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ブレイクダウン
若き小隊長と怪物級無敵男の最強バディが駆け抜ける、 壮絶アクション×驚愕の国際謀略エンターテインメント! 舞台は2001年、日本最東端の小さな港町・枝室。 想像を絶する巨大な陰謀と最悪な戦争が待っていた──。 「戦争と国家が、このモンスターを生み、育てたのだ。」 杉江松恋氏、驚嘆! 「犯罪小説の読み手として至福の読書体験だった。 駆りたてられるように読み、物語が示す世界の破滅がいかに身近かを思い、しばし茫然とした。」 交通事故で兄を亡くした陸上自衛官の市瀬の官舎に、異相の大男・佐川が訪ねてくる。「あんたの兄弟は事故死じゃない。殺しだ」。不可解な死の謎を追う二人に次々と危険が迫り来る。元自衛官の芥川賞作家が放つ、大砲級のエンタメ超大作! -
掬えば手には
平均的な身長体重。勉強も運動もすべてが普通。 何の取り柄もないぼくはある日、人の心を読める力に気がついた。 おかげで口の悪い店長の下でも難なくアルバイトを続けているけれど、 新人の常盤さんだけは心を開いてくれなくて……。 他者の心に寄り添うひたむきな姿をだれもが応援したくなる、究極に優しい物語。 ***書店員さんから絶賛の声があふれた傑作*** ロングセラー『幸福な食卓』、 本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』、 映画化『夜明けのすべて』、 日本中の読者から愛される感動作の数々を紡ぐ著者による、優しいエールの物語。 【オムライス店NONNAのメンバー】 梨木匠(19)平凡なことが悩みの大学生。珍しくこの店で長続きしているバイト。 常盤冬香(21)看護学校2年生。なかなか心を開いてくれない。 大竹さん(39)口も態度も悪い困った店長。実は世話好き……? オムライス店NONNAのその後を描いたアフターデイズ2編を収録! -
天下の値段 享保のデリバティブ
江戸も令和も、国家の命運は米価で決す! 世界初の先物取引所で繰り広げられる、享保の知られざる米騒動――大坂商人vs.将軍吉宗。究極の頭脳戦の行方はいかに!? 時は江戸時代、天下の台所――大坂堂島には全国から米が集まり、日々、値が付けられ膨大な取引がされていた。特に盛んだったのが、先々の米価を扱う先物取引(デリバティブ)。商人たちは紙と筆と頭脳を用い、利鞘の多寡で泣いたり笑ったり。 一方の江戸では、将軍吉宗はじめ、幕閣たちは忸怩たる思いを抱いていた。米価の変動はすなわち武士の年貢収入の変動であり、あろうことか、それらを商人たちが汗もかかず、意のままに決めている。そんな不実の商いは許すまじ、と堂島を支配すべく動き出すのだが……。 市場の自治を守らんとする大坂商人たちと、武士の誇り(とお金)を懸けた江戸幕府との究極の頭脳戦! -
ギプス
------ 人は他人を完全に理解することなどできない。でも、あなたの傷が癒えるまで守ることはできる。 心のギプスを求めるあなたへの物語。 ――あさのあつこ 滑稽で醜い、むきだしの自分も、悪いものじゃない。 そう心から感じさせてくれる物語に、初めて会いました。 ――彩瀬まる ------ 間宮朔子はすべてをあきらめている。 「若い女の子」の役割をまっとうするだけの職場、善良だが気が合わない実家の家族、なにより、なんの魅力もとりえもない自分のことを。 無難にやり過ごしていた日常に飛び込んできたのは、中学の同級生・あさひの姉を名乗る女性だった。 あさひがいなくなったので一緒に捜してほしいという。 親友だったはずの彼女とは、ずっと連絡をとっていない。 裏切られて、早く忘れてしまいたいのに、ふと思い浮かべてしまう存在――それがあさひだ。 -
夜明けまでに誰かが
高校生のレッドは、キャンピングカーで友人3人、お目付け役の大学生2人と春休みの旅行に出かけていた。だが人里離れた場所で車がパンク。携帯の電波は届かない。そして何者かに狙撃され、残りのタイヤと燃料タンクを撃ち抜かれてしまう。午前零時、サイドミラーにかけられたトランシーバーで、狙撃者から連絡が。その人物は6人のうちのひとりが秘密をかかえている、命が惜しければそれを明かせと要求してきた。制限時間は夜明けまで。閉ざされた空間で展開される極限の探り合いと謎解き。『自由研究には向かない殺人』の著者の新たな傑作!/解説=大矢博子 -
粒と棘
ある男は、上海から空輸されたダイヤモンドの行方をめぐって追手から逃げる――飛行士として空を駆けた日々に思いを馳せながら。ある少年は、みずからと似た境遇の浮浪児を集めて地方の農家に身売りする――それが彼らにとっての幸福に違いないと信じながら。ある女は、紙芝居の出版社で働く傍ら許婚とともに義兄の帰りを待ち続ける――父のいなくなったこの国で自由とは何か悩みながら。一九四五年、第二次世界大戦の終結とともに被占領国となった日本の状況は一変した。あらゆるものを失い、時に犯罪に手を染めてもなお、生きるために人々はもがく。惨めにも、時に気高く。占領と復興の十年を駆け抜けた名もなき人々の生を描破する珠玉の六編。/【目次】幽霊とダイヤモンド/少年の街/手紙/軍人の娘/幸運な男/何度でも -
ゼロ打ち
大和新聞の記者・片山は、選挙の取材中に「ある都議会議員の不審死」を知り、懇意にしている刑事に探りを入れた。一方、国会議員のベテラン秘書の中村は、新人候補の大学教授の選挙応援に駆り出された。苦しい選挙戦のなか、本人の女性スキャンダルが拡散され──。「政治」と「カネ」と「犯罪」の深い闇。政界のタブーに昂然と斬り込んだ問題作、待望の文庫化。巻末に、著者と動画メディア「文藝春秋PLUS」編集長とのスリリングな特別対談を収録。(「ゼロ打ち」とは、選挙の開票開始直後、開票率0パーセントに近い時点で特定候補者の当選確実を報じること) -
