あらすじ
みんなの恋愛をわたしは知らない。
芥川賞受賞のベストセラー『おいしいごはんが食べられますように』著者が放つ、最高の〈恋愛〉小説集。
あなたはどこまで共感できますか?
ひと筋縄ではいかない5つの「恋」のかたち。
【収録作品】
「花束の夜」「お返し」「新しい恋愛」「あしたの待ち合わせ」「いくつも数える」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
どれも良かったなぁ。
特に「新しい恋愛」と「いくつも数える」が好きだった。
高瀬隼子が恋愛をテーマに書くとこうなるのか!ってニヤニヤしちゃう。
どの話も、ままならなさが苦しくて、だけどままならないからこそ深みにハマっちゃうような歪な恋愛。
子どもの頃は大人の恋愛ってドリカムみたいな世界観を想像してたけど、実際は高瀬隼子だよなぁ。笑
Posted by ブクログ
5つの話、すべて面白かった。共感する部分が少しずつあった。
刺さったのは、真ん中の「ロマンチックが苦手」的な話。私もロマンチックは苦手。もう一回読みたい。
Posted by ブクログ
みんな一癖あってまともな恋愛できないのも肯定できる気がした。
【花束の夜】
自信が無いと自信がある人に好意を持つし、振り回されるんだなって思った。花束いいな。
【お返し】
思春期の小さな思い出はずっと心に残るのかと思った。
【新しい恋愛】
マッチングアプリをやってても心が動かされないのに現実では割とすぐ動かされるから新しい恋愛に共感した。この人と現実で会ってたら好きだったろうなって人もアプリにはいる、僕はロマンチックに自然な出会いから恋愛したいと思った。
【あしたの待ち合わせ】
好きじゃない人からの好意は高揚感より安心感なのかな。実らない片想いはずっと心に残る感じもある。
【いくつも数える】
歳の差恋愛の話。丁度深瀬が20下の女と結婚してて感じてたことと重なった。羨ましいとみっともないが同時に存在する感じ、尊敬の念を持って人が大きく下と結婚したと知ったら確かにギクシャクしちゃうけど、なんだかんだ若い人は素敵だよね。
Posted by ブクログ
恋愛小説として素晴らしいと思います。
私が思うに一般的に読み物は、しばしば起承転結に進みます。しかし恋愛小説にはその形にハマらないこともあり、この作品もまた、感情移入できる感情の情景や登場人物達の関係性を次第に読み解いていくことを基礎として、先の読めない不安定さと、それとは逆にその不安定さをバランスよく紡がれていく様が読み取れます。そして登場人物達がそれぞれ衝動を駆り立てられる様がこの作品には描かれています。
もちろん、人それぞれなのでどうしてそんな選択をしてしまったのだろう。と、思わせる登場人物もいますが、それも“恋愛”らしさとして私の中では落とし所についています。
新しい恋愛。とは、誰かの未来(私の未来?)なのか。そもそも私の過去の恋愛なのか。はたまた疑似体験なのか。を、読者に委ねられた情緒のある作品として読み進められた様に思います。
この素晴らしい作品は、私にとっては恋愛小説についてや情緒を揺さぶられる心地よさについてを気づかせてくれる作品にもなりました。それは今後に色々な恋愛小説を読んでみたいと思わせるものでした。
この作品にはとても人間性のある作品として、新しい恋愛として、私には記憶に残っていく。そうも感じました。
最後にあなたにとっての“新しい恋愛”とはどの様なものになるでしょうか。
この本が気になる方は是非読んでみて下さい。
Posted by ブクログ
確かにこれは恋愛小説なんだけど、ときめきに限らないさまざまな感情の機微がたくさん書き記されていて、逆にときめき以外のすべてがここにあるんじゃないかと思った。
