュー作を見つけ、途中下車読書しました。第58回群像新人文学賞受賞の作品ということです。デビュー作には、その作家の特質がすべて込められている、と誰かが言っていたような、言っていなかったような…しかし、この「十七八より」には乗代雄介の作家としての文学観が決意表明として表されているような気がしました。(すいません、読み始めたばっかりなのに、すべてを知っ
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ブログの方のミック・エイヴォリーのアンダーパンツの方を過去に時折読んでおり、素っ頓狂な発想と文章に感心していた。
その著者の小説デビュー作が文庫になったので読んでみたのだが、これまた内容よりも文章主体の一風変わった作品。巻末の評にある通り衒学的でもってまわった表現、ともすれば読みにくい翻訳小説の如き文体で彩られている。やたらめったら描写の細かい挿入エピソードや作中作などは先のブログから引っ張ってきたかのよう。
小説に結末を期待する人には受け入れにくいかもしれないが、文体を愉しむという点では申し分なし。「あの少女」の振舞を自らに当て嵌めたり、考察したりなど野暮なことはするまい。
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ネタバレ第58回群像新人文学賞受賞作。デビュー作。
芥川賞候補『旅する練習』は既読、『皆のあらばしり』は冒頭10頁既読、で本作にいざ挑戦!
あれ?これは乗代さん?文体が既読の作品と全然違って翻訳の直訳文のような文章…という戸惑いを隠せないまま読み進める。
文学好きのある少女(阿佐美景子)の、叔母とのやり取りを軸に置いた他愛のない日常。「少女」は、弟の「姉」であり、叔母の「姪」であり、主語が場面によって変わる上に、文章自体もなかなか独特かつ難解。
家族の前では茶目っ気もあり、教師とのやり取りでは時に大人びていたり、病院の待合では不可解な大人に怯えたり…。少女の日常はありふれた事が次々に起こって時 -
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「本物の読書家」
自分の「徒党」の中に居る好かない奴ほど始末に困るものはない。それは一生、自分を憂鬱にする種だということを私は知っているのである。
新しい徒党の形式、それは仲間同士、公然と裏切るところからはじまるかもしれない。
友情。信頼。私は、それを「徒党」の中に見たことが無い。
作中にも引用される太宰によって紡がれた言葉。
この言葉や、その元の文を知れたことだけでも、この本を読んだ価値がある。読書とはそういうものだと思う。何か一つでも自分の中に残り続けるようなものを探しに行く旅である。それは孤の旅でないといけないとも思う。
しかしながら本作からの恵みが、それだけで終わるはず -
購入済み
第40回織田作之助賞、第74回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。第169回芥川賞候補作。「青春小説の新たな名作」とのことですが、私には最初は作者の文体に慣れなくて読み難い作品でした。
修学旅行の自由行動の日の冒険というか、ささやかな行動を青年の目で書いたストーリーです。 -
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乗代雄介『それは誠』文春文庫。
第40回織田作之助賞、第74回芸術選奨文部科学大臣賞のW受賞作にして、第169回芥川賞候補作にもなった作品のようだ。
表題作の『それは誠』の他に『Sに』という掌編が収録されている。
乗代雄介の作品は過去に『本物の読書家』『旅する練習』の2作を読んでいる。『本物の読書家』は自分にはしっくり来なかったが、『旅する練習』は不思議な魅力のある作品だった。
さて、まずは表題作の『それは誠』である。高校2年生の佐田誠が修学旅行で東京に行くのだが、二日目の自由行動を使って、過去に生き別れとなった大好きなおじさんに会いに行くというストーリーであった。どこか『旅する練習』 -
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コロナ禍の中、小説家の叔父とサッカー少女の姪が千葉の我孫子から茨城の鹿島まで徒歩で数日をかけて歩くという旅の物語
少女はドリブルやリフティング
叔父は所々の名所で風景を描写
それぞれの練習をしながらの旅である
名所は文学作品に関連する場所が多く、そこで語られるエピソードも面白い
私だったら
◯◯があった
という一言で終わりそうな風景を
とても細かく、まさに絵を描くように描写している
以下、少しネタバレあり
お気を付けください
読みながら
作品全体に漂っている不思議な湿り気になんとなく違和感があった
ラストシーンまで読み、もう一度頭から読み返したくなった
これはどうい -
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内容とは全く関係ないけど、乗代作品を読むとき恒例、お側にGoogleマップ。こんな読み方は乗代作品以外はしないんだけど、作者が現地を実際に歩いているというのを聞いてから自分が勝手に楽しんでる読み方です。
今回の面白発見は、ボートヤードの敷地内にいるヤギを発見したことでした。あとは所ジョンの仮の住処であったポンプ場跡。
単行本は全体が真っ黄色で結構目を引くのだけど、この黄色は所ジョンの「きいれい」ものだったんじゃないか!?と一人で興奮したり。所ジョンは本が買えなさそうだけど、どうにかして手に入れようとしたかもしれない。所ジョンばかり述べていますが、主人公はパパイヤ・ママイヤというニックネームの女 -
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面白かった!関西弁の男は博識だし高級時計持ちだし『本物の読書家』の関西弁おじに見えなくもなかった。乗代氏自身が自分の足や資料を通して小津久足と栃木市を丁寧に描いた作品だなあと感じた。
作品中、男が琴平神社の石段の窪みを見て自分の足を嵌める姿や、「伝わらんでも人の思いが残る法もあると知らせとるがな。その思いを後世の人間が汲んでやれば当人たちも報われるっちゅうもんやないか(略)。」と言った場面が作者の仕事ぶりを表しているようで、こういうところに感動してしまう自分がいた。
巻末の成り立ちでは、研究者(参考文献の著者)の方の『皆のあらばしり』の読み方について現実の方が小説においついてきたとあった。もち