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井上順さん絶賛、米国1位の傑作サスペンス。
ある日忽然と姿を消した、いじめられっ子の女子高生ナオミ。冠番組も持つ豪腕弁護士のヘスターは、ナオミの同級生である孫のマシュウから、彼女の行方を捜してほしいと相談を受けた。何かを隠しているようなマシュウの態度を訝しみつつも、ヘスターは孫のために尽力を約束する。そんな彼女が協力を仰いだのは、幼い頃にたった独り森で育ったという過去を持つ、謎多き天才調査員ワイルド。しかし二人の捜索は予想外の過去をあぶり出し、やがて巨大な闇へと辿り着く――。
主役二人の秀逸過ぎるキャラクター、全く先の読めない展開、衝撃の事実……アメリカで刊行されるや、主要メディアで軒並み初登場1位を獲得。過去作品はNetflixで次々に映像化され、世界にその名をとどろかせエンタメ界を牽引する大ヒットメーカー、ハーラン・コーベンによる傑作サスペンス!
解説は芸能界きっての海外ミステリ小説ファン・井上順さん。
(底本 2022年1月発行作品)
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Posted by ブクログ
前作『ランナウェイ』の主人公サイモン・グリーン、またこちらも前作に登場した女性弁護士ヘスターのTV番組収録シーンが序盤に展開する。ヘクターおばあちゃんは、本作では何と、そのままダブル主人公の一翼を担ってしまう。サイモン・グリーンの事件『ランナウェイ』と、本書は時期的にかぶっているらしい。
連作ではないのだろうが、ファンサービスか、作者の遊び心なのだろう。ちなみにハーラン・コーベンのノン・シリーズ2001年作品『唇を閉ざせ』では50代のへスターが登場するらしい。へスター・ファンとしては、件の作品は早速取り寄せねばならないだろう。
前作に続き、本書も全編に渡って作者の遊び心に満ち溢れているように見える。むしろ、それこそが円熟期とも言えるハーラン・コーベンの真骨頂なのかもしれない。
『ランナウェイ』では十代男女の殺し屋コンビ、アッシュとディーディーの殺人街道が、本編とは何の関わりもないかのように、本編に挿入されていた。そうした独特な場面転換によるあの不思議な構成は本作でも生かされている。
多数の多次元的な物語が、一つの小説のうちに交互に展開されるというディープかつ卍な構造が、徐々に全体を縦糸と横糸で編み上げてゆく構成と相まって、総体的に何とも言えぬ緊張感をじわじわともたらしてゆく。視点の転換。仕掛けられたいくつもの伏線と意外性。
本書のタイトルともなる主人公、その名もワイルドは、6歳から8歳と思われ、文明と離れた森の中で育った野生の少年として発見されたにせよ、本作スタート時点は、その34年後、文明社会に馴染み切った中年の男性として登場する。元は野生の生い立ちであったにせよ、今では孤独という名のこれ以上ない警戒心を抱え込んで、先端技術である警備システム、スマホと種々のアプリ、機械類など、野性とは真逆と思われるあまりに現代的な道具を駆使するテクニカルな隠遁者のような生活を送っている。
生活各所における警戒心と緊張と危機管理意識の細やかさは並ではない。日々の生活は、ゆるめては緊張させ、またゆるめる。異性との楽しみ、文化・技術への渇望、そうしたことへの躊躇は見えない。発達した独立自我のリズムで奏でられる見事な生活を信条としているかに見える。
一方で描かれるのは彼の生きる世界が、多くの瑕疵で綻びを産んでいる事実。少年少女たちの間で生まれる差別、虐め、失踪、暴力。大統領選を見据える野望を持つ男。取り巻き連のそれぞれの立場。TVメディア。メディアを操る者たち。過去の殺人。人種差別を下地とする冤罪事件。あってはならぬ悪と、未だ遂げられずにいる正義。本書のなかの世界は、様々な矛盾と不安定ささで燻り過ぎている。
野生の少年であった今や中年男のワイルドは、その中でひたすら優しさと明るさを維持しているかに見える。かくも頼もしく信じられるキャラクターの存在が、ともすればダークになりがちな作品を救済していくように見える。それは作者の優しさなんだろうとも思える。だからこそ多くの布石を回収してゆくストレートでカタルシス豊富な揚力があるのだろう、本作には。
本書ではワイルドと同等、あるいはそれ以上に印象的な闘志を見せるヘスターが目立つ。前作『ランナウェイ』でも頼り甲斐のあるベテラン弁護士として活躍して見せた彼女は本書ではワイルドと主役を分け合う存在感と魅力に満ちている。ハーラン・コーベンの最大の創造力を形に表した存在として、象徴的な存在だと思う。
本日、札幌オンライン読書会で様々な情報を仕入れました。ハーラン・コーベン初心者としては相当参考にさせて頂きました。深謝。
Posted by ブクログ
ある日忽然と姿を消した、いじめられっ子の女子高生ナオミ。冠番組も持つ豪腕弁護士のヘスターは、ナオミの同級生である孫のマシュウから、彼女の行方を捜してほしいと相談を受けた。何かを隠しているようなマシュウの態度を訝しみつつも、ヘスターは孫のために尽力を約束する。そんな彼女が協力を仰いだのは、幼い頃にたった独り森で育ったという過去を持つ、謎多き天才調査員ワイルド。しかし二人の捜索は予想外の過去をあぶり出し、やがて巨大な闇へと辿り着く――。
ついにヘスター弁護士が主役に。しかも、前作ランナウェイと同じ時間軸の物語。もう一人の主役、ワイルドが超人過ぎ。
Posted by ブクログ
幼少期に森で育った過去があるという謎めいた人物のワイルド。突然姿を消したナオミ。弁護士のへスターは孫のマシュウからナオミを探して欲しいと頼まれワイルドと共に調査を始める。タイトルからもう少し違う展開をイメージしていたけれどこの物語はどんどん広がりを見せて進むにつれて面白さを増していく。どの人物も魅力があり調査、事件の展開も予想がつかない方向へ行きその先に大きなものと対峙したりと飽きさせないものがある。著者の名前は知っていたけれど読むのは初めてで他の作品も読みたくなる面白さだった。ワイルドの造形や弁護士へスターの人柄など読みどころがたくさんある。
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小説・文芸
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