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みんなの恋愛をわたしは知らない。 芥川賞受賞のベストセラー『おいしいごはんが食べられますように』著者が放つ、最高の〈恋愛〉小説集。 あなたはどこまで共感できますか? ひと筋縄ではいかない5つの「恋」のかたち。 【収録作品】 「花束の夜」「お返し」「新しい恋愛」「あしたの待ち合わせ」「いくつも数える」
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Posted by ブクログ
話も興味深く面白かった。 今まで読んだ作品の中で一番好みだった。 ・花束の夜 水本(主人公)の指導係である倉岡の送別会の日の話。 「これいらねえから」と倉岡から花束を受け取った水本は夜の街で花瓶探しを始める。 水本にとっては好きな人であり良い先輩だった倉岡だけど他の社員からしたら良い社員ではなかっ...続きを読むたのかもしれない。 最後の水本の心境はどんなだったんだろう… 私なら傷つくし水本みたいな行動はできないな。 ・お返し バレンタインデーの話。 私もユウハみたいに毎年幼なじみにチョコ渡してたなぁ…と昔を思い出しながら読んだ。 70~71ページの言葉になるほど!となった。 ・新しい恋愛 14歳の姪、美寧々が知星の家に泊まりにきて恋バナをする話。 「プロポーズされたくなくて」と言う知星。 知星の話よりも義兄の話が衝撃的だった! ・あしたの待ち合わせ 狛村くんにずっと想いを寄せられている、かな子の話。 狛村くんのストーカーみたいな行動に引いていたけど最後の方に明かされる、かな子の過去が波乱万丈でそちらの方が驚いた。 誰かに好きでいて貰えてる事って自信にも繋がるし変な安心感があるのは共感できたかも。 ・いくつも数える ずっと独身だった50歳の天道課長が24歳の女性と結婚する事になった。 結婚は本人たちの自由で周りには関係ないのに年の差婚と聞くと気持ち悪いって思ってしまうのは何故だろう… 未成年の時は何も思わなかった事が社会人になるとおかしい事だと思うようになる。 とても考えさせられる話だった。
自由と権利の尊重が謳われる現代。そんな個人裁量の幅の広がった今に生きる人たちの恋愛模様を描いた「恋愛」短編集。 ◇ 送別会がお開きになり、水本は部屋の中を見て回っていた。忘れ物がないか確認するのは、いちばんペーペーの水本の仕事だ。 今夜は倉岡の送別会だった。倉岡は退職までの...続きを読む3ヶ月間、新入社員の水本への引き継ぎを兼ねて指導してくれた中堅社員である。 倉岡は明るく元気な体育会系らしい男だ。誰にでも気さくに接するし、面倒見もよい。それだけに距離の詰め方もうまく、水本はいつの間にか倉岡と男女の関係になっていた。 店の前で部長による一本締めの音頭と倉岡への花束贈呈があり、皆が三々轟々その場をあとにする。倉岡とともに一同を見送った水本は、このあとの倉岡との過ごし方を考えていた。 同僚の姿が見えなくなったところで、倉岡は水本の方を向いて言った。 「これいらねえから」 そして花束を水本に押しつけた倉岡は、 「気ぃつけて帰れよ」 と言い残して、1人でさっさと帰って行ったのだった。( 第1話「花束の夜」) ※全5話。 * * * * * 5編それぞれに、なかなか面倒くさい恋愛模様が描かれていました。各話を簡単に紹介すると……。 第1話「花束の夜」 ☆この日も倉岡のマンションに泊まることになるだろうと思っていた水本でしたが、倉岡に花束を押しつけられ置き去りにされてしまいます。 大きな花束を抱えて電車に乗るわけにもいかず、夜の街をウロウロする水本。倉岡の携帯は電源を切られていてつながりません。 どうやら倉岡の「これいらない」ということばは、花束とともに水本に向けられたものでもあったようです。 