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みんなの恋愛をわたしは知らない。 芥川賞受賞のベストセラー『おいしいごはんが食べられますように』著者が放つ、最高の〈恋愛〉小説集。 あなたはどこまで共感できますか? ひと筋縄ではいかない5つの「恋」のかたち。 【収録作品】 「花束の夜」「お返し」「新しい恋愛」「あしたの待ち合わせ」「いくつも数える」
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Posted by ブクログ
歳を重ねれば重ねるほど、難しくなっていく恋愛。 子供の頃は、純粋にただ気持ちに正直に想いを口に出来ていたのに、なんで大人になると口に出来ないんだろうか。 様々なフィルタが邪魔をして、色々な人の視線を気にしたりして、自分の想いに向き合えなくなる気がする。 いくつになっても、ちゃんと想いを口に出来るよう...続きを読むにしたいな。 "好きはいつも、いつの間にかなくなる。" "子どもの頃って、好きって気持ちの終点が、必ずしも両想いになる事じゃなかった気がするんだよね" "人を愛するって、誰かと生きていくって、条件でマッチングするばかりではないよね。" "わたしは、欲しい言葉を差し出せる人ではなくて、欲しくない言葉を突きつけてこない人と暮らしていきたいのだ。"
どれも良かったなぁ。 特に「新しい恋愛」と「いくつも数える」が好きだった。 高瀬隼子が恋愛をテーマに書くとこうなるのか!ってニヤニヤしちゃう。 どの話も、ままならなさが苦しくて、だけどままならないからこそ深みにハマっちゃうような歪な恋愛。 子どもの頃は大人の恋愛ってドリカムみたいな世界観を想像してた...続きを読むけど、実際は高瀬隼子だよなぁ。笑
5つの話、すべて面白かった。共感する部分が少しずつあった。 刺さったのは、真ん中の「ロマンチックが苦手」的な話。私もロマンチックは苦手。もう一回読みたい。
みんな一癖あってまともな恋愛できないのも肯定できる気がした。 【花束の夜】 自信が無いと自信がある人に好意を持つし、振り回されるんだなって思った。花束いいな。 【お返し】 思春期の小さな思い出はずっと心に残るのかと思った。 【新しい恋愛】 マッチングアプリをやってても心が動かされないのに現実では割と...続きを読むすぐ動かされるから新しい恋愛に共感した。この人と現実で会ってたら好きだったろうなって人もアプリにはいる、僕はロマンチックに自然な出会いから恋愛したいと思った。 【あしたの待ち合わせ】 好きじゃない人からの好意は高揚感より安心感なのかな。実らない片想いはずっと心に残る感じもある。 【いくつも数える】 歳の差恋愛の話。丁度深瀬が20下の女と結婚してて感じてたことと重なった。羨ましいとみっともないが同時に存在する感じ、尊敬の念を持って人が大きく下と結婚したと知ったら確かにギクシャクしちゃうけど、なんだかんだ若い人は素敵だよね。
自由と権利の尊重が謳われる現代。そんな個人裁量の幅の広がった今に生きる人たちの恋愛模様を描いた「恋愛」短編集。 ◇ 送別会がお開きになり、水本は部屋の中を見て回っていた。忘れ物がないか確認するのは、いちばんペーペーの水本の仕事だ。 今夜は倉岡の送別会だった。倉岡は退職まで...続きを読むの3ヶ月間、新入社員の水本への引き継ぎを兼ねて指導してくれた中堅社員である。 倉岡は明るく元気な体育会系らしい男だ。誰にでも気さくに接するし、面倒見もよい。それだけに距離の詰め方もうまく、水本はいつの間にか倉岡と男女の関係になっていた。 店の前で部長による一本締めの音頭と倉岡への花束贈呈があり、皆が三々轟々その場をあとにする。倉岡とともに一同を見送った水本は、このあとの倉岡との過ごし方を考えていた。 同僚の姿が見えなくなったところで、倉岡は水本の方を向いて言った。 