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Posted by ブクログ 2021年03月28日
淡々とつづられている文章を読み進むと、何となく泣けてくるような気がする。
文章そのものに鎮静効果があるように感じるのは、少し昔の出来事をあとから整理して書いているからなのかな、と思ったりもする。
コルシア書店、というのは日本によくある町の本屋とは異なり、哲学者や思想家のような人々が集まって議論をする...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年02月13日
かつてミラノの小さな書店に集った仲間たち。
その一人ひとりが、須賀さんの静かで温かな眼差しを通して細やかに描かれている。
須賀さんは彼らをいつも真っ直ぐに見つめ、深い愛情を持って接していたのだろうと思う。
扉のウンベルト・サバの詩がすごく好き。
生きることに疲れてしまった時、そっと寄り添ってくれそ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年11月18日
本好きが集うオフ会で須賀敦子の『ミラノ 霧の風景』をいただいたのが昨年の春。以来、この著者の本は「村上春樹翻訳ライブラリー」シリーズと並んで、ワタシの積読棚に常に鎮座することになった。
心が乾いて荒れた時、心が乱れて雑になった時、この著者のエッセイを手にとって、治癒してもらう。美しく繊細でしなやかな...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年04月06日
どこか距離を置いた視点で描かれる友人たちの個性。最初こそイタリア語の混じった表現に読みにくさを感じたものの、第2章ともなればぐいぐい引き込まれて行く。それは、東京へ帰った著者が、まるで夢か現実か区別のつかない過去に、友人たちという輪郭を描くことによって亡き夫の影を求めて暗中模索あいているかのよう。そ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月17日
須賀敦子さんが『ミラノ 霧の風景』で女流文学賞、講談社エッセイ賞を受賞したのが1991年と知り「なるほど、あの頃か‥」と強烈に思い出した。平成3年。昭和から平成へ変わってまもない頃。
世界では湾岸戦争が起こり日本では雲仙・普賢岳の火砕流で多くの方々が亡くなった年。(個人的事情で忘れられない年でもある...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年05月04日
お布団に入って、
寝る前に聞く、
おばあちゃんの思い出話、のような作品。
イタリアで過ごした若き日の思い出が、
たんたんと綴られています。
小説のように客観的。
感情が抑えられているぶん、
じわーと、胸がくるしくなる。
「もう過ぎたことだけれど」 みたいな、
諦め?のようなもの...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月31日
ミラノに実在した書店に出入りする、様々な境遇の人たちにまつわるエッセー。
それぞれがそれぞれに不幸を背負い、もがきながら不器用に生きている。
みんながハッピーではないけど、そんなものなのかも知れない。
他人が見たらそう見えてしまうけど、本人はそれなりに時々幸せを感じたり。
結局自分もそうかもと思って...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月13日
「…
広場に憩う。星の
かわりに
夜ごと、ことばに灯がともる。
人生ほど、
生きる疲れを癒してくれるものは、ない。」
巻頭の詩。(ウンベルト・サパ 須賀敦子訳 後半)
読み終わってこの詩をしみじみ味わうと、このエッセイを要約しているのだという思いと共に、文学に浸ることはどういうことか、の答えが...続きを読む
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