【読んだ目的・理由】高瀬隼子さんの他の作品を読んで好きだったから
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.5
【一番好きな表現】それはまばたきから次のまばたきへの間だったり、息の吐き方だったり、吐かれなかった息のことだったり、津野がメニューへ注意を向けている時に注がれる眼差しが、視野の端ぎりぎりで捉えられること、その感覚に日菜子さんが気付いてないわけがないと思うことだったりした。(本文から引用)
Posted by ブクログ
恋愛にまつわる短編集。
各作品に「こういう一文のために小説を読んでるんだ」と思うような文章があった。
どの話も、ラストがよい。そこにたどり着くまではずっともやもやしたり行ったり来たりしている思考が、最後そうやって締めるのかという感じ。
Posted by ブクログ
自由と権利の尊重が謳われる現代。そんな個人裁量の幅の広がった今に生きる人たちの恋愛模様を描いた「恋愛」短編集。
◇
送別会がお開きになり、水本は部屋の中を見て回っていた。忘れ物がないか確認するのは、いちばんペーペーの水本の仕事だ。
今夜は倉岡の送別会だった。倉岡は退職までの3ヶ月間、新入社員の水本への引き継ぎを兼ねて指導してくれた中堅社員である。
倉岡は明るく元気な体育会系らしい男だ。誰にでも気さくに接するし、面倒見もよい。それだけに距離の詰め方もうまく、水本はいつの間にか倉岡と男女の関係になっていた。
店の前で部長による一本締めの音頭と倉岡への花束贈呈があり、皆が三々轟々その場をあとにする。倉岡とともに一同を見送った水本は、このあとの倉岡との過ごし方を考えていた。
同僚の姿が見えなくなったところで、倉岡は水本の方を向いて言った。
「これいらねえから」
そして花束を水本に押しつけた倉岡は、
「気ぃつけて帰れよ」
と言い残して、1人でさっさと帰って行ったのだった。( 第1話「花束の夜」) ※全5話。
* * * * *
5編それぞれに、なかなか面倒くさい恋愛模様が描かれていました。各話を簡単に紹介すると……。
第1話「花束の夜」
☆この日も倉岡のマンションに泊まることになるだろうと思っていた水本でしたが、倉岡に花束を押しつけられ置き去りにされてしまいます。
大きな花束を抱えて電車に乗るわけにもいかず、夜の街をウロウロする水本。倉岡の携帯は電源を切られていてつながりません。
どうやら倉岡の「これいらねえ」ということばは、花束とともに水本に向けられたものでもあったようです。
夜の街をさまよう水本のとった行動とは?
第2話「お返し」
保育園で、息子が同じ園に通う女の子からバレンタインチョコをもらった。それを見た「おれ」は、遠い昔のことを思い出す。
おれが初めてチョコをもらったのは小学4年のとき。近所に住むひとつ年下の女の子からだった。
ユウハというその子のバレンタインチョコはおれが中学を卒業するまで6年間続いた。高校入学後はピタッと途絶えたが、おれには高校内で彼女ができていたため気にもしなかった。
ところが、大学入試を直前に控えた高3の2月。家で受験勉強をしていたおれを、ユウハが訪ねてきた。半年前に彼女と別れていたおれにチョコを差し出したユウハは……。
☆ユウハはこれまでずっと、バレンタインデーにチョコをくれるけれど、特に想いを告げてきたりはしないのです。おれの方もホワイトデーにお返しをするものの、幼い頃から知っているユウハに特別な感情を抱くことはありませんでした。
別々の高校に進学した2人。疎遠になっていたはずのユウハが、おれの前にバレンタインチョコを持って現れた理由とは?