天才望遠鏡
「将来の夢」を思い出せない全ての大人達へ 「才能を持った人間なんて、実はたくさんいる。でも、天才は違う。天才は、才能を見つけた連中が、一方的にそう名づけるんだ」 デビュー10年。爆発的に売れることはないけれど、きちんと締め切りを守り、編集者に無理難題を押し付けずに着実に仕事をこなす作家・星原イチタカ。一方、同期デビューの釘宮志津馬は偏屈で横暴であることを自覚しながらも、大人気作家であることから周囲に丁重に扱われることに対し憤りを感じている。イチタカの才能を軽んじる向きもある中、釘宮だけが彼の「天才」性を”観測”していた。 藤井聡太七冠の記録を塗り替え、史上最年少でプロ入りした中学生棋士、タピオカミルクティーの味もマカロンの味も知らない、かつての「氷上の妖精」、気がつかぬままに抜群の歌声を持ち、オーディションを駆け上がる天才中学生……。 描かれるのは5人の天才たち。彼らと、彼らを観測し続けた人々の姿が紡がれる連作短編集。 【目次】 星の盤側 妖精の引き際 エスペランサの子供たち カケルの蹄音 星原の観測者 -
リボンちゃん
“距離感”を描き続けてきた著者の最高傑作 光浦靖子さん推薦! 「針は心のあるべき場所に導いてくれる。大袈裟に言えば救い、手芸らしく地味に言えば楽しいからねえ」 街の小さなテーラーを舞台に、しなやかに生きる力をくれる物語。 ☆デビュー10周年記念作品☆ あらすじ:幼い頃から可愛いものが大好きで、頭のリボンがトレードマークの百花。”よくわかんない店”で働きながら、マイペースに日々を過ごす彼女は、あるとき伯母の加代子が営むテーラーを手伝うことになる。女性であることを理由に、紳士服を作ることが許されなかった加代子は、夫亡き後、日用品を中心に製作しているが、あるとき「下着のリメイク」の依頼が届き、手芸好きの百花の力を借りることにしたのだった。 下着にまつわる固定観念を軽やかにすり抜け、読む人の心をそっと解きほぐす物語。 -
晩年 アニメカバー版
≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」放送記念! アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!通常表紙版と内容が同じ商品です。ご注意ください。≫自殺を前提に遺書のつもりで名付けた、第一創作集。”撰ばれてあることの 恍惚と不安と 二つわれにあり”というヴェルレエヌのエピグラフで始まる「葉」、少年時代を感受性豊かに描いた「思い出」など15篇。<「文豪ストレイドッグス」シリーズとは>中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、横浜を舞台に「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクション。 -
給水塔から見た虹は
あなたと私は違う。だから、一緒にいよう――。 『ふがいない僕は空を見た』『夜に星を放つ』の著者が、今を生きる人々に贈る感動作。 【各界からの反響続々!】 なんて誠実な小説なのだろう。今、この時代に、この本と出会えてよかった。――武田綾乃(作家) 白か黒かでしか断じない、この時代に絶対に有効な“あわい”の物語。――早見和真(作家) 何度も胸が潰されそうに痛かった。彼らの日々に、どうか幾重にも虹がかかりますように。――町田そのこ(作家) その人の涙のわけを知らない。分からない。けど私たちは何かを思うことが出来るから見つめながら目を逸らさずに、あなたの話を聞きたい。――山本奈衣瑠(俳優) 【あらすじ】 中学二年生の桐乃は、団地での暮らしに憂いていた。 郊外にある古い団地群には、様々な国にルーツを持つ人が生活している。そのせいか桐乃のクラスは衝突が絶えず、ベトナム人のクラスメイト・ヒュウがいじめの標的になっていたのだ。 家に帰っても、母の里穂は団地に住む人々を国籍問わず日夜助けており、「娘の私より、他人を優先するんだ」という思いがどうしても消えない。この場所で生活することに対する桐乃の嫌悪感は、日々強まっていく。 そんな中、中学校で起きたとある出来事をきっかけに、桐乃はヒュウと話すようになる。ヒュウは、理由は違えども、桐乃と全く同じことを望んでいた。 「この団地から出て、遠くに行きたい」と。 はじめてできた友達、母とのすれ違い――。 桐乃・ヒュウ・里穂のそれぞれの視点から、社会に蔓延る様々な分断に翻弄される2人の“こども”が少しずつ“おとな”になるひと夏を描いた、ほろ苦くも大きな感動を呼ぶ、ある青春の逃避行。 【著者略歴】 窪 美澄(くぼ・みすみ) 1965年東京都生まれ。2009年「ミクマリ」で女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。また、同年に同作で山本周五郎賞を受賞。12年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞を受賞、19年『トリニティ』で織田作之助賞、22年『夜に星を放つ』で直木賞を受賞。他の著書に『夏日狂想』『タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『ルミネッセンス』『ぼくは青くて透明で』などがある。 -
前の家族
