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芥川賞受賞第一作。
公私共にわたしは「いい子」。人よりもすこし先に気づくタイプ。わざとやってるんじゃなくて、いいことも、にこにこしちゃうのも、しちゃうから、しちゃうだけ。でも、歩きスマホをしてぶつかってくる人を除けてあげ続けるのは、なぜいつもわたしだけ?「割りに合わなさ」を訴える女性を描いた表題作(「いい子のあくび」)。
郷里の友人が結婚することになったので式に出て欲しいという。祝福したい気持ちは本当だけど、わたしは結婚式が嫌いだ。バージンロードを父親の腕に手を添えて歩き、その先に待つ新郎に引き渡される新婦の姿を見て「物」みたいだと思ったから。「じんしんばいばい」と感じたから。友人には欠席の真意を伝えられずにいて……結婚の形式、幸せとは何かを問う(「末永い幸せ」)ほか、
社会に適応しつつも、常に違和感を抱えて生きる人たちへ贈る全3話。
Posted by ブクログ 2024年03月08日
すごく刺さる。みんな色んな顔があったり、特定の人には見せられない顔があったり、本当の自分の顔が分からなくなったりする。
歩きスマホを避けてあげても気付かれもされず当然かのように通り過ぎる人にムッとすることがある。まっすぐ歩けるのは私が避けてあげたからなのに。
やばい女、共感できない、という感想もあ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月17日
人混みに紛れて人は悪意をむき出しにする。こいつならいいやって選別された自分が割に合わない。
だから 私は「ぶつかったる」
著者の叫びは女の呪文
「いい子ぶってなんかムカつく」
子どもの頃からそう思われてきた
今でも笑顔を作って見せる
同僚
彼氏
友だちの前で"顔"を...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月25日
前の人が歩きタバコをしていたとき、自分は息を止めたり、距離をとったりする。それは自分のためにすることだけれど、間違ったことをしているのはあなたで、なんでこっちが無駄な行動をしなくちゃいけないのかとイライラしたことを思い出した。
でもそんなの美味しいおやつを食べれば忘れちゃうから直子のように死ぬまで忘...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月11日
3編とも複数の顔を持つ人の話
表題作のいい子のあくびは、読み進めていくにつれて主人公にまつわる世界が広がって明らかになっていくから飽きない。
内容、共感できるなぁ…
自分も、私だけ損じゃない?って思うこと多々ある。
それで褒められても、いやいやじゃあお前も考えてやれよ、みたいな気持ちになるのよね...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月09日
まずは出だしが。「ぶつかったる」である。大笑
高瀬節炸裂!歩きスマホを許さないぞ。何故みんな避けてあげるのだろうか?何故こちらが避けなければいけないのか。という、確かに!と思う出だしで始まる。シンプルな疑問だけれど、あまり深く突き詰めたことのない、ハッとする問題定義。独特の着眼点で、描かれている作品...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月10日
このテーマを文学でよくぞ扱ってくれた、と思いました!
スマホ見ながら歩いている人、結構いますよね。
通勤ラッシュの時でもスマホ見ながら歩いているのを見ると軽く殺意が沸いてきますね。笑
そういう人が向こうから歩いてきたら、「しゃーねーな」って避けますが。
避けるけど!
避けるけど、なんか損した気分に...続きを読む
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