第3話「新しい恋愛」
26歳を目前に控えた知星。ある日のこと、近くに住む姉に頼まれ、姪の美寧々をひと晩預かることになった。
美寧々は中学生になったばかりで、恋バナがしたいお年頃。知星に恋人がいることを知っている美寧々は、さっそく知星の恋愛事情をいろいろと尋ねてくる。
学生時代からの知り合いだったこと。
就職後につきあい始めたこと。
つきあいも3年を過ぎ、結婚について意識するようになったこと。
笑いながら答える知星だが、実は胸の中には奇妙な感情が広がっているのだった。
☆「プロポーズされたくない」という知星の気持ち。何かわかるようであり、わからないようでもある、モヤモヤした気持ちです。
知星自身もうまく整理できない感情なのですが、美寧々のかわいい追及にあううち……。
さすが表題作だけあって、うまくできたお話でした。
第4話「あしたの待ち合わせ」
かな子には、狛村くんというフォロワーがいる。狛村くんは学生時代からずっと、かな子のことを密やかに追跡し続けている。そしてそのことを、かな子はよく知っているのだった。
かな子がSNSで呟くと、それをチェックした狛村くんはそっと行動を起こす。
例えば、かな子が「上野駅構内のガシャポンに欲しかったフィギュアがあると聞いた」と呟くと、次の日にはガシャポン近くで狛村くんを見かけるし、美術館や神社に行くつもりだと呟くと、やはりその付近で狛村くんは姿を現す。
狛村くんは大学時代の同期で、気づけば常にかな子の近くにいた。真面目で控えめ。英語の教科書に出てくる模範的な日本人学生のような狛村くんを、かな子は少しも好きではない。
そうでありながら、狛村くんとの微妙な関係を、かな子は続けたいと思ってもいた。そんなある日……。
☆かな子はどちらかと言えば、自堕落で身持ちのよくない女性です。すぐに男性と関係を持ってしまうところがあるし、うまくいかなくなれば簡単に別れもします。不倫にもあまり抵抗がないようです。
なのに、自分を一途に愛する狛村くんとの距離を縮めることもしなければ、冷たく突き放すこともせずに33歳の今日まできました。
もはや妖気さえ感じてしまうかな子と、影のごとく付き従うストーカーのような狛村くん。どう決着するのでしょうか。
第5話「いくつも数える」
津野が給湯室でコーヒーを淹れていると、課長の天道が入ってきた。天道課長は穏やかな温かい人柄であり、仕事もよくできることもあって部下から慕われている。おまけに50歳とは思えないほどスタイルがいいという、まさに理想の上司である。
そんな天道課長が珍しくおずおずした態度で「話がある」と切り出したのは、結婚の報告だった。
「おめでとうございます」と心から祝福した津野だが、その後、社内事情に詳しい同僚から驚くべき事実を耳にする。
なんと課長の花嫁は24歳。つまり26歳の年の差婚だったのだ。
噂は広まり、課内であれほど慕われていた天道課長の評判は微妙なものになってしまった。特に嫌悪感を示したのは若い女性社員で「気持ち悪い」とまで言われる始末。
そして、それを耳にする津野の心境は、実に深刻で複雑だった。38歳の津野もまだ独身のため婚活中だったのだが……。
☆「年の差婚」がテーマです。
淡々と描かれる津野の懊悩が却ってユーモラスなのですが、小心で真面目な津野のことが気の毒になったりもしました。
ところで年の差婚って、そこまで非難されるべきものなのでしょうか。 ( 特に男が年上の場合は、女性からは不潔だと言われてしまい、男性からはやっかまれるようです。)
そう言えば、年の離れた異性と親しくなることに向けられる目が、昔より特異な熱気を孕んだものになっているような気がします。
それは好奇であれ非難であれ、あまり好ましくない傾向なのではないかと感じているのは自分だけでしょうか。
初めて読む高瀬さんの短編。5編ともすごく面白かったです。個人的には第3話の表題作と最終話が好みでした。
Posted by ブクログ
高瀬隼子だし、そりゃあ素敵な恋愛小説を期待していたわけじゃないけれど、もうほんとうにブレなくて、さすがすぎて、やっぱり癖になる。特に「いくつも数える」は強かったな〜。高瀬隼子作品を読むといつもそうなのだけど、共感して読んでいる自分が絶対どこかにいて、ひでえやつだなと自嘲して笑ってしまう。だってこんなこと友だちにも言わないし、言ったら引かれるかもしれないし、それどころか場合によっては相手を傷つけることもあるだろうし、だから口に出さない。そういう種類のことを、どうしてこうもきちんと言語化できるのか。もう笑っちゃうだろ。高瀬隼子、天才だなと思う。
Posted by ブクログ
なんかこう、自分の中にもあるどろっとした感情を突きつけられる短編集。
「いくつも数える」
「歳の差婚」に対するなんか嫌という感情ってなんなんでしょう。恋愛は本人たちの自由なのに。本人たちのことなんて他の人には分からないのに。これって男女で感覚違うんでしょうかね?