トラウマ級の結末!恐怖のマイホーム奇譚。 引越し後の鍵交換は、お済みです…よね? 中古マンションの購入から全ては始まった。 トラウマ級の結末が待ち受ける、芥川賞作家による恐怖のマイホーム奇譚。 三十七歳にしてマイホーム購入を思い立った小説家の猪瀬藍。気になるマンションへ内見に行くと、そこにはまだ、若い夫婦と幼い姉妹の小林一家が暮らしていた。彼らは十二年間住んだこの部屋を離れ、近くの新築一軒家に引っ越すという。 すっかり気に入った藍は購入を決意。リフォームも完了し、新生活を満喫していたある日、新居に小林姉妹が押しかけてくる。以来、食事やお泊まり会に招かれ、小林家との交流に甘美な幸福を感じる藍。だが、新居では奇妙な出来事が次々と起こり始め……。 日常を侵食していく不安と、衝撃の結末。芥川賞作家によるノンストップ・マイホーム奇譚。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『前の家族』 の文庫版となります。 -
廃集落のY家
どんどん怖さが増幅していくのに、続きが気になりすぎて、ページをめくる手が止められません。 背筋が凍りながら、最後に辿り着いた真実に、驚愕必至…! ホラーや、サスペンス、スリラーを、超越した壮絶な面白さでした!――紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん 怪談、ホラーで私の中で最高傑作を読んでしまった。あなたも読んで恐怖におびえてください。――くまざわ書店南千住店 鈴木康之さん とんっっっでもなく怖かったです…。遠坂八重さんって何者ですか。――紀伊國屋書店イトーヨーカドー木場店 宮澤紗恵子さん 発売前から大反響!恐怖、震撼、激賞の嵐。 『死んだら永遠に休めます』で話題沸騰中の著者が「恐怖」を全力で描き切った、渾身の書き下ろしホラーミステリ。 五感を震わす戦慄から抜け出せなくなる。謎が深まる怒涛の展開に一気読み必至。〈br〉令徳大学文学部一年生の小佐野菜乃は、新歓合宿で同学年の蓬萊倫也、泉秋久と出会う。三人ともオカルト好きという共通点で意気投合し、『怪異研究会』を立ち上げることになった。しかし、その後蓬莱が音信不通になり行方がわからなくなってしまう。泉がXで見つけた動画には、夜の草叢に首を微妙に傾けてまっすぐ立つ、蓬莱によく似た男性が映っていた。その動画が撮影されたと思われる場所へ蓬莱を探しに行った二人は、禍々しい黒い靄をまとった無機物のような彼の姿を目撃する。一方、菜乃のもとに、十八年前に起きた凄惨な事件に関する差出人不明のメールが届く。そして、泉と菜乃の身にも異変が起こり始める……。 -
ビスケット
<h2>韓国で共感の嵐!</h2> 「自分は存在感がない」と 感じたことのある すべての人へ贈る1冊です。 十代の投票により出版され、全世代に反響! 2024年韓国の全図書館の司書が選ぶ「今年の1冊」に選定! 世の中には誰からも相手にされなくなり、 存在感が消えて、 目に見えなくなってしまった人たちがいる。 ぼくには、 彼ら「ビスケット」が見える。 存在感を失い、誰にも気づかれずに生きる“ビスケット”。 壊れやすく、かすかな音や気配だけを残して、ひっそりと息をひそめている。 過敏な聴覚を使ってビスケットを見つけられる少年・ジェソン。 ある日、かすかな気配を感じ取り仲間たちと救出作戦を開始するが……。 見えない存在との不思議な交流と冒険の物語。 韓国ウィズダム・ハウス社 第1回ファンタジー文学賞・青少年分野大賞受賞 <審査にあたった十代の声> ☆ いつ自分の存在感が薄くなってしまうかわからない現代社会で、傷ついた人たちに慰めと希望のメッセージを伝えている。イ・チェユン、ナヌ中学校 ☆ 私の周りにもきっとビスケットはいる。ビスケットを見つけ出して話を聞いてくれる人、その存在をみんなに気付かせてくれる人が、現実にもいたらいいなと思った。キム・ジンソ、金海中央女子高等学校 ☆ 消えてしまいそうになっている子を、簡単に崩れてしまうビスケットと表現しているのが面白いと思った。彼らに差し出す小さな手が大きな力になることがあると気付かせてくれる本だった。ワン・ソヒョン、大田ハギ中学校 ☆ 自分と自分の周囲の人たちに関心を持つことの大切さを教えてくれた。イス、ハンシン小学校 ☆ 誰でもビスケットの段階を一度は経験するのかもしれない。 ビスケットを救い出す奮闘に、私も一緒に自分の中の自尊心を呼び起こしてもらった。ヤン・ヒョンジ、チャンアン中学校 ☆ 存在感について悩むことが多い私たち若い世代の力になってくれる本。ハン・アヒョン、ヨッコク中学校 ☆ どこにでもいそうな主人公と友人たち。後半、私もビスケットを助け出すヒーローになったような気分で、本から手が離せなかった。チョン・スアン、ソハ高等学校 -
この声が届くまで
<あらすじ> ある日突然、仲間が脱退した。 10年以上一緒にやってきた。あんなに、楽しかったのに。みんなで、同じ夢を見ていたはずなのに。 学生時代からの仲間である龍、ヒロト、誠一郎、毅志で組んだバンド「zion(シオン)」は窮地に立たされていた。鳴かず飛ばずで活動して10年、タイムリミットが近づいていた。マネージャーの光、幼馴染の七海とともに最後の望みをかけ、メンバーは一念発起する。 時代にそぐわない個性、メンバー同士の思いのぶつかり合い、そして理不尽な逆境。「zionのメンバーで武道館に立つ」という夢を叶えるため、彼らは何を考え、どう努力し、成長するのか? 「ここで諦めたくねぇんだ! まだ自分の夢を諦めたくねぇんだ。俺はお前らと……他の誰でもねぇ! お前らと! やっぱりテッペン目指したい」(本書より引用) ーーーーーーー 構想から約10年。アイドルとして一線に立ち続けてきた上田竜也だからこそ描けた ステージに立ち続ける者のリアル。 