夜の街をさまよう水本のとった行動とは? 第2話「お返し」 保育園で、息子が同じ園に通う女の子からバレンタインチョコをもらった。それを見た「おれ」は、遠い昔のことを思い出す。 おれが初めてチョコをもらったのは小学4年のとき。近所に住むひとつ年下の女の子からだった。 ユウハというその子のバレンタインチョコはおれが中学を卒業するまで6年間続いた。高校入学後はピタッと途絶えたが、おれには高校内で彼女ができていたため気にもしなかった。 ところが、大学入試を直前に控えた高3の2月。家で受験勉強をしていたおれを、ユウハが訪ねてきた。半年前に彼女と別れていたおれにチョコを差し出したユウハは……。 ☆ユウハはこれまでずっと、バレンタインデーにチョコをくれるけれど、特に想いを告げることはしないのです。おれの方もホワイトデーにお返しをするものの、幼い頃から知っているユウハに特別な感情を抱くことはありませんでした。 別々の高校に進学した2人。疎遠になっていたはずのユウハが、おれの前にバレンタインチョコを持って現れた理由とは? 第3話「新しい恋愛」 26歳を目前に控えた知星。ある日のこと、近くに住む姉に頼まれ、姪の美寧々をひと晩預かることになった。 美寧々は中学生になったばかりで、恋バナがしたいお年頃。知星に恋人がいることを知っている美寧々は、さっそく知星の恋愛事情をいろいろと尋ねてくる。 学生時代からの知り合いだったこと。 就職後につきあい始めたこと。 つきあいも3年を過ぎ、結婚について意識するようになったこと。 笑いながら答える知星だが、実は胸の中には奇妙な感情が広がっているのだった。 ☆「プロポーズされたくない」という知星の気持ち。何かわかるようであり、わからないようでもある、モヤモヤした気持ちです。 知星自身もうまく整理できない感情なのですが、美寧々のかわいい追及にあううち……。 さすが表題作だけあって、うまくできたお話でした。 第4話「あしたの待ち合わせ」 かな子には、狛村くんというフォロワーがいる。狛村くんは学生時代からずっと、かな子のことを密やかに追跡し続けている。そしてそのことを、かな子はよく知っているのだった。 かな子がSNSで呟くと、それをチェックした狛村くんはそっと行動を起こす。 例えば、かな子が「上野駅構内のガシャポンに欲しかったフィギュアがあると聞いた」と呟くと、次の日にはガシャポン近くで狛村くんを見かけるし、美術館や神社に行くつもりだと呟くと、やはりその付近で狛村くんは姿を現す。 狛村くんは大学時代の同期で、気づけば常にかな子の近くにいた。真面目で控えめ。英語の教科書に出てくる模範的な日本人学生のような狛村くんを、かな子は少しも好きではない。 そうでありながら、狛村くんとの微妙な関係を、かな子は続けたいと思ってもいた。そんなある日……。 ☆かな子はどちらかと言えば、自堕落で身持ちのよくない女性です。すぐに男性と関係を持ってしまうところがあるし、うまくいかなくなれば簡単に別れもします。不倫にもあまり抵抗がないようです。 なのに、自分を一途に愛する狛村くんとの距離を縮めることもしなければ、冷たく突き放すこともせずに33歳の今日まできました。 もはや妖気さえ感じてしまうかな子と、影のごとく付き従うストーカーのような狛村くん。どう決着するのでしょうか。 第5話「いくつも数える」 津野が給湯室でコーヒーを淹れていると、課長の天道が入ってきた。天道課長は穏やかな温かい人柄であり、仕事もよくできることもあって部下から慕われている。おまけに50歳とは思えないほどスタイルがいいという、まさに理想の上司である。 そんな天道課長が珍しくおずおずした態度で「話がある」と切り出したのは、結婚の報告だった。 「おめでとうございます」と心から祝福した津野だが、その後、社内事情に詳しい同僚から驚くべき事実を耳にする。 なんと課長の花嫁は24歳。つまり26歳の年の差婚だったのだ。 