「新しい恋愛」
ロマンチックな言葉にドン引きする人って結構いると思う。わかるわかる!って読んでました。
「お返し」
短編5篇のなかでも一番好きです。全女子バレンタインにやろう!布石を打ちましょう。「忘れられない」って最高。中高生に戻りたいわー。
Posted by ブクログ
恋愛への個人的な倫理は人それぞれであるけど、
恋愛に関する嗜好や結果でその人を判断出来るのか?そこに至るまでの道のりや本当の気持ちを言葉にするのはきっと難しい。
私の価値観は私だけのものなのだ、他人には他人の価値観があり同一ではないのだ、ということを改めて感じた。
Posted by ブクログ
高瀬さん作品に登場する人はクセが強い人が多い。過去作では女のイヤーな部分が出ていて嫌悪感をいだくともあった。今作はクセが強いというよりはちょっと嫌な部分とかちょっと理解できる部分とかそういうところにスポットがあたっている感じ。
理解できないと切り捨てることができなくて、でも大きな声でそれわかる!と共感はできない。絶妙なところをついてくるな…と思いながら読んだ。
Posted by ブクログ
確とした輪郭を持たない感情。
愛だか恋だか欲だか気の迷いだか分からないものを掬い出した物語。
思い起こせば、そのうちのどれかだったんだろうなあとは思うのかも。
私は今年56歳になりました。
愛だか恋だか欲だか気の迷いだか。
が、あんまり体のなかから湧き上がらない予感がします。残念ながら。
ところで。
「いくつも数える」
歳の差のある関係への違和感。
いろいろある「差別的な感情」の中で、男性高年齢者に対する差別を、少し相対的に扱っていることに筆者のバランス感覚を感じた。
進歩的であることと、現代的であること。
それは決して、生きやすい、より優れた社会になることと同義ではないのだろうと思う。
Posted by ブクログ
後味悪さにゾクゾクします!
いい意味で!
小説を読むようになってからと言うもの、
好きなジャンルは優しい物語だったり、
再生の物語だったり、少しの悲恋が混ざる恋愛小説や、
歴史小説、ミステリーなど。
人に薦められたものはどんどん読んでいきたいし
少しでも自分の中の選ぶ選択肢を増やしたいと思っています。
遅咲きの読書家であるが故、
まだまだ知らないものの多さに心が躍る日々ですが、
高瀬隼子さんの「おいしいごはんが食べられますように」
は、
いやー人間関係って本当に嫌だなー、と素直に思わせる一方で、
小説としての読み応えに読む楽しさを味わえるものでありました。
読み手の心情をこんなにも抉ってくるのかと。
今回の「新しい恋愛」はシンプルなタイトルで
短編集だと言う前情報のもと、
きっとまた心ざわつく物語がいくつも読めるんだろう
と期待して、それを裏切られなかったことに、
嬉しさと後味悪さを覚えます。
いくつかの恋や愛の形と、さらにそう呼べるか定かでないほどの、対人に対する感情のうごめきが書かれています。
その中には、きっと一度は自分も経験したことがあるなと
思う感情があったり、「え!こんな展開あるの」と
少し驚くようなものまである。
私ごとで言えば、「この人は私のことが好きだろうな」
をずっと感じ続けること。
女性にとっては、その感情はどうでもいい、と思う時もあれば、
心のきやすめになったりする、都合のいい感情だったりする。
また、展開に驚いたのは、結婚を間近に控えた女性と
姪っ子の会話劇。
恋に恋する中学生は「昔はマッチングアプリを使って
恋愛してたんでしょ?でも今は、直接会うことや、
話すことを大事にしている」と言うフレーズに、
はて?近未来の話だったかと気づく。
さらに、その姪っ子は、自分の父親と恋バナをして、
父親が母とは別の人に恋をし、少しでも一緒に居たいと話す父の言葉に対して「素敵、憧れる」と目を輝かせるそう。