このフィクションの向こうに、初めて知る"真実"があるかもしれない。 <刊行にあたって著者コメント> この物語は約10年前から書き始めました。当時、グループの3人目の脱退が決まった時期でした。今後のグループのために、KAT-TUNのメンバーとして自分がもっと何かやれることはないか?と思い、「物語」を描くという形で、自分の想いを表現して、演じてみようと思ったんです。小説にするなど決める前に、とにかく書き始めました。 大切にしてきたグループは幕を閉じてしまいましたが、この本には僕がずっと感じてきた仲間のあり方、実現していきたかった夢が込められています。うまくいかないことがたくさんあるこの世の中で、登場人物たちはたくさんの課題にぶつかり、悩み、もがき、仲間と乗り越えようと進んでいきます。この物語が皆さんの心に寄り添い、力になれたら嬉しいです。そして、その力が多くの方に広がっていきますように。 -
八月の母
『イノセント・デイズ』を今一度書く。そして「超える」がテーマでした。僕自身はその確信を得ています――早見和真 長い間歪み続けた愛や母性の歴史、地層のように積み重なる闇に確かな兆しを探し続けた。神なるものへの幻想と呪縛を解き放つ祈りとその熱に、心が確かに蠢いた。――池松壮亮(俳優) 私も命を繋いでいく役目を担うのだろうか。微かな光と絶望に怯えながら、夢中で読み進めた。どうしようもない日々に、早見さんはいつだって、隣で一緒に座り込んでくれるんだ。――長濱ねる(タレント) 自分の奥底に隠しておきたい暗い何かをわかってくれている、という書き手がこの世に一人でもいること。そのことに救われ、気持ちが軽くなる読者は少なくはない。――窪美澄(小説家) 容赦などまるでない。「母」にこだわる作家が、母という絶対性に対峙した。確かなものなど何ひとつない世の中で、早見和真は正しい光を見つけようとしている。その試みには、当然異様な熱が帯びる。――石井裕也(映画監督) ラストに現れるヒロインの強い覚悟と意思の力に、私たちは元気づけられる。辛く暗く苦しい話だが、そういう発見があるかぎり、小説はまだまだ捨てたものではない。――北上次郎(書評家)(「カドブン」書評より抜粋) 八月は、血の匂いがする――。愛媛県伊予市に生まれた越智エリカは、この街から出ていきたいと強く願っていた。男は信用できない。友人や教師でさえも、エリカを前に我を失った。スナックを営む母に囚われ、蟻地獄の中でもがくエリカは、予期せず娘を授かるが……。あの夏、あの団地の一室で何が起きたのか。嫉妬と執着、まやかしの「母性」が生み出した忌まわしい事件。その果てに煌めく一筋の光を描いた「母娘」の物語。 -
工房の季節
何度も作り直せばいい。器を焼くことは、心に明かりを灯すようなもの。 テレビ局の放送作家の仕事を突然辞めるはめになった30歳のジョンミンは、何ヵ月も抜け殻のようになり家に引きこもっていた。 ある日久しぶりに外に出て、歩いているうち、彼女はカフェと間違えて陶芸工房の扉を開ける。突然現れたジョンミンに、工房の主ジョヒは珈琲をふるまう。コーヒーのおいしさのわけは器にある、自分で作ってみない? というジョヒの誘いを受け、ジョンミンは陶芸教室に通い始める。 土の匂い、手を動かしてものを作る喜び、人懐こい猫、年代も悩みもさまざまな仲間たち。自分に向き合い、人生を見つけていくということ……。工房を舞台に繰り広げられる癒しと希望の物語。 手を動かすこと食べること。それが、力をくれる。 -
へびつかい座の見えない夜
地方の不動産会社で働く瑞季は、鬱屈した日常の中、自分だけの小さな楽しみとして「アルパカのヤスオ」のキーホルダーをひそかに集めている。ところが、孤高を貫いて怖がられている先輩社員の今泉さんとの意外な共通点やささやかな交流を通じて、瑞季の心に少しずつ変化が訪れる――表題作をはじめ、誰かにとっては価値のないものを大事に集める人と、その心を汲み取ろうとする人たち。そんな彼・彼女たちが、ぎこちないながらも心を通わせていく姿を優しく綴った、五つの物語からなる愛おしい短編集。/【目次】梅雨が来る前に/きみは湖/トカゲのいる闇/ハマエンドウが咲いていた/へびつかい座の見えない夜 -
Dr.グレーゾーン
雑居ビルの一室にある完全紹介制のクリニック。そこを訪れるのは、教師、議員、作家……といった「先生」ばかり。悩み疲れて、人生に迷う彼らに現代医療の“グレーゾーン”を巧みに渡り歩く医師が手を差し伸べる。 天才でも、善人でもない。患者を選り好み、型破りな診療を貫く彼は命の恩人か詐欺師か。しんどい心にじわっと効く医療脇道エンタメ小説。 【目次】 相談1 あいつさえいなくなれば 中学校教諭 相談2 新しい自分になりたいです 区議会議員 相談3 医者に向いてないんだね 内科医 相談4 認知症ってことにできませんか 作家 相談5 寿命を延ばしていただきたい 会社理事長 -
終活中毒
最高の最期(エンディング)のはずが、まさかのどんでん返し!? 残された人生の時間、あなたはどう生きる? 遺言、片付け、夢への挑戦…人生でやり残したことは? 余命わずかの時間をSDGs活動につぎ込む資産家の妻。一日も早く死んでほしいと願う若い夫だが、思いもよらぬ誤算が…(「SDGsな終活」)。 妻の三回忌が近づいたある日、家を出て疎遠になっていた息子が突然帰ってきた…(「最後の終活」)。 ゾッとする終活、理想的な終活、人生を賭けた終活…4人の〈終活〉に待ち受ける衝撃&感涙のサプライズの四編。 (収録作) 「SDGsな終活」 「最後の終活」 「小説家の終活」 「お笑いの死神」 そもそも人生では、予想外の出来事にいろいろ遭うのが普通なのだ。 どの物語もアイデアが卓抜で、アクロバティックなひねりが効いている。 主人公にも読者にも予測がつかない状態で展開し、着地がどうなるのか知りたくて、引き込まれる。 ――青木千恵(書評家・解説より) -
