影に対して―母をめぐる物語―(新潮文庫)

影に対して―母をめぐる物語―(新潮文庫)

小説・文芸
649円 (税込)

3pt

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なぜ父と母は別れたのか。なぜあのとき、自分は母と一緒に住むと勇気を持って言えなかったのか。理由は何であれ、私が母を見捨てた事実には変わりはない――。完成しながらも手元に遺され、2020年に発見された表題作「影に対して」。破戒した神父と、人々に踏まれながらも、その足の下から人間をみつめている踏絵の基督を重ねる「影法師」など遠藤文学の鍵となる「母」を描いた傑作六編を収録。(解説・浅井まかて)

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    影に対して―母をめぐる物語―(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    1297562
  • 電子版発売日
    :
    2023年02月25日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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影に対して―母をめぐる物語―(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    本屋さんで目について。
    沈黙、海と毒薬より読みやすいかなと思って。

    出会えてよかった本。
    最初の方の短編は、終わり方があっけない。救われない。しんどい。

    でも、すごく静かに落ち着いている文章なのに、心にグッと迫ってくるような感じ。他の作品も読みたいと思った。

    0
    2025年08月31日

    Posted by ブクログ

    本書の巻頭に収録された表題作「影に対して」は、2020年に見つかった未発表の原稿を書籍化したという。早くに亡くした母への思慕が溢れ、逆に母と別れて平凡な人生を歩んできた父に屈折した感情を抱いている。

    0
    2026年06月05日

    Posted by ブクログ

    2026年共通テスト国語で出題されていたことをきっかけに興味を持ち、手に取った短編集。

    芸術の追求のために、我が子の手を払いのけることができた意志の強い女性——それが主人公の母だった。
    戦前の昭和には珍しく、家庭に馴染めず、離婚という道を選んだ母。
    幼い頃に植えつけられた寂しさ、慕情、後悔。
    そうした生々しい傷や感情を、主人公は無理に忘れ去ろうとするのではなく、向き合い、人生の傍らに置いたまま生きていこうとする。その姿が静かに描かれていたように思う。

    私が特に驚いたのは、母が遺した言葉である。
    「海の砂浜は歩きにくい。歩きにくいけれど、うしろをふりかえれば、自分の足あとが一つ一つ残っている。あなたも決して、(歩きやすいけれど足あとが残らない)アスファルトの道など歩くような、つまらぬ人生を送らないでください。」

    親とは、子に少しでも楽な人生を歩ませたいと願うものだと、私は当然のように思っていた。
    しかしこの母は違う。
    辛くとも、厳しくとも、生きている実感を得られる道を行けと言い切ってしまう。その強さこそが、子の心に烈しい爪痕を残した理由なのだろう、と腑に落ちた。

    もう一つ印象に残ったのは、主人公が恩師に宛てた手紙の一節である。
    「我々は、他人の人生の上にどのような痕跡を残し、どのような方向を知らずに与えているのか、気がつきませぬ。」
    自分の人生は、決して自分だけのものではない。
    そう突きつけるような、私にとっては思わず立ち止まらせる力のある一文だった。

    遠藤周作の作品は、テスト対策として名前だけは知っていても、実際に読んだことはなかった。
    この一冊をきっかけに、他の作品にも手を伸ばしてみたいと思う。この母の影を色濃く映した作品が、他にもあるらしい。

    0
    2026年02月15日

    Posted by ブクログ

    5よりの★4!!
    やはり遠藤さんの小説は面白い。
    自伝を読んでるのか、小説を読んでるのか、
    展開によって今までの作品の登場人物にも重なり、過去の作品を再読せんといかんか?
    と思わせてくれる作品でした。

    0
    2026年01月04日

    Posted by ブクログ

    短編集なので、読み易い。
    「沈黙」など、これまでに読んだ著作を思い浮かべながら読み進めていたが、最後の作品に辿り着いたときに、この本は心に残るな、っと実感した。
    見つかった未発表原稿をこの1冊にまとめた編集部と表紙の選択、そして薦めてくれた読書会のメンバーに感謝と拍手です。