びっくりさせるにも程がある、と思いつつも、
近未来を描く物語は、小説であれドラマ映画であれ、
ちょっとびっくりするような恋模様が展開することはあるし、
きっといつか私は時代に追いつかない人になるんだな、
と年を重ねたことをしおしおと感じました。
最終話の年の差婚をテーマにした物語では、
もう読んでいながら「心が痛い、痛い」
と思い続ける言葉が飛び交っていました。
言葉の繋ぎ方、物語の構成、それらひとつひとつが
長けている小説は、どんな感情を抱いても、
読んでよかったと思わせるからすごい。
「おいしいごはんが食べられますように」を再読しようと思いました。
Posted by ブクログ
これまでの高瀬先生作品で一番癖を感じず読みやすかったなと振り返ってみると、いややっぱり特殊めな設定だなとも感じる。
ラストの歳の差婚の話は、自身もそう言われる歳の差の夫がいるので、あまり他人事には思えず。
気持ち悪いって思うのもわかるし、でも私たちは歳の差の部分じゃない所に重きをおいて結婚してるんだよ、というかじゃないと幾ら若くてもこの妻は扱いにくすぎるだろと思う。
若い子がいいという世の中の風習?が広まりすぎてるからこそ逃れられない呪縛だよな。歳なんて所詮数字で、その歳になるまでどれだけのものを積み重ねてきたかはその人次第なのに、インパクトが強いからそれだけで物事が語れてしまう。
表題作はイメージしているアロマな訳ではないけど、ロマンティックなことを避けたい話。
途中までは次の「あしたの待ち合わせ」と男女逆のストーカーの話なのに、後者の方が気持ち悪く感じてしまうのも社会の風習故だろうか。まあ私がそう思うのは、男性陣にこれまで向けられた視線や行動に対する私怨が多分に含まれているとは思うけど。
Posted by ブクログ
「おいしいごはんが食べられますように」の高瀬隼子さんらしい、恋愛短編集なのにぞくぞくもやりとさせる現実的な描写が面白かった。
結婚はしたいけどプロポーズはされたくない気持ちの奥にある欲望とか、歳の差恋愛に対する反射反応とか。身近にありそうでない、なさそうである状況なんだろうなあ。
恋バナは万国共通だけど誰も自分以外の恋愛を本当に知ることはできないんよね。人から聞く恋バナ以上に、この本の5つの恋愛は登場人物の恋愛を深く知ってしまった感覚になった。
やーーこの人の本いつも感じたことを言葉にするのが難しい。
あと、他人で関係ないのだから気にしなかったらいいのに勝手に嫌悪してしまったりこれはひどくない?とジャッジしてしまったり、自分の無責任他人評価癖(?)を刺されたみたいな気持ちにもなった。
高瀬隼子さんやっぱ面白い!もっと読みたい
Posted by ブクログ
「花束の夜」ひそかにつきあっていた先輩社員が退職。その送別会の夜に…。
飲み会終わりの空気感の描写がすごい既視感あり過ぎて面白かった。ようやく帰れると並んだ顔のうちのいくつかが正直に言っているっていう文章好き。
「お返し」バレンタインデーに渡されたのは、チョコレートだけではないかもしれない。
好きだった人の記憶に十何年と経っても残り続けることができるのは確かに一番のお返しかもと思った。
「新しい恋愛」プロポーズされたくない25歳の私と、まっすぐに恋愛を語る中学生の姪の2日間の物語。ロマンチックな言葉でプロポーズされたくないけど結婚はしたい主人公はちょっとワガママと思った。言葉に責任をとってほしいってことなのかな。絶対何があっても守るからみたいな言葉って実際に言われたら何も考えずに私は嬉しいと思ってしまうかも。
「あしたの待ち合わせ」狛村くんはずっと私が好きだ。私は好きではないけれども、手放したくはない。結構破天荒な女の子だった。あんまりだったかも。