待ち合わせは、闇の中
呪霊の誘いから、逃げられない。戻れない。 怪異ハンター・はやせ、絶体絶命—— 累計3万部突破の 怪異ハンター・はやせシリーズ最新刊。 人に禍をもたらすといわれる「呪物」や、 さまざまな地域で「怪異譚」を蒐集する怪異ハンター・はやせ。 人から怪異という“闇”を引き取ることで、 自分は“黒く”なり、相手の心はまるで祓われたように“白く”なる——。 ただし、どんなに呪いを取り込んでもまったく影響を受けない。 そんな、はやせだったが……。 背筋が凍るすべて実話の ホラー・エンターテインメント、六話収録。 美しい容姿の紗栄子は、 高校時代のクラスメイトが自殺したダムで コックリさんをして、霊を呼び出す。 とんでもなく胸糞悪いその原因と結末とは?(ダムでコックリさん) アメリカから届いた絵を手にしてから、心身の不調を抱えるようになる。 “全部祓える”という人物からも 「おまえはもう死ぬ」と言われ—— はやせ最大のピンチ、どう切り抜けるのか?(人形の絵) なぜ、最悪な状況に陥っても、 呪いや怪異という“闇”を取り込み続けるのか? 怪異ハンター・はやせのその秘密とは——。 終章に、怪奇ユニット「都市ボーイズ」の 相方・岸本誠氏による「はやせという男」を収録。 【目次より】 序章 待ち合わせは、闇の中 一 ダムでコックリさん 二 人形の絵 三 一〇〇年以上前の未知との遭遇 四 五件目の事故物件 五 地獄井戸 六 幸せのおまじない 終章 はやせという男 岸本 誠(都市ボーイズ) -
領怪神犯
この世には善とも悪とも呼べない、理解不能な神がいる。 毎年身体の一部が村に降ってくる神、不老不死の夢を見せる神、あらゆる事象の辻褄合わせをさせる神、一切の記録がなくただ信仰だけが残る神――。 理解もできず根本的な対処もできない、だが確かに日本各地で起こり、人々の平穏を脅かす現象は「領怪神犯」と呼ばれている。 公的機関として密かに存在する「領怪神犯特別調査課」に所属する片岸は、部下である女性調査員の宮木と、各地から報告される「領怪神犯」の調査と対処に当たっている。 奇怪で危険な様々な神による超常現象、時にはそれらの神を崇める危険な人間たちとも対峙しながら、片岸は調査を進めていく中で失踪した妻の痕跡を見つけ出そうとする。 だがそれは、「領怪神犯」のある恐ろしい真実に触れることにもつながっていき――? -
#ニーナに何があったのか?
「彼氏が殺した」 「継父が怪しい」 「炎上狙いの自作自演」 ある日、忽然と姿を消した女子大学生。 SNSで増幅する疑惑が狂気に変わる―― 全豪1位ノンストップミステリー! これまで読んだなかで最高のスリラーのひとつ。 「人は我が子のためにどこまでやれるのか」を容赦なく描き、深く考えさせられる。――ドン・ウィンズロウ(作家) NYタイムズ紙のThe Best Thriller Novels of 2024! 休暇中に山間の別荘を訪れた大学生、ニーナとサイモン。だが帰ってきたのはサイモンだけ。別れ話になり先に帰宅したと言うが、挙動不審なうえ、その後ニーナの姿を見た者はいない。謎が深まるなか、一方の親は記者会見で捜索を訴え、他方は息子を守るべく大金でPR会社を雇って対抗する。サイモンが殺した、自作自演だ、親が怪しい……憶測と誹謗中傷の嵐の先に暴かれたのは恐るべき真実で――。 -
流星と吐き気
☆『死んだ山田と教室』で2025年本屋大賞にノミネートされた著者が送る”嫌愛”短編集。 登場人物は皆、身勝手でクズ。でも、そこに人間の本質があるーー。 ・偶然の再会を「運命」と勘違いして、安全圏から告白をしようとするアーティスト。――流星と吐き気 ・アニメにもなった作品の主人公のモデルは自分? サイン会で作者が元カレか確かめる高校教師。――リビングデッドの呼び声 ・担当編集者に振られたにもかかわらず、才能は認められていて作品だけで繫がっている人気漫画家。――種 ・昔付き合っていた彼女から独り言のようなLINEが送られてきて、死を仄めかされた編集者。――消えない ・かつて旅行先で意気投合した男性が偶然お客さんとなり舞い上がるレンタル彼女。――プラネリウム 仄暗い気持ちが過去を呼び戻してしまう5人の物語。 -
魔女の館の殺人
この謎から、脱出せよ。 山奥の洋館で始まった 〈脱出ゲーム〉という名の怪奇殺人―― 理系×文系の大学生コンビが挑む リアル謎解きミステリー! 進藤理人は理学部に通う大学二年生。ルームメイトの柏木詩文とは、性格こそ正反対ながら「謎解き」という共通の趣味があり馬が合う。ある日二人は山奥の洋館で催される脱出ゲームに参加することに。だがその最中、何者かの焼死体が館内で見つかった。戦慄のなか、やがて次の犠牲者が……。館を出られる条件は唯ひとつ、九つの謎を解くこと――「殺人(マーダー)」×「謎解き(リドル)」の読者参加型ミステリー! 解説:若林 踏 -
現代生活独習ノート
「リフレッシュ休暇をもらったが、もはや私にはリフレッシュする気力自体が残っていなかったのだった。」 入社希望の学生のSNSチェックに疲れ果てた会社員。代々続く母と娘の台所戦争。遅れても許せてしまうことが美点のロバによる配送サービス……。膨大な情報の摂取と判断に疲れてしまった現代人の生活に寄り添うやさしさと、明日を生きるための元気をくれるユーモア満載! 味気ない日々をゆるゆると肯定し、現代人の張りつめた心をゆるめる短編集。 「もう何もしたくないという切実な本音に寄り添ってくれる稀有な小説」――金原ひとみ 本屋大賞2位『水車小屋のネネ』、Xで何度もバズった芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』など、 書店&SNSで話題を集める著者による、「脱力系」日常譚の真骨頂! -