「これいらねえから」 そして花束を水本に押しつけた倉岡は、 「気ぃつけて帰れよ」 と言い残して、1人でさっさと帰って行ったのだった。( 第1話「花束の夜」) ※全5話。 * * * * * 5編それぞれに、なかなか面倒くさい恋愛模様が描かれていました。各話を簡単に紹介すると……。 第1話「花束の夜」 ☆この日も倉岡のマンションに泊まることになるだろうと思っていた水本でしたが、倉岡に花束を押しつけられ置き去りにされてしまいます。 大きな花束を抱えて電車に乗るわけにもいかず、夜の街をウロウロする水本。倉岡の携帯は電源を切られていてつながりません。 どうやら倉岡の「これいらねえ」ということばは、花束とともに水本に向けられたものでもあったようです。 夜の街をさまよう水本のとった行動とは? 第2話「お返し」 保育園で、息子が同じ園に通う女の子からバレンタインチョコをもらった。それを見た「おれ」は、遠い昔のことを思い出す。 おれが初めてチョコをもらったのは小学4年のとき。近所に住むひとつ年下の女の子からだった。 ユウハというその子のバレンタインチョコはおれが中学を卒業するまで6年間続いた。高校入学後はピタッと途絶えたが、おれには高校内で彼女ができていたため気にもしなかった。 ところが、大学入試を直前に控えた高3の2月。家で受験勉強をしていたおれを、ユウハが訪ねてきた。半年前に彼女と別れていたおれにチョコを差し出したユウハは……。 ☆ユウハはこれまでずっと、バレンタインデーにチョコをくれるけれど、特に想いを告げてきたりはしないのです。おれの方もホワイトデーにお返しをするものの、幼い頃から知っているユウハに特別な感情を抱くことはありませんでした。 別々の高校に進学した2人。疎遠になっていたはずのユウハが、おれの前にバレンタインチョコを持って現れた理由とは? 第3話「新しい恋愛」 26歳を目前に控えた知星。ある日のこと、近くに住む姉に頼まれ、姪の美寧々をひと晩預かることになった。 美寧々は中学生になったばかりで、恋バナがしたいお年頃。知星に恋人がいることを知っている美寧々は、さっそく知星の恋愛事情をいろいろと尋ねてくる。 学生時代からの知り合いだったこと。 就職後につきあい始めたこと。 つきあいも3年を過ぎ、結婚について意識するようになったこと。 笑いながら答える知星だが、実は胸の中には奇妙な感情が広がっているのだった。 ☆「プロポーズされたくない」という知星の気持ち。何かわかるようであり、わからないようでもある、モヤモヤした気持ちです。 知星自身もうまく整理できない感情なのですが、美寧々のかわいい追及にあううち……。 さすが表題作だけあって、うまくできたお話でした。 第4話「あしたの待ち合わせ」 かな子には、狛村くんというフォロワーがいる。狛村くんは学生時代からずっと、かな子のことを密やかに追跡し続けている。そしてそのことを、かな子はよく知っているのだった。 かな子がSNSで呟くと、それをチェックした狛村くんはそっと行動を起こす。 例えば、かな子が「上野駅構内のガシャポンに欲しかったフィギュアがあると聞いた」と呟くと、次の日にはガシャポン近くで狛村くんを見かけるし、美術館や神社に行くつもりだと呟くと、やはりその付近で狛村くんは姿を現す。 狛村くんは大学時代の同期で、気づけば常にかな子の近くにいた。真面目で控えめ。英語の教科書に出てくる模範的な日本人学生のような狛村くんを、かな子は少しも好きではない。 そうでありながら、狛村くんとの微妙な関係を、かな子は続けたいと思ってもいた。そんなある日……。 ☆かな子はどちらかと言えば、自堕落で身持ちのよくない女性です。すぐに男性と関係を持ってしまうところがあるし、うまくいかなくなれば簡単に別れもします。不倫にもあまり抵抗がないようです。 なのに、自分を一途に愛する狛村くんとの距離を縮めることもしなければ、冷たく突き放すこともせずに33歳の今日まできました。 もはや妖気さえ感じてしまうかな子と、影のごとく付き従うストーカーのような狛村くん。