「いくつも数える」50歳課長の「歳の差婚」をきっかけに社内に広がる、モヤモヤと思いがけない波紋。いくらカッコいい課長でも26歳年下の女性と結婚したことで見方が変わってしまうのは逃れられないことではないかと思った。働き始めてから人と人の年齢差を意識するようになったから身近なテーマで面白くもあったけど、モヤモヤするところもあった。
Posted by ブクログ
高瀬隼子さん初読みです。
人に話すと軽蔑されるような本心を描いた作品でした。
表題作の『新しい恋愛』で、主人公の知星が「ロマンチックは、いらない」という思いに関して、恋人の遥矢に対して醒めたのではなく、情だけが残り、だからこそときめくような言葉や行動に違和感を覚えてしまうところに「なんかわかる」感を感じました。
どの作品も少しゾワリとするような読み心地でとても面白かったです。
Posted by ブクログ
恋愛って色んな形があるよね…って考えさせられる。純愛、不倫、年の差、キープ…それを少しずつ覗いて、どう思う?って聞かれたような気持ちになった。
個人的に「お返し」「いくつも数える」が好き。
『大学時代に傷のない気持ちで野木くんを思っていた自分が、呆れた冷たい目て今の自分を見ているような気がした。けれどその醒めた目の持ち主は、学生時代に我慢したからいいよね、社会人だったらこのくらい普通らしいし、とも思っているのだ。』
これ読んで、うわーーーこれがいい意味でも悪い意味でも大人になってしまうって事なのか、と考えてしまった
Posted by ブクログ
恋愛って本当に人それぞれで、出てくる登場人物はわたしとは全然考え方が違うなぁとおもしろかった。
特に最後の歳の差について。芸能人で歳の差婚のニュースがあると、SNSは賛否両論で溢れる。確かに、状況によっては嫌悪感を抱くこともあるかもしれないけど、所詮他人の恋愛で、迷惑をかけているわけではないんだからいいじゃないかと私は思ってしまう。多種多様な考え方がある。
Posted by ブクログ
「おいしいごはんが食べられますように」が印象的だったので読んでみた。
微妙なクズを描くのが上手いなと思う。
別に批判されるほどでは無いけどなんとなく気に触る、みたいな…
最後の話は、「歳の差婚が気持ち悪い」というテーマだけでこんなに書けるのすごい、と思った。
Posted by ブクログ
5つの短編集。
恋愛の話なのに、どの話も、なにか
ちょっとひっかかるような、
モヤっとさせるストーリーだった。
面白いなと思ったのは「花束の夜」「お返し」
「新しい恋愛」
【花束の夜】
新人教育係の先輩の送別会、
送別会でもらった花束を、要らないからと押し付けて去っていく先輩。関係を持っている二人だが
付き合っているわけではない。
花束を持ち、深夜を彷徨いながら、自分が
雑に扱われていたことに気付く。
マンションの部屋の前に置いた、花瓶に活けた
花束を、次の日、先輩はどんな顔をするだろう。
ささやかな仕返しと決意。
しかし、深夜に花束を持って彷徨う女。
考えてみたらちょっと怖い。
【お返し】
主人公は子どもの時から、母親の知り合いの娘
(ユウハ)から、毎年バレンタインにチョコをもらっている。好きでもなんでもない子にホワイトデイのお返しを選ぶのも面倒くさい。
そんな関係が高三で終わる。チョコを渡し、
「好きだった」そんな言葉を残して彼女は去る。
「最後に渡したチョコって、それで想いをかなえ
られるかもって期待を込めたものじゃなくて、
だめおしだったんじゃないの。最後の。ここまでしたらさすがに忘れられないだろうっていう」
奥さんの言葉にハッとする主人公。
"ずっとわたしのことを覚えていて"という、
ユウハのお返し(仕返し)に、まんまと
はまっている主人公。ちょっと怖いなー
でも、彼女の気持ちも分かる。主人公の男も
嫌なら断れよと思う。面倒だったからか?