僕の悲しみで君は跳んでくれ
18歳の時に “あいつ”が放った光を、もう一度見たい。「その一瞬」のために始まった青春の延長戦は、あまりにも――。 読んだら、誰かを“応援”したくなる! 全ての人の感動スイッチを押す、胸アツ青春小説。 私たちは今、壮平君が歌った未来にいる――。 札幌で高校時代を過ごした仲間たちには、共通した「忘れられない瞬間」がある。学校祭の中庭のステージで見た、瀬川壮平の姿だ。 当時の仲間たちが同窓会と称して集まっていたある日、母校の中庭が無くなるというニュースが。 もう一度、あの場所で壮平を見たい! しかし、東京でプロの活動を始めた壮平のステージは果たして実現するのか? 10代を共に過ごした仲間と、もう一度青春することはできるのか? 掴めそうで手放してしまった「欲しかった未来」に、もう一度手を伸ばしてもいいのか? 大人になってなんとなく流されていく日々に、「あのとき感じた希望の感触」が蘇る! ~~31文字の制限中で「その瞬間」を短歌というドラマにしてきた著者が、ついに挑んだ、渾身の長編小説。 -
若葉荘の暮らし
40歳以上独身女性限定の若葉荘へようこそ! 「ここ数年で私たちの誰もが味わった痛みを、癒しのシェアハウスが包み込んでくれる…… こんな場所に住みたい、いや、こんな場所で死にたいと思った」 原田ひ香さん、絶賛! そこは、「ひとり」で生きることを支えてくれる 40歳以上独身女性限定のシェアハウス。 40歳を迎えたミチルは、小さな洋食屋「アネモネ」でアルバイト店員をしている。仕事は気に入っているものの、世界に蔓延する感染症の影響で収入が激減。いつか元通りになると信じ貯金を取り崩しながら生活していたが、いよいよ転居を余儀なくされてしまう……。 そんなミチルを温かく迎えてくれたのは、40歳以上独身女性限定のシェアハウス「若葉荘」だった。それぞれ事情を抱える女性たちが、迷いながらもたくましく生きる様を見て、ミチルは自分の幸せを、他の誰でもない自分で叶える術を身につけていく。 「明日」が不安なあなたへ。寄り添い、勇気をくれる物語。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『若葉荘の暮らし』 の文庫版となります。 -
大正浪漫乙女恋譚抄
華麗なるモガの時代に、誰に虐げられようとも自らの幸せをつかもうと、たくましく、美しく、前向きに生きた麗しい4人の乙女の物語。 ・・・・・ 人気作家たちが、文明花開くモダンな時代を舞台に描く、恋愛アンソロジー。 家族に愛されず、孤独と絶望を抱える4人の主人公――実家の百貨店で使用人のように働かされている静香(天花寺さやか「帝都百貨店の職業女史」) 、生まれた時から心臓が弱く出来損ないと罵られている雛子(卯月みか「朱雀が紡ぐ恋」) 、家族の誰よりも背が高く美しいゆえに誰からも虐げられている高子(みちふむ「将官と男装令嬢の恋」) 、実の両親と死に別れ養子に入った先で半ば幽閉されているかのように暮らす紡希(望月麻衣「龍神様の許嫁」) 。 苦しい境遇でも、けなげに誠実に生きる彼女たちの前に現れたのは……? 胸の高鳴りが止まらない! 乙女たちの運命の恋物語。 目次 天花寺さやか「帝都百貨店の職業女史(モダンガール)」 卯月みか「朱雀が紡ぐ恋」 みちふむ「将官と男装令嬢の恋」 望月麻衣「龍神様の許嫁」 装幀 坂野公一(welle design) 装画 マツオヒロミ「恋の予感」 -
炒飯狙撃手
炒飯(チャーハン)の名手にして一流のスナイパーと、定年退職12日前の刑事。 暗殺事件の裏に隠された陰謀とは――。 世界中で話題沸騰、台湾発の謀略スリラー! イタリアの小さな炒飯店で腕を振るう台湾の潜伏工作員、小艾はある日命令を受け、ローマで標的の東洋人を射殺する。だが根城に戻ったところを何者かに襲撃され、命を狙われる身に。一方、定年退職を12日後に控えた刑事老伍は、台湾で発生した海軍士官と陸軍士官の連続不審死を追っていた。やがて遺体に彫られた“家”という刺青が二つの事件をつなげ――。背後に蠢く巨大な陰謀とは!? -
腕が鳴る
どんな部屋に住みたいか。 それは、自分の人生を見直すことでもございます。 片付けが、わたくしの使命―― スゴ腕の整理収納アドバイザーが、 驚きのアイデアで散らかった部屋と人生を大そうじ! 人生の棚卸し小説。 夫に先立たれ一人暮らしのタカ子は、ついモノを買い込んで、気づけば家は散らかり放題。整理収納アドバイザーの中村真穂に片付けを依頼すると、棚の奥からタカ子の編んだ大量のセーターが現れた。 タカ子は迷わず「捨てる」と言ったのだが……亡き夫の愛とタカ子の再出発を描く「買い過ぎた家」のほか、クセは強いが腕は確かな整理収納アドバイザーの、人生をも整えるお片付け連作小説。 -
スタッフロール
私たちは映画に魔法をかける 『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』著者が放つ、 才能や評価で悩んだことのある、すべての人へ贈る物語 圧巻のエンターテインメント長篇! 【あらすじ】 1980年代のハリウッド、圧倒的に男性優位な映画界で もがき奮闘する特殊造形師のマチルダ。 現代ロンドンで、ある出来事をきっかけに 自分の才能を見失い葛藤する CGクリエイターのヴィヴ。 映画の特殊効果に魅せられた二人の人生が 一本の映画を通じて繋がり合う。 創作者の情熱と苦悩を、リアルかつ力強く描いた直木賞候補作。 文庫化にあたり、2024年にアカデミー賞〈視覚効果賞〉を受賞した 『ゴジラ-1.0』などについて熱く語った「文庫版あとがき」を収録。 単行本 2022年4月 文藝春秋刊 文庫版 2025年3月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
