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Posted by ブクログ 2021年04月06日
須賀敦子さんの書評集。彼女の紡ぐ言葉はどんな時でも星のように煌めいて美しく、同時にはっと胸を衝く。「塩一トンの読書」と題された短いエッセイの中で語られる彼女の本を読むことへの情熱やどんなに書物を愛しているかがよく伝わってくる。「ひとりの人を理解するまでには、すくなくも、一トンの塩をいっしょに舐めなけ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月12日
いつも優しい、だけど芯の強い文章を書いてきた須賀敦子さんの頭の中が少し垣間見える。塩一トンを舐める期間、すなわちほぼ一生をかけて付き合うものとは?を考えさせられた。
イタリア語を習得することで、日本とそれとは違う文化の間で様々な表現者の意図をより深く理解し、ときに自分を演じ分けることもできる。あく...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月15日
このタイトルはどういう意味だろうと興味を持って手にとってみた。
なるほど、塩一トンをなめるのにはとても長い時間がかかるけれど、それくらい本と向き合うということか(本来は人との付き合いに対して著者の義母が言った言葉だったらしい)。
前の須賀敦子作品へのレビューでも書いた気がするけど、なぜだか私は須賀敦...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月01日
須賀さんの文章を読むと背筋が伸びる。そして読書は、本が好きな人たちだけの趣味ではなく、人間が豊かに生きていくのに欠かせないものであるということに気づく。
” 人が生きるのは、答をみつけるためでもないし、だれかと、なにかと、競争するためなどでは、けっしてありえない。ひたすらそれぞれが信じる方向にむけ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年01月25日
こんなにも読みやすい文章を読んだのは久しくなかったように思う。スルスルっと読めてしまう。それは良いことなのか、残念なことなのか。スル何かしっくり来ない、何か引っかかる、肝心なことが読めていない気がする、と感じた時は、また、気軽にふらっと読み返しもできる。そんな受け入れやすい、でも、意識がちゃんと起き...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年08月26日
「ひとりの人を理解するまでには、すくなくとも、一トンの塩をいっしょに舐めなければならないのよ」
著者の須賀さんが結婚して間もないころ、姑に言われた言葉がこの本のタイトルに。
一トンという大変な量の塩をともに舐めつくすには、途方もない時間がかかる。一人の人間を理解するというのは、生易しいことではない...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年06月04日
「ひとりの人を理解するまでには、すくなくとも、一トンの塩をいっしょに舐めなければだめなのよ」
ミラノで結婚してまもない頃の筆者に諭したという姑のこの言葉、そして本、特に古典とのつきあいにも同じことが言えるという筆者の解釈に強く感銘を受けた。
読書は大好きだけれど、自分の読書はスイーツを食べる感覚に似...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年12月22日
本を巡るエッセイである本書は、読むというより須賀敦子さんの語り口を聴いているかのようだ。「ひとりの人を理解するまでには、少なくとも、1トンの塩をいっしょに舐めなければだめなのよ」姑に何となく言われたその言葉は書物に対しても同様であり、塩だけでなく辛酸も舐めてきたからこそ発することのできる滑らかな理知...続きを読む
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