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Posted by ブクログ
「子ども≠愛の形」ということが言語化された作品です
30代の女性が独身のまま過ごすか、それとも結婚して家庭を持って過ごすかについて、外野の立場では個人の自由だ、全くもって強制される理由はないと主張するだろうが、当事者となってはどうだろうか?
親は独身の私をどう思っているだろうか、結婚して育児をしている同級生、同僚をはじめとする職場の雰囲気を無意識に感じ取り、同調圧力とは違うが、不思議と独身でいることへの劣等感に苛まれはしないだろうか?
本作は人の嫌な内面をポツポツ、ツンツン、チクチク…いやいや縁を囲い込むようにグサグサと刺してきます、同時に読後は深い余韻に包まれて、膿を摘出したようなストンと落ちる感覚を得たことは確かです。
最後に表紙にも注目しちゃいました
白と黒基調がいいですね!
ぱっと見、犬のかたちをしたふわふわの毛か綿のようなまとまりしか見えないですよね。ちょうど折り返してある部分にうまく隠れるようにそれが描かれており、細かい工夫が施されておりますよ
Posted by ブクログ
こういう自分迷走系・周りを俯瞰系の話大好き。
薫の彼氏の郁也はある日、
浮気相手を連れて薫に話があるとドトールに呼び出す。
浮気相手のミナシロさんは、
「郁也との子供ができたから、私が産むので、あなたが育ててくれませんか?」と。
この時点で、は?となるところだが、
薫はそうはならなかった。
もう、頭が回ってないというか、
日頃から考えに考えすぎて、考えられないのだ。
薫自身、病気のことや、世間体に
押しつぶされそうになりながらも、
ミナシロさんの提案が無しよりのあり。にもなっていく。
犬は心から愛せるのに、人は上手に愛せない。
薫の辛さ、生きにくさ、
可能であれば共有したい。
最後の郁也とのシーンはズキっとした。
好きとか、嫌いとか、
そういう話ではなくて、
情はそこにあるのだ。
薫の枝分かれだらけの選択を
そっと背中を押して応援したいと思えた。
がんばろう。
追記だが、38ページから39ページにかけて凄かった。
あ、高瀬準子先生だなぁ。。ってなって。
是非、他の作品も読んでみたい!
Posted by ブクログ
「私のほしいものは、子供の形をしている。けど、子供ではない。子供じゃないのに、その子の中に全部入ってる。」
なにかの形をしているけど、それを通して欲しいのは、それを持っていると苦しくても、苦しさですら周りから正当化されて世界がやさしくなるもの
私にとってのそれは子供ではなくて、向上心とか社会的成功とか成長とかそういうものだけど。
生きやすくなるために効率的なコスパのいい悩みが欲しいという自覚と重なるものがあって、「ーのかたちをしているもの」という語彙をこの本を通して手に入れられてよかった
「当たり前のように傷ついた、ことを自覚してまた傷ついて、なに傷ついてんだわたし、とまた‥トイレの個室くらいの狭さのところで両手にナイフを持って振りまわしているみたいな傷つき方だった。」
感じたであろうものを自然発生的に受けとめるのがどこまでも苦手で、感情を自覚して、その自覚すらも怪しんで、のループから無限に抜け出せず、もういいや、と感じることを放り出してしまう。
「目の前に本物がいるのに、待ち受けまで子供にしておく意味あるのかな?そういう親っぽさって、どこまてが本気のものなんだろう。わかんないな全然。わかるわけない」
その感情や行動は純真なものなのか、という辿り着けるはずのない問いに気づかないこともできず、どうしても気になってしまう様子の描写に救われる。
みんな本当に心からの気持ちでそういう言動に至ってるのかな?そういう時にはそう感じるべきっていうヘブ則的学習に騙されてるだけなんじゃないの?本当はこうなんじゃないの?っていうのも過剰な逆張りで私の中の予測符号化にすぎないんじゃないか?っていう、疑念すらも疑念にかわる、輪郭のないものを追っている自分の輪郭のなさに絶望する、それがトイレでナイフを振り回す様子と重なる。
「彼らの期待値とわたしの理想値はいつだって似通っている。そうありたいと、やはり思う。愛され承認され、ぐるぐる巻かれてあったかくなるために。」
世界の感触がやさしくなりますように。
欲しいのは子どもの形をしているものと犬そのものでは?とは思った
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