人生劇場
『ラブレス』『ホテルローヤル』等、家族の光と闇を描き続ける直木賞作家・桜木紫乃のルーツ! 夢に生き、夢に死ね―― 昭和の北海道。 己の城を求め、男は見果てぬ夢を追う。 【著者コメント】 書きながら改めて、生きることは滑稽だと感じました。 滑稽でいいと思うところまで、書けた気がします。 やせ我慢人生を歩いてきたすべての先人に、愛を込めて――人生劇場。 何もかもが赤く染まった鉄鉱の町・室蘭。 四人兄弟の次男に生まれた猛夫は、兄にいじめられ、母には冷たくあしらわれながら日々を過ごしていた。 心のよりどころは食堂と旅館を営む伯母のカツ。やがて猛夫はカツのもとで育てられることになる。 中学卒業後、理容師を目指し札幌に出た猛夫だが、挫折して室蘭に帰る。 常に劣等感を抱えるようになった猛夫は、いつか大きくなって皆を見返してやりたいと思うように。 理容師として独立、ラブホテル経営と、届かぬ夢だけを追い続けた男の行く末は。 自身の父親をモデルに、直木賞作家・桜木紫乃が北の大地で生きる家族の光と闇を描く。 【目次】 一章 鉄の町 二章 修業 三章 別れ 四章 長男 五章 夫婦 六章 闘い 七章 新天地 八章 落城 -
ディア・オールド・ニュータウン
町も変わる。人も変わる。 変わることは、始まることだ。 「歳をとったニュータウン。オールド・ニュータウン。 おれが育った町。離れて、戻った町。離れる前よりは根づけたような気がする」 母が亡くなったことを機に会社をやめ、父が遺した日本そば屋を継いだ鳴樹。父の時代にやっていなかった出前サービスで商機を見いだそうとした鳴樹は、幼なじみの小枝に声をかける。気持ちを新たに二人で再開した『ささはら』には、徐々に客も増えてきた。そんなある日、出前先で再会した顔見知りの和太は少しヤンチャな青年になっていた。どこか気にかかる鳴樹は、和太にある提案をしてみるのだが――。この町に暮らし、さまざまな結びつきを持つ人々が織りなす、心に染み入る人間模様。 -
〈刑事トム・バビロン〉シリーズ
2019年2月。ベルリン国際映画祭の開会式場に悲鳴が響き渡った。オープニングで、女性が殺害される瞬間を撮った予定外の映像が上映されたのだ。金髪の女性が何者かに襲われ、大きな釘で心臓をひと突きされていた。しかも、彼女は市長の娘で女優の卵だと判明。映像はあまりにもリアルで、目出し帽の人物が上映を強要したという。トム・バビロン刑事は捜査を始めるが、相棒の臨床心理士のジータは、映像内の壁に残されていた「19」に自分との共通点を見つけて戦慄する。そして新たな惨劇が!『17の鍵』につづく、疾走感抜群のシリーズ第2弾。/解説=吉野仁 -
0能者ミナト
科学が隆盛を極める現代。だが、その片隅にひっそりと息づく異形のものたちがいた。存在を知る一部の者たちは、それを 「怪異」 と呼んだ。 当然、怪異を相手にする生業もある。修験者、法力僧、呼ばれ方は様々だが、その中でひと際変わった青年がいた。九条湊── どこか斜に構えたクセのある青年だが、彼が同業者から疎まれているのはそこではない。霊力、法力、神通力、彼はそんな力を一切持っていない。それにもかかわらず怪異を倒すという。その手腕は驚くべきものだった──。 -
春はまた来る
「被害に遭っても仕方ない人」なんて、いない。 山内マリコさん推薦! 「新時代のヒロインは女子を分断するシステムからも、理知的に脱却してみせるのだ!」 「着飾ってばかりの女子大生」が、性被害に遭った。 「おしゃれに興味のない理系女子」が考えた復讐方法とは。 名門大の理工学部に通う順子は、大学二年の春、高校の同級生で女子大に通う紗奈と再会する。高校生の時は「上」の人間だった紗奈と、「下」の人間だった順子は話したこともなかったが、不思議と二人の間には友情が芽生える。インカレサークルで「高学歴」男子と交流する紗奈が、ある日性被害に遭い――。 せめて私たちだけは、ずっとお互いの味方でいよう。 注目の作家が描く、ボーダー超越系友情小説。 -
英国貴族の本棚
18世紀ロンドン郊外。40歳の誕生日をむかえたティファニーは独身で、異母兄の世話をして暮らしていた。横柄に振る舞う彼のもと、お茶の缶には鍵がかけられ、昼食はなし、大好きな歌を歌うことも、本を読むことも制限される日々。そんなある朝、異母兄を起こしにいくと返事がない。日頃から体調が悪かった彼は、ベッドの上で息絶えていた。ようやく自由になれたかもしれないと思ったけれど、独身女性が就ける仕事はとても少ない。それにこの家は、異母兄のしていた公爵家の図書係という仕事のために、雇い主が貸してくれているものだ。このままでは住む家すらなくなってしまう……天涯孤独で行き先もないティファニーは悩み、大胆な決断を下す。それは、異母兄になりすまして、公爵家の図書係として働くことだった! -
妹が死んだ時の海亀