恨まれても仕方ないよね。これから先も毎年、
バレンタインに思い出せばいい。
【新しい恋愛】
表題作。結婚前の主人公。何となく、
プロポーズを拒否している。
姪の美寧々ちゃんとの恋バナで
"出会う前からお互いを設定して、条件が合う人だけ出会ってたのって・・合理的で古いなって思う。
人を大切に思う気持ちを、大事にして、ちゃんと言葉にして伝えて、それで生活をずっと一緒にしたい人を探す恋愛をするのが、本来の人間らしい心で、とても良いことなんだよ"
マッチングアプリは合理的で古い‥
言っている事は正しいような気もするけど
中学生の美寧々ちゃんにこんな風に言われたら、
なんだか複雑‥これが新しい恋愛か‥
だからと言って、今、恋をしている少女が、
自分の父親の不倫を肯定するって、
なんだかなぁ‥
主人公も割り切れないようだ。
Posted by ブクログ
なんだか共感できるような、共感したくないようなこの感覚。高瀬隼子さんにしか表現できない気がする。
すぐ忘れられる元恋人になるより、その人が一生覚えてる人になりたいのは少し分かる気がした。
やっぱり、恋愛ってよく分からない。
Posted by ブクログ
高瀬隼子さんは初読みの作家さんだった。
色んなタイプの恋愛模様が5つ詰まった短編集
目次
花束の夜
お返し
新しい恋愛
あしたの待ち合わせ
いくつも数える
確かにタイトルの「新しい恋愛」が一番印象に残った。
どんな恋愛も一筋縄ではいかない。
ザ・ラブストーリーじゃなくて、こんな変化球もたまにはいい。
頭で考えようとすると、こんな感じで言語化されるんだなぁと納得しながら、何も解決されることのない結末が淡々としていて潔かった。
年齢や性差によっても感じ方が変わりそうな作品。
文学的でいて個性的・・・面白かった。
Posted by ブクログ
おいしいごはんが食べられますようにからハマった高瀬隼子さん。今回も人間の複雑な心理描写が描かれた作品で自分にぶっ刺さり面白かったです。恋愛の短篇作品になっていて、花束の夜が個人的には一番お気に入りです。新人社員で自分と違うタイプの先輩が頼りになりなんかかっこよく見え好きになっちゃうの分かる〜。笑
恋愛のもやもやな気持ちが書かれており、どの短篇も共感できる内容ばかりで面白くあっという間に一冊読んでしまいました。恋愛をひと通り経験した大人の方が共感できる作品かも。
Posted by ブクログ
『花束の夜』新入社員が教育係の上司のセフレになり、雑に扱われ、捨てられる。友人の店を手伝うため退職する上司に、「これいらねえから」と、押し付けられた花束を、持ち歩く。『お返し』母親同士が友人の、それで子供の頃は顔を合わせて遊ぶ仲間の一人であった一つ年下の女の子から、チョコレートをもらう。バレンタインの意味がよくわかっていない小四から中三まで、間を空けて、高三も。そのことを、保育園に通う自分の息子がチョコレートをもらったことで、思い出す。『新しい恋愛』自分が中学生の時に生まれた姪が、家に泊まりに来る。中学生になった姪の関心は恋愛で、その恋愛は、マッチング主体だったかつてのものとは変わり、心の底から人を愛するものとして崇められていて、それを話される主人公は、「死ぬまで一生君を守り抜く」的なその風潮が、受け入れられない。『あしたの待ち合わせ』大学生のころから自分のことを好きで、ストーカー化している男の子を、気味悪く思うも、手放せない。『いくつも数える』50歳の上司が24歳の女の子と結婚する。38歳の自分は、50歳既婚の女上司から、ちょくちょく飲みに誘われていて、婚活パーティで出会った23歳の女の子と恋人になりかけている。という、少々こじれた恋愛についての五篇。
恋愛の話ではないというような著者インタビューを読んでいたような気がしたが、めちゃくちゃ恋愛の話だった。
「自分が好きだと思った人の、仕事上の他者評価を耳にして、それは自分が直接感じていることではないのに、「そう思っている」他者がいる事実だけで、ほんのり、またほんのり、好きが削られていく。」
なんて、大人になってからの恋愛を、まさに言い当てている。
投稿サイトなんかの、一般の人の小説を、ちゃんと読むことがあまりないのだけど、プロと素人の違いは「最初のつかみ」なのだろうなと、この本を読んで改めて思った。つまり、一ページ目から二ページ目にかかる次の所。
「今日の主役は倉岡なんだから、後輩のお前が最後まで見てなきゃ駄目だろうが」とたまにしか会わない親戚のおじさんが「お袋さんを大事にしろよ」と酒を飲みつつ訳知り顔で絡んできた時に似た口調で、気持ちよさそうに注意した。
意地悪い視点であることがはっきりわかって、安心して続きを読むことができるのです。
Posted by ブクログ
短編五編
前読んだ『おいしいご飯が食べられますように』な感じ。
ギリギリのいやな感じがする話ばかり…
中でも新しい恋愛には、足元すくわれた!
(20250216)