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とある職場で働く人達が何を食べ・何を考えて生きているのかを、各人物の視点から紐解いていく作品。
主な登場人物は、
・食や仕事に対して俯瞰した立場で生きる二谷。
・仕事のできはイマイチだが、手作りのお菓子を持参して周囲の好感を集める芦川。
・仕事をしっかりこなす分、芦川の仕事ぶりに不満がある押尾
の3人。
構図的に芦川と押尾の女の闘いかと思うかもしれませんが、ポイントは二谷の視点から物語が始まることです。二谷の視点から見ることで彼女たちのそれぞれの考え方を理解できますし、だからこそ人間関係の難しさを実感します。同時に、読み進めると二谷の葛藤や悩みが露見していき、胸が締め付けられます。
ちなみに書店員の私は押尾派の人間です。
彼女が、毎日定時で帰る“最強の働き方”をしている人に対し発した言葉。
「最強の働き方をしてるのが、むかつくんだと思ってたんですけど、もしかして、うらやましいんですかね。なんかうらやましいのとは違うんですけど。ああはなりたくないって、やっぱり思うから。むかつくんだけど、嫌いってのとはちょっと違うし」
むかつくけれど嫌いではないし、羨ましいけれどああはなりたくない。そんな彼女の心情に共感しました。
「誰でもみんな自分の働き方が正しいと思ってる」。その人にとっての正しさを見つめ直すきっかけになる作品です。
Posted by ブクログ 2024年04月21日
再読。仕事が忙しいときにこのざわざわした不穏を浴びたくてたびたび読み返してしまう
仕事が忙しい時に“ちゃんと”食べるとか分かってるけど出来ないんだよ、ということを世間的に強要されてる気がするのは分かる。簡易的な食事が続くと誰にでもなく何となく罪悪感を抱いてしまうし…
二谷の食事に対する気持ちも何とな...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月14日
普段職場で歳の違い同僚と話してる愚痴を、そのまま押尾と二谷が話してておおっと思った。普段感じてるもやもやをテーマにした物語だったので面白かった。
多分、現実的には、藤さんみたいなおじさんは女性陣からセクハラでめちゃくちゃ嫌われるし、芦川さんのケーキも、お金回収までになると「そこまでやるんだったらケー...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月02日
「しんどい」という言葉が何度も出てきて、それがこの小説のテーマなのかなと思った。
仕事や、きちんと生活することのしんどさ。
真面目故にしんどくなって歪んでしまう二谷と押尾。
弱さにより周りをしんどくさせる芦川。
二谷、押尾、芦川の三角関係の話とも取れるが、中心人物である芦川の視点で語られることはなく...続きを読む
心が癒されるような可愛らしい作品を期待して読み始めましたが、まったくそんなことはなく読みながらモヤモヤと苦しくなりました。
狭い職場での人間関係が描かれていて共感できる部分もありました。
読了後はタイトルが祈りの言葉のようにも呪いの言葉のようにも感じます。
Posted by ブクログ 2024年04月08日
いやー気持ち悪い。
ラストすごく気持ち悪かった。
私ははっきり態度にも出て物を言いたいタイプなのでこんなに気を遣って褒めて笑顔で対応するなんてできないとおもう。
二谷はずっと頭で思ってることを言わずに職場でも上手く人付き合いができていてすごい。
社内で仕事ができて愛想が良くてモテる人ってこんな感じな...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月07日
まさに私がグループワーク中に抱いている、どろどろとした思いに通じるものがあった。
本人に対する周りの配慮が先回りして、いつしか配慮が本人にとっても周りにとっても当たり前になって。
その配慮に甘んじられた翌日、善意100%の笑顔で手作りのお菓子まで配られたら私もモヤッとすると思う。
配慮される人の分...続きを読む
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