    0
    2024年03月05日

    Posted by ブクログ

    文庫版解説で朝井まかて氏が、遠藤周作氏の別著作である「わたしが・棄てた・女」を読んだ時に「小説はここまで書くものなのか」と心を揺さぶられた、と印象を語っているが、著者の死後に発見されたという今作に対しても、当てる角度は異なれどまさしくその表現がふさわしい、と私は思った。
    私小説、とまでは言えないとしても、自身とその家族がモデルであることは自明であるこの「影に対して」には、文字通り愛憎入り混じったどうにも昇華しきれぬ澱のようなどろりとした感情が塗り込められている。
    できれば人に知られたくない、あるいは自らが思い起こしたくもないであろう過去やそれにまつわる自身の想い、それらを曝露することこそは、紛れもなく文学の一つの形であるに違いない。
    本書には表題作の他、"母"を巡り関連する既作が幾つか編まれている。
    どうして本作のみが生前未発表であったのか、本当の理由は今となっては分からないが、それらと比較し、通底するものとそうでないものとを慮ってみるのも、読み手の醍醐味の一つかもしれない。

    0
    2023年04月13日

    Posted by ブクログ

     人が生きる上で母親に対して何かをしたいという想いは、大きな比重を占めているものだと思います。でもそのことを他人に素直に言うことはなかなかできないのです。遠藤周作が、生きている間に発表しなかった心情はとてもよくわかるような気がします。彼がキリスト教信者でい続けたのも、母親がそうだったからであり、そうでなかったらきっとキリシタンではなかったのだろうし、何度もキリシタンをやめようと思ったけれども、母親が一生懸命に信じた宗教だからそれを捨てることはできなかったのだ。
     そんな遠藤周作が母について書いた小説だ。きっとこれ以上突っ込むのが怖かったのだと思いました。

    0
    2024年02月22日

    Posted by ブクログ

    見知らぬ土地からでも飼い主のいる家へ戻っていく雑種犬のように、母という存在は死ぬまで薄れず心の原点になる。低く広がり続ける冬の雲のようでもあり、呪縛のような烈しいものでもあるらしい。
    没後発表の貴重な一作でした。

    0
    2024年01月25日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    母と父、そして信仰を書いた6篇。
    いくつもの心理描写に圧倒された。全体からとても陰鬱な空気が漂っているのに、この本質を捉えたような文章が無理なくスッと心に入ってくる。子ども目線の話も、大人目線の話もどれも読みやすかった。
    主人公は、厳しく烈しかった母を美化してしまう気持ちを持っているのに対して、父には冷ややかな視線を向けていた。この点は共通しているけれど、細かな設定は短編ごとに少しずつ違っている。
    自身の経験が創作の元になっていることは確かだろう。でも物語をどう膨らませていくかは、ほかにも沢山の可能性があるのだなと思わされた。作品として昇華されるというのはこういうことなのかもしれない。未発表であった理由はわからないが、この作品を読めてよかった。

    0
    2024年11月12日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    時代だとは思いますが、女性の立ち場が無い。
    現東京藝術大学を卒業した母が、ヴァイオリンばかり練習していて家庭のことを顧みないと思ってる夫、
    主人公が入院したときに、子どもをちゃんと面倒みてないから入院したんでしょ?と思い込む伯母、
    病院のベッド脇で左指だけでもバイオリンの練習をする母見て、怒りだす主人公。
    主人公の退院後、まったくバイオリンを弾かなくなった母を見て、夫は満足そうにしていたが、結局両親は離婚。精神を病む母。
    満州から帰国後も、バイオリン指導が厳しすぎて仕事をやめされられた母。

    誰も救われない。

    父親が酷い。主人公を父の元か、母の元、どちらに住むか選ばせるようでいて、半強制的。
    そのくせ選ばせるように確認するから、どちらかを選べばどちらかを捨てると考えてしまうように思う。
    子どもにそんな残酷な選択をさせてはいけないように思う。

    成長した主人公も、妻に対して着物を売ればいいとか言うなんて酷い。

    でも、ここまで書いておいて、遠藤周作の未発表作品を読めて嬉しいとも思う。

    0
    2026年03月11日

影に対して―母をめぐる物語―(新潮文庫) の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    影に対して―母をめぐる物語―(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    1297562
  • 電子版発売日
    :
    2023年02月25日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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