どう決着するのでしょうか。 第5話「いくつも数える」 津野が給湯室でコーヒーを淹れていると、課長の天道が入ってきた。天道課長は穏やかな温かい人柄であり、仕事もよくできることもあって部下から慕われている。おまけに50歳とは思えないほどスタイルがいいという、まさに理想の上司である。 そんな天道課長が珍しくおずおずした態度で「話がある」と切り出したのは、結婚の報告だった。 「おめでとうございます」と心から祝福した津野だが、その後、社内事情に詳しい同僚から驚くべき事実を耳にする。 なんと課長の花嫁は24歳。つまり26歳の年の差婚だったのだ。 噂は広まり、課内であれほど慕われていた天道課長の評判は微妙なものになってしまった。特に嫌悪感を示したのは若い女性社員で「気持ち悪い」とまで言われる始末。 そして、それを耳にする津野の心境は、実に深刻で複雑だった。38歳の津野もまだ独身のため婚活中だったのだが……。 ☆「年の差婚」がテーマです。 淡々と描かれる津野の懊悩が却ってユーモラスなのですが、小心で真面目な津野のことが気の毒になったりもしました。 ところで年の差婚って、そこまで非難されるべきものなのでしょうか。 ( 特に男が年上の場合は、女性からは不潔だと言われてしまい、男性からはやっかまれるようです。) そう言えば、年の離れた異性と親しくなることに向けられる目が、昔より特異な熱気を孕んだものになっているような気がします。 それは好奇であれ非難であれ、あまり好ましくない傾向なのではないかと感じているのは自分だけでしょうか。 初めて読む高瀬さんの短編。5編ともすごく面白かったです。個人的には第3話の表題作と最終話が好みでした。
どの作品も愛の形は違うけどどこかプラトニックさを感じた。 高瀬さんは「おいしいごはんが食べられますように」で初めて読んだが、淡々と物語が進んでいく作風が個人的にとても好きで面白い。 村田沙耶香さんが好きな人は高瀬さんも好きになると思う。 一番好きな話は新しい恋愛で、いつかこの物語も手かがれているよう...続きを読むな恋愛をしている未来が来そうだと読んでいて感じた。
多分、お初作家。 分かるような分からないような恋愛観。 何故、分かるような分からないようなのかが分からないのをそのままにしておきたくなるのが恋愛なのかもしれない。
花束の夜の、「ミスで納品が遅れた取引先の中学校に対してよりも、目の前でビールを飲む倉岡にかけた迷惑の方が水本の心には重たかった」というところに共感した。自分も目の前の人の顔色を必要以上に伺うところがある。自分の心を素直に整理できるきっかけになった言葉。 あと、蛙化現象って言い換えると、41ページの「...続きを読む自分が好きだと思った人の仕事上の他者評価を耳にして、それは自分が直接感じていることではないのにそう思っている他者がいる事実だけでほんのり好きが削られていく。」という表現になるのか。表現が素敵。 あしたの待ち合わせの、「これは不安になるところだ、これは怖いと思うところだ、筋が通らないと外部に設定された筋に従うのは楽だがもうできない。」という言葉も、自分もこういうところあるなと想った。自分の思いに素直になりたい。
恋愛がテーマの短編集 主人公の心情がひたすら語られる文章は、なんだか他人が考えていることを覗き見しているような、不思議で不気味な感覚がした。 なんだか気持ちが悪いのだ、見てはいけないものを見てしまったような、そんな感覚。
どうしてその人を好きになるのだろうか。 「好きなんだから、好きなんでしょ」 ではなく、なぜ好きなのか。性欲をはじめ様々な欲が絡み合う恋愛を哲学的に見つめ直すことができる作品です。 恋愛で悩んでいる人の思考を、整理する助けにもなります。 印象的だったのは「お返し」にあった、「子どもの頃の好きの終点...続きを読む」の一節。まさにそこが恋愛の目的だと感じました。
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