噂は広まり、課内であれほど慕われていた天道課長の評判は微妙なものになってしまった。特に嫌悪感を示したのは若い女性社員で「気持ち悪い」とまで言われる始末。 そして、それを耳にする津野の心境は、実に深刻で複雑だった。38歳の津野もまだ独身のため婚活中だったのだが……。 ☆「年の差婚」がテーマです。 淡々と描かれる津野の懊悩が却ってユーモラスなのですが、小心で真面目な津野のことが気の毒になったりもしました。 ところで年の差婚って、そこまで非難されるべきものなのでしょうか。 ( 特に男が年上の場合は、女性からは不潔だと言われてしまい、男性からはやっかまれるようです。) そう言えば、年の離れた異性と親しくなることに向けられる目が、昔より特異な熱気を孕んだものになっているような気がします。 それは好奇であれ非難であれ、あまり好ましくない傾向ではないかと感じているのは自分だけでしょうか。 初めて読む高瀬さんの短編。5編ともすごく面白かったです。個人的には第3話の表題作と最終話が好みでした。
切ない恋やどうにもならない恋を経験すると、ひとつひとつの描写に敏感になる。その感覚を見事に呼び起こすような文章でした。短編集なので、さくさくと読み進められました。あと僕、とか私とかではなく客観的な書き方も好みです。
恋愛に冷めている話とかではなく、恋愛をあくまで第三者的な見方で書いているような感じが面白い。 私は恋愛小説はあまり興味がないけど、そんな私が面白く感じた。 高瀬さんの文章、やっぱり好きだー。
5つの短篇集。人間の秘めたる感情を具に観察し、顕にしていく筆力は秀逸。手加減なしの描写に毎度、唸る。『歳の差婚』の天道課長を嫌悪する花村さん、かな子の保険にされてる狛村くん、大人対応の美寧々、花瓶を求め彷徨い歩く水本…特異な人たちが異常行動をしている、と思った時点で、人はバイアス掛かった見方をしてい...続きを読むるのだろう。
相変わらず高瀬さんの文章は すっきりと無駄がなく、そしてぞわぞわと気持ちが悪い。(褒めている) 少し今村夏子さんと似た系統にも思う。 我を忘れた暴走、とかではなく、 恋愛に対する根本の、認知の歪みや問いかけを 淡々と短編で綴る本書。 とてもよかった。 どの話もなんとなく分かるような気がして 興...続きを読む味深く読み進めたけど、 「新しい恋愛」内、美寧々の斜め上発想にはかき乱された。 歪んでいないってなんだ。 それすら分からなくなり、自分に問いかける。
5つ恋を描く短篇集。 特に好きだったのは『お返し』。 「ずっとわたしのことを覚えていてくれるっていう、お返し」この言葉が心にずっしりと響きました。
『新しい恋愛』と『お返し』が初読み。 どちらも読み進めながら「えーっ!」となることが多い、ちょっと不思議な話だった。 『お返し』は冷静な「キュン」物語で 『新しい恋愛』は近未来恋愛価値観物語かな。 STORY BOX掲載だった『あしたの待ち合わせ』も収録されてた。
『おいしいごはんが食べられますように』を以前読んで、最近何度か書店で見てやっぱり気になるなーと思って買ったこの本。 この著者の描く感じやっぱり好きかも!って思えた。どんどん読みすすめられるんだけど、たまに同じ文章を3回くらい読み返し、反芻して、状況や感情を味わう。そんな読み方ができる本。
芥川賞作家の短編集ということで気軽に読んでみたが、ただの恋愛小説じゃない。全然キラキラしていない。正よりも負の感情に焦点が当てられているが、男でも共感でき、ストーリーもおもしろい。 調べたら同い年とのことで、勝手に親近感もわき、芥川賞受賞作も読みます。
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高瀬隼子
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