鬼才・朱雀門出が採話した奇絶怪絶な体験談の数々を 描きおろしの怪画と文で綴る魅惑の闇世界。 「人魚に殺(ころ)まされるからな」 盆の海に男が三人。 「××のようにならなければいいだけ」 おまえは何を撫でている……? 脳がザワツク奇怪な怪異蒐集録! 怖い話、幽霊の話に収まらぬ奇怪な体験談を取材し続ける朱雀門出の最新怪異録。 盆に船を出してはならない禁忌を好奇心で破った男が語る不気味な海の記憶…「妹が死んだ時の海亀」 夜の散歩で見かけた焚き火を囲む壺のようなもの。壺はぶつぶつと何かを喋り…「焚き火を囲む首」 姪がおじちゃんと呼ぶ視えない人。いつしか自分にも視えだしたソレが口にする不穏な言葉とは…「子供のお漬物」 幼い頃にさせられた異様な作業の記憶。箱にミニチュアの父母を詰めるというのだが…「報い箱」 ほか、全話に著者の怪画付き。 得体の知れない奇怪さに本能が舌なめずりをし、問答無用で惹きずりこまれる怪楽の65話収録! 平和な日常生活に飛び込んでくる、耳を疑う言葉。 思考を停止させるような異物感。 「人形の材料にイヌは適してないよ」 「鬼にワザマられやすいから」 「俺の〝水なんとか〟を掘り出せ」 「子供のお漬物がへれめてる」 「オヤコタワケめ!」 「蛇が喋るまで待ってくださいね」 奇妙な言葉の数々の裏に潜む不穏すぎる何か。 それが見えた時、恐怖はあぶくの如く弾けだす…… -
神様の本
現存する最古の日本語訳聖書を追い、その謎を紐解く古書店の女店主・栞子(三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」)、「ゴッド オブ 、神様 団子」と言い残して倒れた青年と、あるミステリー作家(似鳥航一「下町和菓子 栗丸堂」)、パパ活中の女子大生と『人間失格』(紅玉いづき「カミサマは待ちぼうけ」)、落ちぶれた元人気作家が「本の神様」に導かれ、宮沢賢治の物語世界に迷い込み……(「深夜0時の司書見習い」)、天国にある出版社が聖書の矛盾を修正すべく神の監修のもと奔走(杉井光「ハレルヤ出版編集部」)、光源氏の最期を記したといわれる『源氏物語』幻の帖「雲隠」を求め、神と御用人の良彦が大奔走!(浅葉なつ「神様の御用人」) 温かくほろりと泣けて、時にユーモラスで大胆。豪華執筆陣が「神×本」というテーマで紡ぐ、珠玉の6編。心満たされる至福のアンソロジー。 【参加作家一覧】 三上 延/似鳥航一/紅玉いづき/近江泉美/杉井光/浅葉なつ -
幻告
「僕の父親は無実だったのかーー?」 時空を超えた法廷で、奇跡を手に入れろ。 感動のタイムリープミステリー! 裁判所書記官として働く宇久井傑(うぐい・すぐる)。ある日、法廷で意識を失って目覚めると、そこは五年前――父親が有罪判決を受けた裁判のさなかだった。冤罪の可能性に気がついた傑は、タイムリープを繰り返しながら真相を探り始める。しかし、過去に影響を及ぼした分だけ、五年後の「今」が変容。親友を失い、さらに最悪の事態が傑を襲う。未来を懸けたタイムリープの果てに、傑が導く真実とは。リーガルミステリーの新星、圧巻の最高到達点! -
博士の長靴
ままならない天気も、家族も、人生も、すべてを慈しみながら、わたしは生きたい。 天気の研究に生涯をささげた藤巻博士。博士一家・四世代の歴史と、彼らとの出会いで変化していく人々の生きざまや家族の在り方を丁寧に描いた傑作連作短編小説。 『ありえないほどうるさいオルゴール店』の瀧羽麻子、新たな代表作。 -
あなたも名探偵
謎を愛し推理を愛する読者の皆様は、ここにある六つの小説の問題編を読んで、真相に辿り着けるでしょうか。事件を解決に導くために必要な手掛かりは、紙上の名探偵たち同様、既に手渡されています。冷静な観察と論理的思考、そしてすこしの想像力を駆使すれば、犯人を、そして小説の向こう側にいる作者をも出し抜くことができるかもしれません。謎を解き明かす愉しさを、どうぞ心ゆくまでご堪能ください。六人の推理作家からの挑戦状は、たった一行──犯人は誰か? 豪華作家陣の犯人当て小説アンソロジー。/【目次】市川憂人「赤鉛筆は要らない」雪の夜の邸宅で起きた殺人/米澤穂信「伯林あげぱんの謎」当たりのお菓子を食べたのはだれ?/東川篤哉「アリバイのある容疑者たち」容疑者全員に犯行不可能/麻耶雄嵩「紅葉の錦」異色にして正統の○○○+犯人当て/法月綸太郎「心理的瑕疵あり」事故物件をめぐって相次ぐ死の真相は/白井智之「尻の青い死体」ホラー映画の撮影中に起きた殺人 -
この密やかな森の奥で
――罪と罰と愛と苦悩について 過去にある罪を犯した元軍人のクーパーは、その罪から逃げるようにアパラチア山脈の山奥の一軒家で8年間、一人娘のフィンチとともに暮らしてきた。電気もない自給自足の生活は年に一度物資を届けてくれる親友のジェイクだけが頼りだが、その冬は何日経ってもジェイクが姿を見せず、数日後に現れたジェイクの妹マリーはその死を知らせる。さらにクーパーが森で見かけた少女が行方不明となっていることから保安官に質問を受けることになり、懸命に築き上げてきた静かな生活は少しずつ崩れていくが――罪と罰と愛と苦悩について考えさせられる重厚なサスペンス! 原題:These Silent Woods ◆この「静かな森」の中には、現代人が背負うべき罪と痛み、そして育むべき恵みがある。美しい文体と、詩的なノワール文学に、僕は恋をしてしまった。こんな善良なハードボイルドには、なかなか出逢えない。 /ゲームクリエイター 小島秀夫 ◆美しい文章で書かれた、緊迫感と迫力にあふれる作品 /ジョン・ハート(エドガー賞受賞作家) ◆「本作の美しい表現と、救いと希望というメッセージは、多くの人の心に響くだろう /パブリッシャーズ・ウィークリー 『ピープル』誌2021年11月のベストブック選出! 『ニューヨーク・ポスト』紙2021年11月の「読むべき新刊」選出! 米Amazon2021年11月「編集者が選ぶこの1冊」選出!
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